2008.05.09

かぐやハイビジョン映像のネット公開にあたって

 もう皆さんご存知だろうが、NHKが月探査機「かぐや」の取得した「地球の入り」「地球の出」のハイビジョン画像を、ネットで公開した。

かぐやアーカイブ アースウォッチャー

 今回公開されたのは、1280×720ピクセルの画像だ。オリジナルの1920×1080ピクセルではないのが残念だが、現在のネットの伝送容量と端末となるパソコンディスプレイの解像度を考えると妥当なところだろう。
 もちろん、伝送容量もパソコンの能力もムーアの法則に従って伸びていくものだから、NHKには1年後程度をメドに、フル解像度の画像を公開するよう望みたい。

 この件については、MIAUが、NHKに質問状を出し、それに対する回答が来たり、といくつかの動きが続いていた。私も、記事を書いている(「ハイビジョン月面画像を公開しなかったNHK」「日本ではダメなのにカナダではネットで観られる「かぐや」ハイビジョン画像」)。

 やっと、事態は良い方向に向かったと考えて良いだろう。

 今回の件に関して私は、記事を書いた際の感触から、NHK内部にも状況を正確に理解し、事態を打開しようとしている人たちがいることを感じていた。

 昨今の映像コンテンツの権利を巡るニュースをフォローしていると、なかなか「公開すべきコンテンツは公開すべき」という原則が、組織の中では通りにくくなっているだろうことが見て取れる。

 公開にまで持っていった「NHKの中の人」、本当にご苦労さまでした。MIAUもナイスプレーだったと思う。

 そして、公開に至るまでのNHK内部の手続きにおいて、あれこれと疑問を投げかけ、牽制したであろう「別の中の人」へ。

 これがあるべき姿なのですよ。最初からこうしていれば、「親方NHKは、あれこれ言われてから仕方なくやったんだろ」などと言われず、「さすがNHKは情報のあるべき未来を見据えている」と評価されたはずなのですよ。

 今回の件は、自分たちの収益の元となるハイクオリティのHDTV画像を、生データでネットに掲載してしまうことに対するためらいが、NHKにあったのだろう。
 このロジックは、もちろん通用しない。「地球の出/入り」の画像は、国民の税金で開発された探査機に搭載したNHKのカメラで取得された。NHKが独力で取得したものではない以上、探査機に対する出資者である日本国民、さらには全世界の人々への、ネットを使ったハイライト部分の公開は当然である。


 この問題を広く捉えるならば、ネットワークによって「デジタル映像コンテンツ」の流通はどう変わっていくか、という問題だ。

 音楽の世界では、ネット流通において違法コピーをどう避けるかという問題に対して、すでにアメリカの状況によって答えが出ている。「テクノロジーによる過度のコピー制限をしない」ということだ。

 まずiTunes Music Store。その成功に理由のひとつには、緩いデジタル著作権管理(DRM)がある。

 さらにiTMSでは、iTunes Plusという高ビットレート、DRMなしのサービスを行っているし、アメリカではAmazonがMP3フォーマット/320kbps、DRMなしの音楽ダウンロード販売を開始し、売り上げを伸ばしている。

 DRMは不要。それで十分ビジネスは回るというのがすでに実績として証明されているのだ。着うたなどで、DRMにしがみついている日本の既存音楽業界はいずれ衰退するだろう——私はそうみている。

 私は、この流れは動画像でも同じではないかと思う。コピーワンスもダビング10も、従来のビジネススキームに固執するあまり、にっちもさっちもいかなくなっているのではないだろうか。

 すでに台湾発で、コピーワンスを無効にする「フリーオ」というデジタル放送チューナーが出回っている。コピーワンスはテクノロジーの産物であり、後から来るテクノロジーに破られる——これは自明の理だ。だからといってこのようなチューナーの所持や利用を違法化したとしても、それは映像産業全体の活力を奪うだけのことだろう。

 まあね、例えばゴールデンタイムのテレビ各局、なかんずく民放各社が、コンテンツと呼ぶに値する、何度もの視聴に耐える番組を制作しているかといえば、私はノーだと思うのだよな。
 そしてこれは、本がデジタル化される近い将来、自分にも関係してくる問題である。「お前は本当に、意味のある情報を生産しているのかね?」と。

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2008.04.25

宣伝:5月2日金曜日、ロフトプラスワンのイベントに出演します

 このゴールデンウィークは、小型で機動的な宇宙開発を目指す、北海道のカムイロケット、その中心人物である永田教授をお迎えして、その現状と未来像、そして例によって——なんといってもロフトプラスワンですから——あんなこんな話を語ってもらう…予定です。


Naked→PLUS ONE→Loft A→GWトライアングル/宇宙作家クラブpresents
「カムイロケットまつり!」〜人気シリーズ「ロケットまつり」に「CAMUI(カムイ)ロケット」開発者が登場!〜
CAMUIロケットとは、北海道大学や北海道内の民間企業、国ではなく民間主体に開発がすすめられているハイブリッドロケット。そのCAMUIロケットにはどんな道のりがあったのか、開発の中心人物の一人・永田晴紀教授をお呼びして伺う。

【出演】永田晴紀(北海道大学教授)
【聞き手】松浦晋也(ノンフィクション・ライター)、浅利義遠(漫画家)、笹本祐一(作家)

5月2日金曜日
Open18:30/Start19:30
¥1500(飲食別)
当日券のみ

場所:ロフトプラスワン(新宿区歌舞伎町1-14-7林ビルB2 03-3205-6864、地図)

