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2005.11.29

「はやぶさリンク」:午後3時からの記者会見

午後3時から記者会見開始

 リリースが二通。一つが第二回着陸のまとめ。もう一通が現状の分析。

 川口 土曜日に着陸の結果と今後の計画について説明したが、もう一度、説明する。もう一通が気になるでしょうが、こちらから説明します。

 第2回降下の詳細です。「はやぶさ」の第2回着陸飛行の結果と今後の計画について

 2通目のリリース。現在はやぶさが陥っている状況について。

川口 探査機現状について。(ここでリリースを読む。「はやぶさ」の第2回着陸飛行後の探査機の状況について)。

 はやぶさのスラスターの配管は。分離可能なA系統B系統2系統の冗長系となっている。どちらか一方だけでも三軸制御が可能。11月26日の第二回着陸時の上昇において、B系統に切り替えて日本時間9時過ぎに逆噴射を行った際に、B系統スラスターからリークが発生した。このためA系B系両方の、弁を閉鎖し、はやぶさはセーフモードに投入された。
 リークが起きたのは探査機上面(ハイゲインアンテナがある面)のB系スラスターと推定。

 26日夜DSN、27日臼田の運用で、セーフモードからの復帰を目指したが、残るA系統スラスターが十分な推力を発生しなかった。このため姿勢制御を回復することができなかった。
 A系統で、弁トラブルによる閉塞か、配管内凍結が起きている模様。
 11月27日、運用終了時に再度セーフモードに投入して運用終了。しかし28日臼田局運用では、探査機とのコンタクトが取れず。
 本日午前10時過ぎ、ビーコン回線が回復。復旧運用を開始。現在テレメトリ回線の回復と再度のセーフモード投入を目指している。

 現状からすると、復帰のためには相当の時間がかかる模様。


 以下質疑応答です。

時事通信 スラスター12基のA系統B系統とは。

川口 A系統6基、B系統6基ということ。

時事通信 接地着陸とスラスタートラブルの関係は。

川口 ないと思うが、これは推測の域を出ていない。

時事通信 A系のトラブルの詳細は。

川口 我々もミステリーだと思っている。推進剤は残っており、きちんと圧力もかかっている。遮断弁も開いているという信号が帰ってきている。弁開閉は機械的な動きをセンサーで得ているので信号が誤っているとも考えにくい。
 A系推力の配管には断熱材が巻いてあり、探査機内部を走っている。ところが配管の温度が一部で非常に低温、マイナス30℃にも下がっていることが判明している。配管の熱的収支が変わってしまっているようだ。しかし、その部位が凍結しても、他のスラスターで姿勢制御ができるはずなのだが、その他のスラスターもまた推力が出ない。
 27日に送ったスピンをかけて姿勢を安定させるという命令が通っていた。しかしスピン状態ではスピン軸が地球をきちんと向いていないと、ハイゲインアンテナによる高速通信ができない。本日は1パケットの取得を目指して運用したが、結局取得できなかった。

朝日新聞 B系上面スラスターはいくつか。

川口 上面4つは、A系2つ、B系2つ。このうちB系の一つがトラブルを出している模様。現状ではAとBの両方が使えないという2つのトラブルが起きているように見える。こういう事例は宇宙開発でよく発生するが、往々にして単一の原因で2つの事象が発生していることが多い。
 もっとも、実際はどうなのかは先入観を持たずに故障原因を解明したい。

朝日新聞 地球への帰還への影響はどのようなものか。

川口 まず姿勢制御の回復に全力をあげる。

毎日 B系統トラブルは復旧が可能なものなのか。28日の通信不能というのはどういう状態だったのか。

川口 B系統が、リークを起こしたことは間違いない模様。B系統の遮断弁を閉じるとリークが止まった。
 例えばリーク部位のヒーターを止めて凍結するに任せてリークを防ぐというようなことも考える必要もあるかも知れない。しかし、現状判断に必要な情報が不足している。

 28日の段階では、探査機はミディアムゲインアンテナを使用していた。このため姿勢が大きく傾くと通信ができない。この場合、まず探査機の受信機を地上からの電波にロックさせる。地上局からの電波を周波数領域でスイープさせ、探査機の受信機をロックする。その後、地上からコマンドトーンというサブキャリアを送信すると、探査機上のコマンドを受け付けるようになる。これで、探査機のアンテナをローゲインアンテナに切り替えて、通信を確立する。

