2008.03.27

MRJへの不安

 国際宇宙ステーション日本モジュール「きぼう」を巡って、野尻抱介さんにたまには元気の出る記事も書いてやりましょうよ>松浦さん。と書かれてしまった。

 いや、まったくその通り。私だって辛辣な話ばっかり書きたい訳じゃない。現場の人たちが頑張っていることは分かっている。「きぼう」関係者の皆さん、ごくろうさまでした。

 が、「きぼう」開発と運用の現場が、なんとか目的を達成しようとして努力しているということと、国際宇宙ステーション計画が妙なところにはまり込んでにっちもさっちもいかなくなっているということは別問題だ。

 どんなに耳に痛いことでも、事実なら書くしかないし、指摘すべきことがあれば指摘するしかない。私のような立場の者が、よいしょに走れば、事態はもっと悪くなるだろう。

 と、大上段に振りかぶってから、またも「暗くて後ろ向きの話」を。

 この半月ぐらい、「MRJ、三菱リージョナルジェット」の検索で当ページを訪れる人が急増している。去年の秋に書いたMRJ、大丈夫か?続・MRJ、大丈夫か?が引っかかるらしい。

 三菱重工業が開発を目指す国産旅客機「MRJ」を巡る情勢は急速に動いている。本日、全日空が25機を発注してローンチカスタマーになると発表した。ベトナムや中東への売り込みを行っているというニュースも流れている。

Mrj この写真は、地下鉄浅草線の車内広告。携帯電話で撮影したので画質は悪い。三菱重工業の航空部門が大々的に求人を出している。人まで集めるとなると、これは開発開始確定だろう。

 YS-11以来の国産旅客機の開発だ。もちろん喜ばしい。

 しかし、私にはどうにも引っかかることがある。それは「三菱の技術者は本当に旅客機を設計できるのか」ということだ。

 「何を失礼なことを言っているのか」と怒らずに、以下読み進めて欲しい。三菱の航空技術者の質を疑っているわけではない。経験値が足りているかどうかを気にしているのである。

閑話休題——

 オリンポスというとても小さな航空機メーカーがある。重工業系とは別の独立系航空機メーカーとしては、おそらくは日本で唯一の会社だ。八谷和彦さんのOpenSkyプロジェクト、通称「メーヴェのようなもの」の、機体を設計・製造したところである。

 宇宙作家クラブでは昨年、八谷さんの紹介でオリンポスの工場を見学し、さらに後日の例会で、オリンポス社長の四戸哲さんに講演してもらった。四戸さんは飛行機が作りたい一心で大学を出てすぐに自分で飛行機を作る会社を興してしまった(しかもこの日本で!!)という、筋金入りの方だ。

 四戸さんの話は、とても面白かった。「メーヴェのようなもの」の設計方針と具体的な機体の構造とか、同じ先尾翼機でもビーチ・スターシップはなぜ失敗し、ビアッジオ・アヴァンティは成功したのかとか、YS-11の設計の詳細部分「ここがこうなっているのは、こういう理由からで、そうなるにあたってはこの部分にこんな問題があったんです」とか——自分で手を動かしている人にしかわからないであろう、飛行機という道具の機微を色々と聞かせて貰った。

 四戸さんの話を自分なりにまとめてみるに、どうも、飛行機の設計に当たってには、自分で飛行機に親しみ、経験を積み重ねていかないと、どうしようもない部分があるようなのだ。自分で設計、開発することでしか得られない、航空機開発者にとって必須の“なにか”があるようなのだ。

 それが何に由来するものかは分からない。とにかく経験とか勘とかが、設計に非常に大きな影響を与えるらしい。


 ここでまた別の話、今度は三菱重工業のOBから聞いた話である。

 三菱重工がボンバルディアのパートナーとしてグローバル・エクスプレスの開発に参加した頃、というから多分1991年か92年か、そんな時期の話だ。

 三菱重工は、グローバル・エクスプレスにことのほか力を入れて、ボンバルディアに独自の設計案を提示しようとしたのだそうだ。三菱社内で検討して機体のアウトラインを作成し、YS-11の設計に参加したOBを招いて社内の審査会を開いた。

 やってきたOBは図面を一目見て言った。「この設計じゃダメだ。悪性の失速を起こす」

 失速というのは飛行機が機首を上げて迎え角を大きくしていくと、あるところで翼の上面の気流がはがれて、翼が浮く力——揚力——を発生しなくなる現象のことだ。詳細は省くが、失速には適切な機体コントロールで揚力を回復できるものもあれば、容易には機体のコントロールを取り戻せないたちの悪いものもある。

 この時の三菱の設計は、たちの悪い失速を起こしやすい——OBは一目で見抜いたのだった。

 ここで問題は、YS-11の設計に参加していたOBが一目で見抜けた問題を、なぜ三菱重工の現役技術者達が見抜けなかったのか、ということだ。同じ三菱に採用され、働いていた、あるいは働いている人たちだ、資質にそんな差があるはずがない。

 となれば、その理由は実際に飛ぶ飛行機を設計した経験の有無ではないかではないかと思われるのである。


 そういった航空機設計の機微の部分、すなわち設計者が持たねばならない感覚は、スポーツや楽器演奏における身体機能のように、日々の鍛錬を続けないと簡単に退化するのではないかという気がする。

 YS-11は、1962年8月30日に初飛行している。敗戦後17年という時期だから、かつて軍用機を設計、製造していた人材が沢山いた。それでもYS-11は空力特性が劣悪で、特に横安定の不足はどうしようもなかった。このため初飛行後、垂直尾翼の面積を増やし、さらに主翼上半角を増すなどの、機体設計の根幹に関わる部分の大改造を受けねばならなかった。

