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2004.10.31

新潟の地震報道に関し、リンクを紹介する

 私もかつてはマスコミ関係者で、今もメディアで文章を書いて生計を立てているので、同じ穴の狢と言われれば反論できない。が、とりあえず書く。


 新潟で中越地震が起きた時、ぱっと思ったのがマスコミがまたやらかすのではないかということだった。

 神戸の記憶はまだ新しい。マスコミがヘリコプターを飛ばしまくって倒壊家屋の下で助けを呼ぶ声が聞き取れなかったという事態が再現されるのではないかと思ったのだ。

 で、「きっと出てくるだろう」と、2ちゃんねるをウォッチしていると、ああ…やはり。


 インターネットの普及で報道メディアが特権的に「時流の物語」を紡いで大衆に押しつけることができる時代は終わった。まさに実質的に終わったのだ。

 が、主に2つの理由から、まだマスメディアはそのことを実感せずにすんでいる。正確に言えば、マスメディア内部では「現実を見たくないので見ない」という態度がまかり通っている。
 ひとつは「誰もがインターネットを使いこなしているわけではないということ」、もうひとつは「テレビに代表される一対多の放送型メディアは多対多のインターネットに比べて本質的に大きな影響を及ぼしやすい」ということだ。2ちゃんねるを見ていると、テレビ局取材の横暴さが目立つのは、上記2番目の理由からだろう。

 今、私にそのことをきちんと論じている時間はないのだが(何しろ原稿が遅れに遅れている)、作家でノンフィクション・ライターの川端裕人さんのblogがこの問題に触れている。非常に的確な指摘をしていると思うのでリンクする。川端さんは元テレビ局の記者だった。


リヴァイアさん、日々のわざより

 ・新潟県中越地震に思うこと(2004年10月28日)

 私は以下の部分に注目する。

災害報道をテーマにした長編を書きます。これはぼくの取材者としてのキャリアの中で最大のインパクトがあった雲仙普賢岳のことを書きたいと思っていたのですか、ひょっとしたら、架空の災害を設定するかもしれませんが、とにかくいずれ書きます。

 鋭く現実と切り結ぶ小説を次々に発表してきた川端さんには、是非ともこのテーマで書いて欲しいと思う。願わくば架空の災害ではなく、雲仙普賢岳を舞台にして欲しい。あの時あの場所で、何が崇高で何が愚劣だったかを、小説に昇華して欲しいと思う。

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科学ジャーナリストの松浦晋也さんから、トラバをいただきました。 よかったら、リン [Read More]

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