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2005.03.09

中国の現状を聞く

 親指シフトの練習を続けている。短いコメントは親指シフトキーボードで付けるようにして,短文ならばひどくとまどわないでも書けるようになってきた。
 入力はなかなか速くならない。次に入力する文字のキーが頭に浮かぶまで一瞬間が開くといった感じ。最終的には脊髄反射で入力できるようになるのが目標だが道は遠そうだ。まあ焦らずに練習していこう。というか、せっせと使うのが早道なんだろう。

 6日は父が中国に滞在していたときにアシスタントを務めたAさんが家に来た。学会関係で来日し、父の位牌に手を合わせに来てくれたのだ。

 中国の現状について少々聞く。父は生前「北京オリンピックの後、中国は割れる」と言っていたが、Aさんは「それはないだろう」という。
「過去、国が割れたのは人々が食えない時だった。今の中国は皆食えて、未来に希望を持っている。地方行政官僚の軍閥化を防ぐために人事は3〜4年で回り、官僚に地方で根を張るヒマを与えていない。また、昔とは比べものにならないくらい交通手段が発達しているので、地方で反乱が起きても直ぐに鎮圧のための軍隊を送ることが出来る」なるほど。

 台湾独立を巡る問題について「中国指導部の本音はこのままそっとして事を荒立てず、実態がある経済交流を進めたがっている。が、台湾の正確な歴史的経緯を国民に教えず、都合の良いことしか教えていないものだから、本音を出したら国民が収まらない。『 弱腰指導部!』となる。だから強い態度に出ざるを得ない。一方台湾の独立派と言えば、中国は北京オリンピックまでは国際問題にしたくないのだからここ数年が独立宣言のチャンスだと考えている。
 もしも独立宣言が出れば、中国は内政面からの要請で軍を出すかも知れない」とも。むむむむむ…。

 いずれにせよ中国という国から逃げるわけにはいかない。政治的関係が冷え切っていたって経済は動くし、国民感情がどうあれ、物資は流通する。まずは相手を歴史やものの考え方に至るまで知り抜くことだ。いきりたつ前にやることは山ほどある。

 7日は1日確定申告の書類と取っ組み合い。自分の分だけではく、亡父の分も申告を行わねばならないことに気が付く。わあ!

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Comments

> 台湾の正確な歴史的経緯を国民に教えず、都合の良いことしか教えていないものだから、本音を出したら国民が収まらない。

中国の情報統制は現代においても、そんなに徹底しているのでしょうか?

外国と交流も増え、インターネットもあるので、ある程度情報は自由に流通していると思っていたのですが。

中国のISPは、法律により Transparent Proxy を通さないと海外へアクセスできないようになっているといるようです。
また、「社会治安上閲覧に問題がある」サイトはアクセスできなかったり当局により閉鎖されたりしているそうです。

例:
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0405/21/news053.html

中国の情報統制全般については、何清漣『中国の嘘ー恐るべきメディア・コントロールの実態』扶桑社が、詳しい。
 私の友人が去年、中国のネットカフェ(都市名は失念)で調べたところでは、中国に批判的なサイトには一切繋がらなかったそうです。例えば、アムネスティ・インターナショナル、国境なき記者団など。

親会社が北京にオフィスを構えるにあたり、ISPとの契約時に、
ISP,契約者だけではなく国家を含む三者契約になると聞きました。
で、実際インターネットVPNで以って繋いでいるとしょっちゅう切れます。
どうも途中の経路に何か仕組まれているっぽいです。
かの国はネットにも長城(グレートウォール)があるとは、親会社の白人の弁です。

これなども、かの国の国家的ファイアウォール抜けの手段と聞きましたが。
http://elgoog.rb-hosting.de/index.cgi

Webに関しては皆さんのおっしゃるとおりですが、そこまでやっていても中国政府はもう獄内の知識人と国際社会には情報統制は出来ないと認識しているそうです。

 一昨年のSARS騒ぎの時、中国政府はかなり厳しい情報統制を敷いたのですが治療に参加した一医師のメールが知り合いがら知り合いへと増殖して結局オープンになり全世界の知るところとなってしまいました。結果中国は国際的な信用を落としたわけです。

 学習した彼らは昨年の鳥インフルエンザでは情報を全部公開したとの事です。

 情報統制がきびしい国では個人のよしみで情報が流れる経路が発達します。その一端でもオープンな情報環境に繋がっていると,もう情報は遮断できないということみたいです。

 
 「上に政策あれば下に対策あり」という奴です。

 その一方で中国には大きな社会格差があり、個人的関係を持たない人やネット環境にない人、中国政府の提供する限定された情報環境にしか触れられない人も大勢、それこそ日本の人口の何倍もいます。そういった人々には、まだまだかたよった情報を供給することで一方向に誘導することが可能なのでしょう。
 

 ODAでも何でもいいのですが、中国内部のそうした情報格差をITなどにより是正することは、周辺諸国にとって、戦略的に安定した政治環境を作り出すという利点につながりそうですね。

>中国内部のそうした情報格差をITなどにより是正する
 確かにそうなんですが、ITは同時に欲望も解放するという問題がありますね。中国人全員がアメリカ人の生活を欲したら地球環境は破滅するという話があります。悪いことに中華文化はアメリカ文化と似たところがあります。でっかい=偉いであるところなど。

 同時に、我々は世界に率先して省エネの経済と生活システムを確立して、「こっちのほうがアメリカのバカ系消費生活よりずっとかっこいいぜ」という世界的な生活価値のブランドを確立する必要があるかも知れません。
 その上でそういう生活を戦略的に中国の人々に「かっこいい」と思わせる必要があるのではないでしょうか。

|その上でそういう生活を戦略的に中国の人々に「かっこいい」と思わせる必要があるのではないでしょうか。

同感です。

 家一軒建てるのにも、日本などの二倍も三倍も無駄にエネルギーを消費するのが中国の実情という話をきけば、日本の省エネ技術が世界規模のエネルギー需給に影響することもあり得なくもない。となれば、それは日本にとっても意味のある事業ですね。

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