 航空機設計の経験者が集まってこの状態ということは、17年もの空白があれば、設計の機微の感覚は失われるということを意味しているのではないだろうか。ましてMRJは、2012年就航予定ということは、1964年就航のYS-11から48年もの空白があるのだ。

 もちろんその間、三菱重工としてはMU-2MU-300も開発したし、F-15のようなアメリカの機体の生産、さらにはF-2のような自衛隊向けの機体の開発を行っている。しかし、旅客機の設計となると、それらの経験が通じる部分と通じない部分とがあるだろう。
 果たしてボンバルディアやボーイングの旅客機で開発パートナーとして積んだ経験は、それら軍用機開発の経験に欠けている部分をどこまでおぎなえるのだろうか。


 経験不足を確実におぎなう方法は存在する。まず実験機を開発して経験を積み、しかる後に本番の機体を開発するのである。

 ホンダは航空機産業への参入にあたって、この手法を採用した。1986年から航空機事業への参入を目指した研究を開始。この前後に優秀な航空工学科の学生をかなり採用したそうだ。アメリカで実験機「MH02」を開発し、1993年に初飛行。



Mh02

MH02(ホンダミュージアムにて)

 この機体は現在、ツインリンクもてぎのホンダミュージアムに展示されている。炭素系複合材料を大胆に使用した機体だ。

 この経験の上に、同社はホンダジェットを開発し、ビジネスジェット市場への参入を果たしたわけだ。20年越しの息の長い開発プロジェクトだった。

 同じことを、ボーイングも最初のジェット旅客機「707」の開発で行っている。まず、実験機の「367ダッシュ80」を開発し、その成果に基づいて707を開発した。
 この前紹介したジョー・サッターの「747 ジャンボをつくった男」で、サッターはダッシュ80の開発がボーイングにとって大きな賭けであり、ボーイングはその賭けに勝ったと述べている。
 賭けというのは、開発に少なからぬ自己資金が必要であることを意味する。賭けに勝ったというのは、ダッシュ80を開発したことで得られた知見やノウハウが、707やその後の旅客機開発でライバルに対する決定的なアドバンテージとなるほどに役立ったということだ。

 三菱重工も1990年代に、若手の技術者を多数アメリカに派遣して実験機を開発し、実際に飛ばすところまでやっていれば、私は安心してMRJを見ていることができたろう。

 四戸さんによれば、実験機として最適なサイズは実機の75%だそうだから、全長32.8mのMRJの場合は25mほどの機体ということになる。決して小さくはない。
 その開発費は、三菱重工の経営にかなり重くのしかかることになったろう。しかし、得られる無形の財産はそれ以上のものになったのではないだろうか。

 実際問題として、1990年代の三菱重工の経営は、そんな贅沢を許すものではなかった。とはいえあの頃、本気で旅客機市場に参入するつもりがあったなら、通産省相手に補助金を要求する以外にもっと色々とできることがあったろうにと思うのである。

 長々と書いてきたが、私はMRJが失敗すればいいなどとは決して思っていない。おそらくMRJが失敗すれば、日本の航空機産業は半永久的に旅客機参入の機会を失ってしまうだろう。その意味では、MRJは失敗を許されないプロジェクトとなっている。

 ただただ、心配なのだ。営業面も技術面も。

 旅客機産業は、コストを積み上げていけば自動的に5%程度の利益が上がる官需とは全く異なる、日々の経営判断が賭けの連続のような水物商売だ。そこに官需主体でやってきた三菱重工が参入しようというのだから、成功に向けてくぐらねばならない荒波は半端ではない。

 三菱重工は荒海に乗り出すつもりらしい。その意気や良し。すべからく企業というものは、そのように進取の気性を発揮すべきであろう。

 しかし事前にリスクを軽減できる方策があるなら、すべて打っておくぐらいの慎重さが必要だと思うのだけれど、どうもそうはなっていないところが非常に不安なのである。

 MRJが成功するなら、私は空港に行って土下座したっていいと思っている。私の土下座にいかほどの意味も価値もないことを知ってはいるけれども。

 新たな開発が始まる時には、過去の開発を振り返っておくことが、同じ失敗を繰り返さないためにも必要だ。YS-11については前間孝則氏が、いくつも著書を出している。とりあえず概要だけでも押さえるというのなら、この新書を読むといいだろう。YS-11を結局失敗に終わらせてしまった組織の問題まで踏み込んでいる。

 本格的な開発ストーリーとしてはこの上下二巻がお薦めだ。YS-11を作った人たちだけではなく、販売担当者や整備担当にまで光をあてている。ただし、YS-11開発の影の部分にまでは踏み込んでいない。

 こちらはYS-11開発の闇の部分に光を当てた本だ。初飛行当時、東京新聞記者としてYS-11関連の報道に携わった著者が、特殊法人という日本特有の無責任を生むシステムを分析し、それがどのようにしてYS-11の失敗につながっていったかを具体的に検証した本だ。

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2008.03.23

BD-Frog:ステムを交換する

Stem01

 BD-Frogの乗車姿勢に不満があった。もう少しハンドルを低くして前傾ポジションをとりたかったのだ。ハンドルの基部をステムという。BD-Frogのステムは二重になっていて伸縮可能なのだが、一番短くしてもまだ高い。

