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2005.05.19

あきれたページを紹介する

 今日はあきれたページを紹介する。

EXPO 2005 AICHI JAPAN

 言わずと知れた、愛・地球博のホームページだ。

 あきれたのはここ。
財団法人2005年日本国際博覧会 役員名簿

会 長 1名
豊田 章一郎
(社)日本経済団体連合会名誉会長

 まあこれはいいだろう。だが…

副会長 18名

 これは一体どういうことだ。通常副会長というのは1人ではなかったか。かつて「天涯孤独の主人公に突如12人の妹が現れてラブコメ展開」というゲームがあった。「12人の妹なんかバカっぽい」と、世のオタク共にさんざんネタにされたものだったが、現実は「18人の副会長」で、あっさりとゲームを超えたのだ。突如18人の副会長ができた会長の心境やいかに。

 ところが現実は、もっとものすごいものを用意していた。「常任理事 7名」は、まあそんなものだろうとして…






理事 54名








理事 54名!



 思わず、一時期はやったテキスト系サイトの書き方をしてしまったが、このマンモス中学校の生徒会における議員数のような理事は一体何なのか。ガレー船の船倉で、オールを漕いているのだろうか。

 18人の副会長と54人の理事の肩書きを見ていくと、何が起きたかがなんとなく見えてくる。地元の首長に議会の議長に地元財界の元締めに、地域の名誉職、そういった人々が集まっている。つまり文句をいうと面倒な人々に、本業プラスの職をあてがってまとめて抱きかかえてしまっているのだ。

 これは円滑な事業遂行のための口封じだろう。副会長、非常勤理事という、言ってみればあまり働かなくてもさほど問題は生じない職分がふくれあがっているのがその傍証だ。彼らが給与を返上してボランティアで働いているという話は聞かない。むしろ、口封じであるなら積極的に給与が支払われているはずだ。

 愛・地球博の事業費は、会場建設費1350億円、運営費550億円という。その中には、これら副会長、理事への給与も含まれているのだろう。その出費は「彼らにごねられるよりも安く付く」ということで正当化されているのではないだろうか。

 愛・地球博は、別名トヨタ博などと言われている。地元の知人の話だと、博覧会のために豊田市周辺の交通は整備され、結果としてトヨタ自動車関係の物流は大きく改善したとのこと。さらには、その周辺で名古屋を通勤圏とする住宅開発が進んでいるそうだ。「おそらくはトヨタホームでしょう」とは知人の弁。博覧会会場も閉幕後は、森に戻すのではなく、宅地になる。

 私に関して言えば、会場に行かずとも、「54人の理事」というゲームどころではないシュールな状況を見ただけで、十分満足である。

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Comments

 地元在住で、万博というものの経験のない私としては、開会前から行かなきゃいけない義務感のようなものを感じていましたが……
 この件といい、弁当事件といい、駐車場抜け駆け市場の件といい、どうしてこう、行きたくなくなるような事実ばかり出てくるかなあ。

長久手会場は元々「青少年公園」でして、森をつぶしたわけではありません。大きな広場やプール、運動場などがあった場所です。
老朽化がひどい場所もあったので(でもプールは新しかったような)どうするかはどの道、検討でしょう。
瀬戸会場は海上(かいしょ)の森を一部つぶしましたが、それでも当初の全面的につぶしてしまって・・・より随分改善されてはいます。

さらにもう1点

給与規定を見ると、給与の規定があるのは副会長だけですね。月124万はすごいうらやましいですが・・・それに賞与が月124万の2倍ですね。

また18人の人すべてが給与を受領しているかどうかはわかりませんが、オンブズマンあたりが調べそうな項目ですね。

トヨタホームと言えば創業から52年たっても黒字にならないのを、ミサワホームを産業再生機構に入れて乗っ取り同然に強引に買収してテコ入れしたとこですね。

 会場については、私が誤解していたので、本文を修正しました。加藤さん、ありがとうございます。

 小川さんは、行くべきだと思いますよ。しっかり事前に調べた上で、その結果がどんなことになっているか見てくれば、それはそれで意味があると思います。私は小川さんのレポートを読んでみたいです。

