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2004.11.15

フジテレビとディスカバリーチャンネルの心霊写真を巡る番組を比較する

 イベントが終われば日常が待っているのであり、つまりは遅れている原稿をせっせと書き続けるのだ。

 テレビを付けっぱなしにしていると、フジテレビが、季節はずれの心霊写真の番組を流している。

 以前観たディスカバリーチャンネルの番組を思い出す。写真フィルム世界最大手のコダックが、心霊写真を収集しているという話だ。彼らにしてみれば化学反応の結果である写真に、霊が写るというのは、二重の意味で解明しなければならない問題だ。もしもそんなものが本当に写るならマーケティングに影響するし、すべてが間違いならば風評被害を阻止しなくてはならない。

 長年にわたりコダックは大量の心霊写真を収集し、分析してきた。結論はこうだ。「一枚を除いて、心霊写真とされた写真のすべては科学的に説明がつくものだった」。画面に例外とされた一枚が映し出される。「この写真だけは、説明が付かない。この写真が正しいなら霊は存在する」、「が、しかしよく見て欲しい。この霊とされる女性には影が映っている」

 霊に存在して貰わなければ視聴率が取れないフジテレビと、科学的に正しい懐疑主義の視点で写真を分析するコダックとどちらが正しいか――このことを判断するのがメディアリテラシーだ。

 私からのコメント「恥ずかしいな、フジテレビ」。

 籠もっていると話題が乏しくなってくる。テレビであれこれ書くとは、独居老人並みだ。

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Comments

CXとNTVは、面白いことと、金になることが最優先、心の耳は塞いでいないと金は入って来ないということでしょう。礼儀知らずに礼儀を怒るな と 言うではないですか。

 最近、「アメリカの反知性主義」という本を読んだのですが、ここに書かれていることの多くが、じつは日本にも当てはまるのではないかという印象を受けました。反知性が多数派への帰属意識とつながっているような部分など。
 ですから、この問題はメディアリテラシーの問題であるのみならず、こうした番組が視聴率を稼いでしまう背景も含め、かなり根が深い物があると思います。

>礼儀知らずに礼儀を怒るな
 最近、「それでも異議を唱えるべき」と考えるようになっています。なによりも、これから社会に出る者らが「あれでいいんだ」と思ったらまずいでしょう。

 本日(20日)も、テレビ朝日が午後7時から「血液型で語る人間学」みたいな番組を流すようで、「受けりゃいい」の態度で公共の電波を私有するのはどういうことよ、ですね。

 ああ、俺は「おこっちゃま」だなあ。

>「アメリカの反知性主義」
 これは読まねば。
 「反知性が多数派への帰属意識とつながっている」というのは重要な指摘ですね。もっときちんと考えねばいかんと思います。

 町山智浩さんの日記を読むとブッシュ再選の背後にあるキリスト教原理主義もすさまじいことになっているようです。

 奇妙なのはそうやって科学技術の方法論を否定する言説に従う者もまた、科学技術の恩恵は否定しないということですね。

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