ミツバチを観察する

5月8日
一日仕事。昼過ぎ、窓を開けっ放しにしているとミツバチが一匹部屋の中に入ってくる。うまく誘導して追い出せないかといろいろやってみたが、開いた窓で片側に重なっている窓ガラスの間に入ってしまった。
こうなるとたたきつぶした方が早い。ゆっくりとサッシを動かしてミツバチが出てきたところをティッシュで押さえる。哀れミツバチは絶命したが完全にはつぶれなかった。
ここで、以前野尻抱介さんのところに遊びに行った時、ミツバチの標本を見せられたことを思い出した。ダニが寄生した標本である。ミツバチには寄生ダニが付くことがあってダニにやられた巣は蜂蜜の生産量がめっきり低下する。野尻さんのところで実体顕微鏡で見た標本には、胸毛の部分にびっしりとダニがついていた。それは気味の悪い代物であったが、同時にひどく興味をそそられるものでもあった。自分の預かり知らないところで生命は絡み合っているということがものすごく面白かったのである。
私は実体顕微鏡を持ってはいないが、写真ポジを見るためのルーペは所有している。早速ミツバチの亡骸をルーペでしげしげと観察する。目当てのダニは付いていなかった。きわめて健康なミツバチである。胸毛の間からぽろりと花粉の塊が落ちる。このあたりだと、一体どのような花から花粉を集めているのだろうか。
精妙な複眼や、引っ張ると取れる毒針や(ミツバチの毒針は刺した相手の皮膚に残り毒を送り込み続ける。刺したハチもその後死ぬ。文字通りの「蜂の一刺し」)、脚に生えている毛などをしげしげと観察する。もう少し倍率が高ければもっと色々面白かったろうが、写真用のルーペでは限界がある。
ひとわたり観察して気分転換した後はまた仕事。
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