 カムイスペースワークスの記事を見て心配して下さった方々、どうもありがとうございます。連絡に齟齬があったのですが、すでに解消しました。当日は間違いなく永田先生においで頂けます。

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2008.04.16

訃報:柴藤羊二さん

 宇宙開発事業団(NASDA)、そして宇宙航空研究開発機構(JAXA)でH-II、H-IIAロケット開発において大きな役割を果たした柴藤羊二さんが15日、この世を去った。享年65歳。謹んでご冥福をお祈りいたします。
 NASDAの前身である宇宙開発推進本部の時代からロケット開発に参加し、特にH-II、H-IIAでは計画の中心で力を発揮した方である。

「未年生まれの次男ですよ。ひでえ親です。安易な名前をつけてくれて」——珍しいお名前ですね、と問うた私に対する答えはこれだった。
 私はてっきりご両親がキリスト教徒で神の子羊といった宗教的モチーフに基づいたお名前かと、というと、柴藤さんは「違う違う、そんなしゃれたもんじゃない」と手を振り、あっはあ、と笑った。

 あっはあ、と笑う人だった。

 私が1988年に日経エアロスペース編集部に放り込まれて、宇宙開発分野に関わりだした頃、すでに柴藤さんはこの世界の有名人だった。先輩記者達は五代富文さんとまとめて、「五代柴藤悪人コンビ」と言っていた。悪人、というのは、NASDAで動き出すめぼしい計画を記者の側から探っていくと、いつも中心に2人の連携プレーがあったという意味である。
 何を策動しているんだ?この2人は??、という意識が、「悪人コンビ」と言う呼び方の裏にはあった。「五代さんの思慮と柴藤さんのパワーだろ」と先輩は教えてくれた。

 その後、会ってみると実際柴藤さんはパワフルで陽気な人だった。柴藤さんの取材は、いつも予定よりも長くなった。1時間の予定だと2時間になり、「2時間ぐらい…」とお願いすると3時間を超えた。しかも後半は取材目的とは別の、「これからこういうことをしたいんだ」という話になった。アイデアは次々に出てきたが、出てきたアイデアは玉石混淆で、記者の目から見ても「柴藤さん、それちょっと…」というものもあった。それでも押し出すような口調の説明を聞いていると、「ひょっとするとひょっとするのかも」と思わされてしまったりもした。

 H-IIの取材をしていたときのことだ。ミニシャトルHOPEに向けて飛行試験を行った再突入実験機HYFLEXで、軌道からの再突入と着陸を行えないものか、という話に脱線した。ご存知の通り、HYFLEXは翼を持っていない。リフティングボディとしても、亜音速以下の速度では大した揚力を発生しそうもない形状をしている。さすがにそれで着陸は無理ではないか。そう柴藤さんにいったら、「アイデア次第ではできるはずだ」と返された。
 どうするのか——「ぎりぎりまで降りてきたら、思い切り機首を上げるんです。で、機尾に付けたロケットエンジンを噴射して降下速度をゼロにする。そのまま機尾からすとんと着陸すればいいでしょう」そして言った。「できます!簡単ですよ!!」

 思えば、この「できます!簡単ですよ!!」に振りまわされ、苦労した人も多かったのではないだろうか。

 しかし、NからHへ、H-IからH-IIへ、次々と大きなロケットを開発していく過程では、柴藤さんの人格的パワーと楽観主義が大きな推進力となったのだった。

 H-IIやH-IIAには沢山の「この人がこのような力を発揮しなければロケットは完成しなかった」という事柄が集積している。その中の一つに、間違いなく柴藤さんのパワーと楽観主義があった。玉石混淆で吹き上がるアイデアは、パワーの証しでもあった。

 病を得て、理事を退いてからも、若手技術者を集めて有人ロケットの検討会を開催したり、超低コスト小型ロケットの設計を検討したりしていた。骨の髄からのロケット野郎だった。「我々は宇宙開発委員会の決めた事柄を粛々と実行していくのが仕事でして」というような考えを、柴藤さんは全く持っていなかった、その発想は常に「次に自分たちは何をすべきか、何をしたいのか」というところから出発していた。

 それにしても、65歳。自分が天空に駆け上がってしまうにはあまりにも早すぎますよ。もっと色々と聞いておきたいことがあったのに。タイミングを見計らって、ロフトプラスワンにも出演してもらえないものか、と思っていたのに。

 柴藤さん、どうもありがとうございました。

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2008.03.19

いずれ星の世界へ

  1. 高名だが年配の科学者が可能であると言った場合、その主張はほぼ間違いない。また不可能であると言った場合には、その主張はまず間違っている。
  2. 可能性の限界を測る唯一の方法は、不可能であるとされることまでやってみることである。
  3. 充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない。

      ——クラークの3法則——

 アーサー・C・クラークの訃報を聞く。享年90歳。小松左京と並んで自分に非常に大きな影響を与えた作家。

 いつのころからか、この人は死なないのではないかと思いこんでいた。そのうちしっぽが生えて2つに裂けて、オーバーロードと化すんじゃないかと。

 確か、2020年だったか40年だったかに、自分が月面であれこれしているというドキュメンタリーも書いていたはず。


 クラークとの出会いは小学5年生の夏休み。母方の祖父母の家に叔父が残していた銀背のハヤカワSFシリーズの「SFマガジンベストNo.1」に収録されていた。

 「太陽系最後の日」。クラークが作家デビューを飾った短編だ。

 太陽が膨張して最後の日を迎えた地球を探検する異星人達。地球人を捜すがどこにもいない。地球人はどこだ、灼熱の太陽から逃れて地下に潜ってしまったのか。
 そして地球人を捜し回る彼らが見た驚愕のラスト。

