2008.04.03

【ニコニコ動画】かっとなってやった…わけではないけれど【初音ミク】

 「初音ミク」を衝動買いしてから半年以上、やっとこさ一つ形にしてニコニコ動画にアップした。

 私がもたもたしている間に野尻抱介さんは、ばんばんニコ動に投稿してウケを取っていた。それをうらやましいと思いつつ、自分の立場だと著作権的にアレなことはちょっとできないしなあ、などと言い訳をしていたのだった。あちこちで「『初音ミク』買ったんだって?で、何やってんの?」と言われたりもした。

 これでもう言い訳もなしだ。

 ここはやはり、テンプレート発言をしておくべきだろうな。

「かっとなってやった。後悔していない」

 実際にはかっとなってやったどころか、17年物のそれこそ古酒のようなものではある。古酒というほど“うまい”ものではないが。

 20代後半から30台初めの頃、心にひかかった詩にちょこちょこと曲を付けていた時期があって、その中でまあましかな、と思える曲なのだ。今回のことで楽譜を引っ張り出したら1991年3月と書いてあった。20代最後の年、日経エアロスペース勤務が4年目になって、「俺、宇宙ばっかり取材していると偏った記者になっちゃうんじゃないかなあ」なとと考えていた時期だ。後に自分がもっと偏った道を突き進むことになるなどとは思ってもいない。

 それにしても、「初音ミク」はもちろんのこと、パソコンでさくさくとビデオ編集はできるわ、ピアプロに参加する皆さんがイラストをアップしてくれているわ、もちろんニコ動のような発表場所はあるわ——便利になったもんだなあ、とつくづく感じ入ってしまった。それもこれも半導体技術の急速な進歩あってのことだ。ムーアの法則万歳!

 実のところ今回のアップも、歌詞において著作権的にアレな部分が残っている。それでもここしばらくのニコニコ動画の動きを見ていて、なにもかもを杓子定規に考えるのではなく、むしろ柔軟に行動したほうが良い結果を生むのではないかと考えるようになった。

 こういうものは考えるだけではダメで、実際に自分が動きの中に入ってみて、あっちうろうろ、こっちうろうろしなくては本当のことは分からない。もちろん面白くもない。

 というわけで、詩人の中本道代さんについてご存知の方、おられましたらご一報下さい。

 曲はまだいくつかあるので、そのうちにまたアップするかも知れません。こんな青春晩期の残渣がネット・コンテンツのにぎやかしになるのだから、愉快だね。

 一方野尻さんのほうは、さっさと先に進んでいて、SFマガジンに書いた短編「南極点のピアピア動画」を題材に、ネット上でコラボレーションを展開している。こういうところは、かなわないな。じゃんじゃんやってください。


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2008.03.01

BD-Frog;3ヶ月目の報告

Frog_in_lakehamana

 忙しさにかまけていると、すぐに更新の間隔が一ヶ月単位で空いてしまう。

 リハビリも兼ねて、BD-Frogのことを書く。

 昨年の12月13日に入手して以来、なんだかんだで300kmほど走った。使い勝手は良好、極めて快調である。1日の最大走行距離は、浜名湖一周をした時の約70kmほど。30km程度なら構えずにごく普通の自転車のつもりで走ることができる。
 なにより走るのが楽しい。タイヤが小さいからだろう。出足がいいので、メリハリのついた走りをすることができる。なかなか良い買い物をしたと思っている。
 写真は1月に浜名湖一周したときのもの。
 

 以下、A-Bikeの時と同じく。Q&Aの形式でインプレッションをまとめる。

 前提条件として、私のFrogは走行の基本部分を改造していることに注意して欲しい。変速機はシマノ・カプレオで外装8速化してあり、前後のサスペンションは、サイクルハウスしぶやスーパーハードスプリング(フロント)・ハードスプリング(リア)に交換してある。ブレーキもカプレオだ。
 また、タイヤはオリジナルのものからシュワルベのシティジェットに交換した。シティジェットはFrogの開発元である独r&mが、わざわざシュワルベに作らせた専用タイヤ。なぜか日本では装着して販売してはいなかった。


よく走る?
 上記の改造が前提条件、少なくともサスとタイヤの交換(1万2000円コースだ。しぶやで車体を買うとフロントのスプリングは無料になる)は必須だが、その限りにおいてはとてもよく走る。ママチャリは軽くしのぎ、フラットバーハンドルのコンフォート系サイクルと同等以上といっていいのではないかと思う。

直進安定性は良い?
 明らかに普通の自転車よりも悪い。手放し運転は私には無理。走り始めは気をつけないとふらつく。ただし走り出せば気になるほどではない。

下りで飛ばせるか?
 かなり飛ばせる。もっともホイールベースが短く、安定性はどうしてもその分悪いので、長い坂をがんがんペダルを回して猛スピードで下るのは危険だ。お薦めしない。普通の自転車程度に普通に走る分には問題ない。

上り坂には強いか?
 現状では、ギア比がかなり低い。私の軟弱な脚でも平地風なしでトップから2段目を常用する程度。すこし脚に自信があればトップ常用になってしまうだろう。したがって上りはまず問題ない。私ですら一番低いギアを使うことはめったにない。逆に言えばフロントをもう少し大きくしてもいいだろう。ちなみに現状でフロントはオリジナルと同じ52Tが入っている。

段差に弱くはないか?
 太めのタイヤとサスペンションの効果だろう。舗装路を走る限り全く問題ない。歩道の段差も通常の26インチ以上の自転車と同じ感覚で乗り越えることができる。

