2008.04.19

“神環境”が見せる未来

 ああ、やってしまったか。

「アナログ放送終わります」テレビ画面に常時字幕へ(asahi.com)

 2011年に予定される地上波テレビのアナログ放送停止を控え、今夏からテレビ画面に「アナログ」という共通の文字スーパーが流される。地上デジタル放送(地デジ)への完全移行をPRする。NHKや民放各社は完全移行3年前となる今年7月24日から始める方向で調整している。

 現在、地デジ受信機の世帯普及率は約28%にとどまっているため、アナログ停波の認知度を高める狙い。

 商品に魅力があれば、後は値段との兼ね合いで自ずと普及する。地上デジタル放送の普及が遅れているのは、商品としての魅力に欠けるという一点に尽きる。アナログ時代に構築した放送利権を維持するために、訴求力に欠けるシステムを組んだところに最初のボタンの掛け違いが存在するわけで、それが小手先の対策でどうなるわけでもない。

 テレビを見なくとも必要な情報を手に入れる環境はすでにできている。こんなことをしていると、先行き何が起きるかは明白だと思うのだけれど。

ここから今日の本題。

 先日、面白いものを教えて貰った。Windows Mobile用のWMWifiRouterというソフトだ。Windows Mobileを採用するスマートフォン、それも無線LAN機能を搭載する機種でこのソフトを走らせると、そのスマートフォンを無線LANルーターとして使うことができる。

 例えば、イーモバイルのEM ONEでこのソフトを走らせて、カバンの中かポケットにでも入れておけば、自分が最大7.2Mbpsの無線LANスポットを持ち歩いているのと同じになる。

 どういうことか。例えばiPod Touchのような端末をいつでもどこでも無線LANでネット接続できるようになるわけだ。「いつでもどこでもネット」という環境を、Windows Mobileのどうしようもないユーザー・インタフェースではなく、iPod Touchの洗練されたユーザー・インタフェースで使用することができるのである。

 次世代のWiMAXの環境を先取りだ。一部では「神環境」などと呼ばれているらしい。

 この環境のデモンストレーションは、日本に持ち込まれたiPhone(もちろん電話機能はアクティベートされていない)、それもジェイルブレイクしてさまざまなソフトを組み込めるようにした端末で見せてもらったけれど、やはりiPhone/iPod Touchのユーザー・インタフェースは良くできている。ほいほいとGoogle Mapを呼び出して、地図を確認できるのはとても便利そうだった。

 EM ONEがそもそもWindows Mobileなどを使っていなければ——という話ではあるのだけれど、今後高速通信が当たり前のものになれば、勝負の場は携帯端末のユーザー・インタフェースに移っていくのだろう。今現在、すでにアップルはiPhone/iPod Touchを実現しているわけで、日本の電機メーカーが対抗していくのは相当難しそうだ。

 要は、ムーアの法則をどう考えるかということだったのだろう。ムーアの法則により、プロセッサーは高速化し、メモリーは大容量化していく。いずれ携帯端末で、かなり重いとされたOSも軽々動く時代が来る。すると、パソコン用だろうが携帯端末用だろうが、「筋の良いOS」が一種類あればいいということになる。筋の良いOSとは、優れたメモリー管理とタスク・スレッド管理機能、優れたユーザー・インタフェース、生産性の高い開発環境を兼ね備えたOSだ。OSのサイズや実行速度については、気にする必要はない。いずれムーアの法則が解決してくれる。ただ一つの筋の良いOSをブラッシュアップしていけば、いずれそのOSでパソコンから携帯端末までをカバーできる未来が来る。

 そう考えた上でアップルが出した結論が、カーネルにオープンソースのダーウィンを採用したMacOS Xだったのだろう。ご存知の通り、iPhone/iPod TouchはMacOS Xで動いている。

 パラダイス鎖国などと言われている、日本の携帯電話メーカーは、この先どうなるのだろうな。あまり良いことにはなりそうもない予感がする。

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2008.04.15

WIndowsCE、あるいはダメOSとの戦い

Ce

 シャープ/ウィルコムから、Windows VistaをOSに採用した端末「D4」が発表された。

 この手の端末には好きなので、興味津々でスペックを読んでいったが、どうなんだろう、これは。

 メモリーは1GBで固定。これでVistaはまともに動くのだろうか。

 そしてストレージは40GBHDD。1.8インチであるのは当然として、iPod Classicよりも小さな容量というのはどんなものなんだろう。

 マイクロソフトのOfficeが搭載されているのも、大してうれしくない。使わなければ貴重なディスク容量の無駄遣いだし、使いたければ別にマイクロソフトのOfficeでなくても、Open Officeをダウンロードしてくればいい(私の場合、ではあるけれども。当然互換性を気にしてMS-Officeでなければ、という人もいるのでしょう)。

 何より、Windows Vistaでいいのだろうか。このOS、本当にいい話を聞かない。私の周囲では「Windows Meの再来」などと言われている。

閑話休題。

 かつて、Windows CE端末をなんとかして使いこなそうとどたばたしたことがある。出先で通信し、原稿を書く。ノートパソコンではあまりに重いので、Windows CE機でやろうとしたのだった。CEにATOKが載ったのをきっかけに(MS-IMEでは変換効率が悪すぎて仕事にならない)、CE機を、NEC/NTTドコモの「シグマリオン」「シグマリオンII」、NECの「モバイルギア(MC-R550)」、日立の「ペルソナ」と4台も買い、使い込んでみた。

 結論から言えばそのユーザー体験は、使えないOSを、どのようにしてアプリでカバーするかという戦いだった。

 いやもうWindows CEはすさまじいダメOSだった。狭い画面をますます狭く使うデスクトップのデザイン、いちどなにかのタスクにいったっきりになったらそのタスクが終わるまで帰ってこないタスク管理、低機能不親切設計でまるっきり使えない上に、ROMに焼き込んであって消去すらできない「Pocket Office」——「ユーザーの神経を逆なでするべく仕様書を書いたんだろ」といいたくなるようなOSだった。

