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2004.03.29

人前で話をする

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 承前で、27日は午前4時からプレゼン用の資料を作り始める。もちろん、ついに当日となってしまった「Starry Starry Project Act2. みんなの宇宙開発」で使うためのもので、ことわざに曰く、「ドロナワ」。

 なんとか文字だけのそっけないプレゼン資料を作り上げて午前10時半過ぎに会場へ。空は久しぶりに晴れて暖かかく、それにつられたか東海道線もゆりかもめも結構な人出。電車の中で眠れるかと思ったが座れず、全然眠れなかった。事前に70人の会場に30人しか来ませーんという主催の安藤さんからの悲鳴メールが入っていたが、それ以上は来ているようだ、最終的には42人が集まったとのこと。学生さんが多いという。話者としてはなかなか話しがいのある集まりになった。

 午前中、「スペースシャトルとはなにだったのか」という題で40分ほどしゃべる。2004年1月にブッシュ大統領が発表した新宇宙政策で、スペースシャトルは2010年に引退することになった。しかしスペースシャトルは、例えば「ありがとうデゴイチ」だとか「さよならYS-11」などと同じように、無邪気に「さよなら、スペースシャトル、これまでありがとう」とは言えない複雑な問題を抱えている。

 私は、スペースシャトルという存在は過去20年以上に渡って宇宙開発の停滞する原因となったのではないかと考えつつある。まだそう考えるようになったばかりで、今まさに色々な資料を読み込んでいるところだ。今回の講演は、何かを説明するというよりも自分の考えを整理する意味合いのほうが強かったかも知れない。会場で聴いてくれた方々に、うまく理解できるように話せただろうか。

 午後はパネルディスカッションのパネラーとなってまた前へ。川島レイさんが、「現在1万人を切った宇宙開発関係者を100万人にしよう。100万人が宇宙開発への関心を表明すれば社会的な力になる」という話をする。賛成。ただ、方法論として「バーチャルな宇宙コミュニティをネットに作る」というのだけでは弱いと思う。現実の宇宙を肌で感じるような機会を作らないと。

 やはりパネラーとして登壇した的川泰宣先生が、徹底的に率直に語るのには驚く。「宇宙三機関統合はなにひとつとしていいことがなかった」、そこまで言いますか的川先生。「世阿弥曰く、男時(おどき)と女時(めどき)あり。男時は攻めの時ですが、女時は自らの芸を磨くべき時だそうです。今の宇宙開発は女時です。こういう時こそ世阿弥の言うように自らの能力を磨かないといけない」という言葉に深く同感する。

 そうだ、また必ず男時は巡ってくるのだから。

 その後、寺薗さんの興味深い発表など色々あったのだが、もう眠くて眠くて沈没してしまう。申し訳ない。安藤さん、ご苦労さまでした。

 終了後、エクスナレッジの編集者Iさんと打ち合わせ。大平貴之さんの「プラネタリウムを作りました」を担当した方。

 帰ってばったりと寝る。

 写真はパネルディスカッションにて。マイクハンドリングで会場を走り回るテラキンさんこと寺薗淳也さん

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