 ところで愛知万博のホームページ、「リンク禁止」なんてこともやっていたんですね。

http://slashdot.jp/articles/03/11/02/0758258.shtml?topic=45

 今は解禁しているようです。こんなことすれば、普通は「どんなやましいことがあったのか」と考えるものですけれど。

 探していくと、ほほう、スケートリンク問題というのもあるのですね。
http://www.geocities.co.jp/Athlete-Crete/3080/nagakute-kiji.html

 万博にオフィシャルの承認を与える博覧会国際事務局と通産省のやりとりなどというものも出てきました。反対派のページに掲載されているので、前後関係の脈絡をきちんと押さえないで信じるのは危険かも知れませんが。

http://www.geocities.jp/minnadehappy/page031.html

 リンクをたどると色々出てきますね。

 ところで、余り書くとしつこくなるし、当方も推測を重ねる形になるので本文では書かなかったのですが、54人の理事の下には、

132人の評議員

というのもいます。
http://www.expo2005.or.jp/jp/T0/T1/T1.4/T1.4.1/index.html

 ちょっとした国の国会ほどの人数を集めて何をしようとしたのでしょうか。興味深いです。

 マスコミ抱き込みがあったことはポチも説明しています。

「誰も愛知万博を批判しないのはなぜ?」
http://www.geocities.co.jp/SweetHome/8404/sono22.htm

 これはリンク集を作るだけでも、意味があるかも知れません。


 

>しっかり事前に調べた上で、その結果がどんなことになっているか見てくれば、それはそれで意味があると思います

 どうでしょう。今回は放置かつ黙ってたほうがいいような気がするんですけど。なんか、お金落としちゃったら負けみたいな……。
 イベント行くなら、楽しむために行きたいです(^^;

こんちは、いつも楽しく読ませてもらってます。

じつは前に気づいたことがありました。万博が始まる直前ぐらいから妙に「万博へ行こう!」とか言って、万博の話題を盛り上げているブログが増えているんですよ(リンクは避けますが、ブログ検索サービス等で調べるといくつも出てきます)。それが、よく見てみると、妙に凝ってるんですよ。内部に関するデータが詳しいし、写真なども豊富。デザインも凝っていたりして。。。どう考えてもシロウトとは思えないんですよね。写真の写りもいいですし、、、

ブログやってるみなさんならわかると思いますが、文章をきっちり作って、しかも写真のリサイズまでして、、、ってのはものすごく労力がいることです。ところがプロフィールを見ても、イマイチ????と思ってしまう方が多い。プロフィール通りだとすると、そんなにブログを一生懸命やってる暇あんの?って突っ込みたくなります。

その後、新聞で「愛知万博を紹介するブログが人気」とかなんとか記事に出たのは覚えておいででしょう。ブログが匿名でも簡単に開設できるのは事実。もちろん、これは単なる推測で、それだけ万博好きな人や、ブログが趣味のようになってる人もいるのかもしれませんがね、、、

そういえば最近、テレビでトヨタホームのCMをよく見かけますねぇ~w

情報訂正ありがとうございます。

そうそう、万博に間に合ったセントレア空港ですが、別名「トヨタ空港」です。場所が?ではなく、いろいろです。
F1トヨタが置いてあるし、トヨタの車が展示しているし、セントレアからデトロイト線があるのはトヨタのためという説があるとかないとか。
もっともセントレアの社長さんがトヨタの人でしたね。それで当初の見積もりより安くなったということですので、それはそれでよいのかな?などと思ったりしています。
私は火曜日に万博に行こうかな?と思っております。

昨日(金曜日)、母を連れて万博行ってきましたけど、なんかもう大満足でした。
並ばなくて入れる外国館ばかり回ったんですが、楽しみ方はいくらでもあります。
地元民ならぜったい行かなきゃ。遠方の人も、行かない理由を探してないで、人生一度は万博だ!

