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2005.11.20

「はやぶさリンク」:着地はできず。88万人のターゲットマーカーの投下には成功

 16:00:00
 川口プロマネ登場

川口:
 はやぶさは、日本時間夜9時から降下を開始。その前からずっと降下を行っていて、21時ぐらいにイトカワから1kmを切ったところで「これより降下を開始」と宣言した。
 過去のリハーサルよりはずっと精度良く、探査機を目的地に向けることができた。
 最終的に本日午前4時半に「垂直降下」、400mから500mのところから、イトカワにむけて地球とイトカワを結ぶ方向に10cm/sでイトカワに接近するフェーズに入った。
 ここまで非常に順調、およそ1cm/s以下の制御ができたのではないかと思っている。

 そのまま54mまでを1時間をかけて降下。その間にG0と午前4時55分に判断している。

 54mはあらかじめ決まっている高度。ここでターゲットマーカーの拘束を解除した。ターゲットマーカーを留めているワイヤを切断。その後高度40mで本体が6cm/sだけ減速してターゲットマーカーを放出、約400秒後にターゲットマーカーは、イトカワ地表に到達したと思われる。

 35mでライダーからレーザーレンジファインダーに高度制御を切り替えた。レーザーレンジファインダーによる高度制御は今回が初めてだが、うまくいった。

 その後探査機はターゲットマーカーを撮影し、自律的にターゲットマーカーを目指して降下するという制御を行った。これも順調に行うことができた。

 高度55mのところで、レーザーレンジファインダーをつかってホバリングに入った。

 その後緩やかに降下し、17mで、本体の姿勢をイトカワ表面にならうように制御をかけた。ここでハイゲインアンテナによる通信は中断。ビーコンモードに切り替え、ドップラー情報による高度監視のみとなった。

 これ以降は、ドップラーの情報しか現在手元にない。

 探査機は2〜3cm/sで降下し、イトカワ表面にたいして水平にドリフトした軌道に入ったものと思われる。30分ほど、そのまま10m程度のところに滞在したものと思われる。このため、その他のデータからも、どうやらタッチダウンはしていないようだ。

 長時間イトカワ表面近くに滞在すると、イトカワ表面の輻射ではやぶさの温度が上昇する。このため午前7時頃にNASA局から上昇コマンドを送信した。

 この時に太陽電池パドルと太陽との角度が過大になったことから、はやぶさはセーフモードに入った。なぜこのようなことが起きたかは現段階では不明。

 その後、臼田局の可視を目一杯使って、スピンを止めることに成功したが、三軸姿勢の確立には至らなかった。明日以降、姿勢を確立する。従って、まだデータレコーダーのデータをダウンロードしていない。

 また、かなり高速に離脱したので、どうやらはやぶさはイトカワから100km近くまで離れた模様。これを元に戻すのは相応の日数がかかる模様。

 表面近くに長時間滞在したので、搭載機器にダメージが発生した可能性について、点検が必要となる。明日、明後日と機器の動作状態を確認する。

 大変惜しいところまでいったのだが、ホイールのない状態で遠隔地における探査機を高精度の精度で制御することができた。これは非常に大きなステップである。
 また、署名を載せたターゲットマーカーを無事、小惑星に届けることができたのは大変喜ばしく思っている。

 今後のスケジュールは、まずは探査機のテスト。正常ならばターゲットマーカーがまだ残っているので、再度サンプル採取にトライしたい。

毎日新聞 タッチダウンに至っていないという分析の根拠を聞きたい。

川口 はやぶさには、タッチダウンの時にはサンプラーホーンが変形し、それをきっかけとして動くソフトウエアが搭載してある。それらが動作していないことが、臼田で受信できたテレメトリから判明している。
 ただし、自律的に上昇していることから、姿勢に対する外乱が加わったことは間違いない。探査機のどこかが接触した可能性はあるが、現状では断定できない。

共同通信 地表面に水平にドリフトしてしまった原因は何が考えられるか。
川口 水平に移動したのではないかというのは、現時点での推測だ。タッチダウン最終段階の非常に低い高度で、はやぶさはターゲットマーカーを追尾しない。自由落下をして地表に着陸することになっている。ターゲットマーカーの追尾を打ち切った時点での横方向速度成分で、ドリフトする可能性はある。これは織り込み済み。ここから自由落下するはずだったが、なぜか地表に近づかなかった。