 それでもWindows CE FANからたどって、各種ソフトウエアを組み込むことで、そこそこ使える環境を作ることはできた。かな漢字変換は「ATOK」、エディターは「Pocket WZ Editor」、ファイル管理とランチャーは「SQ」、メーラーは「QMail」などなど、要するにマイクロソフトの用意した環境から離れることで(できればOSから入れ替えたかった!)、持ち歩いて原稿を書きメールを読み書きするという最低限の用が足りる端末となったのである。
 Webブラウザーだけはどうにもならなかったけれども(附属のPocekt IEがまたすさまじい代物でねえ…)。

 OSのダメさに反比例するかのように、ハードウエアはどのマシンもよくできていた。なかでもモバイルギアMC-R550は、打ちやすいキーボードが付いていたので、かなり使い込んだ。

 なによりMC-R550はモバイル機に必須の堅牢性という点で卓越していた。
 一度、東京駅のホームでカバンの中身をぶちまけてしまったことがある。MC-R550はホームをすべり、線路へと転落したが、それでも駅員さんに拾い上げて貰うと、何事もなかったのようにスイッチが入った。もちろん液晶も割れてなかった。

 今考えてもモバイルギアのハードウエア設計は、本当に良い仕事をしていたと思う。NECがこの系列の設計を発展させることができなかったのは、なんとも惜しいことだ。

 これでOSがWindows CEでさえなければ…と何度思ったことだろうか。

 最終的にMC-R550は、バッテリーがへたるまで使い込んだ。最後の頃にはさすがにSTN液晶640×240ドットのディスプレイが見劣りするようになっており、バッテリーをリフレッシュしてまで使い続ける気にはならなかった。

 その後Windows CEはキーボード付きミニマシンから撤退し、タブレット型ハンドヘルド機のOSとして今も使われている。名前もWIndows Mobileと変わり、ウィルコムのスマートフォンも採用している。
 だが、私はそれらを使用する気にはならなかった。いくらバージョンアップを繰り返したからといって、あのCEの子孫が、悔い改めたジャン・バルジャンのごとく素晴らしいOSになっているはずがない、と判断したからだ。

 で、D4だ。実物に触れるまで判断は保留だが…多分私は買わないだろうな。VistaがCEで受けた傷をいやせるほどに良いOSとはどうしても思えないので。

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2008.04.03

【ニコニコ動画】かっとなってやった…わけではないけれど【初音ミク】

 「初音ミク」を衝動買いしてから半年以上、やっとこさ一つ形にしてニコニコ動画にアップした。

 私がもたもたしている間に野尻抱介さんは、ばんばんニコ動に投稿してウケを取っていた。それをうらやましいと思いつつ、自分の立場だと著作権的にアレなことはちょっとできないしなあ、などと言い訳をしていたのだった。あちこちで「『初音ミク』買ったんだって?で、何やってんの?」と言われたりもした。

 これでもう言い訳もなしだ。

 ここはやはり、テンプレート発言をしておくべきだろうな。

「かっとなってやった。後悔していない」

 実際にはかっとなってやったどころか、17年物のそれこそ古酒のようなものではある。古酒というほど“うまい”ものではないが。

 20代後半から30台初めの頃、心にひかかった詩にちょこちょこと曲を付けていた時期があって、その中でまあましかな、と思える曲なのだ。今回のことで楽譜を引っ張り出したら1991年3月と書いてあった。20代最後の年、日経エアロスペース勤務が4年目になって、「俺、宇宙ばっかり取材していると偏った記者になっちゃうんじゃないかなあ」なとと考えていた時期だ。後に自分がもっと偏った道を突き進むことになるなどとは思ってもいない。

 それにしても、「初音ミク」はもちろんのこと、パソコンでさくさくとビデオ編集はできるわ、ピアプロに参加する皆さんがイラストをアップしてくれているわ、もちろんニコ動のような発表場所はあるわ——便利になったもんだなあ、とつくづく感じ入ってしまった。それもこれも半導体技術の急速な進歩あってのことだ。ムーアの法則万歳!

 実のところ今回のアップも、歌詞において著作権的にアレな部分が残っている。それでもここしばらくのニコニコ動画の動きを見ていて、なにもかもを杓子定規に考えるのではなく、むしろ柔軟に行動したほうが良い結果を生むのではないかと考えるようになった。

 こういうものは考えるだけではダメで、実際に自分が動きの中に入ってみて、あっちうろうろ、こっちうろうろしなくては本当のことは分からない。もちろん面白くもない。

 というわけで、詩人の中本道代さんについてご存知の方、おられましたらご一報下さい。

 曲はまだいくつかあるので、そのうちにまたアップするかも知れません。こんな青春晩期の残渣がネット・コンテンツのにぎやかしになるのだから、愉快だね。

 一方野尻さんのほうは、さっさと先に進んでいて、SFマガジンに書いた短編「南極点のピアピア動画」を題材に、ネット上でコラボレーションを展開している。こういうところは、かなわないな。じゃんじゃんやってください。


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2008.03.21

美しい画面表示をするWindows版Safari

Safari

 アップルからSafariというWebブラウザーが出ている。これまでMacOSX用だけだったが、3月18日に初のWindows用Safariのバージョン3.1が公開された。もちろん日本語対応版だ。

アップル Safari:このページからダウンロードできる。

 私はMac/Win共にFirefoxを使っているが、MacOSXではSafariも併用している。Windows版と同時に出たMacOSX版バージョン3.1を使ってみたのだが、これが滅法速い。

 これは…と思い、WIndows版をレッツノートにインストールしてみた。

 おお、これはいい。非常に高速だし、文字がきれいに表示される。動作も安定しているようだ。

 とりあえず画面比較。冒頭に掲載した画像がSafari。




Firefox


 これがFirefox。




Ie


 で、こちらがInternet Explorer6。画面の見やすさという点では、Safariが圧倒的に良い。動作速度は、Safari>Firefox>>IEという印象だ。