 探査機の姿勢が不安定な場合、この手順はなかなか通らない。何度か繰り返す必要がある。28日は、10回行ったが、通らなかった。今日はうまい具合に通すことができて、ローゲインアンテナでの通信が可能になった。


毎日新聞 復旧作業のタイムリミットはどうなっているか。帰還時期が近づいているはずだが。

川口 リミットはあるがまずは探査機を復旧させなくてはならない。努力はするが、はっきりといつまでに復旧できるかは分からない。もしも12月初旬にイトカワを出発できないとなると、別の手段を考えなくてはならない。

NHK 配管が低温になっているのはどこか。

川口 探査機の上面側の内側だ。こちらは太陽の入射があるのでそんなに温度が下がらないはず。非常に不可解な状況である。

NHK セーフモードに近い状態とはどんな状態か。

川口 セーフモードに入れる時に探査機を回転させ、次にスラスターで首振り運動を止める。今回は首振り運動を止めることができなかった。

NHK 姿勢制御なしで帰還できる可能性は。

川口 姿勢制御が回復しないと、イオンエンジンの噴射方向を決めることができず、帰還フェーズに入ることができない。いくつか選択肢はあるが、現状がまだ分からないのでなんとも説明のしようがない。

産経新聞 12月の帰還が不可能になった場合、帰還がありうるのか。

川口 4年待つと別の帰還タイミングが存在する。ただしそれだけ待つと故障可能性も上がるので、それがいいかどうかはまた考えなくてはならない。

NHK 今、はやぶさとイトカワの位置関係は。再度のセーフモード以降を指令するとはどういうことか。

川口 現時点では推測の域を出ていないがイトカワから数十kmのところにいるはず。26日時点では6kmのところにいた。行方不明と言うことは考えられない。地上局からきちんと捕捉できる。
 再度のセーフモード移行とは、通信回線を確保するということ。それにより、対策を打つ時間を稼ぐ。

エイヴィエーション・ウィーク NASAのDSNとの協力は考えているのか。もしDSNを使えない場合にはどうするのか。

川口 DSNによる支援は11月30日と12月1日に、34mアンテナの使用時間を確保している。現在NASAの70mアンテナを数日使いたい状況だが、これはカッシーニ、ボイジャーなどの運用に使っており、NASAもそう簡単には解放できない。リクエストしてみようと思っている。現在使えるローゲインアンテナで、1パケットのデータを取得するためには大きな地上アンテナのほうが良い。
 探査機運用のために、ハイゲインアンテナは必須ではない。観測データを高速にダウンロードするために搭載している。探査機運用にはミディアムゲインアンテナがあれば十分。そのためにはとりあえず1パケットのデータがあれば中利得アンテナで地球との通信が確立できる。その受信に、70mアンテナを使いたい。

ネイチャー 今回のエンジンの問題は第1回着陸での30分の着陸と関係あるのか。

川口 なんとも言えない。今日の段階では断定できない。

時事通信 NASAから着陸成功のお祝いは来ているか。

川口 世界中からたくさん来ている。が、現状がこれなので、なかなか返事しにくくて困っている。

東京新聞 次の判断、今後の見通しはいつ頃得られそうか。

川口 大変難しい質問だが、ひとつはDSN70mをつかうこと。この話が通れば1パケット取得はできるだろうと考えている。もしもDSNでも駄目ならば、例えば「のぞみ」でも行った1ビット通信を使って探査機自身が自分の状況を知らせるという方法を使うかもしれない。今日の段階では、いつまでにどうなるというのは言いにくい。

東京新聞 では、NASAの70mアンテナのリクエストを出すのが最初のオプションか。

不明 スラスターのリークが起きているのは燃料か、酸化剤が、

川口 燃料だ。A系で凍結しているのは、両方である。

不明 ヒーターはどうなっているのか。解凍にヒーターは使えないのか。

川口 ヒーターで暖めると隣はもっと高温になってトラブルが起こるということもあり得る。やみくもにヒーターを付けるのは危険だ。とにかく現状を把握しなくてはならない。

不明 第1回の着陸の際に、スラスターのヒーターセンサーに問題が出ていたが、それは関係あるのか。

川口 その問題は2回目の着陸の前に解消した。

不明 12月上旬までに帰らないといけないのか、どこまで引き延ばせるのか。

川口 帰るだけであれば、比較的12月中旬までは引っ張れる。最後にオーストラリアに降下させる角度が変わってくるのでカプセルに加わる熱量が増加する。これをどこまで許容できるかである。残念ながら、カプセルへの熱流入量の許容範囲は大きくない。

以上です。

Following is translation by Mr. nao. Thank you.