東京新聞 イトカワ表面にターゲットマーカーが見えていたということか。

川口 そう考える。これがイトカワにターゲットマーカーが着地した決定的証拠と考える。断言できないのはまだデータをダウンロードしていないから。
 ターゲットマーカーの分離、降下速度、ターゲットマーカーが撮影され追跡されているのも、すべて実時間で確認されている。

NHK タッチダウンしていないということだが、高度はどうだったのか。

川口 降下率を積分して降下量を求めると、イトカワ内部にめりこんでいるように見える。これは速報値で確実な値ではない。実際にめり込んでいるわけではなく、イトカワ自転と共に探査機が横にドリフトすれば、このようなデータが出てくる可能性がある。合理的に考えていった結果、これしかないだろうという推論だ。

NHK ソフトウエアが動いていないということは、弾丸を撃っていないということだろう。着地していないと言い切って良いのか。

川口 そうだ。どこかが接触したとしても、私としてはそれを接地とは言いたくない。

NHK 10mという高度の根拠は。

川口 17mというのは実測値。また、17mを計測した後も降下していったことが確認されているので、10m程度だろうと判断した。

NHK 姿勢が乱れた理由は。

川口 今のところ思い浮かばない。表面にならう姿勢の時には、太陽電池と太陽光の角度が大きくなるとセーフモードに入るというロジックをいったん切っている。しかしその後は、ロジックを入れるようにしている。そこで何があったのかは現状では分からない。

NHK 上昇をリアルタイムで感知できなかったが、セーフモードで上昇していたということか。

川口 このようなイベントが起きたのが、ちょうど臼田局とDSNの切り替えの時刻だった。後で臼田局で追跡して、このようなことが起きていると分かったということだ。

月刊天文 横ばいに飛んでいった時間は実際にはどの程度なのか。また地上からの上昇コマンドを打ったわけだが、通常ならそのごストップのコマンドを送信するはず、なぜ打たなかったのか。

川口 横にドリフトしていた時間が30分程度とモニターされている。その後上昇コマンドを打って16分後に届いているので、30分よりは長かったろう。調査中だ。
 ストップコマンドを打たなかったのは、セーフモードからの復帰が最優先となったため。

月刊天文 燃料残量はどうなっているのか。

川口 大分使った。今後の懸念材料である。が、今のところは残り一回のチャンスを生かしたいと思っている。

時事通信 25日の再降下は間に合うのか。

川口 25日に行うならば相当急がなくてはならないだろう。課題が多い。また、NASA局のアンテナ支援ができるタイミングでしかタッチダウンはできない。そのようなチャンスは非常に少ない。現状ではチャンスを有効に生かすべきと考えているが、もしも搭載機器にダメージが発生していたら、考え直さなくてはならない。

NHK アボートの条件がである、障害物接近センサーは動作していなかったのか。

川口 動作していない。

不明 かなり世界中から注目を集めているが、着地できなかったことにコメントを。また、再降下への意気込みを。

川口 残念だ。限られた機会で機能の確認をしつつやっていかなくてはならない。しかし、過去2回のリハーサルでは確認できなかったところをきちんと確認できた。レーザーレンジファインダーによる自律降下や、レーザーレンジファインダーによる姿勢の制御が確認できたことは大きい。
 我々としてはこれらがクリアできた時点で、着地間違いなしと思っていたが、奇妙な現象が起きてしまった。はやぶさはロボットとしては合格だと思っている。最終目的を達しなかったが、エンジニアリングでは、合格点だと思っている。
 再降下は、強くやりたいと思っている。

不明 リアクションホイール故障の影響は。

川口 最後の自由落下は、本来噴射を行わないはずだった。それがリアクションホイールの故障によって、噴射による外乱、つまり微小な並進運動を受けざるをえないということが、間接的に今回の事態に影響したことはあり得るだろう。再降下にあたっては、解析してみて決めることではあるが——乱暴な言い方だが——強制的に下に加速することも考えている。

東京新聞 はやぶさは何度まで耐えられるのか、実際に何度まで上昇したのか。

川口 電源を入れていて発熱していた機器はかなり危なかったと考えている。この影響は少なからずあるのではないかと考えている。当初、そんなに長時間、イトカワ表面に滞在する計画ではなかったので。何度まで上がったかについては、推定はまだだ。表面が約100℃なので、100℃以上に上がった機器もあるかも知れない。