 アップルが独自のWebブラウザーを開発すると聞いた時には、ずいぶんと驚いたものだ。しかもFirefoxに合流せず、KHTMLという別個のレンダリングエンジンを採用すると聞いた時には、「なんでまたそんなことを」と感じた。いくら自前のブラウザーが欲しいといっても、プログラミングにかかる労力は半端ではないだろう。しかも、互換性で問題が出てくる可能性が高いのではないか。
 どうせなら一番ポピュラーなFirefoxのオープンソースに合流したほうが合理的ではないか(3/22記:この書き方は誤解を招くかもしれない。KHTMLはUNIX上にGUIを実装するオープンソースプロジェクト「KDE」の一部として動いているオープンソースプロジェクトだ。アップルもレンダリングエンジンは、オープンソースコミュニティから採用したわけである)。

 実際、MacOSX上の初期のSafariは、私にはいまひとつ使いにくかった。どこか思い通りに動いてくれなかったし、表示がおかしくなるページもあった。

 しかし「ソフトウエアはバージョン3になると使い物になる」という経験則通り、Safari3はぐっと使えるソフトとなっていた。で、満を持して3.1でWindows版が登場したというわけだ。

 Windows版Safariの画面を見ていると、なるほどアップルが独自にブラウザーを開発した意味が理解できる。こういう美しく読みやすい画面表示へのこだわりは、確かに自前のブラウザーでなければ実現できないだろう。

 当面、レッツノートでもFirefoxとSafariを併用することにする。私のレッツノートは画面が小さいので、読みやすい画面表示は非常にありがたい。

 こうなるとほとんど出番のないIE6は7にアップデートせずに、デリートしてしまいたいと思うのだが、困ったことにIEでないと利用できないサービスがまだ存在する。
 私の場合はWindows updateと、Gyaoだ。Windows updateはともかく、Gyaoはブラウザー非依存にしてもらいたいものだが、マイクロソフトの著作権管理技術はIEが前提となっているらしい。こういうことをやるから、MSはM$などといわれるのだ。

 ブラウザーをそのままではなく、Sleipnirのようなレンダリングエンジンを借用するタブブラウザーを使っている人も多いだろう。技術的に可能かどうかは分からないが、そのうちにSleipnirでもSafariのレンダリングエンジンを利用できればいいなと思う。

 とりあえず、IEとFirefox以外に特色ある選択肢が一つ増えたのは良いことだ。

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2008.03.20

mixiから新規約案出る

 一度書いてしまったのでフォローをしておく。mixiの規約改正問題だ。

 3月19日付けで、新規約案が出た。肝心の18条は以下の通りとなっている。

旧18条

  1. 本サービスを利用してユーザーが日記等の情報を投稿する場合には、ユーザーは弊社に対して、当該日記等の情報を日本の国内外において無償かつ非独占的に使用する権利(複製、上映、公衆送信、展示、頒布、翻訳、改変等を行うこと)を許諾するものとします。
  2. ユーザーは、弊社に対して著作者人格権を行使しないものとします。

新18条

  1. 本サービスを利用して投稿された日記等の情報の権利(著作権および著作者人格権等の周辺権利)は、創作したユーザーに帰属します。
  2. 弊社は、ユーザーが投稿する日記等の情報を、本サービスの円滑な提供、弊社システムの構築、改良、メンテナンスに必要な範囲内で、使用することができるものとします。
  3. 弊社が前項に定める形で日記等の情報を使用するにあたっては、情報の一部又は氏名表示を省略することができるものとします。
  4. 弊社が第2項に定める形で日記等の情報を使用するにあたっては、ユーザーが設定している情報の公開の範囲を超える形ではこれを使用しません。

 私としては、まあいいかと思える内容だ。mixi内部のこの問題関連のコミュニティでは、活発な議論が続いているが、あまりmixiを追いつめて、この便利なサービスがつぶれてしまっても面白くない。

 今回のことは運営側とユーザーとの間の信頼関係で成り立っているサービスにおいて、信頼を壊すようなことをすると何が起こるか、というモデルケースとなったように思える。

 mixiそのものがコミュニケーションサービスなので、内部にこの問題を考えるコミュニティができて、様々な議論が行われ、問題意識を持つユーザーの間ですみやかに共通認識が形成されていった。その速度に、運営側が振りまわされたという印象である。おそらく運営側が突っ張り続ければ、ユーザーがどんどん退会していく事態となったろう。なにしろ関連コミュでは、mixiが態度を変えなかった場合に備えて、どこに引っ越すかという情報まで交換されていたから。

 しかし、ネット時代における信頼とはいったいどんなものなのだろうな。GoogleのDon't be evil.というモットーも信頼を確保するためなのだろうが、その割にGoogleはAdSenseで勝手なことをやっているようだし、そもそも検索の分野ではGoogle八分なんて言葉もできている。

 それでも業界の巨人として君臨し続けるGoogleとmixiの違いはどこにあるのだろう。

 ともあれ、私の今後の対応だ。現在、mixiのプレミアム会員として月に315円支払っているが、これを続けるべきかどうか。

 自分の書いた日記をバックアップし、それからゆっくり考えよう。

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2008.03.05

mixi側から釈明出る

 記事を書いた以上、その後の報告を。

 3月4日午後、mixi運営事務局から釈明メッセージが出た。

特にお問い合わせの多い【第18条 日記等の情報の使用許諾等】に関しまして、誤解を避けるため、当社が想定している具体的な使用について補足説明をさせていただきます。

上記の条項につきましては、ユーザーのみなさまが『mixi』のサービス内で作成した日記、著作物等の情報について、従来どおりユーザー自身が権利を有することに変わりはありません。

また、ユーザーのみなさまが投稿した日記等の情報(公開している自主作成の映像やイラスト、テキスト等)の使用に関しては、当社の以下対応について同意いただくもので、当社が無断で使用することではありません。


1. 投稿された日記等の情報が、当社のサーバーに格納する際、データ形式や容量が改変されること。
2. アクセス数が多い日記等の情報については、データを複製して複数のサーバーに格納すること。
3. 日記等の情報が他のユーザーによって閲覧される場合、当社のサーバーから国内外に存在するmixiユーザー(閲覧者)に向けて送信されること。


なお、ユーザーのみなさまの日記等の情報を書籍化することに関するお問い合わせもございますが、こちらの点につきましても、従来どおり、ユーザーのみなさまの事前の了承なく進めることはございません。