Rough translation. Please refer to the next post and the JAXA press release for details.

[Trouble occured in thrusters of both the system-A and the system-B]

At 3:00pm, The press conference released an announce as shown in the title above. Communication to the vehicle is being kept by beacon mode. Today's operation is now being executed after re-entry to the safemode.

Following is an abstract of the press release.

The thrusters consist of two systems, A and B, for redundancy. In ascending from the secong touchdown on 26th Nov., a leakage occured in the system B and Hayabusa entered to the safe mode. They tried to recover from the safe mode in operation via DSN at 26th night and Usuta on 27th, but the remaining system-A thrusters did not generate enough propulsion force.

It seems that some trouble in valve may cause obstruction, or the pipes may be frozen.

Operation on 27th Nov. ended by making the vehicle enter to the safe mode again, but they failed to contact the vehicle on the 28th.

After 10:00am today, the beacon line was recovered and they started the operation for recovery.


Following is translation by Mr,nao. Thank you.

Here I privide a rough translation. Sorry in advance for poor quality. If you find any mistakes or typos, please tell me.


The press conference started at 3;00pm.

I got two press releases, one for summary of the second landing, and one for current condition.

(snipped. details are available in JAXA website.)

Kawaguchi: The thrusters consist of two systems, A and B, for redundancy and can work separately. Even only one system can afford the three-axes control enough. In ascending from the second touchdown on 26th Nov., at reverse thrust after switching to B on around 9:00am JST, a leakage occurred in the system B. So we closed the valves in both A and B, and entered Hayabusa to the safe mode. We assume that the leakage occurred in the B thruster on the top (the side with the high-gain antenna) of the vehicle.

We tried to recover from the safe mode in operation via DSN at 26th night and Usuta on 27th, but the remaining system-A thrusters did not generate enough propulsion force. So we failed to restore the attitude control.

It seems that some trouble in valve may cause obstruction, or the pipes may be frozen.

Operation on 27th Nov. ended by making the vehicle enter the safe mode again, but they failed to contact the vehicle on the 28th.

After 10:00am today, the beacon line was recovered and they started the operation for recovery. Now we are trying to restore the telemetry line and re-enter the safe mode.

Looking at current situation, we think it takes considerable time for recovery.

Jiji Tsushin: What do A and B in the 12 thrusters mean?

Kawaguchi: Six for A and another six for B.

Jiji Tsushin; Is the trouble related to the landing?

Kawaguchi: I think it isn't, but it's a just speculation.

Jiji Tsushin: Please give us the detail for the trouble in system A.

Kawaguchi: We think it is a mystery too. Fuel remains enough and the pressure is proper. Signals sent to us says that the block valves are open. The errors in the signals are unlikely because we get the mechanical motion by sensors.

Pipes of the system A is installed inside of the vehicle, and covered with thermal insulator. On the other hand, we found that the temperature of a part of pipe is quite low to be -30 degree Celsius. It seems that heat balance of pipes are changed. But even if that part freezes, it is likely that other thrusters can afford the attitude control. However, other thrusters do not generate enough power too.

The vehicle accepted the command to stabilize the attitude by spin, sent on 27th. In spin state, however, incorrect facing of the spin axis to Earth inhibits the high-speed communication by the high-gain antenna. We tried to get one packet, and we failed.

Asahi Shimbun: How many B thrusters on the top?

Kawaguchi: The four on the top consist of two for A and two for B. One of B seems to be in trouble. Now it seems that there occur two troubles in A and B. Such incidents occur quite often in the space development, but in many cases the two derive from a single event.

Anyway, we'd like to investigate the cause without prejudice on how it is.

Asahi Shimbun; How does it have influence on the return travel?

Kawaguchi: We now will concentrate our efforts on recovery of attitude control as the top priority.

Mainichi: Can the trouble in B be fixed? How is the situation in disconnection on 28th?

Kawaguchi: I think it's sure that the system B had a leakage. The leakage stopped when we closed the valve.