#東京事務所へマイクが渡った。

朝日新聞 現時点で最もおそれている問題点は。現段階では25日再降下というスケジュールなのか。データを地上に降ろすのはいつか、今晩深夜までになにか分かる可能性はあるか。

川口 最終段階で起きた現象は解明しなくてはならないだろう。本当に分かるかは現状曖昧なところがあるが、下に加速をかけてでも再トライしなければならないのかな、と考える。その場合、今回と同じことができれば問題はないのではないかと考える。
 ただし同一地形の上空に誘導することができるわけではないので、地形による不確定要素はある。しかし、今回の成果を持ってすれば、できるものと考えている。
 25日間に合うかどうかといえば、今日時点では答えられない。しかし25日を目標にしたい。
 午前2時までに新しいデータがでることはないだろう。

朝日新聞 機体の一部が仮に接触して破損している可能性はあるか。

川口 現時点で確認できている機能については、大きなダメージがない。詳細は今後調査の必要がある。

毎日新聞 マーカーが地上に着いた推定時刻を知りたい。

川口 放出が午前5時46分。分離が高度40m、秒速10cmで分離されたので、分離から400秒後。だから午前5時50分過ぎである。

毎日新聞 30分ドリフトしていたというが、本来計画では何分だったのか。

川口 8分少々の計画だった。

読売新聞 54mでターゲットマーカーの拘束解除。40mで放出というのはどういう意味か。

川口 ターゲットマーカーは拘束を解除して、探査機を減速しないと分離しない。高度40mで探査機が6cm/s減速し、はじめてターゲットマーカーを分離する。このような面倒なことをするのは、ターゲットマーカーを正確な速度で降下させるため。

読売新聞 降ろしたのはミューゼス海でいいのか。

川口 そうだ。

産経新聞 もしも25日を逸した場合、次のチャンスはいつになるのか。

川口 イトカワ出発は12月上旬。したがって11月末から12月初めでチャンスを探すことになる。これは当方の都合だけで決められない。

#マイクが相模原に戻る。

NHK 地表面でドリフトしたのは推定ということでいいのか。地表付近で止まっていた可能性もあるのか。

川口 推定である。地表にめり込んでいるような速報値を合理的な説明を与えると、距離は遠ざかっているが、地表面に接地していない運動を考えざるを得ない。唯一合理的な説明は地表に水平にドリフトしたということである。

NHK 17m以下は自由落下したということか。ガス噴射はしていたのか。

川口 ガス噴射で姿勢を保ちつつ自由落下していたということだ。

NHK いくつかアボートの条件を前回教えて貰った。今の段階では、レーザーレンジファインダーの出力ロストによるアボートはあったのか。障害物はなかったのか。

川口 なかった。障害物はなかったのではなく、検出されなかったということ。ミネルヴァ放出時に、障害物センサーがミネルヴァを検出している。だから障害物センサーは正常に機能していたと考えられる。

NHK すると地表近くでアボートがかかる理由が分からないということでいいのか。

川口 すぐに推定できる以外の原因で、セーフモードに入ったのだろう。

NHK レーザーレンジファインダーは検出した平面の角度までは記録していないわけか。

川口 そうだ。

産経新聞 上昇時にセーフモードの上昇と地上からの上昇コマンドが両方効いたのか。

川口 そうだ。

NHK はやぶさはイトカワからどちら方向に離れていったのか。

川口 分からない。ミューゼス海の法線方向だが、それは地形による。またセーフモードは太陽指向なので、そこで噴射を行ってもきちんと止めることはできない。しかし、離れていくのを止めなくてはならないので、とりあえず不正確ではあるが逆噴射を行った。

NHK 通信機器などが20度以上上昇するのを確認したということだが、これはどれほどの時間で上昇したのか。

川口 20分ほどだ、その後30分程度、同じ条件だったので、全体では40度〜50度上昇し、80℃以上になったのではないかと考えている。

NHK 表面をずるずると移動したのではないのか。

川口 長時間障害物に接触し続けたという積極的な証拠はない。たとえそのような接触があったとしても、それは着陸ではない。

NHK 30分自由落下すれば、イトカワに接触するのには十分ではないか。

川口 そのはずだが、斜面をならうように飛んでしまったということじゃないかと考えている。

共同通信 25日にやるかやらないか、いつ判断するのか。

川口 その週の後半までずれ込むことはあるかも知れない。当日までずれ込むことはない。

共同通信 再降下で、今回と同じことができれば、できるというのはどういうことか。条件を緩めるのか。

川口 最後の部分は、そんなに難しいとは思っていなかったので、不可解だと感じている。どうしても解析ができなければ下方向への加速でリスク承知で着地させるかも知れない。まあ条件を緩めるということである。

