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2006.10.24

財務省のご意見箱に投稿する

 10月20日のロフトプラスワン「はやぶさは飛翔した」においで下さった皆様、どうもありがとうございます。そして関心を持ってくれたけれども事情があり来られなかった皆様、また機会を作りたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

 参加された方は、現在「はやぶさ」同型機の「はやぶさ2」の予算折衝中であること。状況がなかなか厳しいことを聞いたと思う。

 そして、実現のためにどこにメールするのが有効かといえば、財務省ではないか、ということも。

 調べてみると財務省ホームページに、きちんと「ご意見箱」という投稿フォームがあった。

財務省「ご意見箱」

 そこで、イベントで口先だけ言いっぱなしというのもいけないと思い、意見箱に以下の投稿をしてきた。

  予算折衝となると、財務省主計局の文部科学省担当の主計官が相手となるのだろう。ただし1人とは限らない。というわけで、宛先は「主計局文部科学省担当御中」とした。項目は「予算・決算」だ。


小惑星探査機「はやぶさ2」予算についてのお願い

主計局文部科学省担当御中

 私は、ノンフィクション作家として日本の宇宙開発を調べているものです。

 仕事の中で、来年度予算において、独立行政法人・宇宙航空研究開発機構(JAXA)・宇宙科学研究本部(ISAS)が企画した小惑星探査機「はやぶさ2」の2007会計年度における予算獲得と計画立ち上げが非常に厳しいということを知りました。

 「はやぶさ2」は、第20号科学衛星「はやぶさ」(MUSES-C)の同型機です。「はやぶさ」は2003年5月に打ち上げられ、2005年11月に、小惑星「イトカワ」に対して土壌サンプル採取のためのタッチダウンを敢行しました。

 「はやぶさ」による小惑星探査は、世界に誇るべき成果を挙げました。アメリカの論文雑誌「Science」は、2006年6月2日号を全冊「はやぶさ」の科学的成果で特集を組みました。

 「はやぶさ」が探査した「イトカワ」は岩石主体のS型小惑星でした。「はやぶさ2」は、炭素が主体のC型小惑星の探査を行う予定です。
 地球や火星のような大きな惑星は、はるかな過去に地殻変動や溶融があったために太陽系初期の状態を失っています。しかし、小惑星は太陽系の始原そのままの状態を保っています。組成の異なる複数の小惑星を調べることにより、太陽系、ひいては我々の住む地球の来歴や未来に関する基礎的な知見を得ることができます。それは人類の未来に対する、大きな貢献となるでしょう。

 さらに、日本が「はやぶさ」によって世界で初めて挑んだ「小惑星の土壌サンプル採取」は、多くの日本国民に知的興奮と感動を与え、世界に日本という国の存在を示しました。

 小惑星への飛行には、地球と小惑星の位置関係から来る打ち上げ時期の制約があります。
 「はやぶさ2」は、その目的地を「1999JU3」というC型小惑星とした場合、2010年11月の打ち上げが必要です。探査機の製造とテストにかかる時間を考慮すると、2007会計年度からの予算措置が必須です。

 「はやぶさ」の成果を見て、米欧はその成果をしのぐべく、新たな小惑星探査計画を立ち上げつつあります。

 2007年度予算における「はやぶさ2」開発開始を一国民として希望し、財務省の配慮を願います。

 同時に、「はやぶさ2」予算化が、その他宇宙計画に影響を与えない形で行われることを希望する旨、付記するものです。

 財務省に直接意見するのには抵抗感もあったのだが、考えてみれば彼ら財務官僚が分配しているのは、元を正せば我々が支払った税金だ。だったら、金の使い方に意見することも躊躇するまでもあるまい、と思った次第。

 「なに勝手なことやってやがる」とか「松浦は、ISASをひいきするのか」とか、色々意見はあるだろう。

 が、正直なところ、単純に私は見たいのだ。

 「イトカワ」がどんなところか、「はやぶさ」が行ってみるまで分からなかった。あんなところだとは事前に想像すらできなかった。去年9月から11月にかけては、「はやぶさ」が送ってくる画像に興奮しっぱなしだった。