For example, the leakage might be prevented by turning off the heater at the leakage point to let it freeze, but we have too little information to judge it.

Maybe, I think, the medium-gain antenna was used on 28th. A large inclination of the attitude inhibits communication. In such situation, first, we make the receiver of the vehicle to lock on the radio wave from earth. The vehicle sweeps the wave in the freq domain and locks the receiver. Then, after we send subcareer called command tone from earth, the vehicle get to accept commands from vehicle itself (?). Then the antenna was switched to low-gain one and communication is established.

This procedure doesn't work well and has to be repeated, when the
vehicle attitude is unstable. We tried 10 times on 28th and failed. Today we succeeded it and established communication by the low-gain antenna.

Mainichi: When is the time limit of the recovery operation? Time to come back is approaching.

Kawaguchi: Though there is a limit, what to do first is the recovery. We'll do the best but I'm not sure when it recovers. If the vehicle cannot leave Itokawa in early December, we have to consider alternative ways.

NHK: Which part of the pipes is in low temperature?

Kawaguchi: Inner side of the top of the vehicle. It is expected that this part is unlikely to be so cold. Quite strange situation.

NHK: What does the "state similar to the safe mode" mean?

Kawaguchi: In entering the safe mode, the vehicle is rotated and then the swing motion is suppressed by thrusters. This time, the swing was suppressed.

NHK: Is there possibility for return without the attitude control?

Kawaguchi: Without attitude control, the jet direction of the ion engines cannot be determined and it cannot enter the return phase. Although there are several alternatives, we can tell nothing without understanding the current condition.

Sankei: If the return in December is impossible, is there any possibility of return?

Kawaguchi: There exists another return timing after 4 years. But its possibility has to be considered because the risk of disorder increases after such long time.

NHK: How is the geometrical configuration of Hayabusa and Itokawa? And what does the re-entry to the safe mode mean?

Kawaguchi: It's just a speculation; Hayabusa is now several score kilometers above Itokawa. It was 6km on 26th. We don't think it is missing. We can track it correctly from earth.

Re-entry to the safe mode means the establishment of communication line. It allows us to temporize for next operation.

Aviation Week: Are you planning to use NASA DSN? What if you cannot use DSN?

Kawaguchi: As for DSN support, we reserved the 34m antenna on 30th Nov and 1st Dec. We'd like to use the NASA 70m antenna for a few days, but now it is used for operation of Cassini and Voyagers etc. and it's hard for NASA to release it. But we are planning to request it. Larger ground antenna would be suitable for getting one-packet data by the low-gain antenna available now.

A high-gain antenna is not always required for operation of the vehicle. It is installed for high-speed download of observed data. A medium-gain antenna is enough for operations. One packet data at least is needed for establishment of communication to Earth by medium-gain antenna. We want to use the 70m antenna to receive it.

Nature: Is this engine trouble related to the landing for 30 minutes in the first descending?

Kawaguchi: It's difficult to judge at the present.

Jiji Tsushin: Did you get congratulations for success in landing from NASA?

Kawaguchi: We get many from all the world. But we are now confused about what to answer under such situation.

Tokyo Shimbun: When are the next judgment or prospects available?

Kawaguchi: Very difficult question. One is usage of the DSN 70m antenna. If we can use it, we can get one-packet data. If it fails, we may use the way to notice the vehicle the condition of itself by 1-bit communication, which was used in the Nozomi mission. It's hard to tell you the concrete dates and prospect at this moment.

Tokyo Shimbun: Then, is the first option is the request for the NASA 70m antenna?

Unknown: Is it the fuel or oxidant that is leaking in the thrusters?

Kawaguchi: Fuel. Both is frozen in the system A.

Unknown: How is the heater? Can't you use heater to melt the freeze?

Kawaguchi: Temperature of the neighbor parts would raise accompanied with heating, leading to the risk of another trouble. Reckless heating is dangerous. Anyway we have to understand the current condition.

Unknown: There was a trouble in the heater sensor of the thruster in the first landing. Is it related?

Kawaguchi: That problem was solved before second landing.

Unknown: Must the vehicle leave Itokawa by the beginning of December? How long can it be extended?

Kawaguchi: We can extend it to the mid of December, if it has only to return. The angle for falling down to Australia will change and the heat on the capsule will increase. It depends on how much heat is permitted. Unfortunately, allowable heat influx to the capsule is not large.