#東京事務所にマイクが渡った。

不明 燃料消費はかなりきつそうだが、12月にイトカワを離れずに帰還を諦めてサンプル採取を行う可能性はあるか。

川口 私個人としてはその可能性は低いと考えている。サンプル回収までを含めたミッションであり、採取と回収はワンセットだ。

毎日新聞 ロボティクスでは良い成果を挙げたと言っているが、500点満点でどこまで達成できたと考えるか。

川口 途中で採点するのはいかがなものかと思うので、返答を避けたい。しかし、ロボティクスの成果に関しては、私は一定の満足感を感じている。

読売新聞 エンジニアリング的な2点を確認というのをもう一回確認したい。

川口 一口でいえば航法誘導機能。リハーサルの成果を生かして高い精度で実現できたこと。今日できた2とは、レーザーレンジファインダーで地形に対して姿勢と高度を制御できたこと、もう一つは画像処理で探査機をターゲットマーカーに向けて誘導できたということである。

読売新聞 ということは、無事データがダウンロードできれば、非常に高精細の画像が撮影できているということだろうか。

川口 今回はセーフモードに入ったので、うまく取得できているかわからないが、うまくいけば高精度画像が得られているはずである。

#相模原にマイクが移った。

フジテレビ 着陸できないと判断したのは何時頃で、そのときの雰囲気はどうだったかを知りたい。

川口 午前7時頃に上昇のコマンドを送信した時点で、これは着陸にいたらないかも知れないなと感じた。運用室の雰囲気は、「この段階まで到達して着陸が起こらないというのは不思議だ」というものだった。私自身も「ちょっと困ったぞ」と思っていた。

月刊天文 燃料残量がイトカワ到達時点で50kg。地球への帰還見込みはいつごろ立つのだろうか。燃料残量をどうやって推定しているのか。

川口 燃料残量は、タンクの圧力と温度でおおよそ計算できる。運用方法で燃料の消費量は大きく変わる。うんと消費量が少ない運用方法もあり得る。しかしそれで帰還できるかどうかは、はやぶさの状態と運用手順次第。それは全体の信頼性を削っていくということなので、どこまで削っていけばいいのかが要検討だ。
 帰還ができるかできないか、というよりも帰還ができるように消費量を削って行かなくてはならないということである。
 私としては、かなりきびしいところに来ていると感じている。

月刊天文 ハウスキービングデータというのはどういうものか。

川口 例えばタンクの温度や圧力、搭載機器に流れる電流・電圧などである。

的川 私が言い出しっぺだった、88万人の名前の入ったターゲットマーカーをイトカワ地表に届けてくれたことを感謝します。身内に感謝というのも妙ですが。私は様々なミッションを見てきたけれども、今回のはやぶさはハレー彗星探査以来の、新しい探査と運用に踏み込んでいく実感のあるミッションだ。
 実際にはやぶさチームは、夢中でよく分からないかもしれないが、少し離れたところから見ている私には、日本の宇宙探査が新しい段階に入りつつあると感じられる。

不明 次の記者会見はいつか。

的川 現時点では不明。今後調整したい。運用チームも休ませたいし、今日中は無理だろう。明日以降になるのではないかと思う。


 ぶら下がり取材を許さず、さっと川口プロマネは出て行きました。すでにNASAマドリッド局を使った運用が始まっており、早急に三軸制御を確立しなければならないためでしょう。