ライディングポジションは窮屈ではないか?
 もともと身長2mのドイツ人が乗れるよう設計されたとしか思えないぐらいに、ハンドルもシートポストも延びるので、いかようにでも調整できる。逆に言えば一般的な日本人が乗るならば、オプションパーツの投入で、かなりの範囲で好みに調整することが可能。私はハンドル低め、シート高めにしてやや前傾ポジションにしている。

変な形をしたエルゴノミック・グリップは効果ある?
 これは、今回の大きな拾い物だった。やや前傾の姿勢を取ると非常に効果があり、手のひらが疲れない。多くの人にお薦めします。バーエンドの付いたものもあるので、今後少しずつ試してみるつもり。
私が使っているGP-1S。値段もお手頃。フラットバーハンドルの自転車にお薦め。

レースグリップGC2S。長距離を乗るには、持つ位置を変えられるので、こちらのほうが適当かも。折り畳み時に干渉する可能性あり。

エルゴン レースグリップ GX2 カーボン。とても軽くて無茶苦茶高い。

同マグネシウム。まだ高い。

普及モデルの同GR2。格好が同じなのに材質が違うだけで大きく値段が異なる。

がんがん漕げば飛ばせる?
 脚力とギア比次第では、と言っておこう。実際サイクルハウスしぶやのスピードドライブを入れた試乗車は「40km/hで走れる」との評判だ。フレーム剛性がかなり高いので踏み込んでもフレームがよれるような感覚は一切ない。
 またBD-1の欠点だった、フロントフォークの剛性感の低さも感じない。おそらくフロントフォーク自体がタイヤに合わせて小さくなっているので、結果として比剛性が向上しているのだろう。

乗り心地は良いか?
 意外なぐらいに良い。高剛性フレームにサスペンションというモールトンにも似た基本構成と、太めのタイヤの組み合わせが効果を上げているのだろう。もちろん価格差からも分かるだろうが、モールトンのようなシルキーライディングを期待してはいけない。あれに比べればかなりがさつではある。

ロードレーサーに対抗できるか?
 無理。事前の予想以上によく走る自転車だったが、所詮は折り畳み自転車だ。走ることにすべてを集中したロードバイクにかなうはずがない。ただし、乗り手の脚力とセッティング次第では、初心者の乗るロードバイクを追走するぐらいはできるだろう。

前輪を外す改造をしているけれど、畳むのは面倒ではないか?
 慣れの問題だ。慣れると、自転車の金属部分を一切地面につけずに、手でもったまま広げることができるようになる。畳むほうも問題はない。少々手間が増える程度と思って欲しい。

輪行は楽か?
 BD-1に比べるとかなり楽。BD-Frogは小さいくせにBD-1とほぼ同じ重量があるのだが、それでも輪行は楽。容積が小さいので、まず肩から輪行バッグを提げたままで駅の自動改札を通過することができる。また、座席に座る際も、自分の座った前のスペースに置いてもかろうじて邪魔にならない。もちろんラッシュ時に輪行するようなことは避けるべきだろう。
 輪行の容易さは重量だけでは決まらない。軽いことに加えて、容積が小さいということも物を言う。

AZ-1に搭載できるか?
 すいません。まだやってません。やったら報告します。

 BD-Frogは、昨年で生産を終了してしまったモデルだ。すでに楽天では売り切れてしまっている。店頭在庫はまだ残っているようで、サイクルハウスしぶやのHPでは在庫あり。人気のルミナスグリーンだけが「3月下旬入荷」となっている。

「よく走る自転車のようだし、自分も欲しい」と思った人に、「これは絶対お薦めです」と言えるかとどうか。
 言えない。なぜならば、消耗部品の供給に不安があるからだ。BD-Frogは、12インチのタイヤを装着している。このサイズのタイヤは子供用の自転車ぐらいでしか使用しない。世界的に見ても本格的な自転車は、このBD-Frogぐらい。それ以外ではブリジストンのワンタッチピクニカぐらいしか、私には思い浮かばない。

 ここで問題になるのはタイヤの「シティジェット」の供給がどうなるかだ。「よく走る」というインプレッションは、シティジェットあってこそなのである。BD-Frogが生産中止になった今、シュワルベがいつまでこのタイヤを供給してくれるか分からない。

 その意味では、BD-Frogは「このスタイルがいい」「どうしてもこれに乗りたい」「これに乗れるなら多少の苦労なんて」という人にしかお薦めできない。私の場合は「とにかく可能な限り小さくなってAZ-1に載り、なおかつ良く走る折り畳み自転車が欲しい」というところからBD-Frogに行き着いたが、そもそもABCC(AZ-1、ビート、カプチーノ、コペンの軽スポーツカー達)に折り畳み自転車を載せたいなんて人はそうはいないだろう。

 単純に「よく走る折り畳み自転車が欲しい」ならば、同じr&mのBD-1なり、ジャイアントMR-4Fなり、ダホンバイクフライデーの一連のシリーズをお薦めする。「小さくなる折り畳み自転車」ならブロンプトンもあるし、バイク技研のYS-11も、いい自転車だ。軽さを追求するなら、パナソニックのトレンクルだってある。

「どうしてもBD-Frogが欲しい」という人にのみ、「この自転車は良く走りますよ」と自信を持ってお薦めする。ただしその場合も、最低でもサスとタイヤの交換という1万2000円コースの出費はついて回ると思ってもらいたい。

