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2005.01.09

ぶつぶつおじさんになって文句をたれる

 8日は、宇宙開発史HPの新年会だったが連絡行き違いで場所が伝わらず、行くことができなかった。主催の桜木さんが連絡にフリーメールのアドレスをつかったところ、現在試行錯誤中の迷惑メールフィルタがはじいてしまったらしい。

 まあ、原稿が遅れているので「こういうこともあるさ」と原稿書き。桜木さん、申し訳ありませんでした。

 で、ちょっとうるさいおじさんになってぶつぶつ文句をば。

その1
 駅から帰宅する途中に一件のコンビニエンス・ストアがある。ここ、入店すると店主夫婦とおぼしきおじさんとおばさん、それにバイトもひっくるめて「いらっしゃいませ、こんばんわー!」とでっかい声で挨拶してくるのだ。それも入店する客一人一人に丁寧に、である。「いらっしゃいませ、こんばんわー」も繰り返せば「イラシャイアセ、コバワー」と聞こえる。
 うっとうしい。実にうっとうしい。コンビニというのは必要な時にしか声をかけない、ドライなところがよかったのではないか。
 声をかけるのはいい。機械的に声をかけられるのはうっとうしいだけだ。
 どうも店主夫婦は、これがサービスだと思っているらしい。いつ気が付くかと思ってみているのだが、一向に気が付く風もない。うっとうしいなら行かなければいいのだが、何しろ道すがらなのでついつい寄ってしまうのだ。で「イラシャアセコバワー」と攻撃を受けて、精神にダメージを食らうのである。

その2
 昨年の半ばぐらいから夕暮れになると、駅前に居酒屋のバイト君が立つようになった。駅を出て帰宅する人波にでっかい声で怒鳴り続けるのである。「居酒屋○○でーす。チューハイ、ビール、安くなってまーす」。無視されても無視されても怒鳴り続けるのだ。
 うっとうしい。実にうっとうしい。
 思わず思い出してしまったのが、オウム真理教最盛期に秋葉原の路上で傍若無人な呼び込みをやっていたマハポーシャ(オウムのパソコン販売部門)の連中のことだ。「チョーチョーチョーチョー、超激安、チョーゲキヤース、マハボーシャチョーゲキヤース」と延々とわめいていた。そういえば「DOS/Vマン」とかいう、アリイのバチモンキャラクタープラモのような着ぐるみを着て宣伝していたこともあったな。

 「イラシャイマセ」コンビニ、居酒屋の呼び込み、マハポーシャ、これらの共通点は、「声をかける」というコミュニケーションの手段を過激に使いつつ、実はコミュニケーションをとろうとしていないという点だ。「自分は声を上げている」という行為に自己満足しているだけなのである。それが証拠に正常なコミュニケーションは、声かけの後にすぐ双方向へと移行するが、彼らのは常に一方通行なのである。それも暴力的に。

 居酒屋も「早く無駄だということに気が付かんかな」と思っていたが、一向に止める気配もない。最近は「早くつぶれないかな」と内心で呪っている私がいるのだった。


 全くの余談だが、1994年頃、隣の編集部の記者がショップブランドパソコンの記事を書くに当たって「あそこもショップだろ」とマハポーシャに取材に行ったことがあった。素晴らしき哉記者魂。
 なんでも「うちのパソコンはヴィシヌ回路(記憶は定かではないがそんな名前だった)が付いているので速いのです」とかなんとか説明されたそうな。なんだそりゃ。

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Comments

衛星また保険掛けず
「ひまわり」後継機を来月打ち上げ
失敗なら損失163億円
http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20050107/eve_____sya_____011.shtml

気になる記事が有りましたのでお知らせします。
コメント欄に書くのは適当では無いと思ったのですが、ここに書かせてもらいました。

ロケット打ち上げと保険料の関係をblogで取り上げて頂けないでしょうか?
松浦さんの意見をお聞かせ頂けると幸いです。

この場合、保険を掛けないのは無謀なことなのでしょうか?

