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2004.10.30

やまけんより弔辞を貰い、ついでにBSEを考える

 やまけんから、心のこもった弔辞を貰った。

新農政研究所 元理事長 松浦龍雄氏を悼む

 ありがとう、やまけん。

 彼のblogはやまけんの食い倒れ出張日記が大人気で、オフ会も盛況らしい。確かにとても楽しいし、自分もあれこれ食べたくなってくる、とてもいいページだと思う。でも、私はもうひとつの彼のblogである俺と畑とインターネットで、彼が提起している問題を無視してはならないと考える。

 このBSEに関する記事などは、我々が本気で考えなくてはならないことじゃないだろうか。BSEで生後20ヶ月未満の牛を輸入するしないという議論が出ているが、本質はそんなところにない。BSEの危険なし牛を育てる方法はある。牛に牛を食わさなければいいのだ。肉骨粉を使わないということである。しかしそれにはコストがかかる。安い牛肉はできなくなる。

 まず問題は、我々消費者にある。「本当に安全な牛肉にいくら払うのか」、そして「そうまでして安い牛肉が食いたいのか」。もっと具体的に言えば「多少危なくても牛丼だのハンバーガーだのを安く食べたいか」ということだ。

 「高いけれども安全な牛肉」という選択肢が必要なのである。

 BSEの問題が「全頭検査」「20ヶ月か否か」というところに矮小化されている背景には、カーギルをはじめとした畜産用飼料を供給する穀物メジャーの思惑も絡まっているという。穀物メジャーにしてみれば、アメリカの畜産業が大量の配合飼料を消費することがなによりも重要なのである。

 というわけで、やまけん推奨のリンクをここからも張っておくことにする。

 ・農業情報研究所

  ・同HP内:米国産牛肉輸入再開の決定が迫る 懲りない人間たちにつける薬は?

 面倒かも知れないが、自分で情報を収集し、自分で考え、行動しよう。

 私個人からのお薦めは、牛丼なりハンバーガーなりを、一度しみじみとかみしめ、もそもそと食べてみることだ。「そんなことして食ったらまずいよ」といわれそうだが、ひょっとして我々は本質的にまずいものを勢いで食っているのではないだろうか。ちょっと自分の舌を確認してみるのはいかがだろうか。


 てな、難しい話だが、先日、堺三保さん、やまけんと飲む機会があり、本人に聞いてみた。「どっちかってえと、『俺と畑とインターネット』のほうで重要なこと書いていないか」

 「そうじゃなくてねえ、俺にとってはどっちもなんつーか本心で、まあ両面なんですよ」という答えだった。

 そりゃそうだな、自分が面白いと思わなければそもそも続かない。なによりもしかめっつらしているだけでは人が寄ってこないし、人が集まらなければ自分の意志を伝える機会も失うことになる。

 「私利私欲の宇宙開発」(by笹本祐一)と通ずるものがあるな、と思ったのであった。

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結局、「危険部位除去」だけでは、BSE対策の要にはなり得ないことがよくわかる記事をUPします。飼料管理がなっていない牛など食べられませんね。20ヶ月以下なら輸入OK、などと適当な回答を作成した「日米実務者会合?」のメンバー個人個人が責任を持って尻拭いをしていただきたいものです。罷免請求とかできないのかな? ■農水省:「BSEに感染した牛は、骨を取り除いても食肉処理の過程で肉が汚染される可能性がある」 農水省、OIEに牛肉輸入条件緩和�... [Read More]

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