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2008.06.06

ヒルクライムで負ける

Nishiharima

 A-Bikeだが、相変わらず便利に使っている。今回、はじめてヒルクライムに挑戦してみた。

 6月4/5日と、宇宙作家クラブで、兵庫県の西はりま天文台にある2m望遠鏡「なゆた」の見学に行った。西はりま天文台は、JR佐用駅から6kmほどの山頂にある。地図を見ると高低差200mほど、普通の自転車ならば、まあ上れるであろう程度の坂だ。

 せっかくだから、と、わざわざA-Bikeを持ち込んで走ってみた。

 駅から2kmはゆるやかな道で、何の問題もなかった。ところが上りにかかると、やはりダメ。ギア比を選ぶことができないので、息が上がってしまう。短い坂ならなんとかなるが、これだけの長い坂になると、脚に合わせたギア比を選べなければどうしようもない。

 結局かなりの区間を押して登ることとなった。兵庫の山奥までわざわざA-Bikeを持ち込んだ意味がまるでないように思えるが、それでも一部区間はA-Bikeをこいで登ることができたので、まあよし。チェーンが切れるぐらいのことはあるかもと思っていたが、機械的なトラブルは出なかった。

 結論から言えば、A-Bikeでヒルクライムはやめておいたほうがいい。そういうことにつかう自転車ではないということを身を以て確認した。

 なゆた見学は、西はりま天文台顧問の森本雅樹先生も合流してくれて、とても楽しいものとなった。案内をしてくれた同天文台の鳴沢真也さんに感謝。雲で2m鏡による星を見ることができなかったのは少々残念。いずれリベンジをかけることとする。

Nayuta

 一晩、ロッジに宿泊し、翌日は近くにある放射光設備SPring-8の見学。晴れていたらA-Bikeで坂を下っていこうと思っていたが、土砂降りの雨のために断念。


 案内をしてくれた鳴沢さんの著書。自分の天文屋人生と、西はりまに2m望遠鏡ができる経緯をつづっている。後半は、光学的手法による知性体探索(OSETI=Optical SETI)について書いている。西はりま天文台は日本で唯一、OSETIを実施している天文台だ。

 飾りのない言葉でつづられた、とても良い本だ。「ああ、ここにも“望遠鏡を作る人”がいたんだ」とちょっと胸が熱くなった。実は、森本雅樹先生にも、「望遠鏡を作る人びと」(岩波書店1972年)という子供向け名著があるのだ。小学生の私の愛読書だった。



 森本“マッキー”の武勇伝は色々と聴いていたけれども、改めてお話しすると、とても愉快、かつ本質に直接的に突っ込んでくる方だった。酒宴での鹿野司さんとの議論はすごかった。

 アメリカの天文学者ヘールが、ヤーキース1m、ウィルソン2.5m、パロマー5mと次々に大きな望遠鏡を作っていった話になったとき、森本先生は「おじさんはねえ(森本先生は自分の事を“おじさん”という)、大きなものを追ったことはなかったな。いつも本質的に新しいことを目指してきた」と言った。東京天文台に6m電波望遠鏡を作り、野辺山に45m電波望遠鏡を作り、さらにはスペースVLBIへと、ミリ波の電波を使う新しい電波天文学を開拓したパイオニアの自負心を聞いた気がした。

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Comments

岩波の「望遠鏡を作る人びと」私も愛読書です。
ちょっと自慢出来るのは、この本で語られる
ラジオ・へリオグラフの制作者Wildと森本先生両方の
サインが見返しに有る事。
森本先生、とっても魅力的な方ですね。

Posted by: をたくな講師 | 2008.06.07 05:23 PM

 それはうらやましいです。私は天文学者にはなりませんでしたが、「望遠鏡を作る人びと」と石田五郎「天文台日記」(筑摩書房)を同時期によんで、ずいぶんと影響を受けたものでした。

Posted by: 松浦晋也 | 2008.06.09 09:10 AM

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Tracked on 2008.06.12 04:35 PM

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