なお、利用規約につきましては、今後もご利用いただくお客様にご理解いただきやすい内容になるよう引き続き検討してまいります。

 素早く釈明を出したことは理解できる。その内容がユーザーの権利を尊重するというものであることも評価できる。

 が、今行うべきは「補足説明」ではない。補足説明などということを必要とする、舌足らずの規約をきちんと書き直すことだ。

 「引き続き検討」の部分に期待して、こちらも引き続き様子見である。私は有料のプレミアム契約をしているが、解約も視野に入れておこう。

 mixiからの撤退を考えている人向けには、データをローカルに保存するツールとしてbackup mixiがある。

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2008.03.04

mixiの奇妙な規約改正

 私は大手SNSサービスであるmixiの利用者だ。知人との連絡や、個人的な日記など、便利に使っている。

 昨日、mixi運用事務局は、4月1日からの新しい規約を公開した。この中に、かなり非常識な条項が入っており、現在mixiユーザーの間に動揺が広がっている。

 問題の条項は以下の通り。

第18条 日記等の情報の使用許諾等

1
 本サービスを利用してユーザーが日記等の情報を投稿する場合には、ユーザーは弊社に対して、当該日記等の情報を日本の国内外において無償かつ非独占的に使用する権利(複製、上映、公衆送信、展示、頒布、翻訳、改変等を行うこと)を許諾するものとします。

2
 ユーザーは、弊社に対して著作者人格権を行使しないものとします。

 「日記等」とあるところに注目。mixiはユーザーが知人に向けて日記を公開する機能があり、かなりの数のユーザーがプライベートな内容を含む日記を書いている。それらの内容をmixiがすべて「複製、上映、公衆送信、展示、頒布、翻訳、改変等を持つ」と言っている。

 個人の書いた日記について、mixi側が複製したり上映したり、公衆送信したり展示したり、頒布したり翻訳したり、改変だってやるぞ、と明言してしまったのだ。

 ご丁寧に、直前の条項ではこんなことも書いている。

第17条 日記等の情報に関する権利

本サービスを利用して日記等の情報を投稿するユーザーは、弊社に対し、当該日記等の情報が第三者の権利を侵害していないことを保証するものとします。万一、第三者との間で何らかの紛争が発生した場合には、当該ユーザーの費用と責任において問題を解決するとともに、弊社に何等の迷惑又は損害を与えないものとします。

 「権利は持っていくけど、中身はそっちで保証してね」ということだろう。


 おそらくmixi側とすれば、「電車男」のようなコンテンツ二次利用を狙っているのだろう。しかし現状でこの規約が施行されると、例えば有名人が友人のみが読むことを前提でmixiで書いていた日記を、mixiが勝手に出版したり、それに基づくテレビドラマを売り込んだりできるということになってしまう。

 そもそもmixiはパーソナルスペースを提供するサービスであり、2ちゃんねるのような匿名書き捨ての場とは異なるだろう。皆、それぞれの日記を「自分のもの」という意識で書いている。

 mixiの日記は、mixiのものではない。書いたユーザーのものであると考えるのが自然だ。

 mixiの日記機能は、便利な日記帳のようなものだ。日記帳を売っている博文館が「うちの売った日記帳に書いた皆さんの日記は、うちの会社のものです。勝手に複製、上映、公衆送信、展示、頒布、翻訳、改変等しますのでよろしく」といったら、「なにをバカな」と言われるのがオチだろう。

 mixiはそういうことをしようとしている。

 こんなことをすればユーザーが反発するのは明白だ。インターネット上でSNSサービスを展開する会社としては、なんともうかつなことをしたものだと思う。

 この件は、今後mixi内で展開していくだろう。私としては場合によってはmxiを退会することも考慮しつつ、抗議をし、推移を見守ることになる。

 きちんと機能している素晴らしいコミュニティを、つまらないことで崩壊させるのは得策ではない。しかしながら過去数年にわたってmxiに書いた自分の日記を、あの会社に勝手に使われるような状態になるのは耐え難い。

 わざわざここに書いたのは、日本を代表するSNSの会社が、ずいぶんと稚拙なことをやってしまったという事実を、きちんと世間に知らせることで、mixiの株価に影響が出ることを期待してのことだ。

 道理が通じない者も、金絡みの株価には敏感に反応する。株価が下がれば、mixi経営陣も自分らが何をやってしまったのか考え直す——そう思いたい。

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2008.03.02

非常に便利なAutoPagerize

 私はブラウザーとしてFireFoxを使用している。色々アドオンが出ていて、うまく使うと便利だ。

 最近知人にAutoPagerizeというスクリプトを教えて貰った。

 ものすごく便利だ。

 Googleなどで画面の一番下にでる1.2.3という数字をクリックして次ページに進むようなところで、下にスクロールすると次々ページ内容が追加されるようにページ構造を書き換えてしまうというスクリプトである。

1)まずGreasemonkeyというアドオンをインストールする。これは指定したサイトへユーザー独自のJavaScriptを適用するアドオン。
https://addons.mozilla.org/en-US/firefox/addon/748

2)次にGreasemonkeyで使用するスクリプトとしてAutoPagerizeをインストールする。
http://userscripts.org/scripts/show/8551

 取りあえずはこれでOK。

 Googleの検索結果やら、Amazonのリスト、さらにはmixiの日記などがクリックなしに次々画面の下に追加されていくのだからたまらない。使い始めて数日なのだけれども、もうこれなしの生活は考えられないぐらい快適だ。

 自分でスクリプトを書くと、対応ページを増やすこともできるとのこと。このあたりを参考にすればいいだろう。

 ちなみにこのスクリプトは、アップルのSafariや、Operaでも使用できるそうだ。Safariについてはこちらを参照のこと。


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2008.01.02

モバゲータウンの高校生

 年末、恒例の高校クラス会。なぜか2年の時のクラスが卒業以来四半世紀以上、一年も欠かすことなくクラス会を開き続けている。

 一人、大学の新入生に情報リテラシーを教えている友人がいる。彼が言うに「俺、最近モバゲータウンやってんだよ」

 白状するならすぐにモバゲータウンのなんたるかを思い出せなかった。「モバゲーって、モバイルのゲームか?」

「違う違う、SNSだけど携帯専用なんだ。今の高校生のけっこうな部分がモバゲータウンやってんだよ」
「この年して女子高生とお友達になりたいとか」
「バカ、この春にはモバゲータウンやってた連中が、新入生で入ってくるんだ。情報リテラシーを教える側が、モバゲータウンを知ってないとまずいだろ」

