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2007.09.29

ビンディングで走る

Pedal


 A-Bikeにうつつを抜かしていた今年の前半、いつも乗っているGIOSはどうなっていたかというと、写真の通りになっていた。

 ペダルの形が変わっている。ビンディング・ペダルにしたのである。

 通常のペダルは脚が固定されておらず、踏み込む時だけペダルに力がかかる。なんらかの方法でペダルを脚に固定すると、脚を持ち上げるときも、ペダルに力をかけることができる。使う筋肉が増えるので、それだけ力強く効率的に自転車を漕ぐことができる。

 脚を固定する方法には、トウクリップというのもあるのだけれど、最近は金属の爪のついた専用の靴を履き、爪が噛み込む専用のペダルと組み合わせて使用する、ビンディングが一般的である。

 ビンディングにはオンロード、オフロード、レース用など様々な種類がある。あまりレース指向のものは、靴底がカーボンで軽量化されており、自転車を降りた時に歩きづらい。完全に自転車に乗るため専用の靴となっている。
 そこでシマノのSPDというシリーズから、ツーリング用のモデルを買って装着した。ペダルとシューズ、合わせて1万円弱の出費だった。

 ビンディング・ペダルの中には、ペダルの表裏で、通常の靴と使い分けることが可能なものもあるが、私は両面ともビンディングになったものを選んだ。中途半端では、使いこなすことができなくなると思ったからだ。だから現在。私のGIOSは専用の靴を履いていないと乗ることができなくなっている。


 ビンディングでは、まずなによりもペダルから脚を外すことを覚えなくてはならない。
 脚を固定してしまったら、止まる時に倒れてしまいそうに思うが、その時は足首を軽く横方向にひねると、簡単にはずれる仕組みとなっている。
 いついかなる時も止まりそうになった場合に、無意識のうちに足首をひねってペダルをはずせるようにしておく必要がある。

 私は運動神経が鈍いほうなので、長い間ビンディングを使うのをためらっていた。今回の導入にあたって、実際の使用者数人に「転ばないかねえ」と聞いてみた。

 全員が「転ぶね」「絶対転ぶね」と答えた。

 早い話、全員が転倒の経験者だったのである。

 どうやら、こればかりは転んで覚えるしかないらしい。となると、車道に倒れたところに自動車が来るというような致命的な事態だけは絶対に避けるということに専心するべきだろう。そう、覚悟を決めて乗り始めた。

 まず、ビンディングの効果だが、これは抜群だ。自転車のグレードを上げた位の大きな変化がある。こんなに効果があるとは事前には予想もしていなかった。
 それまで約20km/hで走っていた力で25km/h以上の速度を出すことができる。一生懸命走るだけではなく、適当な速度で流す場合も、ずっとリラックスして走ることができる。
 ただし踏み込むだけではなく、脚を引き揚げる力も利用するので、脚を丸く回すという意識が大事になる。もっとも脚を丸く回すというのは、自転車本来の脚の使い方だから、きちんと自転車に乗るという意味では望ましい。

 シューズの底には金属の爪が付いており、歩くと床とこつこつあたる。しかし私が買ったシューズの場合、ほとんど違和感はない。これで山道をハイキングするとなるとつらいだろうが、街中を数km程度歩く場合には十分である。

 実際の走行では注意深く交通の流れを読んで、「これは脚を下ろすことになりそうだ」と思ったら無理をせず、いち早くどちからの脚をはずしておくことが必要だ。
 そんなに難しいことではない。いままで以上に注意深くなり、「無理をすれば行けそうだ」という判断をしていたところを「無理だ」と判断するように習慣づければいい。
 足首をひねるという動作そのものは簡単に覚えることができる。むしろ、どのタイミングで脚をはずすかという判断が重要になる。

 これまでに2回転んだ。どちらも自転車で街中を走っている時ではなく、帰宅して自転車を降りようとした時に、ついうっかり脚を外すタイミングが遅くなってしまい、ひっくり返ってしまったのだった。
 走っている時は緊張しているせいか、転ぶことはなかった。むしろ、「やれやれ、帰ってきたぞ」と緊張が抜けたところで、「あれれ、脚がはずれないぞ!」となって転んだのである。

 ここ半年ほどは、転ぶこともなく快調に走っている。専用の靴を履くというのも、ちょっと慣れればいいだけの話で、特に不便になったという印象はない。使いこなせずに転倒する危険よりも、ビンディングを導入したことで、走ることが楽しくなるというメリットのほうがはるかに大きい。
 これほど簡単に、大きな効果が得られるなら、もっと早くから使ってみるべきだったというのが率直な感想である。

 実際問題として、高校生になったら学校で自転車教室を開き、ビンディングの使い方を教えても良いのではないかとすら思う。

 ビンディングを自転車に乗るための基礎的技能と考え、自転車は専用の靴を履いて乗ると習慣づければ、タバコ吸ったり携帯電話を使ったり音楽を聴いたり道の右側を逆走したりといった、マナーもモラルもない暴走自転車を減らせるのではないだろうか。

 というわけで、今のところ私は、サイクリングをするのも、ちょっと買い物に行くにも、ビンディングを使って走り回っている。
 これは自転車にとって、偉大な発明だ、と思いつつ。

楽天内のビンディングペダル一覧

楽天内の自転車用シューズ一覧

 一応楽天にリンクしておくが、種類が多く、また体にきちんと合ったものを選ぶ必要があるので、自分が自転車専門店に赴き、試着した上で購入することをおすすめする。ロードレース用からBMX用、サイクリング用と様々な種類があるので、自分の自転車の乗り方を考えて選ぶこと。

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