 結局のところ、BD-Frogは、売り方を間違えたばかりに、傑作になり損ねて終わった自転車という印象だ。開発元のr&mが悪かったのか、日本輸入代理店のミズタニ自転車が悪かったのかは知らないが、なぜ日本国内で、7段変速を備えた車体にハードサスとシティジェットを装着して売らなかったのだろうか。そうすれば、おそらくFrogの評価は一変していただろう。

 欧州では内装7段の「インター7」変速機を装着したモデルを販売していたのだから、なおさらそう思う。


 私としては当面BD-Frogで楽しく走れると思うと、それだけで十分である。シティジェットだけは、なくなる前に何本か入手しておかなくてはならないだろう。

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2008.01.12

蛙の詳細

 かくして手に入れたBD-Frogである。現状の改造箇所は以下の通り。

  • 変速機:シマノ・カプレオ
  • ブレーキ:シマノ・カプレオ
  • タイヤ:シュワルベ・シティジェット
  • フロント・スプリング:サイクルハウスしぶやオリジナル・スーパーハード(ステンレス)
  • リアスプリング:同ハード(ステンレス)
  • グリップ:Ergon パフォーマンスグリップ
  • ライト:TOPEAK 「ホワイトライト」
Frogall
 全体はこんなもの。一見したところ、特にオリジナルと変わるところはない。

Frontsus Frogに限らずR&Mの自転車全般に言えることだが、サスペンションのスプリングをよりハードなものに交換しないとふわふわして長距離を走るのがつらい。サイクルハウスしぶやのスーパーハードスプリングはオリジナルの2倍のばね定数ということだが、Frogにはちょうど良いぐらい。海に近いところに住んでいるので、錆を警戒してステンレス製を選択した。

 バネだけではサスペンションにはならない。ダンパーも必要なのだが、それはフロントタイヤ支持部の回転部分がやや動きが渋く、その部分の摩擦がダンパーの役割を果たしているようだ。今のところサスペンションとしての機能は快調である。

Rearsus リアのスプリングはフロントと同じくしぶやオリジナルのハードスプリングのステンレス製。これはもっと硬いもののほうがいいようだが、リアのスーパーハードは販売されていない。こちらはもう少しダンパーが効いたほうがいいようだ。スプリングの中にブチルゴムを丸めて詰め込もうかと思っている。

 フロントとリアを合わせたサスペンションの感触は、まあまあだ。さすがにモールトンのシルキーライドとは比べるべくもないが、BD-1ストレートフレームモデルの、どことなくがさつな動きに比べると、こちらのほうがまだだいぶましである。

 ただし、私のBD-1は2001年モデルだ。2002年以降は大幅改良されたという話もあるので、あるいは現行のBD-1はずっと改善されているのかもしれない。

 どちらにせよ12インチのタイヤでどんどん走ろうと思えば、サスは不可欠。もしもサスなしにすると、スポークが折れるだろう。今後も躾けつつ、付き合っていくしかない。

Capreo 一番の特徴である、カプレオ8速の外装変速機。幅が足りないので9速全部を使うことができない。タイヤが12インチと小さいので、ディレイラーの地面からのクリアランスがけっこう厳しい。普通に走る分には問題ないが、ショップからは「路肩では気をつけた方が良い」と言われた。

 タイヤは、12インチでは唯一のスポーツ走行用であるシュワルベの「シティジェット」。ほとんどこのFrogぐらいしか使用しないタイヤなので、製造中止が心配だ。何セットか備蓄しておくべきか…

Offsetrear かなり無理矢理外装変速機を取り付けているので、リアタイヤは左にオフセットしてしまっている。このため、右にやや曲がる傾向があるが、乗って走っている分にはほどんと意識することはない。

 逆にこれだけオフセットしていても、すいすい走れるというのは新鮮な発見だった。人間はたいていの状況に適応してしまうものだということだろう。

Front クランク周りはノーマルのままだ。今後少しずついじっていくつもり。ギア比的にはフロントを60Tにするのがいいだろうと思っている。なるべく重量は増やさしたくない。逆にこの部分では減らしていきたい。軽量化のためには、シマノの最高級コンポのデュラエースに入れ替えるのが一番簡単だが、けっこうなお値段がする。

 SpeedDriveについても悩んでいるところだが、プラス1kgの重量増加となることを考えると付けない方が良いのかも知れない。財布にもやさしいし…

Handlebar ハンドルは、携行性を重視してバーハンドルのままにすることにした。その代わり、このエルゴノミクスグリップを付けてみた。なかなか具合が良い。シートと合わせて今後少しずつ調整していくつもり。

 もう少しハンドルは短いほうがいいのだが、このグリップを使う限り現状が限界だ。ショップでは「グリップを切りつめればいいんですけどね」と言われた。そこまでやるべきかどうか、検討中である。

Lightbrake ブレーキもカプレオに変更した。ブレーキの効きは良好。これはマストアイテムといえるかも知れない。シマノのコンポーネントが世界を席巻したおかげで、私達はあちこちのメーカーのコンポを選ぶという楽しみを失ってしまったが、シマノ製品が高品質であるというのもまた事実である。

 ライトはこれまた小型軽量を優先してTOPEAKの「ホワイトライト」を選択した。私の場合、機能を追い求めて重量増加を招き、気楽に持ち歩けなくなったら本末転倒である。

