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2004.03.22

ロシアからCD-ROMが届く

buran.jpg

 21日は部屋を片づけて机を片づけて、次の仕事の準備。仕事中心で生活が回っていることは間違いないが、サラリーマン時代とは違い、少なくとも嫌な仕事はしていない。それでなんとか生きていけるのだからありがたやありがたや。

 午後、郵便局に着払い便を取りに行く。昨日届いていたのだが不在のため回収されていたもの。来たぞ来たぞ、ロシアからCD-ROMが届いたのだ。

 「ブラン」といって何人の方が覚えているだろうか。1988年11月15日、ソ連はソ連版スペースシャトル「ブラン」を無人で打ち上げた。ブランとは吹雪の意味。地球を2周したブランは無事に地球に帰還した。アメリカに続いてソ連もスペースシャトルを運航か、と思われたがその後2度と打ち上げられることなく、1992年に計画は財政難により凍結という名の中止に追い込まれた。

 ブランを製造したモルニア公社は、ロシアになってから民間企業となった。そのホームページで「ブランCD-ROM3枚組、通信販売可」と書いてあるのを見つけたのが発端である。

 これはそそる、そそられる。でもロシアとどう連絡をつけてどう送金すればいいのか。トラブルがあった場合はどうやって対応すればいいのか。

 こういう時は同好の士で団結するに限る。私はCGイラストレーターで、一緒に情報収集衛星のCGを作ったりしている宮地直人さんの掲示板に「こんなものありますぜ」と書き込んだ。すると宮地さんが「じゃあ仲間を募って取り寄せましょうか」と言ってくれたのである。その後あれこれあったが、本日になって日本での配送を引き受けてくれたくだん書房からCD-ROMが届いたというわけ。

 くだん書房はご主人が宮地さんの友人で、「貸本漫画専門古書店」という表の顔の他に、ハードで強面な宇宙開発関係書籍の古本屋という裏の顔も持つ(宮地さんが強要したといううわさもないわけではない、持つべきは悪き友)。

 宮地さん、くだん書房さん、ありがとうございます。

 しかしインターネットでこんなものの存在が分かって、取り寄せられるようになったのだからいい時代になったものだ。1988年頃、ソ連からの研究者が日本で講演すると、かならずソ連大使館の書記官がくっついてきて取材しようとすると遮られたものだった。何人か代替わりしたものの、どいつもこいつも日本語が達者で無愛想な書記官は、記者連中の間で「ありゃKGBの送り込んだ産業スパイ」だ、と言われていた。そのころ交換したロシアン・スパイたちの名刺は、たぶん今も持っている。

 まだ内容は見ていない。だからこのロシアからのCD-ROMに「愛が込められているか」どうかはまだ分かりません。

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Comments

ロシアCD-ROMはお宝も入っていたようで良かったです。
私的には3枚目の3Dデータがお宝でしたが、何より3Dデータ
作者のロシア人とメールのやり取りするようになってしまい
ました(笑)

しかし全部で18人も同好の士が集まるとは予想外でした。
中にはロシアとの貿易経験者もいてうまくいかなければ色々
援助を頂けると言う話まであって舞台裏もハラハラドキドキ
しつつも楽しみました。

くだん書房には強要なんて、、、したかな? :-)
また何かありましたら皆で輸入しましょう!

追伸:
良い雰囲気のサイトですね。また来ます。

追伸2:
まもなくX-34がうちのサイトでデビュー予定。
私的にはX-34の方がX-33より色々な意味でお気に入り!

 いや、本当にご苦労様でした。まだ3Dデータは観ていないのですが、「エネルギヤ」1号機で打ち上げそこなった軍事宇宙ステーション「ポリウス」の詳細なモデルが入っていたり、「エネルギヤ」発展型の巨大ロケットが入っていたりで、なかなかすごいようです。水城さんなんか大喜びしてるんじゃないでしょうか。

>>作者のロシア人とメールのやり取り
 これが一番大切ですよね。情報収集衛星の追跡などを見ていると、国境を越える同好の士の連絡が世界の風通しを良くするように機能していて非常に面白かったです。ロシアの宇宙技術はまだまだ色々と隠し球を持っていそうで楽しみです。

>>X-34
 格好いいですよね。あれ。ただ、私としてはアメリカがシャトル以降あんなに翼にこだわったのかが知りたいです。

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