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2004.03.07

飛行機の達人を訪問する

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 数日前、野尻抱介さんから「中年模型飛行機クラブ?の人に」とメールが送られてきた。小美濃芳喜さんのところにいって模型飛行機や人力飛行機の話を聞きませんか、というお誘いだった。

 うおあっ、行きます、行きますとも!

 私が中学の頃、日大が開発した人力飛行機「ストーク」が2000mを超える当時の世界記録を出した。ストークを開発した「日大のお兄さん達」は模型飛行機少年だった私のアイドルであった。その中心人物が小美濃さんだった。

 というわけで本日は東京近郊の小美濃邸へ。同行したのは野尻さん他、野田司令こと野田篤司さん、そして牧野淳一郎さんという中年模型飛行機クラブの面々だ。

 自宅の前に、「目印に」とメッサーシュミットのノーズ部品が置いてあって、いきなりヤられる。メッサーシュミットだぜ、あれが欲しくならない男の子はどうかしているといっていいぐらいあこがれの車のパーツだぜ。小美濃さんが、「このエンジンは5回ばかり組み直しました」と、イギリスのスポーツカー「MGミジェット」のボンネットを開ける。一同「おおー」。そのまま玄関先で凝固してしまう。

 そうして始まった小美濃さんの話の面白いことといったらもうすごいのなんの。人力飛行機を作っていた頃の話。当時日大に集まっていたそうそうたる先生達の話——木村秀政、佐貫亦男、堀越二郎などなど。模型飛行機の話、自動車の話、自転車の話。ヨットの話。風洞の話。
 小美濃さんは高校時代、調布飛行場で試験をしていた日大の人力飛行機を見に行って「ちょっと手伝ってみないか」でそのまま人力飛行機開発にのめり込んでいったのだという。「リネット」から始まる人力飛行機の主翼桁の構造の話や、設計思想の全く異なるポール・マクレディの「ゴッサマー・コンドル」にしてやられた話、イギリス製のロケットエンジンや、自分で作ったパルスジェットエンジン、1965年ぐらいのアメリカ製プロポなどなど。時間はあっという間に過ぎる。

 「子供にどうやって物を作らせるか」という話でも盛り上がる。私が子供の頃は男の子という生き物はデフォルトで工作をするものと決まっていたが、最近はゲーム機やらカードゲームやらでそうではないらしい。そんなんではあかんではないか、ではどうしたらいいのか。そういうことについても小美濃さんは考え、色々と実行していた。

 ずっと私が考え込んでいた自転車の構造について、「そういうことをやってるんじゃ教えてあげましょう」とあっさりと解がでてきたのにはびっくり。はるか以前に私の考えていた問題と同じ問題にぶつかり、解決していたのだった。

 帰途、期せずして顔を見合わせ、「負けたね」とうなづき合う。小美濃さんの何がすごいってサラリーマン生活をしながら、さまざまな人たちと力を合わせて色々楽しく物を作り、遊び続けたということだろう。

 ああ。模型飛行機に夢中だった小学校から中学校にかけての感覚がよみがえる。もう一度あんな新鮮な時間を生きたいと思う。

 写真は1965年頃の4チャンネル・アナログプロポ(ラジコン装置)。アメリカ製でその名も「オービット」という。2チャンネルを電圧で制御、2チャンネルの送信のデューティー比で1チャンネル、さらに2チャンネルの切り替え周波数の変化でさらに1チャンネルと、2チャンネル分の帯域で4チャンネルの情報を送信する仕組み。操作系は一般的に使われているダブルスティックではなく、飛行機に特化したシングルスティックだ。基板がガラスエポキシだったり、コンデンサーにいかにも高品位のものを使っていたりと、丁寧に作られていることが分かる逸品だった。

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Comments

突然のメールで失礼します。金井と申します。「ポール・マクレディー」で検索していて、Webページを拝見させていただいています。小美濃芳喜さんとか木村秀政先生(学生時代に何度か食事をご一緒させていただいた)などの名前を見て、ついメールさせていただきました。
 私は、模型飛行機を趣味にしていて、小美濃さんと、垂直尾翼の無い翼竜の模型が実際に飛行できたのか話題にしたことがありました。二宮忠八のカラス機など、飛んだといわれていますが、復元するときには、垂直尾翼か後退角がついています。同様に翼竜の模型も見えにくい垂直尾翼をつけています。
 Discoveryチャンネルでポール・マクレディーによる翼竜模型の飛行を観たのですが、画像が不鮮明で垂直尾翼があるのかないのかわかりませんでした。もしも、ポール・マクレディーの翼竜機の詳細をご存知でしたら、お教え願えないでしょうか。

Posted by: Kanai Kiyoshi | 2007.04.08 at 04:05 PM

 金井さん、はじめまして。

 私もマクレディの翼竜模型は、ディスカバリーチャンネルの番組で見ましたが、垂直面は頭部側面しかないように見えました。確か頭部は後ろに大きく伸びていたっかと記憶していますので、重心から後ろの面積は、風見安定に効くのかも、と思いました。

 きちんとしたところは、分かっている人に聞くのが一番でしょうね。

 野尻抱介さんのところの掲示板
http://njb.virtualave.net/nmain.html

 あるいは、FF機愛好家の集まり「ランチャーズ」の掲示板
http://www.yp1.yippee.ne.jp/launchers/bbs/main.cgi?board=launchers_BBS

あたりが質問するのに適当かと思います。

 あまりお役に立てず申し訳ありません。

Posted by: 松浦晋也 | 2007.04.09 at 09:04 PM

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