Brake 折りたたむ時はまずフロントのブレーキをはずし、前輪を取り外す必要がある。外装変速機を装着したことのデメリットである。ショップによると「新型のXTR(シマノのマウンテンバイク用最高級コンポーネント)のディレイラーだったら、前輪を外さなくとも畳めるかも」ということだが、現状本当にできるかどうかは不明。

 まあ、以前ランドナーで輪行していた時のことを考えれば、フロントタイヤを外すぐらい、なんということはない。

Fold1Fold2 畳む時の注意点。ディレイラーを持ち上げて、できた隙間にフロントを押し込む必要がある。

Fold3Fold4 こんな感じに畳むことができる。

 現状でだいたい10kgちょうど。今後は、ハンドル周り、シート、フロントのクランク周りを交換することで9kg前半まで軽量化できるだろうと踏んでいる。もちろん高価な部品を投入すれば、それだけ軽くできるはずだが、「気楽に使える道具」を目指すに当たっては自ずと限界があるだろう。  まずはシートを交換したいところ。オリジナルは自分のお尻にあわないらしく、すぐにお尻が痛くなってしまう。

 なによりも走るために購入した道具だ。せっせと持ち歩いて、あちこちを走ってみなくては面白くない。

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蛙の品定め

 私が赴いたのは、お花茶屋駅近くにあるサイクルハウスしぶやだった。ここは、Frogの改造を手がけており、シマノのカプレオによる外装変速機8段のモデルを販売している。試乗車を置いているというので、まずは乗ってみるか、ということだった。

 しぶやの試乗車は、カプレオだけではなく、フロントにSpeed Driveも組み込んであった。フロントに組み込む2段変速機である。「フロントは70T相当になっています」という話だった。

 この試乗でノックアウトされてしまった。

 良く走るのだ。

「こりゃ、走るフレームだ」と思った段階で、私はFrogを購入することを決めていた。

 サイクルハウスしぶやに発注する以上、カプレオ仕様だ。カプレオにすると前輪を外さないと折りたためなくなってしまうが、輪行用と思えば大したことではない。ギアの塊で重い内装変速機から、外装変速機にすることで軽量化も期待できる。

 調子に乗ってSpeedDriveも付けようかと思ったが、なにしろ車両価格と同じぐらい高価な部品なので断念。自分が必要最小限と考える装備変更に留めることにした。

 納期は約1ヶ月。というわけで年の瀬、輪行バッグを持って再度サイクルハウスしぶやに赴く。

 畳み方が変わるので、まずはそれを習う。外装変速機にしたことで、きちんとした手順で畳まないといけない、ややデリケートになってしまっている。

 そのまま店から走り出す。その日はお花茶屋から荒川に出て、東京駅まで走った。楽しい。なかなか楽しい自転車だ。これはしばらくの間、輪行と改造の両面で遊ぶことができそうではないか。

 というわけで、私は蛙の飼い主となった。どこをどう改造したかは、次回書くことにする。

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2008.01.10

蛙を選ぶ

 BD-Frogを選ぶに当たっての条件。

 もともと小径車を夢見るや、一気に自転車の試乗をするのあたりから色々と情報収集はしていたのであった。

 かくしてまとまった条件は以下の通り。

  • 輪行時に電車内で、そこそこ混んだ状態であっても他のお客さんのじゃまにならないこと
  • それなりの段数の変速機が付いているか後付可能で、長距離を気楽に走れること。
  • よく走る筋のいいフレームであること
  • なるべく軽いこと
  • AZ-1に搭載できる程度に小さいこと

 まず、BD-1ブロンプトンのような、スタンダードな折り畳み自転車ははずすことにした。これらはそもそもAZ-1に入らない。
 また、輪行となると意外に邪魔になる。少なくともこれらの自転車を持って通勤通学時間帯の電車に乗るのは避けたいところ。
 A-Bikeはかなり混雑した電車内にも持ち込める。そこまではいかないにしても、小さくまとまることは、それだけ利便性を向上させる。
 極論するならば多少重くても構わない。小さくまとまることが優先だ。

 村山コーポレーションのMC-1Aや、バイク技術研究所YS-11は、折り畳み後のサイズが微妙なので落ちる。YS-11は多段変速機を組み込めるかどうかも微妙だ。

 Smartcogantは、かなり理想に近い。しかし、折り畳み方法が輪行に特化しており、AZ-1には入らない。

 残った候補は以下の通りである(画像は楽天へのリンクになっている)。


 Panasonicのトレンクル6500:6.5kgの軽量自転車だ。多段化も和田サイクルなどでノウハウが蓄積されている。問題は多段化すると25万円程度と、財布直撃の値段になること。さらに、6.5kgというかなり軽量化のため、タイヤやタイヤチューブなどの耐久性が犠牲になっている。気楽に乗れる自転車に仕立てるにはさらなる投資を必要とする。


 ブリジストンのトランジットスーパーライト:重量は7.4kgだが、トレンクルよりもずっと安い。多段化の実績もあり。欠点は見かけが地味なことか。


 BD-Frog:重量は10.5kgと一番重い。デザインは一番斬新。ノーマルで3段変速だが、シマノのカプレオを組み込むと8段変速になる(リアの幅がきついので9段フルにはつかえない)。

 これらのうち、最初に落ちたのが、トランジットスーパーライトだった。理由は簡単。「見かけが好みではない」。機能とコストパフォーマンスという点では悪くないのだが、自転車は嗜好品だ。なによりも自分が持っていてうれしくなくてはいけない。走るだけではなく、眺めてニヤリ、というところがなくてはね。

