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2004.04.02

文科省で資料を受け取る

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 31日は午後から文部科学省へ。宇宙開発委員会の討議資料を受け取る。

 長年霞ヶ関にあった文部科学省は、現在庁舎の建て替えにともなって丸の内の旧三菱重工本社ビルに入っている。三菱重工はといえば、新幹線駅開業に伴って大規模開発が行われた品川に移転した。

 宇宙開発委員会は基本的に誰でも傍聴できるので、興味のある時は努めて出るようにしている。このところ聞いておくべき会合が続いているのだか、なかなか都合が付かずに傍聴できないでいる。

 旧宇宙開発事業団(NASDA)関係の資料は、委員会当日にJAXAホームページにアップされるのでさほど不便を感じないのだが、旧宇宙科学研究所(ISAS)関係は事務の都合かアップされていない。そこで宇宙開発委員会・調査部会で審議中の火星探査機「のぞみ」の火星投入軌道失敗についての資料を受け取りに行ったわけである。
 宇宙政策課で資料を受け取り、応対してくれた若い官僚と名刺を交換しようとすると「いえ、私は明日付で異動しますので」。そうか31日か、と思うよりも早く口が滑ってしまう。「だから官庁ってのは!」。

 霞ヶ関官庁は平均2年、短ければ1年以下で次々と配属部署が代わる。「癒着を防ぐため」とか「さまざまな仕事をこなせるジェネラリスト育成のため」とか表向きの理由はいくつかある。が、実態としてはそうやってどんどん人事を回していくなかで、人材が淘汰されて次々に天下りの形で放出され、最後に同期でただ1人の事務次官が残るという仕組みである。

 取材する側からするとこれは本当に悩ましいシステムだ。ある程度気心が知れるようになったころに相手がいなくなってしまい、また人間関係を構築しなくてはならない。「それが癒着だろ」とつっこみが入りそうだが、でも人間的な信頼関係なしに情報がやり取りされたりされなかったりする方が、実際には恐ろしい。行き違いが発生するし、ニュアンスも伝わらないからである。

 にしても、失言でした。私は官庁の2年人事ローテーションは好ましくないと考えているが、個々の官僚がそれに喜んで従っているというわけではない。応対してくれた彼は気分を害したのではなかろうか。

 ここ、見ていますでしょうか。あやまります。ごめんなさい。

 しかし、あの過酷な人事システムを長年横から見ていると、淘汰されてしまう方の人材にさまざまな美質を見てしまうのも事実である。事務次官となる者が、必ずしも同期のなかでもっとも優秀というわけでもない。

 私が宇宙関係の記者として、せっせと霞ヶ関をご用聞きのごとく歩き回って取材していたのは、1988年から1992年の4年間だ。もう12年も昔の話になった。行った官庁は、科学技術庁をはじめとして、通産省、郵政省、文部省、運輸省、外務省、気象庁であった。最初に科技庁の庁舎に入った時は、そのどよんとした雰囲気にびっくりしたものだが、そのうちに科技庁は霞ヶ関ではかなりまともなのだと分かってきた。

 それぞれの職場の雰囲気を当時の私の独断で採点するなら、最悪は外務省で、同率首位で文部省だった。この2つの官庁は、私の主観からすれば呼吸をするのもつらいぐらいに雰囲気がよどんでいた。

 私の主観などどうでもいいことだが、この2つの官庁はその後かなり恥ずかしいスキャンダルを起こしている(文部省はリクルート事件で事務次官逮捕、外務省は公金詐取による裏金作り)。

 その後、麹町に回る。かつて私のボスだったNさんから「お前の本を読んで、会いたいといっている人がいる」ということで、紹介されたのはNさんのラジコングライダー仲間の方だった。飛行機マニア3人で大いに盛り上がる。

 写真は東京駅前にある東京中央郵便局のポスト。「郵便は世界を結ぶ」とあるが、もはや「郵便は世界のネットが使えない人を結ぶ」としなければならないだろう。私は、すでに郵便事業は使命を終えており、郵便局を廃止してその分をネット整備に投資すべきと考えている。

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