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2008.04.09

新型インフルエンザ、4月上旬のまとめ

 新型インフルエンザに興味を持つようになってから、毎朝鳥及び新型インフルエンザ海外直近情報集をチェックするのが日課になっている。現状では、ボランティアベースで運営されているこのページが一番あてになる。

 以下、4月に入ってからの、気になる情報。

・韓国の家禽飼育場で鳥インフルエンザが広がりつつある。3月末から4ヵ所の鶏やアヒルの飼育施設でH5N1型らしき鳥インフルエンザが発生している。過去の例では韓国で鳥インフルエンザが発生し、次いで日本の養鶏場でも鳥インフルエンザによる大量死が起きている。特に西日本の養鶏関係者は気が気ではないだろう。

・バングラディシュ、インド国境地域でも、鳥の世界で鳥インフルエンザが広がる可能性が出てきた。インド・西ベンガル州では1月に発生した感染拡大がいったん2月に収束したものの、2月下旬からまた流行が始まっている。

・インドネシアでは、西ジャワ州、西スマトラ州、バンテン州などで患者が発生し続けている。詳細はBerita Flu Burung (インドネシア 鳥インフルエンザ情報)にて読んでもらいたい。情報はかなり錯綜している。

・ヒト→ヒト感染について。事例報告が増えている。昨年12月に中国・江蘇省で発生した52歳男性とその24歳の息子の感染事例が、息子→父のヒト→ヒト感染だったとの研究報告が出た。また昨年11月にパキスタンで起きた兄弟間感染についても、ヒト→ヒト感染の疑いが強くなっている。WHOは「ヒト→ヒト感染が起きたことを強く示唆」、パキスタン当局は「ヒト→ヒト感染が起きたと断定」している。
 ヒト→ヒト感染は、感染の成立に上気道の細胞が持つレセプターの遺伝的素因が関係していることが分かっている。中国の例では、多数の人が患者に接触したにもかかわらず、感染したのは父だけだった。
 このため、現状のH5N1鳥インフルウイルスが人に感染するためには、幾重ものバリアーが存在する可能性が高い、すなわち簡単には人に感染する株にはならない、という考察も出てきている。
 なお、これまでに、カンボジア、タイ、ベトナム、トルコ等の国々で、ヒト→ヒト感染は十数例確認されているが、全て血縁関係者の間だけで、それ以外に広がった例はない——とのこと。

 どの程度のリスクが存在するのか判断しにくい状況が続いているが、それでも鳥の世界でのH5N1型ウイルスの流行はリスク増大の要因だろう。ウイルスが増殖するということは突然変異の機会が増えるということだから。

 ヒト→ヒト感染についても「遺伝的な素因か」と安心するのではなく、むしろ「現在のH5N1ウイルスに対するレセプターを遺伝的に保有する人が存在するということは、ヒト体内でヒト型インフルエンザ・ウイルスと交雑する可能性が今まで考えていた以上に高い可能性があるということだ」と考えるべきなのではないだろうか。ウイルスの交雑からは、ヒト型となった新型インフルエンザが出現する可能性がある。

・エジプトで、タミフルが効かずに死亡した例が発生した。

Bird flu kills young man in Egypt, bringing toll to 21 International Herald Tribune, France (国際) エジプトで若い男性が鳥インフルで死亡、同国の死者数が21人に
 北部エジプトに住む若い男性が鳥インフルで死亡し、同国の死者数が21人になったと国営通信が保健省発表として5日報道した。
 3日、北部ベヘイラ県のモハメド・イドリスさんが呼吸困難と発熱のためにアレクサンドリア市の病院に入院したが、タミフルによる治療に反応しなかったと保健省副大臣のNasr al-Sayyed 氏が国営通信MENAに発表した。

 タミフル耐性を持つ株が発生したのだろうか。正確なところは今後の情報を待つことになる。現状でもH5N1ウイルスは速やかに大量のタミフルを投与しないと助からない。タミフル耐性株でパンデミックが起きようものなら、それこそ「復活の日」を覚悟しなくてはならないことになる。


 厚生労働省の対策が、方針を示すのみで実施については地方自治体に投げてしまっているので、自分の地元はどうかと茅ヶ崎市役所に問い合わせてみた。つい最近になって自治体間の連絡会議ができて勉強を始めるところだという。どうにも反応がにぶいようだ。実際茅ヶ崎市ホームページには、新型インフルエンザに関する文書がなにも掲載されていない。

 神奈川県は昨年11月に行動計画(PDF)を立てているが、患者数は約118万人、死亡者数は約6800人という、甘い数字の上に計画を作っている。感染率25%、致死率0.6%だ。厚生労働省が出した致死率2%よりも甘い推定である。これはまずい。

 行政の不作為で健康被害を受けるリスクは下げておくに越したことはない。市民として突っつけるところは突っついておく必要があるだろう。

 新型インフルエンザを巡るリスク・コミュニケーションは難しい。惨事はまだ起きておらず、起きるかどうかは確率の問題だ。悲観的に見る材料も、楽観的に見る材料も、共に豊富である。

 だからといって、何もしなくてもいいということにはならない。

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新型インフルエンザ(H5N1)」カテゴリの記事

Comments

はじめまして
本当にインフルエンザってすごいウィルスだと思う。もしかして将来人類の一番の天敵になるかも。

Posted by: ディズニー | 2008.04.13 05:14 PM

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