 処女作には作家のすべてが現れるというが、「太陽系最後の日」にも後のクラークを特徴付けるすべてがはいっている。正確な物理学的描写、壮大なヴィジョン、切れの良いアイデア、宇宙へのあこがれ、そして底抜けの楽天主義。

 叔父の残した「SFマガジン」バックナンバーで「木星第五衛星」を読んだのも同じ夏だったはずだ(今調べたら1964年10月号だった。東京オリンピックの頃の号だ)。こちらも私を深く魅了したが、そこで描かれた軌道運動を理解したのは大分後のことだった。

 本格的にクラークの作品を読み始めたのは、中学に入ってからだ。創元推理文庫の「地球幼年期の終わり」は何度読み返したかわからない。SFマガジンで「宇宙のランデブー」の連載が始まったのは中学2年の時だ。市立図書館に入っていたSFマガジンで毎回興奮しつつ読んだ。そこからはもうなんでもありだ。大学に入ってからはクラークの本とあればなんでも買って読んだ。

 人によって、薦める作品は違うだろう。「地球幼年期の終わり」もいいし、「都市と星」も「渇きの砂」も、「海底牧場」も「宇宙島に行く少年」もいい。

 でも私は彼が1970年代に発表した3つの長編が、一番印象に残っている。

「宇宙のランデブー」「地球帝国」そして「楽園の泉」。

 三重のエアロック。幼なじみとのペントミノの思い出。聖地に飛び来る蝶——読んでいない人にはなんのことかと思われるかもしれないが、ああ、思い出すと涙が出てくるではないか。

 彼ぐらいになると、彼の肉体が彼なのか、彼の残した情報が彼自身なのか判然としなくなる。

 だから、いかなる弔辞も無用なのだろう。クラークという名のミームはこれからも世間を巡る。

 そしていずれ星の世界へも。

 冬樹蛉さんによると、SFには茶筒SFというサブジャンルが存在するそうだが、その元祖。「圧倒的に巨大な未知がただそこにあるというだけで読者を魅了してしまう類のSF」というのが定義である。

 本作品の“茶筒”とは、はるか宇宙から太陽系目指して飛んでくる異星人の宇宙船のこと。円筒形をしているのだ。

 やってきた巨大茶筒宇宙船に、人類は探検隊を送り込む。どうやって中に入るか、内部はどうなっているのか、異星人とは接触できるのか——スリリングな状況とはうらはらに、ストーリーは淡々と進む。それがどういうわけか面白い。無茶苦茶面白い。

 後にクラークはジェントリー・リーとの合作で続編を3編書くがそちらは大して面白くなかった。「宇宙のランデブー」は、これ一冊で十分である。

 え?「地球帝国」は絶版なの?!なんてことだ。

 遙かな未来、土星の衛星タイタンの権力者が行う地球旅行を淡々と追っていくという一見単純な物語だが、しみじみと面白い、クラークらしさに溢れる作品。

 「軌道エレベーターを建設する」、ただそれだけの作品なのだけれど、この面白さをどう形容すればいいのだろう。

 軌道エレベーターとは地上と静止軌道を結ぶ長大な「宇宙と地上を結ぶエレベーター」のこと。途方もない巨大建築物だが、原理的には建設可能であることが検証されている。クラークは一人の技術者が人生をかけて軌道エレベーターを建設する様を淡々と描いていく。

 同時期、チャールズ・シェフィールドが同じく軌道エレベーターの建設をテーマとした「星ぼしに架ける橋」(ハヤカワSF文庫)を出版した。ストーリーとしてはこちらのほうが起伏に富んでいるのだけれど、面白さも完成度も圧倒的に「楽園の泉」のほうが上だと思う。

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2008.02.22

宣伝:3月16日日曜日、ロフトプラスワンのイベントに出演します

 ついにロフトの斎藤さんに、こんなイベントを仕掛けられてしまいました。爆発映像てんこもりで、ロケット事故の原因を探っていくイベントです。
 

「ロケット爆発まつり!」
ロケットは爆発する——特に宇宙開発黎明期、ロケットはしゃれにならないぐらいの爆発を繰り返した。
 ちいさな設計ミスや組立の不注意、打ち上げ時の判断ミス、ぎりぎりの設計をしているロケットは、ほんのちょっとしたことでも爆発を起こす。爆発から得られた教訓こそがロケットを進歩させてきた。
 野田司令と愉快な仲間達が、さまざまなロケットの爆発映像を見ながら、ロケット技術を語り明かす。
【出演】野田司令、松浦晋也(ノンフィクション・ライター)、小林伸光(イラストレーター) 、樋口真嗣(監督/予定)、他
Open18:00/Start19:00
¥1500(飲食別)
※当日券のみ

場所:ロフトプラスワン(新宿区歌舞伎町1-14-7林ビルB2 03-3205-6864、地図)


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2008.02.21

宣伝:2月23日土曜日、ロフトプラスワンのイベントに出演します

 恒例のロケットまつり、今回は糸川英夫という人に焦点を当てます。この異常に頭が回り、さわやかな弁舌を誇り、無類の行動力を発揮し、なおかつ性格に問題があって毀誉褒貶が激しかった偉人がいなければ、日本の宇宙開発はずっと遅れ、しかもつまらないものになっていたでしょう。

 林さん発掘の新資料を交え、パイオニアのパイオニアたる資質を探っていきます。

宇宙作家クラブpresents
ロケットまつり23「糸川英夫まつり」
【Guest】林紀幸、垣見恒男、ほか
【出演】浅利義遠(漫画家)、松浦晋也(ノンフィクション・ライター)