 高校生のほとんどは自分が自由に使えるパソコンを持っていない。しかし携帯電話は持っている。彼らはパソコンではなく携帯電話経由で ネットを利用しているのだという。

 彼によると、最近問題になっている高校の裏サイト問題や、無防備なプライバシーの露出なども基本的には携帯電話サイトにおける問題なのだとか。

「ホントにね、みんな携帯電話でネットしてるんだよね」

 話題は携帯の弊害へと向かう。道具は思考を支援する。問題は携帯電話という道具が、人間の思考を支援し拡張するだけではなく、モバイルという特性故の不自由さを持っていることだ。小さく低解像度のディスプレイ、テンキーを使う日本語入力、相対的に小さいメモリー容量——。

 携帯電話を、電話として捉えるなら、他に置き換え不可能なコミュニケーションの道具だ。しかし、メール送受信装置、デジカメ、音楽プレーヤーとしては、十徳ナイフ的なもどかしさがつきまとう。確かに役立つが、専用の道具とは比較にならない。

 しかし、道具は人を育てる。極端な例だが、十徳ナイフでは宮大工は育たない。

 日本語に、ケータイ小説という文体が、新たに付け加わるなら、それはそれでいい。しかし、携帯電話によるコミュニケーションに依存することで、ケータイ小説文体でしか思考できないようになるとこれは問題だ。

 音楽に関しても然り。CDで16ビット、44.1kHzのクオリティを手に入れた我々だが、今や圧縮音声により、手に入る音楽データのクオリティは逆に低下している。「人間の聴覚では聞こえないデータを削ることでファイル容量とビットレートを落としている」とはいうがどこまで下げて良いのか。

 自分自身、携帯電話にHE-AAC、48kbpsでCDからリッピングした音楽データを入れており、それでモバイル用途は満足している。しかし、その一方で自宅にはCDを再生する環境を持っており、通常はCDで音楽を聴いている。
 携帯電話のHE-AAC、48kbpsという音環境で、果たして「良い音を聴き分ける耳」は育つのか(自分がそんな耳を持っているかというのは、この際別にして)。

 酒も入っているせいか、ぐるぐると議論は回る。

 日頃パソコンを使い、同時に携帯電話も使っている身からすると、携帯電話には「葭の髄から天上覗く」のようなもどかしさがつきまとう。広い情報の海を狭い狭い窓から観ているような。

 今の高校生が、その狭く小さな窓だけでビットの海を観て触って、育っているとしたら、それは問題だ。

 携帯電話端末がタダではなくなり、その一方で「EeePC」のような低価格ノートパソコンが日本でも発売されるようになると、状況は変わるだろうか。

 いや、そう簡単ではないだろうな。

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2007.12.27

「かぐや」ハイビジョン画像で、MiAUに動きあり

 著作権に関連して。

 ここと、nikkeibp.netで書いてきた、月探査機「かぐや」のハイビジョン月面画像の事。

 ネット著作権について積極的な活動をしているMiAU(インターネット先進ユーザーの会)が、動き出した。

【MiAUの眼光紙背】第7回 その映像は誰のため?〜ネットで視聴できない月の高画質映像

 MiAUは、なんらかの形でネットユーザーの声をNHKに伝えられないかと考えている。

 この件でMiAUの方とも会って話をしたが、「NHKがそう簡単に態度を変えるとも思えない」というところで意見は一致した。

 結局NHKがよほどあわてる事態にならなければ、今の態度を押し通すだろう。NHKがあわてるとしたら、政治家が動いて次年度の予算が国会を通らなくなるということぐらいしかない。そうなれば、NHKの政治部記者出身の会長秘書あたりが、「ご説明」と称して永田町界隈の議員事務所を大あわてで飛び回ることになるだろう。

 が、ネットの民意で政治家が動くというのも、現状考えにくい。MiAUとしては、とにかくできることやって、NHKの現状をより広く広報しようという作戦のようだ。

 もっともこんなことをやっていれば、NHKは早晩国民の各階層から総スカンを食うことは間違いない。

 JAXAは、この件に関してはNHKと共犯とも言える部分がある。それでも内部では「広報的にハイビジョンカメラが意味あることは分かった。民生用HDTVカメラがこれだけ安くなっている今、次の機会があってもNHKと付き合いたくない」などという声も聞こえてきている。当然だろう。

 「どうして、あそこ(NHK)は、ああ頑なかねえ…」という「かぐや」HDTV搭載の震源地の一人である某先生の嘆きも聞こえてきていたりして。

 今回の件はNHKにも損になっているわけだが、先日は「クローズアップ現代」のオープニングに使ったハイビジョン画像に「JAXA/NHK」のキャプションが写り込んでいるという事態も起きた。
 自分のところの番組でも、JAXAと結んだ囲い込みのための協定のためにキャプションを入れねばならないわけだ。入れなければより画面がすっきりするというのに。

 …と思っていたら、かつてNHKで働いた経験者から「いや、横のつながりが悪くて、『クローズアップ現代』の関係者が、キャプションなしのハイビジョン素材を手に入れられなかったのかも知れませんよ。とにかくNHKは組織内の横のつながりが悪いですから」と指摘された。

 なら、なおさら悪いわなあ。

 もっとも、MiAUに関しては、その後ネットの著作権画像のダウンロード違法化という重大問題が発生したので、どこまできちんと動いてくれるかは今後の状況次第だ。

 これまた重要な話であるので、近日中に書くことにする。私のスタンスは、「違法サイトのダウンロード違法化に反対」である。

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2007.10.25

広告メールに感謝します

 一昨日から当blogへのアクセスが急に伸びた。最近は毎日3000〜4000程度のアクセスがあるのだが、一昨日は午後11時以降、突如として3000アクセス、昨日は一日で9000超のアクセスがあった。

