甕出しの上澄み紹興酒を堪能する
昨夕は、神保町の新世界菜館で友人達と会食。目的は、紹興酒。
日本では紹興酒と言い習わしているが、実は餅米を紅麹で発酵させた黄酒のこと。黄酒のうち浙江省の紹興市で作られたもののみを紹興酒と呼ぶ。
実は紹興酒、発酵に使う甕の上澄みや底によって大きく味が異なるのだという。そこらへんで買う瓶詰めは、ボトリングの際に一切合切を混ぜてしまっているのだそうだ。
新世界菜館は紹興酒を甕で仕入れてている。つまり、甕の上澄みや底の濃い部分など、さまざま紹興酒を味わうことができるのだ。一人が、ここで上澄みの紹興酒を飲み、その味に感激したと言うので、「そんなうまいものなら俺も」「俺も」ということで会食となった次第。
で、その上澄み部分の紹興酒の味だが、実に素晴らしかった。すっきりしたさわやかな味で、上質のブランデーを思わせる。これを普通は混ぜ合わせて出荷してしまうのか。なんともったいない。
とはいえ、食事が進むにつれて、舌のコンディションが、この淡麗な紹興酒を味わうには向かなくなるということで、出してくれるのは最初の一杯のみ。
だから味わって飲む。舌で転がすように飲む。
もちろん食事も最高。うまいうまい。
その後は、甕の底のほうの紹興酒が出てくる。これがまた食事に合う。ずっと味が濃く、深く、幾分は渋みすら感じさせる味わいが、脂の勝った食事と相まって、我々を至福に誘う。
文化だよなあ。
生命維持のために食事に要求されるのは、栄養のみだ。だが、人間は栄養の摂取のみに満足できず、多種多様な食文化を作り出した。文明は必ず食文化を育んだ。逆に食文化のあるところには必ず高い水準の文化が存在するといってもいいだろう(その意味では、アメリカは私にとって野蛮の園である!!)。
この紹興酒の飲み方一つをとっても、中国が尊敬すべき文化を育んできたことが身体の細胞ひとつひとつで実感できる。
うまい酒とうまい食事で話題が弾む。素晴らしい酔い心地で、気分良く帰宅。
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Comments
考え方にもよりますが、アメリカのあれはあれで1つの食分化ではないでしょうか。
食料の種類に乏しい大地で生命維持としての食事をそのまま突き詰めると、ああなるのでは。
事実、ボストンなど良質の漁港のあるエリアの食事は大分まともです。
Posted by: 三十郎 | 2005.09.24 at 05:28 PM
あれはあれで、って「不味いという食文化」ですかーっ。
アメリカも田舎にいくと素材そのものでとてもおいしい食事がでるという話を聞いたことがあります。行ったことがないので、「そうだ」とは言い切れないのですが。
ボストンは行ったことがあります。有名なボストンクラブも食いましたが、塩ゆでのカニに死ぬほど溶かしバターをかけられたのには参りました。
まあ、ワシントンDCで一週間サブウェイのサンドイッチで命をつないだ者としては(他にまともに食えるものがなかった!)、アメリカの飯は不味い!!と力こぶをつくって叫びたいところです。
Posted by: 松浦晋也 | 2005.09.25 at 01:04 AM
後はプロテスタンティズムでしょうか。
食事は体を維持する為の物で、それに淫してはならない、と言う教えがあったと思います。
イギリスも食事に関しては酷い状態ですので、原因は同根かと
Posted by: 三十郎 | 2005.09.25 at 12:14 PM