Posted by: k.mokuson | 2005.01.10 at 08:35 PM

 記事を読みました。30%か、これは保険をかけなくても無理ないな、というのが私の感想です。

 打ち上げ保険は、どこか一社の保険会社が幹事になって引き受け、それを「保険に対してさらに保険をかける」という形でどんどん再保険して、世界中の保険業界でリスク分散する仕組みになっています。

 そこまでしても一発失敗してしまった場合の業界の損失は大きく、時には引受人が破産するというようなこともあります。

 掛け金はロケットの信頼性で上下します。通常うまく運行しているロケットだと保険金額の15%ぐらいです。H-IIAの30%というのは、過去のほぼ上限で、いかにH-IIAが保険業界から信用されていないかを示す数字だと思っていいでしょう。

 この状況で保険をかけるか否かですが、すでにMTSAT-2が完成に近づいている現在なら、保険をかけないというのは妥当な選択だと思います。再開1号の打ち上げは慎重になりますし、JAXAもベストメンバーをそろえて打ち上げ隊を組むはずです。私も打ち上げそのものは心配していません。

 むしろMTSAT-1Rについては上がってからのほうが心配というのが、私の意見です。これは拙著でも指摘しました。

 軌道上での衛星の保険は打ち上げ保険とは別個のものとなります。その場合、一番の保険は金額的な保証ではなく、軌道上予備機をもつことですね。

 ところで、気象観測の継続を考えるなら、そろそろMTSAT-3/4の選定を考えなくてはいけない時期なのですが、国土交通省は検討作業に入っているのでしょうか。

Posted by: 松浦晋也 | 2005.01.13 at 02:59 PM

丁寧なご返答、ありがとうございます。
自己紹介をしていなかったので簡単に。
高校生の時に「H-Ⅱロケット上昇」を読んで松浦さんのファンになりました。
宇宙に関しては興味を持っていたのですが、日本の宇宙開発に関しては余り興味がありませんでした。
しかし、「H-Ⅱロケット上昇」を読んで、H-Ⅱロケットの開発に携われた人達の熱い思いに感動し、日本の宇宙開発にも興味を持ちました。

「H-Ⅱロケット上昇」を読んで、二つ印象に残っている部分が有ります。
一つは「H-Ⅱの開発で、2000億円を予定している、と言った日本のNASDA関係者にアメリカの宇宙開発関係者がエンジンだけでそれだけ掛る」と言われたというエピソード。
もう一つは、最後の方で日本人が1年に宝くじに使うお金と、パチンコが30兆円産業であるということ。
日本人が1年にギャンブルに使うお金と、日本の宇宙開発予算の対比が何とも…
寂しい気持ちになりました。

その後、nikkeibpで松浦さんの記事を発見し、読ませて頂きました。過去の記事を漁っている最中にこのblogに辿り着きました。

H-ⅡAロケット試験機1号機の打ち上げの時に、ほとんどのマスコミが「空打ち」という表現を使い、税金の無駄遣いというようなニュアンスの報道をしていました。あの様子を見て、宇宙開発に関する日本のマスコミの報道には期待できないと思いました。後失敗した時の叩き方も。

今回の記事もまた批判か、とうんざりしていたのですが、自分では判断がつかなかったので松浦さんにお聞きしました。

>ところで、気象観測の継続を考えるなら、そろそろMTSAT-3/4の選定を考えなくてはいけない時期なのですが、国土交通省は検討作業に入っているのでしょうか。

NHKの「あすを読む」で気象衛星などの重要な衛星は予備機を揃える方針になったと解説していました。これから先も予備機を揃えるんですよね?

Posted by: k.mokuson | 2005.01.13 at 07:57 PM

 もうあの本を書いてから8年経つんだなあ。読んで頂けて光栄です。時間は経つが著書は増えずで、情けない限りです。

>「あすを読む」で気象衛星などの重要な衛星は予備機を揃える方針になったと解説

 ああ、そうでした。失念していました。ご指摘ありがとうございます。

 でも本当に発注するまでわからんぞ、と思っていたり。あの国土交通省ですから。

Posted by: 松浦晋也 | 2005.01.16 at 12:49 AM

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