Stem02 以前、BD-1をリカンベント化した時に、ステムも交換したことを思い出した。リカンベントは後ろにもたれる乗車姿勢なので、ハンドル位置を後ろに持ってくる必要があり、純正オプションのアジャスタブル・ステムと交換したのである。

 そういえば、元からBD-1についていたステムが余っているはずだ。

 保管していたステムを取り出して、Frogのステムと取り付け部の寸法や形状を比較してみたところ、まったく同じだ。長さもよさそう。交換するとほぼこぶし一つ分ぐらいハンドルを下げることができるだろう。

 ここまでハンドルの位置を下げても、乗車ポジションに支障が出ないかどうか。やってみなければ分からない。ダメだったら元に戻せばいいだけだ。眠っている部品を活かすだけだから、追加投資も必要ない。
 これはやってみる価値があるだろう。

 というわけで、ステムを交換してみた。

 ステムは、折り畳み部分ヒンジを2本のピンで固定している。ピンは割ピンで抜けないようになっている。まず、先の細い電工ペンチを使って割ピンを抜く。するとピンはあっさり抜ける。割ピンは再使用不可能だから、ホームセンターで寸法の合う割ピンを買ってくる。

Stem04 さあ取り付けだと思ったら、ピンがうまく入らない。

 どうやら設計変更があったようで、ピンが太くなっている。ノギスで寸法を測ったところ、BD-1のステムの穴は直径6mm、それに対してFrogのステムを固定していたピンの径は6.2mmあった。仕方ないので、もう一度ホームセンターに行って、6.2mmと6.3mmのドリル刃を買ってきた。こんな径のドリル刃を次に使う機会があるかどうか分からないが、この程度の投資は仕方がないだろう。

 もともと6mmの穴が空いているところを0.1〜0.2mm広げるだけだから電動ドリルもボール盤も不要。ハンドドリルで十分だ。6.2mmの穴ではまだピンが入らないので再度6.3mmのドリル刃でさらに直径を広げた。今度はOK。ピンはぴったり入った。

Stem03 Stem05

 二重のステムが一体になるので、若干の軽量化が期待できる。料理用の計量スケールで重量を測ってみる。新しいステムは285.5g。一方これまで付いていたステムは474g。差し引き188.5gの軽量化だ。

Stem06 きちんと高さを合わせて比較してみる。かなりハンドル位置を下げることができた。これだけ下げることができれば大きく乗車姿勢を変えることができるだろう。




Stem07


 全体を見る。ハンドル位置が下がったことで、ちょっと精悍な印象になっただろうか。

 ステム交換後50kmばかり走ってみた。これまでトップから2段目のギアを常用していたが、足に力が入るようになり、トップがコンスタントに使えるようになった。姿勢が低くなったので空気抵抗も若干減っているのだろう。こうなると、フロントの歯数を増やすことを前倒しして真剣に考えないといけない。

 スピードが出るようになったFrogは、かなり印象が変わった。これはフラットバーのシクロクロスよりも良く走るといってもいいかも知れない。

 ただし一つ問題発生。サドルは割とクッションの厚いものが付いているので、前傾姿勢で足を回すと、腿に引っかかるのだ。そのうちにサドルも、より細いロード用に交換しなくてならない。

 軽量化もできたし、ステム交換は大成功だ。ただしこの方法は、背の高い人には使えないだろう。

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2008.03.18

書籍紹介「747 ジャンボをつくった男 」

 ボーイング747“ジャンボジェット”——民間航空を根底から変えたこの傑作機の開発をボーイング社で指揮した男、ジョー・サッターの自伝が翻訳された。私は、巻末の解説を担当させてもらった。

 いやもうなんというか、「素晴らしき哉飛行機が大好きな男の子の一生」と形容できる本だ。シアトル近郊に生まれ、新興企業だったボーイング社の新型機が次々に初飛行するのを眺めて育ち、長じてはボーイング社に入社してついには747の開発を指揮するのだから、飛行機が好きな人にとってはうらやましいとしかいいようのない人生である。


 サッターの自伝がインサイダーの証言だとすると、こちらは外部のノンフィクション作家による747開発ストーリー。現在絶版状態のようだが、アマゾンにはかなりの数の中古が出ているので紹介する。
 この本も傑作だ。2冊まとめて読むと、747という機体がどのような経緯で生まれたかを、より客観的に理解することができる。

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2008.03.17

宣伝:3月20日(木曜日[祝])「かっこいい機械ナイトVol.2:回路〜Core Memory‐ヴィンテージコンピュータの美」、ロフトプラスワンにて開催

 こんなイベントがあります。「かっこいい機械ナイト」の初回は、私も出演しましたが、今回は出番はありません。多分客席にいると思います。


「かっこいい機械ナイトVol.2:回路〜Core Memory‐ヴィンテージコンピュータの美」

 好評を博した「かっこいい機械ナイト」早々に第二回を開催! 先頃オライリー・ジャパンより発売された『〜Core Memory—ヴィンテージコンピュータの美〜』を特集します。アメリカより著者のJohn Aldermanさん 写真家のMark Richardsさんも来訪。翻訳された 鴨澤眞夫さんが通訳としても登場。ヴィンテージコンピューター好き、機械好きの真昼のトーク!