 本日、相模原のの書き込みはこれまでです。

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はやぶさリンク」カテゴリの記事

Comments

記者会見の内容が細かく知る事が出来嬉しいです。
ありがとうございます。

はやぶさの状態が心配です。
みなさんの努力が成功に繋がる事を祈ります。

Posted by: びっぐまむ | 2005.11.20 at 06:14 PM

おつかれさまでした。すごい記事量でしたね。

Posted by: 小川一水 | 2005.11.20 at 06:18 PM

運用を行っているスタッフのみなさんと松浦さんにはただ、ありがとうというだけです。

Posted by: 林 譲治 | 2005.11.20 at 06:38 PM

自由落下で横すべりした現象から、
最後の自由落下というプロセスに
計算に想定外の力学的問題がある
ような気がする。

着地には自由落下ではなく
やはり十分な下方向の推進力を
与える必要があるような感がする。

Posted by: dimension | 2005.11.20 at 06:38 PM

昨夜からほとんど寝ずに読んでました。
運用チームのみなさん、そして、松浦さんありがとうございました。

Posted by: まさと | 2005.11.20 at 06:47 PM

更新、お疲れ様です。
このような興味深い濃い情報が、
即日で知れることをうれしく思います!

困難に遭遇しつつ署名入りターゲットマーカー
の設置成功は素晴しい事ですね、
スタッフの方は激務なようで心配ですが、、

Posted by: ST | 2005.11.20 at 06:51 PM

連日の記事投下、素晴らしく嬉しいです。
マスの連中は「成功」か「失敗」かにしか興味がないようですが、そのようなモノに頼らずとも現場での質疑がそのまま読み取れるのでとても助かりました。

ともかく、「次」が巧くいくことを期待したいですね。

Posted by: n-yoshi | 2005.11.20 at 07:11 PM

ターゲットマーカーが無事イトカワに到着した
んですね!どうもありがとう。
はやぶさには、のぞみの分まで
頑張ってほしいです!!
みなさんも頑張ってください!

Posted by: yuu | 2005.11.20 at 08:15 PM

 はやぶさチーム、はやぶさ本体とDSN各局、そして松浦さん、GJです。ちょっと泣けてきちゃいますね。飾った言葉ではなく、伝える事実が人を感動させるんだなあ、と。

Posted by: 野尻抱介 | 2005.11.20 at 08:23 PM

今朝はjaxaのページをリロードしつつやきもきしていましたが、松浦さんのレポートを読んで様子がつかめました。ありがとうございます。

1つ1つの行程がみんな新しいので、結果どういう風になっても成果は得られているので、もう1回のチャンスを楽しみにしたいと思っています。

川口さんも含めてたくさんの会場の中で的川先生だけが、(まだ終わっていませんが)今回のトータルの成果についての正しい認識をされているような気がしました。

チャレンジャーの事故の時に、NHKで解説されたとき、いろいろなテレビ番組に関係者が出ていましたが、黒い服を着ていたのは的川先生だけだったのを思い出しました。

先生の人柄が今回の会見でも見られたような気がします。

Posted by: amygdalus | 2005.11.20 at 08:47 PM

The following is the (partial) english translation of this original text by Matsuura-san. (Sorry for poor english...)

2005.11.20
Landing not be confirmed, but succeeded at dropping target marker with 880 thousand people's signatures

16:00:00(JST): Project Manager, Prof. Junichiro Kawaguchi appeared.

Kawaguchi: Hayabusa started descending at 21:00 JST, Nov 11. In fact the descending had been started before and we proclaimed "start descending" when the altitude from Itokawa's surface became 1km. We could aim the probe to the destination much more precisely than the past rehearsals. Finally we entered the "vertical descend" phase at 4:30 JST Nov 12 at the altitude of 400-500m, descending with the velocity 10cm/s along the line from the Earth to Itokawa. Everything worked well in this phase and I think we could keep Hayabusa's speed within 1cm/s during this descend.

Hayabusa continued descending 1 hours and reached to 54m. At 4:55 JST in this descending, we made decision to GO the landing.

We had preseted the altitude to drop the target marker at 54m and we released the binding of the marker there, cutting the wire holding the marker. After that, Hayabusa deaccelerated 6cm/s at the alt.40m and released the target marker. We suppose the marker landed to Itokawa's surface after about 400 seconds.

At the alt.35m we switched the altitude control system from rider(?) to the laser range finder. We use the laser range finder for the first time for altitude control, but it worked well.

After that Hayabusa took the image of the target marker and descended to it autonomously. This also worked well.

At the alt.55m, Hayabusa hovered using the laser range finder. Then it again descended slowly and we operated Hayabusa to keep its attitude along the surface of Itokawa. After this we intermitted the communication by the high-gain antenna and changed to the beacon mode, in which we can only monitor the altitude through the Doppler shift of the signal.