 一体なぜ急にこんなにアクセスが集まったのか。
 ログを調べてみると、その多くは流石メールという広告メール配信サイト経由で、はやぶさ2に向けて、最後のお願いに来ていた。

 2ちゃんねるのはやぶさスレに、真相を書いてくれた人がいた。どなたかは分からないが、「はやぶさ2実現のため応援を望む」という私の記事のリンク付きの広告メールを打った方がいたのだ。

 おそらくは自腹を切って、広告メールを打ったのだろう。どなたかは分からないが、その行いに深く感謝したい。どうもありがとうございます。

 「はやぶさ2」構想がこの先どうなるか、まだ不透明だ。しかし、今回の広告メールは「はやぶさ」とその先にあるミッションが、これほどまでに国民に親しまれ、愛されていることをはっきりと示したと思う。

 過去、日本には数多の衛星計画が存在し、実際に打ち上げられもしたが、一般国民をこれほどまでに鼓舞し、一般国民にこれほどまでに愛され、その将来を期待された衛星計画は他に存在しない。そう言い切ってもいいのではないだろうか。

 そのことは、きっとJAXAを初めとした関係者にも届いたことと思う。

 「はやぶさ2」に自腹を切った人が現れた。その背後には、「自腹を切ってでもはやぶさ2を見たい」という人が多数存在すると思って間違いない。

 そう思わせたのは「はやぶさ」であり、「はやぶさ」を企画し、開発し、打ち上げ、運用した人たちだ。

 その意味は重い、と私は考える。

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2007.09.17

DTM熱再燃か

 「初音ミク」ショック以来、DTM熱が戻ってきてしたようで、DTMマガジンを買ってきて読んでいる。DTM——デスクトップ・ミュージックの略で、要はパソコンで音楽を作り、鳴らすことだ。

 使用機材が15年前とはずいぶん様変わりしている。音源をハードウエアとして持つ時代はとっくに過ぎ、今や音源はソフトウエアとなってパソコンで動かすようになっているのだな。データの持ち方もMIDIだけではなく、生音の録音やサンプリングを組み合わせるのが当たり前になった。

 かつてせっせとDTMをしていた頃は、パソコンにMIDIインタフェースを付けて、モジュール音源につないで鳴らしていた。モジュール音源というのは、鍵盤のないシンセサイザーのようなものだ。
 特に1987年にローランドが出した「MT-32」というモジュール音源は、6万9800円という低価格でDTMの普及に一役買った。それまで、シンセサイザーは20万円以上したのである。私もMT-32のユーザーだった。

 DTMマガジン附属のDVDディスクで、読者投稿を聴いてみる。…どうも音楽としての質は、かつてとあまり変わっていないようだ。
 それどころか生音が使えるようになったことで、ボーカル付きが当たり前になり、逆に発想を狭くしているように思う。かつてのように、不自由かつぎくしゃくした音源で、ビッグバンドやオーケストラを再現してやろうという発想はマイナーになってしまったらしい。

 かつての名作はまだどこかにあるかな、と検索してみたらあった。「大星夜92」(子龍作)。1992年にパソコン通信のNifty-Serveで発表され、FMIDI(MIDIフォーラム)に大反響を引き起こした曲である。なにしろ自分の結婚式にこの曲を流した人がいたぐらいだ。
 今聴くと、もう少し自然な表情がつけられるはずと思うが、当時この曲のインパクトはとても大きかった。曲としては今聴いてもなかなかいいな。

 あの当時のDTMの精神は、ローランドの力作コンテスト入賞作品に残っているという印象だ。今の機材で作り込むと、アマチュアでもここまでできるという実例が集まっている。

 私は、実のところかなり変格的な態度でDTMに入っていった。「シンセサイザーで自然な音楽を創る」のではなく「自分が作曲するためのシミュレーター」としてDTMを利用しようと思ったのだ。
 作曲するには、頭の中で音が鳴らせなくてはダメ、とか、ピアノが弾けることが最低条件とか、絶対音感がなければダメというような様々な伝説が存在する。しかし当時の私は、「それらすべて、コンピューターで代用できるのではないか」と考えたのだった。
 シミュレーターが目的だから、私は音のアウトプットに無頓着だった。自分の頭の中で鳴っている音の確認ができればそれで十分なのだ。楽譜に出力して、後はそれを誰かに演奏してもらえればいい。

 とはいえ、MT-32の音はあまりに貧弱であり、それで再現したオーケストラサウンドは悲しいぐらいにオーケストラとは似ていなかった。特に弦楽器は涙が出るぐらい、本物の弦楽器とはほど遠かった。

 私はオーケストラ曲を書くのを諦め——まあ、そもそもそんなもんを書くだけの実力があったのか、という問題はあったわけだが——ぼそぼそと管楽器を中心にした室内楽やら歌曲やらをいくつか書いた。

 もちろんそれを演奏する人が現れるはずもなく、データは15年以上死蔵されたのである。つまらない音楽が世に出なかったのは、世のため人のため自分のため、という見方もできるだろう(誰だってジャイアンになるのはゴメンだ)。
 そうこうしているうちに、仕事が半端ではなく忙しくなり、私はDTMから離れた。

 今からDTMを再度始めるならば、おそらく今までとは違う知見をどこかから引っ張ってくるべきなのだろうな。既存のDTMユーザーの基本教養となっている昨今のJPOPやハウスミュージック、ハリウッドのサントラに代表される良く鳴るオーケストラサウンドとは別のところから。

 例えば、今やこれだけ機材が進歩しているのだから、1950年代から70年代にかけて、NHK電子音楽スタジオで作られた電子音楽など、個人レベルで同じことができるようになっているわけだ。このあたりに再注目すると、斬新な音楽を机の上から作り出せそうな気がしないでもない。

 NHK電子音楽スタジオで生み出された音楽は、21世紀に入ってから「音の始源を求めて」という5枚のCDになって発売された。企画は、大阪芸術大学音楽工学OB有志の会。ロームミュージックファンデーションからの助成を受けての発売である。

 極めてプレス枚数が少ないらしく、アマゾンでは扱っていないし、私が入手したタワーレコードのオンラインショップでも売り切れとなっている。ネットで検索するといくつかのショップではまだ在庫が残っているようなので(例えばドッペルゲンガーレコーズ)、まずは「音の始源を求めて」で検索をかけてみてもらいたい。