出演:寺田克也(イラストレーター)、船田戦闘機(メディア技術者)、伊藤ガビン
Guest:John Alderman(著者)、Mark Richards(写真家)、鴨澤眞夫(翻訳家)

場所:ロフトプラスワン(新宿区歌舞伎町1-14-7林ビルB2 03-3205-6864、地図)
日時:3/20(木曜日祝日)
Open13:00/Start14:00-16:30頃まで/¥1200(飲食別)

前売はローソンチケットにて3/7から発売(Lコード:33077)ロフトプラスワン店頭でも3/7から発売

 前回は阿佐ヶ谷ロフト/Aでの開催でしたが、今回の会場は新宿のロフトプラスワンです。また今回は昼のイベントで、開場13時、開演14時となっています。

 今回の元ネタとなる写真集。タイトルの通りコアメモリーを中心に、コンピュータ初期に使われた様々な電子回路を美しく撮影した写真集だ。

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2008.03.01

BD-Frog;3ヶ月目の報告

Frog_in_lakehamana

 忙しさにかまけていると、すぐに更新の間隔が一ヶ月単位で空いてしまう。

 リハビリも兼ねて、BD-Frogのことを書く。

 昨年の12月13日に入手して以来、なんだかんだで300kmほど走った。使い勝手は良好、極めて快調である。1日の最大走行距離は、浜名湖一周をした時の約70kmほど。30km程度なら構えずにごく普通の自転車のつもりで走ることができる。
 なにより走るのが楽しい。タイヤが小さいからだろう。出足がいいので、メリハリのついた走りをすることができる。なかなか良い買い物をしたと思っている。
 写真は1月に浜名湖一周したときのもの。
 

 以下、A-Bikeの時と同じく。Q&Aの形式でインプレッションをまとめる。

 前提条件として、私のFrogは走行の基本部分を改造していることに注意して欲しい。変速機はシマノ・カプレオで外装8速化してあり、前後のサスペンションは、サイクルハウスしぶやスーパーハードスプリング(フロント)・ハードスプリング(リア)に交換してある。ブレーキもカプレオだ。
 また、タイヤはオリジナルのものからシュワルベのシティジェットに交換した。シティジェットはFrogの開発元である独r&mが、わざわざシュワルベに作らせた専用タイヤ。なぜか日本では装着して販売してはいなかった。


よく走る?
 上記の改造が前提条件、少なくともサスとタイヤの交換(1万2000円コースだ。しぶやで車体を買うとフロントのスプリングは無料になる)は必須だが、その限りにおいてはとてもよく走る。ママチャリは軽くしのぎ、フラットバーハンドルのコンフォート系サイクルと同等以上といっていいのではないかと思う。

直進安定性は良い?
 明らかに普通の自転車よりも悪い。手放し運転は私には無理。走り始めは気をつけないとふらつく。ただし走り出せば気になるほどではない。

下りで飛ばせるか?
 かなり飛ばせる。もっともホイールベースが短く、安定性はどうしてもその分悪いので、長い坂をがんがんペダルを回して猛スピードで下るのは危険だ。お薦めしない。普通の自転車程度に普通に走る分には問題ない。

上り坂には強いか?
 現状では、ギア比がかなり低い。私の軟弱な脚でも平地風なしでトップから2段目を常用する程度。すこし脚に自信があればトップ常用になってしまうだろう。したがって上りはまず問題ない。私ですら一番低いギアを使うことはめったにない。逆に言えばフロントをもう少し大きくしてもいいだろう。ちなみに現状でフロントはオリジナルと同じ52Tが入っている。

段差に弱くはないか?
 太めのタイヤとサスペンションの効果だろう。舗装路を走る限り全く問題ない。歩道の段差も通常の26インチ以上の自転車と同じ感覚で乗り越えることができる。

ライディングポジションは窮屈ではないか?
 もともと身長2mのドイツ人が乗れるよう設計されたとしか思えないぐらいに、ハンドルもシートポストも延びるので、いかようにでも調整できる。逆に言えば一般的な日本人が乗るならば、オプションパーツの投入で、かなりの範囲で好みに調整することが可能。私はハンドル低め、シート高めにしてやや前傾ポジションにしている。

変な形をしたエルゴノミック・グリップは効果ある?
 これは、今回の大きな拾い物だった。やや前傾の姿勢を取ると非常に効果があり、手のひらが疲れない。多くの人にお薦めします。バーエンドの付いたものもあるので、今後少しずつ試してみるつもり。
私が使っているGP-1S。値段もお手頃。フラットバーハンドルの自転車にお薦め。

レースグリップGC2S。長距離を乗るには、持つ位置を変えられるので、こちらのほうが適当かも。折り畳み時に干渉する可能性あり。

エルゴン レースグリップ GX2 カーボン。とても軽くて無茶苦茶高い。

同マグネシウム。まだ高い。

普及モデルの同GR2。格好が同じなのに材質が違うだけで大きく値段が異なる。

がんがん漕げば飛ばせる?
 脚力とギア比次第では、と言っておこう。実際サイクルハウスしぶやのスピードドライブを入れた試乗車は「40km/hで走れる」との評判だ。フレーム剛性がかなり高いので踏み込んでもフレームがよれるような感覚は一切ない。
 またBD-1の欠点だった、フロントフォークの剛性感の低さも感じない。おそらくフロントフォーク自体がタイヤに合わせて小さくなっているので、結果として比剛性が向上しているのだろう。

乗り心地は良いか?
 意外なぐらいに良い。高剛性フレームにサスペンションというモールトンにも似た基本構成と、太めのタイヤの組み合わせが効果を上げているのだろう。もちろん価格差からも分かるだろうが、モールトンのようなシルキーライディングを期待してはいけない。あれに比べればかなりがさつではある。

