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2006.02.05

「滑って」「転んで」の記憶が蘇る

 今週は雪の富山に仕事で行ってきた。帰ってくると茅ヶ崎も雪が降ったようだ。

 駐車場の自動車、住宅の塀、店頭の日よけ——あちこちに雪が乗っている。それもさらさらの、一切水を含んでいない乾いた雪だ。こんな雪を茅ヶ崎で見るのは初めてだ。寒い。本当に寒いんだな。

 道路のあちこちに雪が残って凍っている。

 恥の記憶が蘇る。1980年も寒い冬だった。私は高校3年の大学受験生で、共通一次試験という奴を受けることになっていた。
 試験当日、自宅の前の道路には大きな氷が張っていた。一緒に会場に行こうと、友人がやってきた。私は自宅前に自転車で出た。

 突如、妄想が頭の中にわき上がった。氷の上を、自転車ですーと滑走したら面白いのではないか。試験前にちょうど良い景気づけじゃないか。
 少し考えれば、自分の頭の中で「猿回路」が発動したことが分かったはずだ。だが、自分がバカなことをしているとは全然思わなかった。試験勉強でどこかが麻痺していたのだろう。きっとそうに決まっている。

 私は少々勢いをつけてから、自転車を氷の上に乗り入れた。

 当然滑りますわな。滑れば転びますわな。気が付くと私は転倒して、斜めになった路面を見ていた。友人がそれこそ凍り付いたような表情で私を見ていた。空気が冷たかったのは寒波のせいだけではなかったはずだ。

 その年、私も、一緒に会場に行った友人も浪人した。もちろん勉強不足のせいだ。決して滑って転んだからではない。断じて…

 数年後、「めぞん一刻」という漫画で、主人公の浪人生五代君が坂を滑り落ちるという場面を読んだ。

 ありがちだ、と私は深くうなずいたのであった。

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Comments

私が通った、北海道の実家の市内の高校が高台の上にありました。
高台なので裏側から来る学生にとっては平地なのですが、私の住んでいる側は低地側だったので、急な坂を登ることになります。
北海道の公立高校の受験時期ですから、当然雪というか氷というか。
受験の際にその坂で滑ったり転んだりするというのは別段珍しいことではなかったような記憶があります。
人生も折り返しを過ぎましたので、これからは人生でも物理的にもなるべく転ばぬように過ごせれば…と思っている今日この頃です。
(でもバイクのりですから、転ぶことに縁がないわけではないです。)

Posted by: PAKU | 2006.02.06 at 02:12 AM

微笑ましくて羨ましいです、が
恥を忘れないで居るのが一番ですよねー
慢心した時が本当に危ない。

Posted by: 1192 | 2006.02.06 at 02:16 AM

読みながら自分の高校時代を思い出しニヤリとしてしまいました。
どうしてまあ、あの頃はあんな無茶が出来たものだか、
凍ったカーブに果敢にも自転車で勝負を挑んでキズだらけで高校へ通った思い出があります。
当時はエネルギーがあまり余って仕方がなかったのでしょうか。
人生妙なところで何かに挑戦したくなるのは今も同じなのですが...

Posted by: POM | 2006.02.06 at 10:46 AM

先日は大変有難うございました。
日本列島がフリーザーに入れられたようですね。
やはり高校時代に、自転車で校門へ鋭角に曲がり損ねてこけ、
アスファルト上を滑ったことを思い出しました。
お風邪を召しませぬようご自愛ください。

Posted by: おばりん | 2006.02.06 at 07:43 PM

 共通一次。どうしてコンピュータが人間の都合に合わせるんじゃなくて,人間がコンピュータの都合に合わせなきゃならないんだ!と言う怒りの記憶しかないなぁ。

Posted by: 林 譲治 | 2006.02.07 at 11:01 AM

記事の「猿回路」という言葉に、アヤンキーを思い出しました。

松浦さん、「猿回路」発動防止のお守りにアヤンキーのぬいぐるみはいかがですか?
http://space-hobby.com/cgi-bin/cargo/goodsprev.cgi?gno=so6

ぬいぐるみが恥ずかしいのなら、アヤンキーのストラップにキーホルダーもありますよ。
http://space-hobby.com/cgi-bin/cargo/goodslist.cgi?in_kate=520

Posted by: 横山英明 | 2006.02.07 at 09:02 PM

>今週は雪の富山に仕事で行ってきた。
ご無沙汰しております。
富山へは、新幹線で越後湯沢へ、次いで特急「はくたか」で行かれたのですか?
来る2月18日に十日町で雪祭りが開催されますので、ぜひいらしてください。
雪祭りにはあややも来るので、アヤンキーのぬいぐるみを持っていったらサインをくれるかもしれませんよ。
おっと、2月18日は種子島へ取材でしたね。
打ち上げの成功が続くといいですね。

Posted by: 本田圭一 | 2006.02.07 at 09:34 PM

 おばりんさん、富山ではお世話になりました。ちったあお役に立てましたでしょうか。帰途、白エビの昆布締めなど、買ってきました。おいしかったです。次は冬の日本海を魚三昧で行きたいものです。

 猿回路というのは大学の後輩の造語です。彼は「お猿さん回路」とか言っていました。まあなんというか、バイクで突っ込んだコーナーで、思わずもっとアクセルを開けたくなったり、前を走るウイング付きスポーツカーを思わず追い越しちゃったり——まあそんなことをさせてしまう脳の中の回路です。

Posted by: 松浦晋也 | 2006.02.11 at 01:37 AM

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 高校物理の力学では、静止摩擦係数>動摩擦係数、と教わる。 私は自転車で高校に通っていた。途中、川を渡るため、橋の手前が上り坂になっている。ちょうど今頃の季節、寒い日は雪が積もり、昼間に少し溶け、夜の間に凍って、朝には道路がうっすらと凍ることになる。そ... [Read More]

Tracked on 2006.02.07 at 06:42 PM

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