 このCDは大変ユニークなことに、作曲家別ではなく、作曲家の意図を汲んで実際の音として実現した音響技術者別に組まれている。第1巻が塩谷宏、第2〜第4巻が佐藤茂、第5巻が小島努というそれぞれの技術者別のCDとなっているのだ。

 ライナーノートも、作曲者がどうこうではなく、それぞれの技術者がどのようにして作曲者の望む音を実現したかについて書いてあり、技術と芸術の関わりをのぞき見るという点でも興味深い。

 1枚3000円するCDを5枚そろえるのは結構なコストだが、DTMや電子音響に興味があるならばその価値はある。ただし、冨田勲的な聴きやすいシンセサイザー音楽を求めてはいけない。収録された曲はどれもかなり前衛的かつ刺激的なものだ。

 とりあえず1枚というならば、最初にでた「音の始源を求めて 塩谷宏の仕事」、または2枚目の「音の始源を求めて 2 佐藤茂の仕事」をお薦めする。


Otonosigen1音の始源を求めて 塩谷宏の仕事
収録曲
「テレムジーク」(カールハインツ・シュトックハウゼン)
「素数の比系列による正弦波の音楽」(黛敏郎)
「7のヴァリエーション」(黛敏郎、諸井誠)
「ピタゴラスの星、第一部:沈黙の環」(諸井誠)
「ヴァリエテ」(諸井誠)
「オリンピック・カンパノロジー」(黛敏郎)

 どれも電子音楽関係の本を読むと必ずでてくる曲だ。特に東京オリンピックの開会式で使われた「オリンピック・カンパノロジー」が素晴らしい。

Otonosigen2 音の始源を求めて 2 佐藤茂の仕事
収録曲
「フィノジェーヌ」(高橋悠治)
「トランジェント '64」(松平頼暁)
「電子音のためのインプロヴィゼーション」(柴田南雄)
「マルチピアノのためのカンパノロジー」(黛敏郎)
「プロジェクション・エセムプラスティック」(湯浅譲二)
「ホワイトノイズによるイコン」(湯浅譲二)

 第1集がエポックメイキングな曲を集めたとすると、こちらは「名曲」が集まっている。なかでも一番前衛的でとがっていた頃の湯浅譲二による「ホワイトノイズによるイコン」は、音響系の音楽を志すなら必聴だ。

 ちなみに第3集には、湯浅譲二が大阪万国博エキスポ70のNTTバビリオンのために作った希代の怪作「ボイセスカミング」が収録されている。あまりに面白い曲なので、この曲についてはあらためて書くことにしたい。

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2007.09.14

買ってしまった…

 買ってしまったよ。アマゾンでポチっと。

 最近ネットで人気沸騰している。DTM(デスク・トップ・ミュージック)用ボーカルソフトだ。女性声優の萌え声で、入力した通りの歌詞で歌ってくれる。その名も「初音ミク」

 松浦も萌え声にノックアウトされたか?
 いやいや、そうではない(正確にはそれだけではない、なのかも)。

 野尻ボードで野尻さんに教えられ、YouTube動画を聞いて(妙な言い回しだが、要はYouTubeにアップされた音を聴くことを目的にした動画ファイル)、びっくりしてしまった。
 これが、機械の歌か!!


 クラフトワークが「I am robot」とロボットボイスで歌ったり、「メガゾーン23」なんてアニメに時祭イブというバーチャルアイドルが出てきたりしてから幾星霜。
 その間、伊達杏子なんて色物もあったが、この「初音ミク」は声優が声をあてているのではない。マシンがプログラムに従って発声しているのだ。公式サイトにはサンプルがあるので、まずは聞いてみてほしい。

 知らない間の技術の進歩には、びっくりだ。

 著作権的にどうかと思うのでリンクはしないが、YouTubeやニコニコ動画を「初音ミク」で検索してみて貰いたい。沢山のファイルがアップロードされている。中でも「もののけ姫」を歌わせたやつなどは感嘆するしかない。





 これは著作権的に問題がないと思うのでリンクする。多分現役の合唱部員が作ったんだろうなあ。「モルダウ」。どうやら表情をつけずに素で歌わせたものらしい。ちょこっと入力させただけでもこの程度にはできるということだろう。

♯19 ave;new feat.初音ミク(試聴あり)
 こちらはave;newというプログループが、初音ミクを使って自作の「True My Heart」という曲ををDTM化したもの。プロがやるとここまで自然なボーカルに仕上げることができる。

 私も15年以上昔の、DTM草創期に、ローランドのMT-32を使ってDTMまがいのことをやっていた。あの頃DTMは個人に入手可能になったばかりの凄い技術だった。「凄い技術で凄いことをやってやる」と思わせる魅力があった。

 「初音ミク」には、その頃の感覚を蘇らせるものがある。

 もちろん、15年以上DTMから遠ざかっていた自分がそうそうスゴイことなどできないことも分かっているが、こういうものは色々遊んでみたくなるものである。

 種子島から帰った頃には届いているであろう。なにか結果が出せたら、このページで公開することにしよう。

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2007.05.17

PowerBookのHDDを交換する

Hdd160gb

 やや旧聞に属する話だがゴールデン・ウィークを使って、PowerBookG4のハードディスクを交換した。オリジナルは80GBのHDDが入っていたが、すでに残りが数GBになっていたのだった。ただでさえOSやアプリのキャッシュがGBオーダーになることが珍しくない。そろそろシステムの安定稼働が危うくなる。

 調べるとやはりデジカメのデータが一番大きい。デジカメを本格的に使い始めた2001年以降で写真2万枚以上、総容量は30GBを超えている。

 まず、検索で、PowerBookG4の開け方と、HDDのデータ移行法を調べる。こういうとき、インターネットは本当に便利だ。

 PowerBookの開け方は、こちらを参考にした。データ移行はUSBのハードディスクケースをつないで、OSインストールディスクから起動。純正の「ディスクユーティリティ」でOS本体から設定にいたるまで、すべてをコピーする。
 クリーンインストールですべてを再設定する必要がないのがありがたい。