 というわけで、しばらくの間、トレンクルとBD-Frogの間で揺れていった。

 Frogについてはイラストレーターの米田裕さんが開設しているFrogBlogがずいぶんと参考になった。

 米田さんのFrogは、購入1年後同2年後同3年後と大幅な改造を受けている。つまりそれだけ改造の楽しみがあるわけだ。

 だが、同時にこれらを見ているうちに一つの傾向に気が付いた。米田さんの改造は機能追求型で結果として重量増加を招いている。

 とすると、機能追求をほどほどにして、軽量化に注意していじっていけば、米田Frogとは違うFrogを仕立てることができるのではないだろうか。

 いくつかのホームページで、カプレオ装着のFrogについて「良く走る」と書いていることも気になった。ひょっとしてFrogのフレームは「よく走る」のではないだろうか。
 あれこれ自転車に乗っていると分かるが、自転車のフレームには明らかに「よく走るフレーム」と「そうではないフレーム」が存在する。よく走るフレームは、自分の踏み込んだ力がそのまま前進する力に変換されるという印象がある。折り畳み自転車で、良く走るフレームはなかなか難しいらしい。私も持っているBD-1(旧モデルのストレートフレーム)は、まあまあではあるが決して「良く走るフレーム」ではない。試乗した印象で語ってしまえば、ブロンプトンストライダも、どんどん前に出る「走るフレーム」ではない。

 Frogが、走るフレームを持っているなら、これは入手する価値があるのではないだろうか。

 Frogは、製品としては色々と中途半端である。

 R&Mは日本市場に向けて「BD-1よりコンパクト」というセールスポイントで売ろうとしたらしい。

 ところが、10.5kgという製品重量でも分かるように、Frogのフレームはやたらと頑丈だ。加えてシートポストは2段になっていて身長2m近くあっても乗ることができる。つまり設計は、体の大きなドイツ人が基準となっている。日本人に売りたければ、フレームをもっと華奢にしても軽量化を優先するべきだった。
 しかも、欧州では7段変速モデルを販売しているにもかかわらず、日本では3段変速モデルしか販売しなかった。
 10万円を超える製品だ。日本でのユーザーがマニア層になることは自明である。と、なれば7段変速を売るのが普通だろうに。

 これに加えて2007年モデル限りで製造中止だ。こういう「素材としては良いのだけども、製品トータルでみるとなんだかなあ」というものを、自分なりにその潜在能力を開花させるのは面白そうではないか。

 というわけで、昨年11月のある日、私は日暮里経由で京成電車に乗ったのであった。日暮里駅は改装中で、一部で有名になった修悦体の乗り換え案内が出ていた。

Syuetsu


 これだけで自転車好きなら私がどこに向かったかは分かるであろう。というわけで続くのです。

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2008.01.09

蛙(Frog)を飼う(買う)

Bdfrog

 A-Bikeを入手して、まだ1年経っていないというのに、また自転車を買ってしまった。

 R&MのBD-Frog。折り畳み自転車だ。

 正確に言うと、A-Bikeを入手したからこそ、Frogを買ってしまったのである。

 A-Bikeを持ち歩き、主に都内を走り回っていると、JRと地下鉄を使って移動していた時とは地理感覚が変化してくる。遠いと思っていた2点間が近く感じられるようになる。例えば表参道から信濃町、あるいは白金から品川。本郷三丁目から竹橋を経由して東京駅などというのもすぐ近くに思えてくる。

 こうなってくると、もっと違う道を走りたくなる。もともとバイク乗りの私は、知らない道を迷いつつ走るのが大好きだ。しかしA-Bikeではやはり10km以上を走る気にはならない。

 持ち歩きがそこそこ楽で、もっと長距離を走れる輪行用自転車。休日にちょっと持ち出して知らない町に出かけ、30km~50kmぐらいを楽しく走るための自転車。そんなものが欲しくなってしまったのだ。

 できれば、小さく狭いAZ-1に乗せることができるものがいい。リカンベントに改装したBD-1はAZ-1に積むには大きすぎる。

 去年の初夏あたりから、そんな欲望の虫が頭にとりついて「買えや~」「買わんかいな~」とささやくようになってしまった。

 欲望に支配されつつも冷静に考える。いったい自分はどんな自転車が欲しいのか。

 まず、AZ-1に搭載できる程度に小さいこと。輪行時に電車内で、そこそこ混んだ状態であっても他のお客さんのじゃまにならないこと。それなりの段数の変速機が付いているか後付可能で、長距離を気楽に走れること。よく走る筋のいいフレームであること。なるべく軽いこと。

 いくつか候補をチョイスして、ああでもないこうでもないと楽しく悩んでいたのだけれど、2つの出来事が背中を押してしまった。まず、臨時の仕事で収入があったこと。次に、Frogが2007年モデルで生産終了となってしまったこと。

 「もう手に入らなくなる」となると欲しくなるものだ。あの心理にやられてしまった。
 写真は正月に茅ヶ崎から鎌倉・鶴岡八幡宮まで走った時のもの。往復30kmを特に疲れるでもなく、ごく普通に走ることができた。

