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2005.01.17

あの日あの時、自分のしていたことを思い出す

 本日、阪神淡路大震災から10年。地上波のテレビチャンネルは関連番組で埋まる。

 「阪神淡路大震災の時、あなたは何をしていたか?」

 私は東京にいて働いていた。朝起きてテレビをつけたら、信じられない光景が写っていた。なにしろ疲労していたのでようようやっとこ出社したが、いま一つ現実感がなかった。出社した時点で確か死者数は数人と報道されていたと覚えている。「そんなもので済むはずがない。絶対に1000人を超える」と思ったが、まさか6000人以上が死亡する大災害だとは考えもしなかった。

 あの時あなたは何をしていたか、というのは同時代を共有していることの確認行為だろう。かつてニフティのFSPACEでサブシスをしていた時にはチャレンジャー事故が起きた1月末が来るたびに、「あなたはあのとき何をしていたか」というお題で書き込みを募った。アメリカでは「ケネディ大統領が暗殺された時、あなたは何をしていたか」という問いが繰り返されるそうだ。
 それは同時に、「ああ自分はこんなに生きてしまったか」と自分の年齢を確認することでもあるのだろう。

 本日風邪気味。延々と続けている仕事に先が見え始める。薬を飲んだので眠い。よって短く、思ったことだけを。おやすみなさい。

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Comments

初めてメールします。目下貴著 国産ロケットはなぜ堕ちるのか を読んでいる最中です。
84ページまで読んだところですが早急にH2A
打ち上げの2/24までに読んでHPに意見を述べるつもりです。

さてかねてからアポロは月へ行ったのかということについて大きな疑問を持っていろいろ私なりに
調べましたがどうしても大嘘であるという結論以外は出ません。
貴書ではロケットの原理的法則について地球上
での計算を述べていましたがいかに燃料が多く
要るかということは良く判ります。

さて月面への軟着陸と言うことを考える際に
どの距離から落下し始めるかと言うことを
考えるとして月の周回軌道に到着した時点から
自然落下することを考慮しましょう。
万有引力の法則に従ってぐんぐん加速するが
これは軽い物体でも重い物体でも同じ速さ
同じ時間で月面に激突するはずでしょう。

これは周回軌道の月面からの距離が仮に30KM
50KM 100KM 200KMというように
設定すれば激突する速さはそれぞれ簡単な計算式で算出される
筈です。
残念ながら私は現在のところその式を知りませんが 貴殿ならご存知でしょう。

想像ですが月の引力は地球の1/6だとのことですが真空中をぐんぐん加速すればとんでもない
スピードで激突するでしょうそのエネルギーは
強烈なもので何トンもある物体なら巨大な
クレーターを作り出すでしょう。

もし軟着陸させるならこの巨大なエネルギーに
相当する推力を人体に致命的な衝撃を与えない
程度に適当な距離から逆噴射し続けて最後に
軟着陸せねばならないその間に姿勢を正しく
制御することも必要だし軌道の監視コントロール
も的確に行われねばならない。

とにかく極めて困難である上に月面で作業をし
再発進して地球に人間を送りかえすまでの生命維持など余りにも多くの難問題がある。

宇宙開発の前提としてアメリカのアポロ計画は
本当に成功だったという大詐欺が正しいとして
あるならば総てが狂うのは当然ではありませんか?

一体どれだけの人がこの本質的な問題を認識して
いるのでしょうか?
1969-1971の嘘がいまだにまかり通る現実を
どう思われますか?

豊原様。宇宙航空研究開発機構のサイトを紹介します。
あなたの疑問にきちんと科学的に答えているのでご一読ください。
理解できないのでしたら、最低限高校の物理学程度は理解してからにしてください。
軌道力学はそれくらいの前知識があれば理解できるシンプルな学問ですので。

豊原さん
 拙著を読んでいただいているとのこと、ありがとうございます。

>大嘘であるという結論以外は出ません。

 アポロ捏造説を採る方は、不思議なことに「いくら考えてもわからない→だからアポロは捏造だ」という考え方をするようです。どうして「いくら考えてもわからない→自分の知らない知識があるらしい」とは考えないのでしょうか。

 豊原さんもこの思考の陥穽に落ちておられるようです。

 豊原さんが疑問を感じている月への軟着陸については、高校で習う物理と少々の化学、そして地学の知識があれば不思議でもなんでもありません。
 コメントから推察する限りにおいて、豊原さんに不足しているのは、高校で習う理系の知識とそれを応用する力です。

 この短いコメント欄で説明し尽くすのは難しいのでどこが間違っているかだけ示します。

まず「月の周回軌道に到着した時点から自然落下する」という前提が間違っています。月周回軌道にあるアポロ着陸船は、月を回っています。静止状態から自然落下するわけではありません。ですから「月の引力は地球の1/6だとのことですが真空中をぐんぐん加速すればとんでもないスピードで激突」などはしません。

 月着陸に必要なエネルギーは、高校の物理で簡単に算出できます。高校では地球の周りを回る人工衛星の速度を計算する方法を教わりますが、それを月に適用するだけです。

 確かに、月着陸船が常に噴射しながらゆっくりと月に降りていくならば、膨大なエネルギーが必要です。重力損失というものが発生するからです。が、実際には月着陸船はそのような無駄なことはしていません。必要エネルギーを最小にするホーマン遷移に基づいた着陸プロファイルを採用しています。

「もし軟着陸させるならこの巨大なエネルギーに相当する推力」という記述からは、豊原さんが力とエネルギーを混同するという初歩的な誤りを犯しているらしいことが分かります。エネルギーと力は全く別物です。エネルギーは保存量ですが、力は保存量ではありません。

 とりあえずはJAXAの以下のページを読んで、それから「よく分かる物理学」の類の実用書を読むことをお薦めします。高校生向けの参考書を読んで、演習問題を解いてみるのもいいかも知れません。

 月探査機の基礎知識(JAXAスペースノート)
spaceinfo.jaxa.jp/note/tansa/j/tan01a_j.html


 ホームページを拝見しましたが、豊原さんは豊富な社会経験を積んだ方のように思われました。確かに自分の経験は色々なことを理解するのに役立ちますが、特に理工系の知識はきちんと勉強し、実際に応用してみないとなかなか身に付きません。

 高校の理系科目は、「1969-1971の嘘がいまだにまかり通る現実をどう思われますか?」と激する前に、一度独習する価値がある知識である——私はそのように考えます。

 別にアポロに限らず、自分が知っていることがすべてではありません。これは私にとっても自戒の言葉です。

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