 秋葉原に出かけた時に、現在最もコストパフォーマンスが良い160GBのHDDとUSB2.0のディスクケースを買ってきた。少々手間取ったものの、無事交換終了。起動もOK。OSやネットワーク周りの設定もすべて引き継ぐことができた。

 写真では148GBとでており、160GBではないが、これは確か記憶容量の数え方の違いからくるものだったはず。キロ、メガ、ギガと単位を上がる時に、1000倍と考えるか1024倍と取るかの違いだったと覚えている。しかしそうであったとして、なぜ統一しないのだろうね。

 これでPowerBookをあと2年は使い続けることができる。

 常用マシンのハードディスクの寿命は、経験上2年半程度だ。それを過ぎると夏の暑さなどで壊れる可能性がぐっと高くなる。3年前には、バックアップを怠っていたところにハードディスクが破損し、約半年分のデータを失ったことがあった。

 同時に500GBのUSBハードディスクを買ってきた。新たなバックアップ用である。

 さて、これで当面PowerBookG4はいいとして、次はレッツノートだ。CF-R5はHDDが60GBと小さい(初めて使ったHDDが30MBだったことを考えると夢のようだが)。
 メーカー保証が切れる来年の頭あたりをメドに、HDDを交換してやろうと思っている。おそらく、次は200GBか250GBか、それぐらいのディスクと入れ替えることになるだろう。その前に、パナソニックからWindowsXPのインストールディスクを入手しないといけない。

 しかし本当にいい時代になったものだ。と、ここでFM-7とかMZ-700あたりのカセットテープインタフェースの話をするようなら、それは年寄りの証拠なのだろう。ピー、ガガガガガ、シュルラシュルラシュル…。

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2007.04.02

パソコンを新調する

Pasocom

 2月に種子島に行くにあたって、パソコンを新調した。パナソニックのLet'snote CF-R-5。1kgと軽く、11時間の長時間電池駆動が可能なサブノートだ。

 もともと、基本はMacノート、持ち歩きはWindowsのサブノートという区別でノートパソコン2台を使い分けてきた。先代WindowsマシンはソニーのVAIO SR-9で、2001年に購入している。Windows2000を積んでいて、今も原稿を書くには不便がないのだけれども、筐体がきしむようになってきたことと、なによりも電池が持たなくなってきていた。さすがに6年前のパソコンに3万円近いバッテリーを新調する気にはならない。
 インタフェースもUSB2.0が使えないとか、無線LANもイーサネットも内蔵されていないとか、なにかと不便さが目立つようになっていた。
 結果、ここ1年ほどは、重いPowerBookG4を持ち歩いていたのである。

 そして、買い換えの最大の動機は、Windows Vista発売だった。Vistaが欲しかったのではない。なくなる前に、XP機を手に入れねばならないという強迫観念にかられたのである。

 ここを読む人ならば、よもやVistaに飛びついた人はいないと思う。そもそもマイクロソフトの新OSが、すぐに仕事に使えると思っているのは、よほどのパソコン初心者か、お人好しかだろう。

 最低でもSP2が出るまではマイクロソフトのOSは信用できない。

 もっともこれはアップルも同じであって、アップルの新OSは、バージョン番号の最後の桁が「3」にならないと信用できない。「MacOSX 10.4.3」というように。

 知り合いのパソコン雑誌編集者達に聞くと、案の定Vistaは阿鼻叫喚の巷となっているようで、「Me以来のダメッ娘OS」という声も聞こえてきている。

 仕事に使うならば、パソコンメーカーが「新OS搭載!」と麗々しくモデルチェンジする前に、安定しているXPのサブノートを是非とも手に入れねばならない。

 軽いこと、電池が持つこと、キーボードがしっかりしていること、という条件で後継機選定に入った。ThinkPad X60とLet'snote CF-R5が候補となったが、ThinkPadは、レノボのものになってからかつての堅牢という美質を失っているようだ。知人のユーザーからはあまり良い話を聞かなかった。
 キーボードに難はあり、CPUがCore DuoではなくCore Soloだという問題はあったが、軽さと稼働時間を優先してCF-R5を選んだ。要は出先でデジカメの写真を処理し、原稿を書ければいいのだ。それでもメモリーは1GBを足して最大に拡張した。

 入手して最初にやったのは、ユーザーインタフェースを可能な限りWindows 95に近づけることだった。Mac使いとして言わせて貰えば、XPの青とオレンジを基調としたインタフェースは、醜悪以外の何物でもない。95のインタフェースがまともとも思わないが、マイクロソフトの歴代OSの中では一番ましだ。

 更に、カスタマイズソフトの「窓の手」をインストールして不要な機能を片っ端から切っていく。

 最後によく使うソフトをインストールする。仮名漢字変換はATOK(ただし購入以来アップデートしていないのでATOK14)、エディタはQXエディタ(その昔買った本についていた古いバージョン)、メールはThunnderBird、ブラウザーはFirefox、画像ブラウジングはVix、画像処理はJTirm、オフィスはOpenOffice。可能な限りオープンソースのソフトウエアを使う。

 かくして準備したCF-R5は、種子島で十分に使うことができた。なにより1kgという軽さはありがたかった。PowerBookG4の2.45kgはなんだかんだいって重い。

 使ってみるとXPは意外に堅牢で、一度も落ちることはなかった。キーボードはこだわる人はいるが、私は慣れの問題だと割り切っている。実際、CF-R5の小さなキーボードで、種子島の記者会見でリアルタイムの入力を行うことができた。

 アップルがサブノートを出してくれればこんな苦労はしなくても済むのだがと思いつつ、けっこう気に入っている。気に入らない点があるとすると、スリープ時に電源ボタンが下品なグリーンで点滅することだ。なぜ白色光にしなかったのだろう。思い切りセンスが悪い。

 ところで、一つ質問。スタートボタンに付いているWindowsの旗アイコンを書き換えるユーティリティはないだろうか。これがディスプレイにこびりついた鼻くそのように見えて目障りなので、置き換えたいのだけれど。

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2006.11.01

Firefox2.0がリリースされる

 オープンソースで開発されているWebブラウザ「Firefox」(ファイアフォックス)