 「はやぶさ2」は、「イトカワ」とは異なるC型小惑星に向かう。

 これはもう、見たいじゃないか。小さなC型小惑星がどんなところか。まだ世界の誰一人として知らないのだ(やや大きめのC型としては、1997年にアメリカのニア・シューメイカー探査機が、小惑星「マチルダ」に対してフライバイ観測を行っている)。それは、またも最上級の知的興奮を与えてくれる体験となるだろう。

 だとしたら、「はやぶさ2」実現のために、税金を払っている日本国民として、財務省に意見する程度は許されるだろう。

 もしも、私に同感の方がおられたら、そして財務省に意見することにためらいがなかったら、「はやぶさ2」実現にむけて、財務省ご意見箱に、投稿をしては頂けないだろうか。

 特に組織票を投ずるというつもりはないし、大量動員を目指した運動にするつもりもない。あくまで「はやぶさ」に興味を持ち、「はやぶさ2」の実現が楽しみだという方が、一人1回ずつということで、お願いしたい。

 来年度の予算に一言ということになるので、遅くとも11月中に意見をして頂ければと思う。

#追記:なんでも100通ぐらいの意見が集まると、それなりの存在感を持つそうだ。

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2006.10.12

宣伝:10月20日(金曜日)と11月2日(木曜日)、ロフトプラスワンのライブトークに出演します

 いけない、気が付くとまた一ヶ月近く更新が空いてしまっている。

 この間、内之浦のM-V7号機打ち上げ取材を挟みつつ、ひたすら本を書き続けてきた。一昨日やっと脱稿したところ。12月発売予定です。発売間近になったら、この場で告知します。

 今回はロフトプラスワンのライブトークイベントの告知。

 10/20は「はやぶさライブ」第二弾。今回は、いかにして「はやぶさ」を小惑星イトカワに届かせたか、というテーマです。

 11/2は、アーティスト系の人たちと野田司令を迎えて、「個人の意志で宇宙に行くには」ということを話し合います。でるか、あのプロジェクトの進捗状況?
 ロフト斎藤さんが、色々な人に出演交渉をしているそうなので、もう少し出演者は増えるかも知れません。

●10/20(金)
宇宙作家クラブpresents
「はやぶさは飛翔した」

 昨年11月に小惑星イトカワへの着陸で、ぼくらを熱狂させた小惑星探査機「はやぶさ」。だが、「はやぶさ」がイトカワに向かうまでの道のりもまた途方もない挑戦だった。
 日本が初めて行ったイオンエンジンによる惑星間航行。
 そして、探査機が宇宙のどのあたりを飛んでいるかを調べて、イトカワにランデブーさせる軌道計画を立案するナビゲーション。
 JAXA宇宙科学研究本部の、イオンエンジンとナビゲーションのエキスパートを迎えて送る「はやぶさライブ」第二弾。

【Guest】國中均(JAXA/ISAS イオンエンジンを担当)、吉川真(JAXA/ISAS ナビゲーションを担当)

【出演】松浦晋也(ノンフィクション・ライター)、笹本祐一(作家/予定)、浅利義遠(漫画家/予定)

場所:ロフトプラスワン(新宿区歌舞伎町1-14-7林ビルB2 03-3205-6864、地図)

Open18:30/Start19:30
¥1200(飲食別)
当日券のみ

●11/2(木)
宇宙作家クラブpresents
「ロケットまつりS」
 宇宙開発は、国家機関だけのものか。国の事業でなければ宇宙には行けないのか。
 否、断じて否。
 宇宙に行きたいと思う者すべてに、宇宙開発を行う権利がある。
 自分こそが宇宙に行きたい連中が集まって、あるいは熱く、あるいは気楽に、宇宙開発を巡る本音を語る。

【出演】野田司令、松浦晋也、(ノンフィクション・ライター)八谷和彦(メディアアーティスト)、藤谷文子(作家/女優/予定)、笹本祐一(作家/予定)、佐藤大、他!

場所:ロフトプラスワン(新宿区歌舞伎町1-14-7林ビルB2 03-3205-6864、地図)

Open18:30/Start19:30
¥1000(飲食別)


 と、いいつつ、もう次の本の進行が始まっているのだ。ええ、仕事があるのはいいことです。本当に。

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