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2008.03.01

BD-Frog;3ヶ月目の報告

Frog_in_lakehamana

 忙しさにかまけていると、すぐに更新の間隔が一ヶ月単位で空いてしまう。

 リハビリも兼ねて、BD-Frogのことを書く。

 昨年の12月13日に入手して以来、なんだかんだで300kmほど走った。使い勝手は良好、極めて快調である。1日の最大走行距離は、浜名湖一周をした時の約70kmほど。30km程度なら構えずにごく普通の自転車のつもりで走ることができる。
 なにより走るのが楽しい。タイヤが小さいからだろう。出足がいいので、メリハリのついた走りをすることができる。なかなか良い買い物をしたと思っている。
 写真は1月に浜名湖一周したときのもの。
 

 以下、A-Bikeの時と同じく。Q&Aの形式でインプレッションをまとめる。

 前提条件として、私のFrogは走行の基本部分を改造していることに注意して欲しい。変速機はシマノ・カプレオで外装8速化してあり、前後のサスペンションは、サイクルハウスしぶやスーパーハードスプリング(フロント)・ハードスプリング(リア)に交換してある。ブレーキもカプレオだ。
 また、タイヤはオリジナルのものからシュワルベのシティジェットに交換した。シティジェットはFrogの開発元である独r&mが、わざわざシュワルベに作らせた専用タイヤ。なぜか日本では装着して販売してはいなかった。


よく走る?
 上記の改造が前提条件、少なくともサスとタイヤの交換(1万2000円コースだ。しぶやで車体を買うとフロントのスプリングは無料になる)は必須だが、その限りにおいてはとてもよく走る。ママチャリは軽くしのぎ、フラットバーハンドルのコンフォート系サイクルと同等以上といっていいのではないかと思う。

直進安定性は良い?
 明らかに普通の自転車よりも悪い。手放し運転は私には無理。走り始めは気をつけないとふらつく。ただし走り出せば気になるほどではない。

下りで飛ばせるか?
 かなり飛ばせる。もっともホイールベースが短く、安定性はどうしてもその分悪いので、長い坂をがんがんペダルを回して猛スピードで下るのは危険だ。お薦めしない。普通の自転車程度に普通に走る分には問題ない。

上り坂には強いか?
 現状では、ギア比がかなり低い。私の軟弱な脚でも平地風なしでトップから2段目を常用する程度。すこし脚に自信があればトップ常用になってしまうだろう。したがって上りはまず問題ない。私ですら一番低いギアを使うことはめったにない。逆に言えばフロントをもう少し大きくしてもいいだろう。ちなみに現状でフロントはオリジナルと同じ52Tが入っている。

段差に弱くはないか?
 太めのタイヤとサスペンションの効果だろう。舗装路を走る限り全く問題ない。歩道の段差も通常の26インチ以上の自転車と同じ感覚で乗り越えることができる。

ライディングポジションは窮屈ではないか?
 もともと身長2mのドイツ人が乗れるよう設計されたとしか思えないぐらいに、ハンドルもシートポストも延びるので、いかようにでも調整できる。逆に言えば一般的な日本人が乗るならば、オプションパーツの投入で、かなりの範囲で好みに調整することが可能。私はハンドル低め、シート高めにしてやや前傾ポジションにしている。

変な形をしたエルゴノミック・グリップは効果ある?
 これは、今回の大きな拾い物だった。やや前傾の姿勢を取ると非常に効果があり、手のひらが疲れない。多くの人にお薦めします。バーエンドの付いたものもあるので、今後少しずつ試してみるつもり。
私が使っているGP-1S。値段もお手頃。フラットバーハンドルの自転車にお薦め。

レースグリップGC2S。長距離を乗るには、持つ位置を変えられるので、こちらのほうが適当かも。折り畳み時に干渉する可能性あり。

エルゴン レースグリップ GX2 カーボン。とても軽くて無茶苦茶高い。

同マグネシウム。まだ高い。

普及モデルの同GR2。格好が同じなのに材質が違うだけで大きく値段が異なる。

がんがん漕げば飛ばせる?
 脚力とギア比次第では、と言っておこう。実際サイクルハウスしぶやのスピードドライブを入れた試乗車は「40km/hで走れる」との評判だ。フレーム剛性がかなり高いので踏み込んでもフレームがよれるような感覚は一切ない。
 またBD-1の欠点だった、フロントフォークの剛性感の低さも感じない。おそらくフロントフォーク自体がタイヤに合わせて小さくなっているので、結果として比剛性が向上しているのだろう。

乗り心地は良いか?
 意外なぐらいに良い。高剛性フレームにサスペンションというモールトンにも似た基本構成と、太めのタイヤの組み合わせが効果を上げているのだろう。もちろん価格差からも分かるだろうが、モールトンのようなシルキーライディングを期待してはいけない。あれに比べればかなりがさつではある。

