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2005.01.08

理想のメーラーを求めてさまよう

 1月7日は今年初の取材、八重洲の某社で2時間みっちりと話を聞く。

 昨日の話題と関連して自分のメーラー遍歴を思い出してみる。

 最初はフリーウエアの「Eudora」だった。
 思い出せばインターネットというものに初めて触れたのが1994年の秋(職場で新しいもの好きの某編集長がIIJと契約し、デモンストレーションを行ったのだった。9600bpsのモデムで北海道大学のホームページにアクセスしたのを覚えている。確かリンドウの花の画像が張ってあったのではなかったかな)、1994年の暮れに、ベッコアメの尾崎社長に取材に行ってその場で入会し、本格的にインターネットを使い出した。だからEudoraは1994年暮れから使い出したはずだ。
 Eudoraは今考えても傑作だった。当時のメール環境では何一つ過不足ない機能を持ち、しかも堅牢で信頼できた。その後2年以上、私はEudoraで何も不足を感じなかった。

 さすがにメールが増えて、Eudoraの画面インタフェースではつらくなった1997年の夏、一時期マイクロソフトが配布していた「Internet Mail3.0」に乗り換えた。現在標準的になっている3分割画面を取り入れた最初期のメーラーで動作も安定していた。忘れている人も多いだろうが、マイクロソフトはかつてマック用に優れたソフトをいくつもリリースしていた。「Word」も「Excel」も、元をただせばマック用に開発されたもので、ともに現在からは考えられないほど優秀でよくできたソフトだっだ。
 「Internet Mail3.0」はなかなか使いやすかったのだが、どうも時々妙な動作をした。どんな動作だったかはもはや記憶にないのだが、「これ、マイクロソフトに文句を言っても『仕様です』で終わりだろうなあ」と考えたのは記憶している。要するにそういう「妙さ」だった。

 そこで1998年に入ってから「クラリスメール2.0」に乗り換えた。これは使い勝手もよく、動作も安定している実によいメーラーだった。その後クラリス社は事業のあらかたを売却してファイルメーカー社になってしまい、サポートがなくなってしまったが、それでも私は使い続けた。

 が、クラリスメールには2000年問題未対応という問題があった。2000年の正月、「お前のところから来たメールがきちんと日付順にソートされないぞ」という苦情を貰った私は、「ARENA」に乗り換えた。
 ARENAはあの時期のマック用メーラーの最高峰といっていいんじゃないだろうか。それほどよくできたソフトだった。特にフィルター機能が充実しており、ここにいたって初めて、私はメールの過去ログを整理するということを始めた。
 ところがARENAも開発元が活動を停止してしまい、それ以上の発展が望めなくなってしまった。2003年に入るとスパムメールが急速に増加し、無視できなくなってきた。迷惑メールのフィルタリングができないARENAで、私は条件をあれこれ工夫して迷惑メールを阻止しようとしたがなかなかうまくいかなかった。

 2003年末、私はMacOSXに乗り換えたのをきっかけに、OS付属の「Mail」に乗り換えた。ARENAのような遊び心が皆無の、無味乾燥なソフトだったが、Mailにはかなり信頼できる迷惑メールのフィルター機能が付いていた。メールの検索機能が怪しく、検索中にたびたびダウンしたが、それ以外はOS付属というおまけ的位置づけにもかかわらず予想以上に使えた。

 現在は、そのMailとThunderbirdを同時並行して使用してみている。予備機のVaioにはQMailとThunderbirdをインストールして、同じく並行運用中だ。

 私がメーラーに求めるのは、まずは安定していること、そして長期間にわたってサポートされることだ。クラリスメールやARENAのようになってしまうと、どんなによいソフトでも困ってしまう。
 ことブラウザーやメーラーのような基本的なソフトに関する限り、開発者が企業である商用ソフトや、ソースコード非開示の個人制作フリーウエア・シェアウエアではいけないのではないだろうかという気がしている。オープンソースがいいのではないか、というのが私の現在の意見である。
 昨年、Windows用でかなり人気が高かったタブブラウザー、「Sleipnir(スレイプニル)」の作者のパソコンが盗まれ、ソースコードが失われるという事件が起きた。どうやら作者は後継ブラウザの開発を始めたようだが、過去の「Sleipnir」開発の成果は戻ってこない。
 
 オープンソースのThunderbirdは、果たして私の希望をかなえてくれるだろうか。

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Comments

個人的見解ですが……シェアウェアでも良いのですが、メーラーなどは長期間にわたって使うものですので、最初の一回お金払って終わり、ではなくて、開発体制を維持できるよう、小額でも年に幾ら、という形のチャージの方が使う方としては安心です。
ユーザの数が常に増え続けるなんてネズミ講じゃないんだから、長期にわたるシェアウェアの課金のあり方も考えて欲しいものではあります。

Posted by: 小熊善之 | 2005.01.08 at 08:59 PM

 私もいまsylpheedとThunderbirdを予備機で併用しています。それで感じるのは、異なるメーラ間でのデータの移動を容易にしてほしいということですね。
 実はLinux版のはThunderbirdはsylpheedから直接データを読みとるフィルターはないんです。ただmbox形式で過去メールを吐き出して、それを然るべきフォルダーに移せば過去のメールはすべて使える。手間はそれなりにかかりますけど。
 データの互換性があれば、仮にフィルターが未整備でも何とかなる。そうでなければ、メーラの乗り換えは事実上不可能になる。
 だからメール本体、スパムフィルター、アドレス帳などのメーラーに関する各種設定データの互換性の確保が欲しいですね。

 もっとも参照する過去メールの9割は3ヵ月以内のメールという傾向もあるので、メールは使い捨てと割り切ってしまうと言うのも一つの方法かもしれません。僕は割り切れませんが。

Posted by: 林 譲治 | 2005.01.09 at 12:11 AM

 日記本体ではなく、コメントへのコメントになってしまうんですが、メーラ同士のデータのやりとりは、ローカルにimapサーバを立ち上げると簡単になると思います。
 前提として移行元、移行先の両方のメーラーがimapに対応している必要がありますが、最近のものであれば、ほとんどが対応しているんじゃないでしょうか。
 Linux/Unixであれば、imapサーバの種類も豊富ですし。

Posted by: 加藤隆史 | 2005.01.09 at 11:41 AM

>過去メールの9割は3ヵ月以内のメールという傾向

 確かにそうなんですが、それでもメールログは保存したいですね。なにしろ日々を過ごしていくだけでできる日記みたいなものですから。
 メールログを失うのは記憶を失うのに近いと感じています。

Posted by: 松浦晋也 | 2005.01.09 at 11:41 PM

ttp://www.asvattha.net/soul/index.php?itemid=402

Posted by: ハードディスク化する社会 | 2005.01.10 at 04:53 PM

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