ロードレーサーに対抗できるか?
 無理。事前の予想以上によく走る自転車だったが、所詮は折り畳み自転車だ。走ることにすべてを集中したロードバイクにかなうはずがない。ただし、乗り手の脚力とセッティング次第では、初心者の乗るロードバイクを追走するぐらいはできるだろう。

前輪を外す改造をしているけれど、畳むのは面倒ではないか?
 慣れの問題だ。慣れると、自転車の金属部分を一切地面につけずに、手でもったまま広げることができるようになる。畳むほうも問題はない。少々手間が増える程度と思って欲しい。

輪行は楽か?
 BD-1に比べるとかなり楽。BD-Frogは小さいくせにBD-1とほぼ同じ重量があるのだが、それでも輪行は楽。容積が小さいので、まず肩から輪行バッグを提げたままで駅の自動改札を通過することができる。また、座席に座る際も、自分の座った前のスペースに置いてもかろうじて邪魔にならない。もちろんラッシュ時に輪行するようなことは避けるべきだろう。
 輪行の容易さは重量だけでは決まらない。軽いことに加えて、容積が小さいということも物を言う。

AZ-1に搭載できるか?
 すいません。まだやってません。やったら報告します。

 BD-Frogは、昨年で生産を終了してしまったモデルだ。すでに楽天では売り切れてしまっている。店頭在庫はまだ残っているようで、サイクルハウスしぶやのHPでは在庫あり。人気のルミナスグリーンだけが「3月下旬入荷」となっている。

「よく走る自転車のようだし、自分も欲しい」と思った人に、「これは絶対お薦めです」と言えるかとどうか。
 言えない。なぜならば、消耗部品の供給に不安があるからだ。BD-Frogは、12インチのタイヤを装着している。このサイズのタイヤは子供用の自転車ぐらいでしか使用しない。世界的に見ても本格的な自転車は、このBD-Frogぐらい。それ以外ではブリジストンのワンタッチピクニカぐらいしか、私には思い浮かばない。

 ここで問題になるのはタイヤの「シティジェット」の供給がどうなるかだ。「よく走る」というインプレッションは、シティジェットあってこそなのである。BD-Frogが生産中止になった今、シュワルベがいつまでこのタイヤを供給してくれるか分からない。

 その意味では、BD-Frogは「このスタイルがいい」「どうしてもこれに乗りたい」「これに乗れるなら多少の苦労なんて」という人にしかお薦めできない。私の場合は「とにかく可能な限り小さくなってAZ-1に載り、なおかつ良く走る折り畳み自転車が欲しい」というところからBD-Frogに行き着いたが、そもそもABCC(AZ-1、ビート、カプチーノ、コペンの軽スポーツカー達)に折り畳み自転車を載せたいなんて人はそうはいないだろう。

 単純に「よく走る折り畳み自転車が欲しい」ならば、同じr&mのBD-1なり、ジャイアントMR-4Fなり、ダホンバイクフライデーの一連のシリーズをお薦めする。「小さくなる折り畳み自転車」ならブロンプトンもあるし、バイク技研のYS-11も、いい自転車だ。軽さを追求するなら、パナソニックのトレンクルだってある。

「どうしてもBD-Frogが欲しい」という人にのみ、「この自転車は良く走りますよ」と自信を持ってお薦めする。ただしその場合も、最低でもサスとタイヤの交換という1万2000円コースの出費はついて回ると思ってもらいたい。

 結局のところ、BD-Frogは、売り方を間違えたばかりに、傑作になり損ねて終わった自転車という印象だ。開発元のr&mが悪かったのか、日本輸入代理店のミズタニ自転車が悪かったのかは知らないが、なぜ日本国内で、7段変速を備えた車体にハードサスとシティジェットを装着して売らなかったのだろうか。そうすれば、おそらくFrogの評価は一変していただろう。

 欧州では内装7段の「インター7」変速機を装着したモデルを販売していたのだから、なおさらそう思う。


 私としては当面BD-Frogで楽しく走れると思うと、それだけで十分である。シティジェットだけは、なくなる前に何本か入手しておかなくてはならないだろう。

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2008.01.23

ベロモービルの可能性

Goone
写真はgo-one3。出典はこちら

 18日は阿佐ヶ谷ロフトAにいらっしゃった皆様、どうもありがとうございました。楽しんでいただけましたでしょうか。

 新しいシリーズの立ち上げということで、ネタを用意しすぎたようで、終演時間が遅くなった上に、一部のネタは話すことができませんでした。どうも申し訳ありません。次回がありましたら、もう少し手際よく進行できるよう注意します。

 以下は、私が話したベロモービル(velomobile)関連のリンクを掲載する。

 ベロモービルは、流線型のフェアリングを付けた人力の乗り物だ。フェアリング付きリカンベントといってもいいかも知れない。私は、全天候で渋滞知らず、省エネな乗り物としてベロモービルに注目している。

 ベロモービルの存在を知ったのは、A-Bikeについて調べていて行き当たったなるほどれおなるほどというblogからだった。このblogを手がかりに色々検索し、情報を仕入れた。どうも御世話になりました。

 拙著「コダワリ人のおもちゃ箱」に、SDVという自転車が登場する。脚の動きを円運動ではなく直線運動にして、効率を上げようという仕組みだ。開発者の織田紀之さんは、この仕組みを使ってフェアリング付きの全天候対応の人力乗り物を造る希望を語っていた。
 執筆時、私はベロモービルの存在を知らなかった。リサーチ不足だといえばその通りと言うほかない。

