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2005.06.17

味覚を鍛えるということ

 どうも風邪が抜けなくてしばらく更新をさぼっていました。

 団藤保晴さんの「ブログ時評」に取り上げられたことで、アクセスが集まり、当該記事の「代用ビールに怒る」に様々コメントが付いた。この問題を多くの人が、その人なりに考えるのはいいことだと思う。

 「さすらいの食い倒ラー」やまけんこと山本謙治氏が、「やまけんの出張食い倒れ日記」に、この件へ援用できる記事を書いている。

グレート山菜三昧の日々(2005年06月13日)

 記事自体は山菜についてのものなのだが、以下の記述に注目したい。

 そして、山菜には必ずえぐみや苦みがある。これも重要なポイントだ。人間がデフォルトでは美味しいと思わない味がある。それを我慢して食べ続けていると、ある時点でいきなり「美味しい」と感じる瞬間が来る。こうやって味覚のダイナミックレンジが拡がっていくのだと思う。幼い頃から、糖分や油分といった、人間が学習しないでも美味しいと思ってしまうものだけで育てられてしまうと、こうした味覚のダイナミックレンジは拡がっていかないはずだ。そういう意味でも、山菜を食べるということは重要な文化だと思う。子供に山菜を食べさせるのは必須だと思うな。

 美味を感じ取る味覚は、先天的に与えられるものではなく、食文化の中で獲得するものであるという主張だ。おいしいものを食べていく過程で味覚のダイナミックレンジが広がる——おいしいと感じる感覚は、後天的に獲得するものというわけである。

 「代用ビール」を巡る状況も、この考えで理解することができるのではないか。本物を飲まなくては、本物を本物として味わう感覚は身に付かないのだ。

 違いの分かる味覚は文化である。文化を引き継ぎ損ねれば、美味は美味として認識されなくなる。そこに「安ければいい」「酔えるならなんでもいい」という考えが出てくる素地がある。

 同じ事は芸術にも言えるだろう。古美術に通ずるには古美術を観ろという。絵画を楽しむためには、様々な絵画を観ることが必要だ。様々な音楽を楽しむには、多種多様な音楽を聴いて耳を作る必要がある。

 意識して自分の感覚を鍛えましょう。そう私は思う。それが味覚であれ視覚であれ聴覚であれ、様々な情報を楽しむことができれば、それだけ人生は豊かになるのだから。

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Comments

> 「代用ビール」を巡る状況も、この考えで理解することができるのではないか。本物を飲まなくては、本物を本物として味わう感覚は身に付かないのだ。
 不味いと思えた代用ビールも、飲み続けているとある時突然美味いと思えるようになる、と論理展開するのかと、途中まで思ってしまいました。
 私自身は酒類はまったく嗜まないので、ビールについては語れません。もともと味音痴ですし。

Posted by: ROCKY 江藤 | 2005.06.19 02:45 AM

子供の舌は大人よりも苦味に敏感に出来ていて
誤って有毒な物を口に入れにくいようになっているらしいです
子供がピーマンを苦手とする理由もそれらしいです

子供に山菜の味を教育する時期には
いつ頃が適当になるのでしょうね

Posted by: 3200たか | 2005.06.19 05:36 AM

2回目のコメントです。

回転翼の会社に在籍しているkeiです。

味覚は文化というところで
「口中調味」とか「ばっかし食べ」
などの話題が昨年、挙がった事を思い出しました。
(たとえば、TBSのサイトなど)
http://www.tbs.co.jp/uwasa/20040919/toku.html


山菜という苦い物を食べる文化も、
主食の御飯とおかずとしての山菜を口中調味して食べていたから発達したのではないかと考え
子供の頃は、なかなか上手な口中調味ができないのでおいしく感じないのでは??
年を経て、何年もたつと、口の中の上手な配分が分かると山菜もおいしく感じはじめる??
とそんな仮説をたててみました。

となると・・・
御飯とおかずの関係と、お酒とつまみの関係がイコールであるならば、

ビールがおいしくなるつまみがあるように、
代用ビールがおいしくなるつまみと量があるのかもしれない??
そうすれば、代用ビールもおいしく感じられる筈?!ですよね。

(と、自分をなぐさめながら、軽いお財布を持って酒屋に行く今日この頃です・・・)

Posted by: kei | 2005.06.21 11:04 PM

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