2月23日土曜日
Open18:00/Start19:00
¥1000(飲食別)

場所:ロフトプラスワン(新宿区歌舞伎町1-14-7林ビルB2 03-3205-6864、地図)

 と、いうわけで今回はこの予定が先に入っていたので、私は種子島に行けません。現地中継を待っていた方がおられたら申し訳ありません。
 H-IIAロケット14号機の打ち上げについては25日以降に延期されたならば、なんとか島に向かおうと考えています。

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2008.02.08

パブリックコメントの内容

 うっかりしていると、ここの更新がすぐ滞ってしまう。

 以下に、1月末締め切りだった、「宇宙開発に関する長期的な計画への意見」 へ、自分が送った内容を公開する。

 パブリックコメントでは、事務局の側から代表的な意見に対する回答が作成される。このように自分の送った意見を公開しておくと、官庁の側が送られてきたコメントをどのように取捨選択したかを知ることができる。
 官庁側のコメントの選択から、彼らが何を考えているかを推測することができる。

 さあ、どうなるか。

Continue reading "パブリックコメントの内容"

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2008.01.25

宣伝:1月26日土曜日、ジュンク堂書店池袋本店のトークセッションに出演します

 このところ、きちんとイベント告知できているなとうぬぼれていたら、うわあ、明日のイベントを忘れていました。

 明日1月26日、ジュンク堂書店池袋本店で、「昭和のロケット屋さん」発売記念のトークセッションに出演します。

 「昭和のロケット屋さん」発売記念トークセッション
 出演:垣見恒男・林 紀幸・松浦晋也・笹本祐一・あさりよしとお

1月26日(土)19時から

場所:
ジュンク堂書店池袋本店 4F喫茶 地図
〒171-0022 東京都豊島区南池袋2-15-5
TEL 03-5956-6111 FAX 03-5956-6100

入場料:
ドリンク付きで1000円。

以下、ジュンク堂HPから。入場方法です。

☆申し込みは池袋本店1Fサービスカウンターで承ります。(電話:03-5956-6111)
☆入場料はドリンク付きで1000円です。当日、会場の4F喫茶受付でお支払いくださいませ。
※トークは特には整理券、ご予約のお控え等をお渡ししておりません。
※ご予約をキャンセルされる場合、ご連絡をお願い致します。(電話:03-5956-6111)

 ということです。

 よろしくお願いいたします。

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2008.01.24

呼びかけ:「「宇宙開発に関する長期的な計画」に関する意見募集」 に意見を送って下さい

 ここでは「はやぶさ2」の件以来、何回も呼びかけを行ってきた。

 またの呼びかけだ。皆さんの声を文部科学省に届けて下さい。

 「松浦は狼少年か」と思われそうではあるのだけれど、残念ながら、一回の意見だけで動くほど日本の意志決定システムは機敏ではない。ねばり強く、機会を捉えて何度でも声を政治家や官僚、宇宙開発関係者に届けていく必要がある。

 そして一般国民からの声は、国民が思っている以上に効く。「どうせお上のやることになにいっても無駄さ」ということはない。声が一つならなしのつぶてになることも多いが、数が増えるとお上といえども無視はできなくなる。

 今回のテーマは重要である。文部科学省が「宇宙開発に関する長期的な計画」に対するパブリックコメントを募集している。締め切りは一週間後の1月31日木曜日だ

 「宇宙開発に関する長期的な計画」について(中間とりまとめ)を読んだ上で、意見を文部科学省に送る。

 「宇宙開発に関する長期的な計画」がどんなものかは、以下の通り募集要項に書いてある。

「宇宙開発に関する長期的な計画」は、独立行政法人宇宙航空研究開発機構法第19条に基づき、宇宙開発委員会の議決を経て主務大臣が定めるもので、今後20年~30年の将来の我が国の宇宙開発利用の在り方を展望しつつ、10年程度の期間を対象とし、同機構が果たすべき役割を定め、同機構の平成20年4月からの中期目標のもととなるものです。

 つまり、この文章が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の中期計画、つまり今年4月からの5ヶ年計画を規定する。逆に言えばこの文章に入らなかった項目や、実施に向けた強い文言が入らなかった計画は、5ヶ年計画の途中でどんなに必要になったとしても、後で割り込ませることは非常に困難だ。

 非常に理不尽な話だが、日本の官僚システムは硬直化した制度で動いているために、そういうことになってしまう。

 ここで間違えると、今後5年間、日本の宇宙開発は間違えっぱなしになり、さらには次の5ヶ年計画では間違いの後始末に追われ、新しいことができなくなる。

 資料の「『宇宙開発に関する長期的な計画』について」は30ページもある官僚の作文であり、読み解くのが面倒かも知れない。それでも少しでも多くの人に読んでもらいたい。全部読み切れない人は、自分の興味のある部分だけでもいい。

 官僚の作文である以上、この文章の全ての部分には意味がある。

 まず、項目の記載順番はそのまま重要度を示すものと思って良い。表向きは「平等」ということになっているが、重要だと考えるものから順番に書いていくのは、新聞記事などと同じである。
 なぜなら、そうしないと財務省や政治家への説明で困るからだ。

 具体的なアイテム名が入っているものは「絶対やるもの」だし、具体的な名前が記入されていない項目はそれよりも優先度が落ちる。はっきり書くならば、この文書に「はやぶさ2」というアイテム名が入れば、もう実施は確定となる。