 遅ればせながら気が付いて正直びっくりしたのだ。「織田さんが言っていたのは、このベロモービルではないか」と。

 ニュートンの運動法則によれば、動いている物体はその状態を維持しようとする。もちろんこれは運動エネルギー損失がゼロの理想状態においてであって、実際には空気抵抗がかかったり車軸やタイヤの損失があったりで減速し、止まってしまう。だが、抵抗を可能な限り減らし、軽量化すれば、ごく小さなパワーでも日常十分な程度の加速と最高速度、そして航続距離を達成できるのではないか——織田さんはそう考えていたわけだが、欧州では一足先に、同じ発想がビジネスになっていたわけだ。

 もちろん、ロフトでのトークでも出たように、今のベロモービルは完全なものではない。季節によっては内部が暑くなるのではないか、とか、雨の時の前方視界をどう確保するかとか。
 社会的には、汗をかきながらベロモービルで移動した後、人に会うというのはいかがなものか、という問題もある。

 その一方で、大きなメリットも存在するように思える。

 都市交通では、自動車に一人で乗るというのが大きな問題となる。ひと一人ならば30cm四方でも立つことができるが、自動車は大ざっぱに見積もっても2m×5m程度の面積を必要とする。それだけ道路を占有するわけだ。また、70kgの人間を運ぶのに1t以上の自動車も一緒に動かなくてはならない。昨今の自動車は大きく重くなりつつあり、普通乗用車でも1.5tという数字が珍しくなくなっている。人間1人を、20人分の重量がある自動車で運ぶことにある。燃料の大部分は、人ではなく入れ物である自動車を移動させるために使われる。

 ベロモービルは、少なくとも近距離において、この問題を解決する一助になるのではないだろうか。それは、燃料の使用削減につながるし、個人の家計という点では自動車維持にかかる諸経費の節約になる。そしてもちろん、日常に組み込まれた適度の運動によって、健康増進も図ることができる。

 「そんなうまいこといくか!」という声が聞こえてきそうだが、突っ込んで検討する価値はあると思うのだ。

 私としては、このようなベロモービルにハイブリッド技術を適用すべきではないかと思う。上記リンクにあるTWIKEは、人力とモーターのハイブリッド動力で、最高時速85km/h、航続距離200kmを実現している。これは半世紀昔の360cc軽自動車に匹敵する。

 日本は原付の登録基準が比較的緩いので、ハイブリッドのベロモービルを原付として登録して公道を走らせることができるのではないだろうか。もちろんそんな車両が増えるならば、同時に交通体系全体を考え直す必要もあるわけだが。

閑話休題
 ロフトのイベントがあった翌日、19日には、宇宙作家クラブの例会で、マイレッジマラソン世界記録を出したFC-Design中根久典さんの講義を聴いた。中根さんはマイレッジマラソン用の車両開発で、25〜30km/hの速度域における空気抵抗軽減のノウハウを豊富に持っている。

 色々質問してみると、現在のベロモービルは、まだまだ空気抵抗を軽減する余地があるようだった。写真を掲載したgo-one3なども、今以上に空気抵抗を減らせるようだ。

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2008.01.13

宣伝:1月18日金曜日、阿佐ヶ谷ロフトAに出演します

 前回、林紀幸さんと出演した場所です。今回は「かっこいい機械ナイトvol.1」と題して、出演者がこのメカがどう格好良いかをひたすら語り合うという、メカフェチ向けの企画…といっていいのかなあ。

 実はロフト・プロデューサーの斎藤さんが私の「コダワリ人のおもちゃ箱」を読んで、「こんな人たち呼んだら面白いでしょ、ね、ね」と言い出してひょうたんから駒が出てしまいました。

 今回はイラストレーターの寺田克也さんと初めての共演です。出る私としても楽しみです。また、ここでも時々紹介している驚異の蒸気機関車サークル羅須地人鉄道協会の相場事務局長が参加します。

 相場さんは、しゃべりもむちゃくちゃ面白い方なので、こちらも楽しみです。「何でも乗り」というあだ名を持っている人で、ハンドルが付いている乗り物なら何でも乗りこなすという特技の持ち主です。筋金入りの四駆の人だったりもします。

 八谷さんは、ここを読みに来る方ならば特に説明の必要もないですね。OpenSky Projectで「メーヴェのようなもの」を作っている方です。最近、飛行訓練用に本物の飛行機を買っちゃったらしいので、その話がでるかも。

 今村さんは、「コダワリ人のおもちゃ箱」の担当編集者です。実はImamuraの日記という軽妙な日記を書いている、はてなの住人でもあります。

 続くようでしたら、あんなメカこんなメカ、使っている人作っている人を呼んでくることになっています。どうぞおいで下さい。


「かっこいい機械ナイトvol.1」
ジェットエンジン、熱気球、蒸気機関車、etc
みんなでかっこいいと思う機械を愛で、語る会。

開場18:30/開演19:30
【出演】
松浦晋也(ノンフィクション作家/科学ジャーナリスト)
八谷和彦(メディアアーティスト)
今村勇輔(編集者/エクスナレッジ)
寺田克也(イラストレーター/漫画家)
相場二郎(羅須地人鉄道協会・事務局長)

1月18日金曜日
OPEN18:30/START19:30
¥1,200(飲食代別) <当日券のみ>

場所:阿佐ヶ谷ロフトA
:JR中央線阿佐谷駅パールセンター街徒歩2分
杉並区阿佐谷南1−36−16ーB1
地図
電話:03-5929-3445

 自分としても、編集者の今村さんとしても「面白い本を作った!」という実感があった本です。正直、売れ行きが今ひとつなので、2人で「面白いのになあ」とクビをひねっている次第。ともあれ、斎藤さんをびりびり刺激して、こんなイベントにつながったことを考えると、作って良かったなと思っています。