ロードレーサーに対抗できるか?
 無理。事前の予想以上によく走る自転車だったが、所詮は折り畳み自転車だ。走ることにすべてを集中したロードバイクにかなうはずがない。ただし、乗り手の脚力とセッティング次第では、初心者の乗るロードバイクを追走するぐらいはできるだろう。

前輪を外す改造をしているけれど、畳むのは面倒ではないか?
 慣れの問題だ。慣れると、自転車の金属部分を一切地面につけずに、手でもったまま広げることができるようになる。畳むほうも問題はない。少々手間が増える程度と思って欲しい。

輪行は楽か?
 BD-1に比べるとかなり楽。BD-Frogは小さいくせにBD-1とほぼ同じ重量があるのだが、それでも輪行は楽。容積が小さいので、まず肩から輪行バッグを提げたままで駅の自動改札を通過することができる。また、座席に座る際も、自分の座った前のスペースに置いてもかろうじて邪魔にならない。もちろんラッシュ時に輪行するようなことは避けるべきだろう。
 輪行の容易さは重量だけでは決まらない。軽いことに加えて、容積が小さいということも物を言う。

AZ-1に搭載できるか?
 すいません。まだやってません。やったら報告します。

 BD-Frogは、昨年で生産を終了してしまったモデルだ。すでに楽天では売り切れてしまっている。店頭在庫はまだ残っているようで、サイクルハウスしぶやのHPでは在庫あり。人気のルミナスグリーンだけが「3月下旬入荷」となっている。

「よく走る自転車のようだし、自分も欲しい」と思った人に、「これは絶対お薦めです」と言えるかとどうか。
 言えない。なぜならば、消耗部品の供給に不安があるからだ。BD-Frogは、12インチのタイヤを装着している。このサイズのタイヤは子供用の自転車ぐらいでしか使用しない。世界的に見ても本格的な自転車は、このBD-Frogぐらい。それ以外ではブリジストンのワンタッチピクニカぐらいしか、私には思い浮かばない。

 ここで問題になるのはタイヤの「シティジェット」の供給がどうなるかだ。「よく走る」というインプレッションは、シティジェットあってこそなのである。BD-Frogが生産中止になった今、シュワルベがいつまでこのタイヤを供給してくれるか分からない。

 その意味では、BD-Frogは「このスタイルがいい」「どうしてもこれに乗りたい」「これに乗れるなら多少の苦労なんて」という人にしかお薦めできない。私の場合は「とにかく可能な限り小さくなってAZ-1に載り、なおかつ良く走る折り畳み自転車が欲しい」というところからBD-Frogに行き着いたが、そもそもABCC(AZ-1、ビート、カプチーノ、コペンの軽スポーツカー達)に折り畳み自転車を載せたいなんて人はそうはいないだろう。

 単純に「よく走る折り畳み自転車が欲しい」ならば、同じr&mのBD-1なり、ジャイアントMR-4Fなり、ダホンバイクフライデーの一連のシリーズをお薦めする。「小さくなる折り畳み自転車」ならブロンプトンもあるし、バイク技研のYS-11も、いい自転車だ。軽さを追求するなら、パナソニックのトレンクルだってある。

「どうしてもBD-Frogが欲しい」という人にのみ、「この自転車は良く走りますよ」と自信を持ってお薦めする。ただしその場合も、最低でもサスとタイヤの交換という1万2000円コースの出費はついて回ると思ってもらいたい。

 結局のところ、BD-Frogは、売り方を間違えたばかりに、傑作になり損ねて終わった自転車という印象だ。開発元のr&mが悪かったのか、日本輸入代理店のミズタニ自転車が悪かったのかは知らないが、なぜ日本国内で、7段変速を備えた車体にハードサスとシティジェットを装着して売らなかったのだろうか。そうすれば、おそらくFrogの評価は一変していただろう。

 欧州では内装7段の「インター7」変速機を装着したモデルを販売していたのだから、なおさらそう思う。


 私としては当面BD-Frogで楽しく走れると思うと、それだけで十分である。シティジェットだけは、なくなる前に何本か入手しておかなくてはならないだろう。

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Comments

「おそるべき旅路」を読ませていただいて以来、貴兄のブログを読むをの楽しみにしております。
 宇宙開発から身近なガジェット、自転車通勤問題まで幅広く真摯に接してお仕事されてる姿に、勝手ながらこちらの開発仕事の上での元気をいただいております。
こちらは浜松で2輪の開発をしているもので、今回の浜名大橋の写真を拝見していてもたってもいられなくなり書き込みをさせていただきました。
これからのお仕事も期待しております。

Posted by: ことひらていじ | 2008.03.03 12:38 AM

こちらも、浜松からです。
浜松には 変な物の愛好家が多いのか?
見てすぐに 「好き」と言いたくなります。

Posted by: i_web | 2009.03.05 12:50 PM

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