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Here I privide a rough translation. Sorry in advance for poor quality. If you find any mistakes or typos, please tell me.


The press conference started at 3;00pm.

I got two press releases, one for summary of the second landing, and one for current condition.

(snipped. details are available in JAXA website.)

Kawaguchi: The thrusters consist of two systems, A and B, for redundancy and can work separately. Only one system can afford the three-axes control. In ascending from the second touchdown on 26th Nov., at reverse thrust after switching to B on around 9:00am JST, a leakage occurred in the system B. So we closed the valves in both A and B, and entered Hayabusa to the safe mode. We assume that the leakage occurred in the B thruster on the top (the side with the high-gain antenna) of the vehicle.

We tried to recover from the safe mode in operation via DSN at 26th night and Usuta on 27th, but the remaining system-A thrusters did not generate enough propulsion force. So we failed to restore the attitude control.

It seems that some trouble in valve may cause obstruction, or the pipes may be frozen.

Operation on 27th Nov. ended by making the vehicle enter the safe mode again, but they failed to contact the vehicle on the 28th.

After 10:00am today, the beacon line was recovered and they started the operation for recovery. Now we are trying to restore the telemetry line and re-enter the safe mode.

Looking at current situation, we think it takes considerable time for recovery.

Jiji Tsushin: What do A and B in the 12 thrusters mean?

Kawaguchi: Six for A and another six for B.

Jiji Tsushin; Is the trouble related to the landing?

Kawaguchi: I think it isn't, but it's a just speculation.

Jiji Tsushin: Please give us the detail for the trouble in system A.

Kawaguchi: We think it is a mystery too. Fuel remains enough and the pressure is proper. Signals sent to us says that the block valves are open. The errors in the signals are unlikely because we get the mechanical motion by sensors.

Pipes of the system A is installed inside of the vehicle, and covered with thermal insulator. On the other hand, we found that the temperature of a part of pipe is quite low to be -30 degree Celsius. It seems that heat balance of pipes are changed. But even if that part freezes, it is likely that other thrusters can afford the attitude control. However, other thrusters do not generate enough power too.

The vehicle accepted the command to stabilize the attitude by spin, sent on 27th. In spin state, however, incorrect facing of the spin axis to Earth inhibits the high-speed communication by the high-gain antenna. We tried to get one packet, and we failed.

Asahi Shimbun: How many B thrusters on the top?

Kawaguchi: The four on the top consist of two for A and two for B. One of B seems to be in trouble. Now it seems that there occur two troubles in A and B. Such incidents occur quite often in the space development, but in many cases the two derive from a single event.

Anyway, we'd like to investigate the cause without prejudice on how it is.

Asahi Shimbun; How does it have influence on the return travel?

Kawaguchi: We now will concentrate our efforts on recovery of attitude control as the top priority.

Mainichi: Can the trouble in B be fixed? How is the situation in disconnection on 28th?

Kawaguchi: I think it's sure that the system B had a leakage. The leakage stopped when we closed the valve.

For example, the leakage might be prevented by turning off the heater at the leakage point to let it freeze, but we have too little information to judge it.

Maybe, I think, the medium-gain antenna was used on 28th. A large inclination of the attitude inhibits communication. In such situation, first, we make the receiver of the vehicle to lock on the radio wave from earth. The vehicle sweeps the wave in the freq domain and locks the receiver. Then, after we send subcareer called command tone from earth, the vehicle get to accept commands from vehicle itself (?). Then the antenna was switched to low-gain one and communication is established.

This procedure doesn't work well and has to be repeated, when the
vehicle attitude is unstable. We tried 10 times on 28th and failed. Today we succeeded it and established communication by the low-gain antenna.

Mainichi: When is the time limit of the recovery operation? Time to come back is approaching.

Kawaguchi: Though there is a limit, what to do first is the recovery. We'll do the best but I'm not sure when it recovers. If the vehicle cannot leave Itokawa in early December, we have to consider alternative ways.

NHK: Which part of the pipes is in low temperature?

Kawaguchi: Inner side of the top of the vehicle. It is expected that this part is unlikely to be so cold. Quite strange situation.

NHK: What does the "state similar to the safe mode" mean?

Kawaguchi: In entering the safe mode, the vehicle is rotated and then the swing motion is suppressed by thrusters. This time, the swing was suppressed.