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2008.01.12

蛙の詳細

 かくして手に入れたBD-Frogである。現状の改造箇所は以下の通り。

  • 変速機:シマノ・カプレオ
  • ブレーキ:シマノ・カプレオ
  • タイヤ:シュワルベ・シティジェット
  • フロント・スプリング:サイクルハウスしぶやオリジナル・スーパーハード(ステンレス)
  • リアスプリング:同ハード(ステンレス)
  • グリップ:Ergon パフォーマンスグリップ
  • ライト:TOPEAK 「ホワイトライト」
Frogall
 全体はこんなもの。一見したところ、特にオリジナルと変わるところはない。

Frontsus Frogに限らずR&Mの自転車全般に言えることだが、サスペンションのスプリングをよりハードなものに交換しないとふわふわして長距離を走るのがつらい。サイクルハウスしぶやのスーパーハードスプリングはオリジナルの2倍のばね定数ということだが、Frogにはちょうど良いぐらい。海に近いところに住んでいるので、錆を警戒してステンレス製を選択した。

 バネだけではサスペンションにはならない。ダンパーも必要なのだが、それはフロントタイヤ支持部の回転部分がやや動きが渋く、その部分の摩擦がダンパーの役割を果たしているようだ。今のところサスペンションとしての機能は快調である。

Rearsus リアのスプリングはフロントと同じくしぶやオリジナルのハードスプリングのステンレス製。これはもっと硬いもののほうがいいようだが、リアのスーパーハードは販売されていない。こちらはもう少しダンパーが効いたほうがいいようだ。スプリングの中にブチルゴムを丸めて詰め込もうかと思っている。

 フロントとリアを合わせたサスペンションの感触は、まあまあだ。さすがにモールトンのシルキーライドとは比べるべくもないが、BD-1ストレートフレームモデルの、どことなくがさつな動きに比べると、こちらのほうがまだだいぶましである。

 ただし、私のBD-1は2001年モデルだ。2002年以降は大幅改良されたという話もあるので、あるいは現行のBD-1はずっと改善されているのかもしれない。

 どちらにせよ12インチのタイヤでどんどん走ろうと思えば、サスは不可欠。もしもサスなしにすると、スポークが折れるだろう。今後も躾けつつ、付き合っていくしかない。

Capreo 一番の特徴である、カプレオ8速の外装変速機。幅が足りないので9速全部を使うことができない。タイヤが12インチと小さいので、ディレイラーの地面からのクリアランスがけっこう厳しい。普通に走る分には問題ないが、ショップからは「路肩では気をつけた方が良い」と言われた。

 タイヤは、12インチでは唯一のスポーツ走行用であるシュワルベの「シティジェット」。ほとんどこのFrogぐらいしか使用しないタイヤなので、製造中止が心配だ。何セットか備蓄しておくべきか…

Offsetrear かなり無理矢理外装変速機を取り付けているので、リアタイヤは左にオフセットしてしまっている。このため、右にやや曲がる傾向があるが、乗って走っている分にはほどんと意識することはない。

 逆にこれだけオフセットしていても、すいすい走れるというのは新鮮な発見だった。人間はたいていの状況に適応してしまうものだということだろう。

Front クランク周りはノーマルのままだ。今後少しずついじっていくつもり。ギア比的にはフロントを60Tにするのがいいだろうと思っている。なるべく重量は増やさしたくない。逆にこの部分では減らしていきたい。軽量化のためには、シマノの最高級コンポのデュラエースに入れ替えるのが一番簡単だが、けっこうなお値段がする。

 SpeedDriveについても悩んでいるところだが、プラス1kgの重量増加となることを考えると付けない方が良いのかも知れない。財布にもやさしいし…

Handlebar ハンドルは、携行性を重視してバーハンドルのままにすることにした。その代わり、このエルゴノミクスグリップを付けてみた。なかなか具合が良い。シートと合わせて今後少しずつ調整していくつもり。

 もう少しハンドルは短いほうがいいのだが、このグリップを使う限り現状が限界だ。ショップでは「グリップを切りつめればいいんですけどね」と言われた。そこまでやるべきかどうか、検討中である。

Lightbrake ブレーキもカプレオに変更した。ブレーキの効きは良好。これはマストアイテムといえるかも知れない。シマノのコンポーネントが世界を席巻したおかげで、私達はあちこちのメーカーのコンポを選ぶという楽しみを失ってしまったが、シマノ製品が高品質であるというのもまた事実である。

 ライトはこれまた小型軽量を優先してTOPEAKの「ホワイトライト」を選択した。私の場合、機能を追い求めて重量増加を招き、気楽に持ち歩けなくなったら本末転倒である。

Brake 折りたたむ時はまずフロントのブレーキをはずし、前輪を取り外す必要がある。外装変速機を装着したことのデメリットである。ショップによると「新型のXTR(シマノのマウンテンバイク用最高級コンポーネント)のディレイラーだったら、前輪を外さなくとも畳めるかも」ということだが、現状本当にできるかどうかは不明。