 語尾が「実施する」「取り組む」「習得する」と具体的なアクションを示す動詞であるなら、その項目は優先度が高い。一方、語尾が「推進する」「努める」というような抽象的動作を示す動詞、あるいは「必要である」というような現状認識を示したに過ぎない場合は、その項目の優先度は低いと書かれているに等しい。公文書に記載されただけまし、ということになるわけだ。

 以上のようなことに注意して、まずは読んでもらいたい。その上で、「この部分の実施するは、推進するに落とすべきだ」、あるいは「この推進する、は具体的な計画名にまで触れて実施すると書くべきだ」と考え、それをパブリックコメントとして投稿してもらえればと思う。

 委員会などを傍聴していると、文書表現の問題点を指摘する委員に対して、官僚側は「そのことはここに書いてあるので」と答えるのをよく見聞する。
 もちろん本当に書いてあるわけだが、よく見ると具体的計画名の有無や語尾のニュアンスの強弱で、微妙に書き分けてあるわけだ。
 結果、物事が進行してしまってから「この計画のほうが重要ではないか」という状況が発生しても、「『宇宙開発に関する長期的な計画』においては、こちらは『実施する』アイテムでして、一方こっちは『推進する』アイテムです。どちらかといえば、『実施する』のほうを重視しなければならないわけでして…」などと現状追認を迫られたりするのだ。

 今回のパブリックコメント募集は幸いなことに文字数制限がない。問題点をきちんと指摘するコメントを投稿することができる。

 できるだけ多くの人に、コメントを投稿してもらえればと思う。

 もちろん私もする。これは今後5年間の日本の宇宙開発を決める文書なのだ。

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2008.01.23

宣伝:2月3日(日曜日)、ロフトプラスワンのイベントに出演します

 いつの間にか「ロケットまつり外伝」というタイトルが付いてしまいましたが、日本電気で多数の衛星に関わった小野英男さんが語る、日本衛星開発初期の話、第3回です。今回は東大衛星に続いて小野さんが関わった最初期の宇宙開発事業団の衛星について話して貰う予定です。


宇宙作家クラブpresents
ロケットまつり外伝「衛星まつり3」
〜日本で一番多く人工衛星を設計した男〜

40年前、衛星開発に挑んだ本人が、日本の人工衛星開発のはじまりを語る、1回目の熱気を残したまま語る3回目

【Guest】小野英男(日本で一番多く人工衛星を設計した男)
【出演】浅利義遠(漫画家)、松浦晋也(ノンフィクション・ライター)、笹本祐一(今度こそ来ます!)

2月3日(日曜日)
Open18:00/Start19:00
¥1000(飲食別)

場所:ロフトプラスワン(新宿区歌舞伎町1-14-7林ビルB2 03-3205-6864、地図)

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2008.01.16

はやぶさ2、ASIが正式検討を開始

 14日から今日までの日程で、沖縄で国際始原天体探査ワーキンググループ(IPEWG)という会合が開催されている。小惑星探査の世界的な連絡組織の立ち上げだ。JAXA/JSPECが、この分野で国際的な主導権を持つ国際協力をリードしていこうとしている現れである。

 取材に行きたかったが、どうしても行けなかった。それでも現地から情報はぼつぼつと入ってくる。

 イタリア宇宙機関(ASI)は、「はやぶさ2」打ち上げにベガロケットを使う検討を正式にはじめたことを公表したそうだ。

 さあ、面白くなってきた。

 見えてきたのは、「はやぶさ」が国際的にいかに高く評価されているかということだ。なぜ高く評価されているのかといえば、それまで誰もやったことがなかったこと、しかも大きな意味のあることを、独力で成し遂げたからだ。

 このことは、今後の日本の宇宙科学、それのみならず宇宙開発全体の指針になるのではないか。

  • 誰もやっていないことで
  • 本当に意味のあることを見抜き(はやぶさの場合は始原天体としての小惑星の探査。なかんずくサンプルリターン)
  • 持てる技術とリソースの範囲内で実現可能な計画にまとめあげ
  • それを独力で成し遂げること

 この観点からして、JAXAの次の中期計画はどう評価できるだろうか。「かぐや2」は? 準天頂衛星は? 防災衛星は? GXロケットは? HTVは?  H-IIBは?

「それができたら、日本と是非とも協力したい。ロケットぐらい提供したっていい」と外国に思わせるだけのミッションになっているだろうか。

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2008.01.08

はやぶさ2計画は生きている

 相模原の宇宙科学研究本部に来ている。新年恒例の宇宙科学シンポジウム出席のためだ。
 会場は机をはずして椅子だけが一杯に並んでいる。そこに人が一杯。15年ほど前の、椅子も机も入って、しかも結構空いていた科学衛星シンポジウム(宇宙科学シンポジウムの前身)を知っているだけに、「ずいぶんと遠くまで来たもんだなあ」という感慨を禁じ得ない。

 午前中は現在運用中のプロジェクトに関する発表。最後に川口淳一郎教授が「はやぶさ」の発表をした。

 おそらくこのページを見に来るネットユーザーの誰しもが知りたがっている話を。

 後継計画「はやぶさ2」は生きている。イタリア宇宙機関(ASI)の長官から立川JAXA理事長に宛てて「共同で計画を進めたい」旨の書簡が届き、立川理事長が「前向きに検討しましょう」という返事を出したとのこと。探査機を日本が、イタリアが「ベガ」ロケットを提供するという形式を考えている。このほかNASAとも協力の検討を進めているそうだ。