NHK: Is there possibility for return without the attitude control?

Kawaguchi: Without attitude control, the jet direction of the ion engines cannot be determined and it cannot enter the return phase. Although there are several alternatives, we can tell nothing without understanding the current condition.

Sankei: If the return in December is impossible, is there any possibility of return?

Kawaguchi: There exists another return timing after 4 years. But its possibility has to be considered because the risk of disorder increases after such long time.

NHK: How is the geometrical configuration of Hayabusa and Itokawa? And what does the re-entry to the safe mode mean?

Kawaguchi: It's just a speculation; Hayabusa is now several score kilometers above Itokawa. It was 6km on 26th. We don't think it is missing. We can track it correctly from earth.

Re-entry to the safe mode means the establishment of communication line. It allows us to temporize for next operation.

Aviation Week: Are you planning to use NASA DSN? What if you cannot use DSN?

Kawaguchi: As for DSN support, we reserved the 34m antenna on 30th Nov and 1st Dec. We'd like to use the NASA 70m antenna for a few days, but now it is used for operation of Cassini and Voyagers etc. and it's hard for NASA to release it. But we are planning to request it. Larger ground antenna would be suitable for getting one-packet data by the low-gain antenna available now.

A high-gain antenna is not always required for operation of the vehicle. It is installed for high-speed download of observed data. A medium-gain antenna is enough for operations. One packet data at least is needed for establishment of communication to Earth by medium-gain antenna. We want to use the 70m antenna to receive it.

Nature: Is this engine trouble related to the landing for 30 minutes in the first descending?

Kawaguchi: It's difficult to judge at the present.

Jiji Tsushin: Did you get congratulations for success in landing from NASA?

Kawaguchi: We get many from all the world. But we are now confused about what to answer under such situation.

Tokyo Shimbun: When are the next judgment or prospects available?

Kawaguchi: Very difficult question. One is usage of the DSN 70m antenna. If we can use it, we can get one-packet data. If it fails, we may use the way to notice the vehicle the condition of itself by 1-bit communication, which was used in the Nozomi mission. It's hard to tell you the concrete dates and prospect at this moment.

Tokyo Shimbun: Then, is the first option is the request for the NASA 70m antenna?

Unknown: Is it the fuel or oxidant that is leaking in the thrusters?

Kawaguchi: Fuel. Both is frozen in the system A.

Unknown: How is the heater? Can't you use heater to melt the freeze?

Kawaguchi: Temperature of the neighbor parts would raise accompanied with heating, leading to the risk of another trouble. Reckless heating is dangerous. Anyway we have to understand the current condition.

Unknown: There was a trouble in the heater sensor of the thruster in the first landing. Is it related?

Kawaguchi: That problem was solved before second landing.

Unknown: Must the vehicle leave Itokawa by the beginning of December? How long can it be extended?

Kawaguchi: We can extend it to the mid of December, if it has only to return. The angle for falling down to Australia will change and the heat on the capsule will increase. It depends on how much heat is permitted. Unfortunately, allowable heat influx to the capsule is not large.

That's all.


時間があったので,ついでに残りも一気に訳してしまいました.これまでのRogue Engineer 様や 5thstar 様よりずいぶん質が低いのはご容赦ください.
松浦様も丁寧なレポート大変お疲れ様です.
現場の方々の苦労は計り知れませんが,これまでのトラブル克服時同様,冷静で的確な判断ではやぶさを導いてくれるものと信じています.ともかく無事に帰還フェーズに入れるよう,祈るのみです.

Posted by: nao | 2005.11.29 at 07:30 PM

Revision in Line 7:
"Only one system can afford the three-axes control." should be corrected to "Even only one system can afford the three-axes control enough."

すみません,訂正です.
Only one system can afford the three-axes control.

Even only one system can afford the three-axes control enough.

Posted by: nao | 2005.11.29 at 09:11 PM

がんばって!星屑はどうなるんだよー ここまでのみんなの努力と期待と応援は、どこへ行くんだよー
きっと何とかなる。信じてるよ。絶対手立てを見つけられる。心から祈っています。

Posted by: 抹茶 | 2005.11.29 at 11:00 PM

一連の燃料供給系の異常に気になる点があります。 リアクションホイールの不具合に伴って、採用されたガス・スラスターの制御方法がもし非常に短時間単位の断続した間欠噴射によるものとしますと、不完全燃焼若しくは全く燃焼せず燃料と酸化剤の気化しただけのものを出していた可能性があります。 この場合、気化熱が奪われるが燃焼による加熱が無く、ノズル及び燃料供給系の温度が下がる一方になる可能性が考えられます。 2年以上も使用してきたものが、使用頻度が高いとは言えここに来て急にこのような状態になるのは、ガス・スラスターの運転シーケンスを変えたのが原因と考えますが皆さんはどう思われますか?