 まあ、以前ランドナーで輪行していた時のことを考えれば、フロントタイヤを外すぐらい、なんということはない。

Fold1Fold2 畳む時の注意点。ディレイラーを持ち上げて、できた隙間にフロントを押し込む必要がある。

Fold3Fold4 こんな感じに畳むことができる。

 現状でだいたい10kgちょうど。今後は、ハンドル周り、シート、フロントのクランク周りを交換することで9kg前半まで軽量化できるだろうと踏んでいる。もちろん高価な部品を投入すれば、それだけ軽くできるはずだが、「気楽に使える道具」を目指すに当たっては自ずと限界があるだろう。  まずはシートを交換したいところ。オリジナルは自分のお尻にあわないらしく、すぐにお尻が痛くなってしまう。

 なによりも走るために購入した道具だ。せっせと持ち歩いて、あちこちを走ってみなくては面白くない。

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蛙の品定め

 私が赴いたのは、お花茶屋駅近くにあるサイクルハウスしぶやだった。ここは、Frogの改造を手がけており、シマノのカプレオによる外装変速機8段のモデルを販売している。試乗車を置いているというので、まずは乗ってみるか、ということだった。

 しぶやの試乗車は、カプレオだけではなく、フロントにSpeed Driveも組み込んであった。フロントに組み込む2段変速機である。「フロントは70T相当になっています」という話だった。

 この試乗でノックアウトされてしまった。

 良く走るのだ。

「こりゃ、走るフレームだ」と思った段階で、私はFrogを購入することを決めていた。

 サイクルハウスしぶやに発注する以上、カプレオ仕様だ。カプレオにすると前輪を外さないと折りたためなくなってしまうが、輪行用と思えば大したことではない。ギアの塊で重い内装変速機から、外装変速機にすることで軽量化も期待できる。

 調子に乗ってSpeedDriveも付けようかと思ったが、なにしろ車両価格と同じぐらい高価な部品なので断念。自分が必要最小限と考える装備変更に留めることにした。

 納期は約1ヶ月。というわけで年の瀬、輪行バッグを持って再度サイクルハウスしぶやに赴く。

 畳み方が変わるので、まずはそれを習う。外装変速機にしたことで、きちんとした手順で畳まないといけない、ややデリケートになってしまっている。

 そのまま店から走り出す。その日はお花茶屋から荒川に出て、東京駅まで走った。楽しい。なかなか楽しい自転車だ。これはしばらくの間、輪行と改造の両面で遊ぶことができそうではないか。

 というわけで、私は蛙の飼い主となった。どこをどう改造したかは、次回書くことにする。

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2008.01.10

蛙を選ぶ

 BD-Frogを選ぶに当たっての条件。

 もともと小径車を夢見るや、一気に自転車の試乗をするのあたりから色々と情報収集はしていたのであった。

 かくしてまとまった条件は以下の通り。

  • 輪行時に電車内で、そこそこ混んだ状態であっても他のお客さんのじゃまにならないこと
  • それなりの段数の変速機が付いているか後付可能で、長距離を気楽に走れること。
  • よく走る筋のいいフレームであること
  • なるべく軽いこと
  • AZ-1に搭載できる程度に小さいこと

 まず、BD-1ブロンプトンのような、スタンダードな折り畳み自転車ははずすことにした。これらはそもそもAZ-1に入らない。
 また、輪行となると意外に邪魔になる。少なくともこれらの自転車を持って通勤通学時間帯の電車に乗るのは避けたいところ。
 A-Bikeはかなり混雑した電車内にも持ち込める。そこまではいかないにしても、小さくまとまることは、それだけ利便性を向上させる。
 極論するならば多少重くても構わない。小さくまとまることが優先だ。

 村山コーポレーションのMC-1Aや、バイク技術研究所YS-11は、折り畳み後のサイズが微妙なので落ちる。YS-11は多段変速機を組み込めるかどうかも微妙だ。

 Smartcogantは、かなり理想に近い。しかし、折り畳み方法が輪行に特化しており、AZ-1には入らない。

 残った候補は以下の通りである(画像は楽天へのリンクになっている)。


 Panasonicのトレンクル6500:6.5kgの軽量自転車だ。多段化も和田サイクルなどでノウハウが蓄積されている。問題は多段化すると25万円程度と、財布直撃の値段になること。さらに、6.5kgというかなり軽量化のため、タイヤやタイヤチューブなどの耐久性が犠牲になっている。気楽に乗れる自転車に仕立てるにはさらなる投資を必要とする。


 ブリジストンのトランジットスーパーライト:重量は7.4kgだが、トレンクルよりもずっと安い。多段化の実績もあり。欠点は見かけが地味なことか。


 BD-Frog:重量は10.5kgと一番重い。デザインは一番斬新。ノーマルで3段変速だが、シマノのカプレオを組み込むと8段変速になる(リアの幅がきついので9段フルにはつかえない)。

 これらのうち、最初に落ちたのが、トランジットスーパーライトだった。理由は簡単。「見かけが好みではない」。機能とコストパフォーマンスという点では悪くないのだが、自転車は嗜好品だ。なによりも自分が持っていてうれしくなくてはいけない。走るだけではなく、眺めてニヤリ、というところがなくてはね。

 というわけで、しばらくの間、トレンクルとBD-Frogの間で揺れていった。

 Frogについてはイラストレーターの米田裕さんが開設しているFrogBlogがずいぶんと参考になった。

 米田さんのFrogは、購入1年後同2年後同3年後と大幅な改造を受けている。つまりそれだけ改造の楽しみがあるわけだ。

 だが、同時にこれらを見ているうちに一つの傾向に気が付いた。米田さんの改造は機能追求型で結果として重量増加を招いている。

 とすると、機能追求をほどほどにして、軽量化に注意していじっていけば、米田Frogとは違うFrogを仕立てることができるのではないだろうか。

 いくつかのホームページで、カプ