 ただし、JAXA内部でのゴーサインはまだだそうだ。川口教授が「私は理事長ではありませんから」と、言葉を濁すシーンもあった。

 結局のところ、この件に関するJAXAの内情は「既存計画で手一杯、新規計画向けの金なんかない」に尽きる。さっさとつまらん失敗プロジェクトをやめて、その分を「はやぶさ2」につければいいのに、というのは無責任な部外者の言い分であって、当事者としてはなんとかして既存計画を成功させる、ないしは成功ということにして終わらせる必要に迫られている。そして旧三機関の力関係というのはJAXA内に厳然と存在しており、ISASの立場は決して強くない。

 その中で、川口教授以下月惑星探査推進センター(JSPEC)は、天上の「はやぶさ」と同じぐらい、いやそれ以上に粘り腰を発揮している。「海外からロケット取ってこい」という、ほとんど昔話の主人公が遭遇するような無理無体に対して、ロケットを取ってこれそうな情勢を作り上げつつあるのだ。

 私思うに、昨年度の予算折衝で、たった5000万円ではあるが「次の小惑星探査機」の名目で予算がとれたことはとても大きな意味があった。予算というのは一度名目が立つとなかなかつぶせない。2006年の段階で、予算項目をとれたことで、JSPECは計画継続に向けて粘る足がかりを得た。

 そう考えると、一般からのあちこちへのメールは決して無駄ではなかったのだろう。

「2011年か2012年には打ち上げたい。その後はしばらく(おそらくは目標天体の軌道の関係で)打ち上げのチャンスがなくなる。2003年(はやぶさ打ち上げ)の次が15年空くというのでは、プログラム的探査の意味がなくなってしまう。15年といえば人が働く期間の半分ですよ」と、川口教授は言っていた。

 昔話なら、主人公はいくつもの無理難題を知恵で切り抜け、最後は「幸せに暮らしましたとさ」で終わる。もちろん小惑星探査はそんなわけにはいかない。予算が付いてゴーがかかっても、開発、打ち上げ、運用と、次の難関が続くのだ。


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2007.12.27

「かぐや」ハイビジョン画像で、MiAUに動きあり

 著作権に関連して。

 ここと、nikkeibp.netで書いてきた、月探査機「かぐや」のハイビジョン月面画像の事。

 ネット著作権について積極的な活動をしているMiAU(インターネット先進ユーザーの会)が、動き出した。

【MiAUの眼光紙背】第7回 その映像は誰のため?〜ネットで視聴できない月の高画質映像

 MiAUは、なんらかの形でネットユーザーの声をNHKに伝えられないかと考えている。

 この件でMiAUの方とも会って話をしたが、「NHKがそう簡単に態度を変えるとも思えない」というところで意見は一致した。

 結局NHKがよほどあわてる事態にならなければ、今の態度を押し通すだろう。NHKがあわてるとしたら、政治家が動いて次年度の予算が国会を通らなくなるということぐらいしかない。そうなれば、NHKの政治部記者出身の会長秘書あたりが、「ご説明」と称して永田町界隈の議員事務所を大あわてで飛び回ることになるだろう。

 が、ネットの民意で政治家が動くというのも、現状考えにくい。MiAUとしては、とにかくできることやって、NHKの現状をより広く広報しようという作戦のようだ。

 もっともこんなことをやっていれば、NHKは早晩国民の各階層から総スカンを食うことは間違いない。

 JAXAは、この件に関してはNHKと共犯とも言える部分がある。それでも内部では「広報的にハイビジョンカメラが意味あることは分かった。民生用HDTVカメラがこれだけ安くなっている今、次の機会があってもNHKと付き合いたくない」などという声も聞こえてきている。当然だろう。

 「どうして、あそこ(NHK)は、ああ頑なかねえ…」という「かぐや」HDTV搭載の震源地の一人である某先生の嘆きも聞こえてきていたりして。

 今回の件はNHKにも損になっているわけだが、先日は「クローズアップ現代」のオープニングに使ったハイビジョン画像に「JAXA/NHK」のキャプションが写り込んでいるという事態も起きた。
 自分のところの番組でも、JAXAと結んだ囲い込みのための協定のためにキャプションを入れねばならないわけだ。入れなければより画面がすっきりするというのに。

 …と思っていたら、かつてNHKで働いた経験者から「いや、横のつながりが悪くて、『クローズアップ現代』の関係者が、キャプションなしのハイビジョン素材を手に入れられなかったのかも知れませんよ。とにかくNHKは組織内の横のつながりが悪いですから」と指摘された。

 なら、なおさら悪いわなあ。

 もっとも、MiAUに関しては、その後ネットの著作権画像のダウンロード違法化という重大問題が発生したので、どこまできちんと動いてくれるかは今後の状況次第だ。

 これまた重要な話であるので、近日中に書くことにする。私のスタンスは、「違法サイトのダウンロード違法化に反対」である。

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2007.12.23

宣伝:新著「昭和のロケット屋さん」が12月19日に発売されました

Rocket300of
おはなし:垣見恒男、林紀幸
ききて:あさりよしとお、笹本祐一、松浦晋也
amazon bk1

エクスナレッジ刊 1890円(税込)


 お待たせいたしました。新宿・歌舞伎町のロフトプラスワンで開催しているトークライブ「ロケットまつり」の内容をまとめた本ができました。

 日本宇宙開発創世記、若くしてペンシルロケットの設計に従事し、ミューロケットまでの基本ラインを設計した垣見恒男さん、内之浦からのロケット打ち上げに、ロケット班長として従事し、定年までに上げたロケット5万発…ではなく400機超の林紀幸さんのおふたりから、ロケット開発の現場で起きる、あんなことやこんなことを聞き出した記録です。聴き手は、あさりよしとお、笹本祐一、そして私です。