So far we have only the data of the Doppler shift to know what happened after that.

We think that Hayabusa descended at the speed of 2-3cm/s and entered the orbit that drift horizontally along the surface of Itokawa. Judging by this and another data, Hayabusa seemed not to touched down.

When Hayabusa stays long time at near the surface of Itokawa, its temperature would be high by the radiation from Itokawa, so we send command to ascend at 7:00 JST from NASA's station.

At that moment, Hayabusa entered the safe mode because the angle between the solar cell paddles and the Sun became too large. The reason why this happened is unknown so far.

After that we've succeeded to stop the spin of Hayabusa using the whole time we can see Hayabusa from Usuda Station, but we have not recover 3-axial attitude control yet. We are going to recover the attitude after tomorrow. So we have not download the data of Hayabusa's data recorder yet.

Moreover, Hayabusa left Itokawa with fairly large speed, so it seems Hayabusa to be at the distance of 100km from Itokawa now. We will take several days to take back Hayabusa at the previous position again.

It also needs checking whether the on-board devices get damaged by the heat as Hayabusa stayed long time near the surface of Itokawa. We'll checkout that devices tomorrow and the day after.

We pressed hard on the target and we could operate Hayabusa at very high presicion from far distance in spite of the loss of reaction wheels. This is a great step for us. We are also very happy to deliver the target marker signatured by many people successfully to the asteroid.

The next in our schedule is a test of the probe first. If that's OK, we'll try to get the sample of Itokawa again as the target marker still remained on it.

Posted by: taro | 2005.11.20 at 09:26 PM

テレビニュースだと「失敗」しか報道されないので、松浦さんのブログはほんとにありがたいです。ありがとうございます。

素人の僕なんかが思うに、ここまでやったんだから大成功!と思ってしまいますが、宇宙研の人たちは諦めきれないでしょう。
あとチャンスは1回?かもしれませんが、ここまできたら3度目の正直で成功して欲しいです。

Posted by: あっきゃん | 2005.11.20 at 11:31 PM

はやぶさ、がんばれ!、がんばれ!、がんばれ!

Posted by: ki | 2005.11.21 at 12:50 AM

運用チームの方、松浦さん本当にお疲れ様です。
そしてターゲットマーカー打ち込み成功おめでとうございます。

記者会見の模様を毎回知る事ができ、ニュースで知るよりも、確かな情報が得られる事に感謝しています。
「次のチャンス」も是非、頑張ってください。

Posted by: N夫 | 2005.11.21 at 01:26 AM

松浦様、実況報道お疲れ様でした。

一般ニュースからでは読み取ることは難しいですが、松浦さんのブログを読むと着陸の技術自体は100点満点で80~90点ぐらい取れていると思います。
切羽詰ってくると、選択肢が限られてくるでしょうが、2回目のタッチダウンもがんばって欲しいと思います。弐の矢があれば今回の試験がもっと生きてくるんでしょうね。少し残念です。

また次回もよろしくお願いいたします。

P.S.
火曜日の放送楽しみにしております。

Posted by: キャス | 2005.11.21 at 01:36 AM

私の妻は昨年の秋にこの世を去りました。
彼女の名前を、無事に届けてくれてありがとう。本当にありがとう。

Posted by: 八木 | 2005.11.21 at 11:19 PM

うちのブログでも翻訳を逐次掲載しましたが、いろんなところに
松浦さんの記事が翻訳されたりリンクされたりしました。確認できただけでも英語、フランス語、イタリア語、ロシア語で松浦さんの活躍が言及されています。

http://5thstar.air-nifty.com/blog/2005/11/post_1389.html

松浦さんの記事は世界中の宇宙ファンのつぼにはまったようですね。ほんとうにお疲れさまでした!

ゲストブックにこんなメッセージが寄せられたのでお伝えしておきます。

[Name] : Hud Nordin
[e-mail] : hud@pobox.com
[URL] : www.01101001.com
[Message] : Arigato gozaimashita! Thank you for the English Translation of Shin Matsuuras commentary on Hayabusa. When JAXA was silent you kept us imformed. I know many people appreciate your efforts.

Congratulations to JAXA and the Japanese people for the accomplishments of Hayabusa! Good luck on the next sample attempt. You have a lot of people wishing you well.

Please pass on my thanks to Shin Matsuura, if you can.

