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2006.12.04

「はやぶさ2」実現に向けて

 小惑星探査機「はやぶさ2」の予算要求を巡る動きが激化している。
 「はやぶさ2」は、昨年小惑星イトカワへ着陸した探査機「はやぶさ」の同型機だ。イトカワは岩石を主体としたS型という分類に入る小惑星だったが、「はやぶさ2」は、炭素を主体としたC型小惑星へ向かう。現状では2010年に打ち上げを検討している。

 JAXAはやぶさページに11月29日付で「はやぶさ」の近況と「はやぶさ2」に向けてという文章が公開された。起草者の名前はないが、文章のタッチは川口淳一郎プロマネのものである。
 アメリカが小惑星サンプルリターン計画「オシリス(OSIRIS)」を立ち上げたことに強い危機感を感じていることがはっきりわかる文章だ。

 アメリカは「はやぶさ」が失敗すると判断し、自分たちが最初の小惑星サンプルリターンを行うつもりでいる。予算は4億2500万ドル(1ドル115円換算で、489億円)。「はやぶさ」は探査機本体が約127億円。打ち上げに使ったM-Vロケットが約70億円の、およそ200億円ほどを使った計画なので、規模として約2.5倍ということになる。

 文章中には「●もう追われる立場に:まるで逆なで...です。」「●はやぶさの成果もまた盗られてしまうのでしょうか。」という、厳しい現状認識を示す文言が入り、以下の悲鳴にも近い言葉で締めくくられている。


 応援してください、「はやぶさ2」。「はやぶさ」の成果があぶない。

 来年度の予算で、計画開始が認められないと「はやぶさ2」の出足は鈍り、「はやぶさ」の成果継承すら危うくなるという現状なのである。

 私が色々聞いた範囲での「はやぶさ2」の予算請求の状況は以下の通りだ。

 まずJAXA内部の状況

  • 「はやぶさ2」開発を2007年度に開始するにあたって初年度に必要な予算は、5億円以下(正確には4億数千万円程度)。そのほとんどは、相手国の輸出許可を取るために、時間的に先行して発注しなければならない海外製部品を入手するための予算。つまり、この分だけ来年度予算が付かないと自動的に2010年打ち上げはお流れとなる。
  • JAXA内部で、「はやぶさ2」に対する反対意見はほとんどない。誰もが「やるべき」と考えている。
  • しかし、2007年度JAXA予算請求における新規計画の優先順位で、「はやぶさ2」は3番目、実質4番目に位置付けられている。
  • 優先順位の1位は、地球観測衛星「みどり」「みどり2」を引き継ぐ地球観測計画「地球環境変動観測ミッション(GCOM:Global Change Observation Mission)」
  • 同じく1位で、スペースVLBI衛星「はるか」を引き継ぐ次期VLBI衛星ASTRO-G(VSOP-2)
  • 順位2位、実質3位は、航空機プログラムグループ静粛超音速機技術の研究開発
  • 「はやぶさ2」はその次。

 そして、予算を巡る財務省の対応は、だいたい以下のようなものだという。

  • 財務省は、「はやぶさ2」の実施に反対していない。JAXAの裁量で実施すればいいという考え。そのための独立行政法人だろうということ。
  • 財務省としては、2007年度JAXA予算案に強い不信感を抱いている模様。きちんとした既存計画のリストラを実施した上で、新規計画を立ち上げるべきところを、ずるずると失敗プロジェクトを引きずっていると見ている。
  • 槍玉に挙がっているのは「GXロケット」と「準天頂衛星」(現状では、私がどこに何を聞いても、この2計画は問題視されているという返事が返ってくる)。  他にも財務省が問題だと見ているプロジェクトは存在するらしいが、中でも上記2計画はかなり風当たりがきびしいらしい。どうも想像するに、「はやぶさ2」は上記2計画を削ってやればいい、ということのようだ。

 正直なところ、優先度の付け方が、旧NASDA、ISAS、そして旧NALとなっているあたり、まだまだJAXAの内部は縦割りできちんと構造改革がなされていないという印象を受ける。

 が、それはともかくとして、我々納税者に、「はやぶさ2」実現に向けて、できることはあるだろうか。


1)JAXA予算を増やす方向で、「はやぶさ2」計画実現を後押しする

 政治と行政の側に、「はやぶさ2」実現を訴えるメールを送る。送り先は以下の通り(なお、申し訳ないがスパム対策として、メールアドレスのアットマークは「あっと」と記述した。各自変換して送付してほしい)。


首相官邸、内閣官房、内閣府

財務省

文部科学省

2)JAXAの内部計画を整理することにより、「はやぶさ2」を実施できるだけの予算的余裕を確保する。

  • 立川敬二理事長、間宮馨副理事長:現在ホームページの問い合わせフォームはトラブルで停止中。広報の公開メールアドレス「profficeあっとjaxa.jp」に送付する。宛先は「JAXA理事長:立川敬二様、同副理事長:間宮馨様」


 以前財務省のご意見箱に投稿するにも書いたが、あくまで「はやぶさ」に興味を持ち、「はやぶさ2」の実現が楽しみであり、「はやぶさ」の近況と「はやぶさ2」に向けてに共感できるという方に、上記への意見送付をお願いしたい。

 ネットではマルチポストは嫌われるが、現実社会ではまだ対面によるコミュニケーションのほうが圧倒的に強い。これだけ多数に送るとなると、マルチポストを連想して嫌な気分になる人もいるだろうが(私も少々居心地の悪さを感じることを告白しておく)、相手は一人なので、これはマルチポストではない。それでも、送付する文面は相手の状況や興味を考えた上で、異なるものにしたほうが良いことは言うまでもない。大変ではあるのだけれど。
 もちろんリストアップした全部に意見を送る必要はない。自分なりに取捨選択して送ってもらっても構わない。

 送付先が多数になるので、くれぐれも間違いがないように。そして相手に失礼がないように気をつけて頂ければ幸いである。

 言い出した私が逃げるわけにはいかないだろう。私自身の送付内容については、後日このBLOGで公開することとする。

 なんといっても、私自身が、またあの素晴らしい体験をしてみたいのだから。

 最後にお願い。「自分は意見を出したよ」という方で、ホームページなりblogなりを持っている人は、この記事にトラックバック、ないしはコメントを付けて欲しい。後で「はやぶさ2実現に向けて」というリンク集を作りたいと思う。

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