 お値段はソフトカバーにしてはやや高め、なのですが、実は初期のロケットの映像を収録したDVDが附属しています。東京大学が制作したペンシルロケットの記録映画、そしておそらく本邦初公開の内之浦におけるカッパロケットの事故映像です。

 我々は、打ち上げのたびに現場に出かけて行ってはいるものの、結局のところ傍観者です。現場で実物に関わっているわけではありません。「延期かよ、つまらんなあ」とか言いつつ、こっちが酒を飲んでいる間も、関係者はトラブルシューティングに必死になっているのです。

 本当の現場を知っている垣見さん、林さんの話の面白いのなんのって、「うわ、こんなことやっていたんだ」というとんでもない話続出の一冊です。

 希望だけが大きくて、実力が追いつかなくて、それでも意気軒昂と宇宙を目指していた初期宇宙開発の記録です。

 この本が売れますと、続編への希望がつながります。今、ロケットまつりでは、垣見さん林さんに加えて、さらにゲストも増え、ますますとんでもない話が飛び出してきている状況です。続編に向けて、是非ともお買いあげ頂ければと思います。

 まとめて宣伝してしまいましょう。火星探査機「のぞみ」の苦闘を描いた「恐るべき旅路」が、版元の朝日ソノラマの清算に伴って、朝日新聞社から再発売されました。誤字脱字などを修正してあります。
 こちらもよろしくお願いいたします。

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2007.12.06

宣伝:12月8日土曜日、阿佐ヶ谷ロフトAのトークライブに出演します

 ロフトプラスワンのロフトプロジェクトが、12月から中央線沿線の阿佐ヶ谷にロフトAという新しいライブスペースを開店しました。

 開店記念イベントの一環で、ロケットまつり出張版を開催します。出演は林紀幸さんと私だけで、失敗に関する話を突っ込んでお聞きする予定です。

12.8(Sat) ロケットまつりin阿佐ヶ谷
<失敗なければ成功なし〜ロケット一代男が思ったこと>

林紀幸(元ロケット班長)
松浦晋也(ノンフィクション・ライター)

OPEN 18:30 / START 19:30
¥1,500(飲食別)
場所:阿佐ヶ谷ロフトA
、東京都杉並区阿佐谷南1−36−16ーB1(地図)
TEL:03-5929-3445


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2007.11.28

宣伝:11月30日金曜日、新宿・ロフトプラスワンのトークライブ「ロケットまつり20」に出演します

 ロケットまつりも、もう20回。今回は、遂に出版成った「ロケットまつり」の本、「昭和のロケット屋さん」(エクスナレッジ刊:1890円、12/10配本予定)の先行販売があります。お宝映像収録のDVD付きです。

 トークは、本の内容に垣見さん林さんの同僚である永岡さん、東さんが突っ込みを入れる「ここが違うぞ『昭和のロケット屋さん』」というメタな内容になるはずです。


宇宙作家クラブpresents
「ロケットまつり20〜祝!20回。祝!発刊!」
前回、驚愕のロケット歴史がまた紐解かれた。今回はどんな歴史が!?初売のロケット本あります!
【Guest】林紀幸(元ロケット班長)垣見恒男 (ペンシルロケット設計者)東照久(林さん元同僚)永岡忠彦(垣見さん元同僚)
【出演】浅利義遠(漫画家)、松浦晋也(ノンフィクション・ライター)笹本祐一(作家)

Open18:30/Start19:30
¥1000(飲食別)
当日券のみ

場所:ロフトプラスワン(新宿区歌舞伎町1-14-7林ビルB2 03-3205-6864、地図)

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2007.11.25

ディスカバリーチャンネル・カナダが「かぐや」のハイビジョン画像を公開している。しかも…

 サイエンスライターの鹿野司さんから教えて貰った。

 「かぐや」のハイビジョンカメラが取得したハイビジョン動画像が、ディスカバリーチャンネル・カナダのホームページで公開されている。

 ところが、日本からこの画像を見ようとするとブロックされてしまう。鹿野さんによると、プロクシーを介さないと観ることができないそうだ。

 この画像は、NHKとディスカバリーチャンネル・カナダの間の契約に基づいて、ディスカバリーチャンネル・カナダが利用しているものだ。

 契約に、ハイビジョンクオリティのネット公開を許す条項があり、「カナダ国内に限る」か「日本以外に限る」といった制限がかかっているのではないだろうか。そう考えると現状が理解できる。

 画像、プロクシーに関しては、私自身はまだ確認していないので論評は差し控えたい。とりあえず、HD画像が観ることが可能かどうか、色々試してみることにする。

 この件に関して情報を求めます。なにかご存知の方、試してみた方は、この記事のコメント欄に書き込んで下さればと思います。

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2007.11.24

はやぶさの「祈り」

Mezamenasai

 辛気くさい話ばかりでもいけないので。

 11月23日から、「祈り」が公開された。ネットでも観ることができる。

  • 「はやぶさ物語」:プロジェクトチームインタビューも素晴らしい。左サイドバーから「祈り」を見ることができる。

 CGで再現した小惑星探査機「はやぶさ」の探査の様子に甲斐恵美子さんらの「はやぶさ」に寄せたジャズをかぶせた番組だ。

Ririku

 記者会見では、「癒し系」といい、報道でもそのあたりが強調されていたが、それ以上に、「はやぶさ」が小惑星イトカワでなにをしたかを、主観として追体験できる出来となっている。