 こりゃいい買い物をしたと、今はご機嫌である。

 詳細についてはおいおいと書いていくことにする。実は、すでにノーマルのFrogではないのです。

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2007.11.04

A-Bikeが壊れた(その3):組み立てる

 A-Bikeを組み立てる事自体は大して難しくない。すべてのネジにワッシャが入っているから、なくさないように注意することぐらいだ。

Chaincutter 今回、一次系、二次系共にチェーンを交換したが、これまた道具さえあれば簡単だ。一次系のシマノのチェーンは、シマノ製のチェーンカッターがあれば、簡単に切断できる。新しいピンを押し込んでの結合も、同じチェーンカッターで行える。ピンはチェーンを買えば附属しているが、ピンだけを購入することも可能だ。  二次系は、専用のチェーンカッターで切断し、結合専用のコマでつなぐ。

Prichain 上がオリジナルの中国製?チェーン、下がシマノの8段変速用チェーン。手に持つとコマの動きが違う。シマノ製のほうがずっとなめらかだ。きちんと計測したわけではないが、重量もシマノ製のほうが軽いようだ。二次系の細い25チェーンも、椿本製のほうが軽かった。チェーンを交換することで、若干の軽量化も期待できる。

Cleaner 組み付ける前に、ギアはきちんと清掃した後に注油しておくこと。清掃には自転車専門店にある専門の清掃剤を使うと速いし確実だ。オイルも適当なミシン油や自動車・バイク用のものではなく、自転車専用のオイルを使おう。

 組み上がったら、テスト走行だ。しばらくの間はネジのゆるみに気をつけよう。乗るたびに毎回点検したほうがいいだろう。

 かくして私のA-Bikeは復活した。

 チェーン交換の効果は大きかった。明らかにペダルとタイヤの回転がスムーズになり、乗り心地が向上した。オリジナルが使用している中国製らしきチェーンは、性能的に足を引っ張っているらしい。

 チェーンのような基本的な機械要素は、設計と製造のノウハウが性能に直結する。進展著しい中国の機械工業だが、基本的な部分はまだまだこれからのようだ。

 思わぬトラブルではあったが、色々と面白かった。香港とのメールのやりとりも楽しめたし、A-Bikeを分解して設計を見ることもできた。

 自分としては完全に元を取った気分である。

 さて、今回のことで分かること。

  • 多少の面倒さを気にしないのならば、並行輸入品購入もありだ。壊れても部品さえ入手できれば直せる。
  • 逆に極力面倒を避けたいなら、正規輸入品を買うしかない。
  • チェーンはできれば交換したほうがいい。
  • 自分で修理するなら、必要な工具やケミカル類を惜しむべきではない。特にチェーンカッターのような専用工具は、よほど腕に自信がある人以外は是非とも買うべき。

 そして、とても大切なこと。

  • 大抵のことは、面倒がらずに自分でやってみると、意外に楽しい

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2007.11.03

A-Bikeが壊れた(その2):観察する、調達する

Staedgear2


 A-Bikeの続き。

 香港にメールを出すと、すぐにルイスという署名の入ったメールが帰ってきた。

曰く"We will check and advise shortly. Thank you."(調べてみるよ)

 ということなので、まずは返事を待つことにする。その間に分解したA-Bike駆動系の観察だ。

Stagedgear 実際、駆動系は本当にぎりぎりの設計をしているなという印象である。

 1次系のギアは、14歯(T)と8Tだ。8Tというのは、チェーンで使える限界まで小さなギアではないか。
 自転車部品の業界最大手、シマノの小径車用のコンポーネント(フロントとリアのチェーン駆動系全体のことを指す)「カプレオ」は、リアの最小ギアが9Tだ。通常の自転車用コンポーネントだと最小11Tである。

 2次系も、リアタイヤ側のギアは9Tと、ぎりぎりの小ささを選んでいる。小型軽量化のために、可能な限り歯の数が少ない、小さなギアを選んでいるようだ。

 ギアには耐摩耗のための熱処理を一応施してあるようだ。それでも歯を観察すると摩耗が始まっている。知人の機械技術者に見せると、「高周波焼き入れはしていないようですね」ということだった。

 回転部分はすべてメタル軸受けではなくベアリングが入っていた。中間軸などは、荷重のかかり方を考慮してだろう、右端はベアリングひとつ、左端はベアリング2つで力を受けるようになっていた。予想通り、いやそれ以上にA-Bikeは考え抜かれた設計をしている。

 2次系に使われている細いチェーンは、調べてみると1/4インチピッチの「25」という規格品だった。エンジンのカム駆動や、ゴーカートの駆動系などに使われているらしい。

25chain2 チェーンの質はお世辞にも良くない。中国製らしい分厚いプレートのぼったりとしたチェーンが使用されている。しかも妙に動きが渋い。これは交換したほうがよさそうだ(写真は25チェーン。左がオリジナル。右が東急ハンズで買った椿本製)。
 1次系は、シマノの標準品に交換することにする。シマノは8段変速までと9段、10段変速機のためにそれぞれ幅の異なる3種類のチェーンを出している。8速用チェーンは幅が太く、10速用は細い。重量面では10速用の方が軽いが、ギアの歯が分厚いことから8速用チェーンを用意した。自転車屋に聴くと、シマノのチェーンはどうやら台湾製らしいとのこと。

25chain_2 細い25チェーンは、東急ハンズであっさり見つかった。椿本製の国産である。オリジナルは「25H」というプレートの分厚い引っ張り強度の高いチェーンが付いていたが、まあ国産なら強度的に余裕があるはずだから大丈夫と、あまり根拠もなしに通常の25チェーンを使うことにする。
 ちなみに椿本のチェーンは全量国産だそうだが、以前椿本を取材した経験のある知人によるとプレートのための鋼材は、韓国のポスコ製を購入していたとのこと。