Hud Nordin, Silicon Valley, California
(01101001 on Bad Astronomy Forum)

Posted by: 5thstar管理人 | 2005.11.22 at 08:02 PM

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Tracked on 2005.11.20 at 11:50 PM

» ターゲットマーカー投下成功 [ウクレレ日記]
が,試料採取は出来なかった模様です。次回期待{/face_fight/} うつらうつらしながらライブ映像見てたけど, 動きがほとんど無くて全然分からなかった。 NASAのシャトル打ち上げの時は動きがあって感動したけど。 もともと動きは見れないですからね。{/hiyo_face/} 「はやぶさリンク」:着地はできず。88万人のターゲットマーカーの投下には成功   ↑詳細が分かります。ニュースだとほとんど�... [Read More]

Tracked on 2005.11.21 at 12:05 AM

» はやぶさチームおつかれさま [5thstar_管理人_日記]
はやぶさとの通信が一時できなくなったというので心配したけど、松浦さんのブログで16時からの記者会見の様子を読むと、なんとかあともう1回、タッチダウンに挑戦できそうな雰囲気だ。よかった。 88万人の署名入りターゲットマーカーも無事、イトカワ表面に着地したようだし。名前が載っていた人たちは一安心、ってところかな。 JAXA... [Read More]

Tracked on 2005.11.21 at 01:05 AM

» はやぶさチームおつかれさま [5thstar_管理人_日記]
はやぶさとの通信が一時できなくなったというので心配したけど、松浦さんのブログで16時からの記者会見の様子を読むと、なんとかあともう1回、タッチダウンに挑戦できそうな雰囲気だ。よかった。 88万人の署名入りターゲットマーカーも無事、イトカワ表面に着地したようだし。名前が載っていた人たちは一安心、ってところかな。 JAXA... [Read More]

Tracked on 2005.11.21 at 01:54 AM

» 小惑星探査機「はやぶさ」報道に見る、「コンテクスト」を理解する知性 [make myself just as hard]
JAXA(日本宇宙航空研究開発機構)はいま、「はやぶさ」で一気に世界のトップランナーへと躍り出て、すごいことになっている。現時点(日本時間21日午前2時)では、昨日一度目の小惑星表面への着陸はうまくいかず再び上昇し、その後の探査機の姿勢の乱れを止めようとしているところのようだ。報道から目が離せないが、新聞各社の報道は非常に断片的で、彼らの記事から全体像を描くことは難しい。幸い、宇宙開発について多くの著作のあるジャーナリストの松浦晋也さんが、JAXAでの記者会見をブログに書き起こして下さっている! こ... [Read More]

Tracked on 2005.11.21 at 03:43 AM

» はやぶさ [雑感帳・塚田編]
ひとまずは残念な結果に終わってしまったようですね。それでも、ターゲットマーカーは無事、イトカワに到達したようですし、それに向かって自律航法での降下はできていたようですから、まったくの失敗ではないでし...... [Read More]

Tracked on 2005.11.21 at 11:45 AM

» 臼田で「はやぶさ」を応援するには [ただのにっき]
「はやぶさ」に言及する記事をけっこう見かけるようになってきた。近年にない注目度だなぁ。20日の記者会見を読んで、自宅でまったりJAXAや松浦さんのサイトをウォッチしているだけでは飽き足らなくなった人のために、「臼田詣で」をオススメしたい。 なりたさんも書いているが: 35年前、内之浦の人々が人工衛星打ち上げ成功を祈願して数多く神社に訪れたという話を思い出しました。暇と行動力のある御仁は、今からでも遅く... [Read More]

Tracked on 2005.11.21 at 03:09 PM

» [天文関連]「はやぶさ」着地できず [星のつぶやき]
http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/2005/11/88_e279.html もうすでに各所で報道されていますが、日本の小惑星探査機「はやぶさ」が小惑星イトカワへの着地&試料採取を20日早朝に試みたのですが、残念ながら着地はならなかったようです。このとき、小惑星からの太陽熱の照り返しで衛星は部分的に100℃近くまで熱せられたようで、機器への影響が心配です。 100℃っていったら、PCのCPUだって暴走しますからねぇ…( ̄w ̄;ゞ 燃料や地球への帰還軌道などの関係で、... [Read More]

Tracked on 2005.11.22 at 12:22 AM

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