 この「主観として」というのが重要。自分がはやぶさになった気分になれるわけだ。

 CG再現映像は、イトカワ近傍でのはやぶさの動きを忠実に再現したもの。私は「スラスターの噴射回数まで合わせた」と聞いている。演出は主に時間軸の圧縮で行われている。実際のタッチダウンは一晩かかっているわけで、そのままでは映画の尺に入らない。

 ただし、CG映像制作後も、データの解析は進んでおり、現在ではタッチダウン時の挙動が、より明確になっているとのこと。その分は「祈り」の画像には反映されていない。

Descend

 「祈り」は各地の科学館などでも上映されている。上映場所はこちら

 また、「祈り」は来年春にはDVD化される。DVDには「祈り」に加えてもう一本の科学映画「『はやぶさ』の大いなる挑戦!! 〜世界初の小惑星サンプルリターン〜」、を収録。資料を収めたCD-ROMも附属する。

 以下は11月19日に開催された「祈り」に関する記者会見の席で、「はやぶさ」イオンエンジン担当の國中均教授から聞いた、「はやぶさ」現状のあれこれ。

 「はやぶさ」は現在、第一期軌道変換の1700m/sを達成し、スピンモードに入れて冬眠中。次の軌道変更は2009年2月から。400m/sの軌道変更を行う。詳細については公式サイト参考のこと。

  • 行きは、はやぶさをイトカワにランデブーさせる必要があり、はやぶさの位置と速度の両方をイトカワに合わせなければならなかった。帰りは、はやぶさと地球の位置を合わせればいいので、その分楽ではある(注:速度の差は、採取サンプルを入れた再突入カプセルが大気圏で減速することにより吸収する)。
  • これまでに実施した1700m/sの速度変更は、軌道の近日点付近で行う必要のあるものだった。残る400m/sは遠日点で行うべき速度変更。
  • 1つだけ残っているリアクションホイールは、これまでの帰還行程でも何度か止めている。冬眠中もヒーターでホイール付近の温度を一定に維持しているので、2009年2月の立ち上げで、回転しないということはないだろうと考えている。しかし立ち上げ後にどれだけの期間、正常に動作してくれるかは未知数。
  • 最後のホイールが駄目になった場合に備えて、イオンエンジンの噴射と噴射方向のジンバリングとで、三軸姿勢を維持しつつ必要な軌道変換を行うための検討を開始している。その場合、新たな制御ソフトウエアをはやぶさに送り込む必要があるだろう。はやぶさ遠日点付近にいる限られた時間内に、400m/sの加速を終えることができるかどうかが、かなり難しい問題となる。

 画像は記者会見で配布された、「祈り」のキャプチャー。冒頭、宇宙を漂う「はやぶさ」に女神(ミューズであろう。声は声優の富沢美智恵さん)が「めざめなさい」と呼びかけ、意識(!)を取り戻した「はやぶさ」がイトカワでの冒険を振り返るという構成になっている。

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2007.11.23

月からのハイビジョン画像と公共性

 nikkeibp.netに次のような記事を書いた。

 画像公開からこちら、なんとかフルクオリティの動画像をネットで公開できないものかと色々聞いて回り、働きかけもしたのだが、結果はリンク先にある通りだった。

 本当に、NHKには考えを変えてもらいたいと思う。どう考えてもNHK自身が損をしているのだし、なによりも私は、NHKがネット公開に同意しないことで、日本という国が行っている探査の実績をもっとも分かりやすい形で示す動画像が、世界に届かないことを危惧する。

 受信料で作られたカメラが、税金で打ち上げられた探査機に搭載されて撮影した映像だ。どこに成果を還元すべきかは、明らかだ。

 まず日本国民、それも一人でも多くの国民にであり、次いで画像の人類史的価値(私はこの形容を決しておおげさとは思わない)を考えれば、全世界の人々に、だろう。記事に書いたが、NHKの著作権を尊重しつつできることはいくらでもある。

 高精細テレビ画像に関しては、例の悪評ばかりのコピーワンスをダビングテンに切り替えるということもあり、色々動きにくいようではある。だが、原理原則に拘ってNHKすら損をしているという状況を理解してもらいたいところだ。

 この件に関しては様々な話を聞いたが、ひとつ言えるのは実際に現場で働いている人は例外なくネットで公開できればと考えていたということだ。

 では何が問題なのか。NHKは巨大な組織で、どこでどんな意志決定をしているのか定かでない部分がある。どうも著作権絡みの部分は、NHKの“奥の院”的なところで意志決定が行われているらしく、一介のフリーランスである私は、核心にまでアクセスすることができなかった。

 以下、記事を書き終えた後で、気が付いたことをまとめておく。

 NHKのことを公共放送と呼ぶ。「公共」とは、辞書を引けば「(1)社会全体に関すること。おおやけ。(2)おおやけのものとして共有すること。」とある。

 今回の問題は、テレビ、ラジオといった情報の伝達形態が「公共」から滑り落ちる過程で起きたのではないだろうか。

 公共放送という以上、その内容は全ての人に伝達されなければならない。放送法ではNHKに「あまねく」放送を届ける義務を課している。電波を届ける義務は、「公共」であることの証拠であり、逆にNHKの公共放送としての特権的地位を保証してきた。

 それは同時に、「日本国民にあまねく情報を伝達するメディアはNHKしかない」という事実に基づくものであった。

 インターネット、特にブロードバンド接続の急速な普及によって、この部分が今、急速に崩れているのではないだろうか。

 NHKとしては、自らが公共放送である以上、国民に月からのハイビジョンを伝える最適な手段は自らの番組プログラムによる放送であるというロジックなのだろう。

 しかし、ハ