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2004.06.03

冨田先生の話を聴く

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5月15日

 東京で宇宙作家クラブ例会。今回の講師は冨田信之武蔵工業大学教授。「技術的雑感」という題で、色々と聞く。日本の技術は国産技術というが、材料や部品の規格といった基礎の基礎は結局アメリカ頼りになっているというような話。

 信頼性=(r+1)/(n+2) n:打ち上げ機数、r:成功機数

 という数式を教わる。単純に成功機数を打ち上げ機数で割るのではなくそれぞれ1と2を足すのがミソ。これは運用回数が少ない機械の信頼性を理論的に解析していくと出てくるのだそうだ。

 H-IIAは6機目で失敗したので、信頼性は(5+1)/(6+2)=75%。ここで改良を加えても10機目が失敗すると(8+1)/(10+2)=75%で、改良は意味がなかったということになる。今回改良を加えて20機目まで成功したとすると(19+1)/(20+2)=90.1%で、ここではじめて成功率9割以上になるという話。H-IIAの設計目標である95%の信頼性を超えるのは38機目ということになる。

 宇宙開発委員会でもこういうことを言えばいいのだ、と思う。

 例によってその後は懇親会で酒を飲み、深夜に帰宅。

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