Posted by: yasaki | 2005.11.30 at 10:31 PM

小生、ど素人ながら。。
貴重な分析ありがとうございます>yasakiさん

素人考えですが、確かに、ご指摘されてる不完全燃焼と気化放熱の可能性は有り得るかも。

でも、今回のスラスタ制御方式を考案&実施したJAXA「はやぶさ」運用チームの努力あっての、「2度のタッチ&ゴー成功」ですよね。

今回のトラブルも、運用チームの頭脳陣が解決してくれると信じています。(関連各位にムチ打つ様で申し訳ないですが。。)
時間との勝負になってる様子ですが、がんばってください。。
「はやぶさ」クンを何とか、帰り道に乗っけてあげてネ。。。。

Posted by: てらぽん@藤沢 | 2005.12.01 at 12:28 AM

昨夜のNHK 拝見いたしました。適切な解説いただき、いろいろわかりました。あとは はやぶさが無事帰還するのを 祈るだけです。

Posted by: ウエノ | 2005.12.01 at 10:58 AM

yasakiさん, てらぽんさん

興味深く拝見いたしました。
そうすると、のぞみのヒドラジンのように、
ほっとけば融けたりするんでしょうか。
そうだったら良いのですが。

あと1~2週間の間に、もしくは次の4年後まで粘るか。
ビーコン運用と共に、探査機を見失わないように祈るばかりです。

Posted by: あきゆき | 2005.12.03 at 02:34 PM

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Tracked on 2005.11.29 at 07:00 PM

» はやぶさ・スラスタ異常,TBSの姿勢,Blu-ray話 [日々之日記]
_ [宇宙開発] はやぶさ・スラスタ異常 会社の帰り際に,姿勢制御不能、一時通信途絶=トラブル続発−地球帰還、楽観視できず・はやぶさ(Yahoo!NEWS,11月29日(火)17時1分)を,同僚に見せられ,(ちゃんと読まずに)第2回着陸後のスラスタ異常に関して記者会見をしただけ(特に新しい情報はない)だと思ってました。 しかし,「はやぶさ」の第2回着陸飛行後の探査機の状況について(JAXAプレスリリース,平成17年11月29日)にあ... [Read More]

Tracked on 2005.11.29 at 10:44 PM

» 「はやぶさ」スラスターの不具合で姿勢制御難しい状態に [CheshireCat Diary]
はやぶさ、地球帰還が微妙に 姿勢制御装置に不具合 小惑星イトカワで試料採取に成功した探査機「はやぶさ」について、宇宙航空研究開発機構は29日、「化学エンジンのジェット噴射装置が故障し、姿勢の制御が困難になっている」と発表した。原因は調査中で、状況を確認し..... [Read More]

Tracked on 2005.11.29 at 10:58 PM

» 小惑星探査機はやぶさ。ピンチ。 [Game's Factoryな日々]
今度はスラスタ異常 この間、小惑星からの試料採取を世界で初めて成功させた、 日本の小惑星探査機「はやぶさ」だが、今度はスラスタに異常が発生しているらしい。 JAXAのリリース、および松浦氏のL/Dブログによれば、 はやぶさのスラスタはA系6機、B系6機の冗長構...... [Read More]

Tracked on 2005.11.30 at 12:29 AM

» 「はやぶさ」の状況 [junのきまぐれ日記]
どうやら姿勢制御用の化学エンジンの燃料漏れが起きている模様。 ちょっと整理してお [Read More]

Tracked on 2005.11.30 at 12:38 AM

» 前人未踏のミッション [S1のページ]
 最近よく見ているBlogがある。「松浦晋也のL/D」というBlogで、先日小惑... [Read More]

Tracked on 2005.11.30 at 12:38 AM

» 前人未踏のミッション [S1のページ]
 最近よく見ているBlogがある。「松浦晋也のL/D」というBlogで、先日小惑... [Read More]