 台湾も韓国も日本も、国際分業が進んで、垂直方向で見ると一蓮托生になっているのだった。

 ここで困ったのは、チェーンを必要な長さに切るチェーンカッターだ。チェーンはコマをつなぐピンを押し出して抜く、チェーンカッターという専用工具で切断する。

 自転車用のチェーンカッターは持っているのだが、25チェーン用のものは持っていない。東急ハンズの店員は「チェーンの頭をグラインダーで削ればOKですよ」というが、駆動系に傷を入れる可能性のあるようなことはあまりしたくない。こういうときは専用の道具を使うかどうかで結果が大違いになる。ここは多少高くとも専用のチェーンカッターを入手すべきところだろう。

 色々探し回り、モノタロウという工具専門Webショップから、25チェーン用のチェーンカッターを購入した。専用工具を捜して専門店を巡り歩く手間がはぶけたのは非常にありがたい

 あれこれ、準備をしているうちに、香港のルイスから返事が返ってきた。

"Just received call from our production manager and found out that the replacement wheel will cost you US$23 per unit plus shipping cost of US$15 via speedpost. "

 部品は25ドルで送料が15ドルとな。

 本当はギアが割れるなんてのは設計ミスか、製造ミスのどちらかだろうと思う。「保証期間はどうしたあっ」と、暴れたいところではあるが、まあ5000円以下ということもあるし、この値段を受け入れることにする。ここで部品を入手できないと、困るのはこちらである。

Since our website does not have this part listed so the most efficient way for you to order this part will be by putting through an order of "one unit of Inner tube" (Total sum will come to US$37) and pay by credit card."

 はあ?

 なんで私がお前さんとこのWebショップでタイヤチューブを買わねばならんのだ?

 ちゃんとメールを読めば良かったのだが、流し読みで前段を見落としてしまった。ルイスに「こっちが必要なのはタイヤチューブじゃなくてギアだ。なにいってんだかわかんねーぞ」というメールを送る。

 するとルイスから"We understand your broken part (gear) from the pictures you sent us. We just have different part name to it."と帰ってきた。

 そうか、37ドルの部品をオーダーすれば、値段は同じ(実際には38ドルだがまけてくれるということだろう)ということで、こっちの必要な部品を送ってくれるということか。

Package2 早速手続きをすると、数日で、香港から部品が届いた。

 ギア割れの対策をしたものを送ってくるかと思ったら、前と寸分違わぬ部品を送ってきた。
 少々不安ではあるが、これを取り付けるしかない。

 さて、組み立てようか。

 で、続きます。

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2007.11.01

A-Bikeが壊れた(その1):分解する

Gearchain

 あれは8月の末だった。A-Bikeを東京に持ち出し、三鷹から調布、吉祥寺あたりを走り回り、帰宅したまさにその時、「ごりっ」という感触と共に突然ペダルが回らなくなった。


Crank もともと「トラブルがあれば、それを楽しむ」ということで入手したA-Bikeである。「それっ」てなもんで、部屋に持ち込んで分解してみる。

Wheelshaft  駆動部分の分解そのものは大して難しくはなかった。ペダルを外し、後輪シャフトを止めているボルをを外し(左側が逆ネジなのに注意 )、六角レンチで駆動部分のカバーを止めているネジを緩めてはずせば、あっさりと駆動部部分に到達できる。

 するとチェーンとギアが噛み込んで外れなくなっていた(冒頭の写真参照)。おや?ギアが噛み込むというのはどうしたことだろうか。チェーンの質が悪くて伸びてしまい、ギアに噛んでしまったのかと思い、定番潤滑剤のCRC-56を吹いて引っ張ったがとれない。

 mixiの日記に「取れないよ」と書いたらエンジニア系の知人から、「そういうときは暖めるのだ。バーナーであぶれ」というアドバイスを貰った。ギア類は焼き入れがしてあるからなあ、と、少々ためらったが、ともあれ外れないことには、どんな処置も施しようがない。意を決してキャンプ用のガスコンロを出してあぶったところ、あっさり外れた。

 …むむ、これは。

Gear1

Gear2 なんとギアが割れていた。

Powertrain A-Bikeはペダルの回転を2段のチェーンで増速している。最初の第1段チェーンは、通常の自転車と同じチェーンが使われており、2段目はより細いチェーンを使用している。その第1段目、中間軸についた8歯(以下Tと略記する)のギアが根本から完全に割れていた。

 こうなるとお手上げだ。部品を入手しなくてはならない。

 私のA-Bikeは、Mさんという方から譲り受けたもの。Mさんは、発売初期に香港の通販サイトから、A-Bikeを買っている。

 これは部品の入手は結構面倒かも知れない。

 まあ、その面倒さも含めて、楽しいことになりそうだ。半分面倒。半分わくわくの気持ちで調べ始める。

 まずは、日本代理店の大作商事のページを見る。するとちゃんとパーツリストが掲載されているが、部品名からはどの部品を入手すればいいのか分からない。パーツのイラストぐらい置いてあってもよさそうなものだ。