Tracked on 2005.11.30 at 12:42 AM

» [天文関連]「はやぶさ」、スラスターが2系統とも不調 [星のつぶやき]
http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/2005/11/3_dc16.html 26日の日記で小惑星探査機「はやぶさ」のスラスターに異常が発生したことを取り上げましたが、それと別系統になっている予備のスラスターも調子が悪く、いまだに姿勢制御が困難な状況が続いている模様です。この状態だと、メインエンジンであるイオンエンジンの噴射方向が定まらず、イトカワからの離脱すらままなりません。 地球への帰還を考えると、どんなに遅くとも12月中旬までには探査機の体勢を立て直してイトカワを... [Read More]

Tracked on 2005.11.30 at 01:37 AM

» Hayabusa needs help [5thstar_管理人_日記]
Dear Managers of NASA, Cassini and Voygers, As you know, JAXA/ISAS has apparently succeeded in the touch down and sampling maneuver of Hayabusa (fka MUSES-C) on [Read More]

Tracked on 2005.11.30 at 08:07 AM

» はやぶさガンバレ [スシの暗黒狂]
先日、まだだ!まだわからんよ!!などと書いたのが悪かった訳ではないだろうが、早速、トラブルが発生してしまった。 松浦晋也さんの「はやぶさリンク」 これがあるから、深宇宙探査は油断が出来ない。 しかし、ここまで来たんだ。何とかがんばって地球帰還軌道に入ってもらいたいものである。 JAXAスタッフとはやぶさ超ガンガレ!! ... [Read More]

Tracked on 2005.11.30 at 05:23 PM

» 松浦さんNHKにでる!! [気まぐれ日記]
NHK「クローズアップ現代」7:30-8:00いつもBLOG拝見の松浦さん出演夕 [Read More]

Tracked on 2005.11.30 at 08:25 PM

» [その他]探査機はやぶさ [3日坊主のメイドさん]
イオンエンジンの稼働も含めて、イトカワに到着した段階ではやぶさは100%の業務達成率となっており、以後のミッションは「おまけ」に相当するものであるはずですが、さすがに着陸&試料採取まで成功してしまうと、どうしても「欲」というやつが出てくるもので・・・。 TPS/Jメルマガ(([http://www.planetary.or.jp/:title]))より。 私個人の推定では、現在の「はやぶさ」は、セーフ・ホールド・モードに近い状態にあると思われます。ただし、スピン軸は太陽を向いていないで、ほぼその方... [Read More]

Tracked on 2005.11.30 at 09:15 PM

» 「はやぶさ」姿勢制御に異状 [PowerRhesus(in vitro)]
言葉通り前人未到の偉業を成し遂げようとしているけど、帰還にはまだまだ苦労がありそう。 これから地球に向けた最後の行程が始まるが、リアクションホイール3基中2基が壊れ、代替となるスラスターは推進剤残量が少ない。帰途も又、困難なものとなるだろう。 なんとか土壌サンプルを持ち帰って欲しい。 それにしてもすばらしくわくわくするプロジェクトだよ。 世界的にも注目を集めているプロジェクトながら、英語の情報が非常に少ないらしい。 このページでは翻訳がついているので、英語圏の人も 詳しい情報が見られま... [Read More]

Tracked on 2005.11.30 at 10:24 PM

» エンジン故障 [赤石青崩の七五調]
「ハヤブサ」よ我らの星に帰り来い君の辿れる足跡報せに [Read More]

Tracked on 2005.12.03 at 04:28 PM

» 宇宙:悠然たる世界に思うこと。 [けろやん。ブログ]
     宇宙は、かくの如くヤバイ(=凄い!)ところなのですが、日本が、世界に先駆けて、ヤルことヤッています。まずは、私の両親の出自がある四国から、日本酒が熱くなっちゃって大変だ、という話題。 県産宇宙酵母が“帰高” 露ロケットに10日間搭載 世界初の「宇宙酒」として売り出す計画。 世界初ですよ!いやいや、これは謙遜ですね。晩酌ホロ酔いで頬を染めた宇宙人さんがいないと仮定すると、なんと、「宇宙初の宇宙酒」ですよ!!凄い快挙ですね。そして、悪酔いして、舞い上がっていな... [Read More]

Tracked on 2005.12.04 at 04:35 PM

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