しかも「※お買い求めは弊社発行のシリアルNoが必要になります。保証書をお手元にご用意の上お電話ください。」などということが書いてある。

 これはあぶないなあ、と思いつつ大作商事に電話する。案の定「うちでは、うちから出した製品にしか部品を売っておりません」という返事が返ってきた。

 大して驚くことでもない。そもそも総代理店とはこういうものだ。

 20年ぐらい前、Mac初期やDOS/V初期には、この手の小さな代理店が秋葉原にいっぱいあった。アメリカのメーカーと契約し、「日本語化しました」と称して向こうの価格の2倍ぐらいの値段でパソコンの拡張機器やら、ゲームソフトやらを売っていたものだ。日本語化の中身は、向こうのマニュアルの粗末な日本語訳がコピーでくっついてくる程度だった。「バージョンアップも通知します」などとやっていたところもあったが、来た試しはなかったな。

 自動車のようなサービスに手間のかかる大物ではないのだから、修理用部品ぐらいじゃんじゃん供給して知名度と好感度を上げたほうが得だと思うのだが(修理用部品の一手供給の契約でも結べば、儲けも増えるだろう)、どういうわけか彼らは「独占」というところにこだわる。逆に言えば商売の基盤が、あやふやな「独占」ぐらいしかないことを理解しているのだろう。

 では、どうすればいいか。

 かつては、アメリカのショップと直接ファクシミリをやりとりして、パソコン用品を海外通販で手に入れたものだ。同じ事をすればいい。

 かくして私は、MさんがA-Bikeを購入した香港のサイトに英語のメールを送った。英語だからと気後れする必要はない。日本人なのだから英語が下手なのは当たり前なのだ。ましてや相手は香港の中国人である。

Gear4「わたし日本人ある。お宅から買ったA-Bikeこわれちゃたよ」と、破損場所のデジカメ画像を添付してメールを送ったのは、9月の初めのことだった。  電子メールは便利だ。画像を添付すれば、どこがどう壊れたのか、部品の名前を知らなくとも相手に伝えることができる。

 というわけで、以下続くのです。

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2007.10.31

便利だよ、A-Bike

Longbow
Type90


 以前書いたA-Bikeに関する記事は、かなり注目を集めているようで、今でも一日10件程度は、A-Bikeで検索した方が、当blogにやってくる。

 ちと高いが、国内代理店の大作商事からの販売も始まり、それなりに注目を集めるようになったからだろう。

 私はといえば、便利にA-Bikeを使っている。ちょっと出かけるのにも使うし、東京まで持ち出して走るのもなかなか楽しい。5kg台という軽量設計と、駅でごく短時間に折りたたむことができるというのは、大変大きなメリットであると痛感している。

 が、実のところ、A-Bikeで一番便利さを感じたのは、自動車でイベントに出かける際だった。

 大きなイベントでは駐車場が会場から離れている場合が多い。そこで、会場近くで同行者を降ろし、ドライバーのみが駐車場に車を回してから、A-Bikeで会場に駆けつけるという手法を試してみたところ、これがなかなか便利だったのだ。

 一番便利に思ったのは、8月に富士の演習場で行われる、陸上自衛隊の総合火力演習を見学に行った時だった。総合火力演習では抽選で駐車場を確保できるが、これが見学場所からかなり離れている。
 この時は知人の自動車に乗せて貰って会場入りしたのだけれど、A-Bikeも持っていき、ドライバーは駐車場からA-Bikeで見学場所入りした。

 小さく畳めるので、ごったがえす見学場所でも邪魔にならない。他の折り畳み自転車なら、「どけろ」とクレームが来ただろう。

「いやあ、歩くより全然楽でしたよ」とは、ドライバー氏の言だったが、真の威力は、帰りに発揮されたのだった。

 演習終了後、集まった見学者が一斉に帰宅することになる。通常ならば、駐車場まで歩いて、自分の車に乗るわけだが、それだと他の人たちと同じタイミングで駐車場から出ることになる。演習場近辺の道は決して広くない。渋滞するのだ。

 ところが、ドライバーだけ先にA-Bikeで先行していると、道が空いているうちに駐車場をでることが可能になる。そのまま見学場所まで自動車を回して、全員をピックアップ、渋滞にぶつからずに帰ることができた。

 A-Bikeのおかげで、今年の総合火力演習はとても楽だった。

 実際問題としてA-Bikeは軽くて小さく畳めるので、自動車にいつも常備しておくという使い方もありだと思う。ただし、その場合もタイヤの空気圧には注意する必要があるだろう。6インチの小さなタイヤは、空気が抜けやすい。

 このように、便利に使っているA-Bikeだが、トラブルもあった。次回はそのことを書こう。

 写真は総合火力演習の様子。



楽天でA-Bikeを捜してみると、5万8800円〜4万2000円で買えるようだ

 おそらく5万8800円というのは、大作商事を通して入ってきた正規輸入品で、4万円台のものは並行輸入品だろう。モノとしては同じなので、大作商事を通すことで2万円ほど値段が上がっているということである。

 後で書くが、並行輸入品はパーツの入手が若干面倒になる。消耗品や破損部品などの入手を考えると、正規輸入品のほうが安心ではある。

 が、この手の輸入代理店がどこまで責任を持ってくれるかと言えば、これまた分からないところだ。売るだけ売って、扱いをやめてしまう例もある。

 なお、「A-Bikeタイプ」「A-Ride」などの名前で売っている1万円台のニセモノは、間違っても買ってはいけない。自分で分解してみて分かったが、A-Bikeは本当にぎりぎりの設計をしている。材質粗悪なニセモノは、耐久性に劣ることは確実だ。

 乗車時に壊れれば、場合によっては命に関わることだってありうる。命が惜しければ、本物を買うこと。