>言って、万博の話題を盛り上げているブログ
 私も気が付いていました。開幕前と後で、「愛・地球博」のGoogle検索結果に出る反対派ページの順位が大きく変化しているのです。1ページ目に出ていたところが3ページ目以下に下がっているとか。

 証拠はなにもないのですが事務局——おそらくは電通かなあ——が、開幕を控えて大々的にSEOをやった可能性はあるかも知れません。

 だからといって「けしからん、万博許すまじ」と怒るのも面白くないですね。SEOが違法行為というわけでもないし。SEOにはSEOで、SEOしかえす方法はないものかしらん。

>人生一度は万博だ!
 大阪にいったからいいや、ってのはダメですか(自分の年齢を感じるなあ)。

 空いた外国館にこそ福があるというのは万博のセオリーです。大阪では巨大なガラスの柱を持ってきたチェコスロバキア館に目を見張りましたし、その他東欧系諸国の館はどこも精緻な細工物を展示していました。
 もっとも我が両親は狙いすぎて、小学生の我々兄弟を引き連れてガボン館の壁際でへたっておりましたけれど。夕方ギリギリに入ったのがソ連館で、その時見たソユーズが、私の原体験の一つです。

 見なければ批判もできないけれど、54人の理事さんに投げ銭するのもイヤってとこでしょうか。

 何を隠そう私も万博反対派なんですが、実現しちゃった以上は反対していても始まらないので、柔軟に対応することにしました。地元にいると、万博を成功させるために誠実にがんばってきた人の声も聞こえてくるので、それらに応えたい気持ちも少しはあります。それをウェブでちょっと調べただけで「理事に投げ銭」と決めつけてしまうのはどうかと。例えるならJAXAの理事が天下りばかりだからといって、セレーネやはやぶさのすべてを否定するのか、ということです。
 外国館はもう90%くらい物産展と化しているんですが、それが現地のバイタリティあふれる土産物屋をよく再現していて、結果的に「商魂」の切り口から民族が展示されていて面白いです。そんな喧噪のなかで民族音楽の生演奏が始まったりすると、これがしみじみといいんだなあ……。

>地元にいると、万博を成功させるために誠実にがんばってきた人の声も聞こえてくるので

 でしょうね……というか現地関係者はみんな頑張ってるでしょう。でも、その人たちと上のほうとの食い違いがいや。
 ううん、何がこんなに引っかかるんだろう。国の行事だと思っているからか。国政が愛知だけに金を使うような構造が気になる。愛知主催・愛知施行の地方博と思えばいいのかも……。
 マンモスや知らない国の展示は見たいなあ。イラクや北朝鮮の展示があったら面白そうだなあ、バビロニア関係とか。――え、ないの? なんだ。

 来月、マゼランの船の復元船が名港に来るそうなので、ひとまずそれは見にいくことにしています。

こんにちはいつも楽しく読んでいます。

副会長が多い会社はあまり見かけませんが、副社長が多い会社はありますね。給料なし含めた実績払いらしいので、まともな部類だと思いいますが。

環境博と謳って、企業パビリオンも減らした割には、込んでいるのは企業館で、環境関係の展示は空いている。これを見ると、一般の人たちが望んでいたのは環境ではないのでしょうね。
リピーターの人たちが徐々に軸足を移して、瀬戸地区の方が盛り上がれば次につながると思います。


>おそらくはトヨタホームでしょう」とは知人の弁。
これは想像力がたくましすぎではないでしょうかす。儲かったのは土地を持っていた人と、不動産屋でしょう。

>セントレアからデトロイト線があるのはトヨタのためという説があるとかないとか。
デトロイトへの需要があったのに対応できていなかったとすば、それは前の名古屋空港の問題ですね。客はわざわざ成田まで生かされるわけですから。
岐阜の友人が昨日からデトロイトに海外赴任しました。デトロイト線ができて喜んでいるのはトヨタの人ではなくて、ビッグ3(死語)向けの自動車関連のメーカの人たちでしょう。まさにトヨタさまさまですね。

>一般の人たちが望んでいたのは環境ではない
 便利という意味ではそうなんでしょうね。環境問題は「だから不便な生活に戻れ」といっても無理で、おそらくは「エネルギーを使わず廃棄物も出さない生活=かっこいい」というブランド化をしないと進まないのではないかと思っています。

 もっといえば、これからますますエネルギー消費が増える中国あたりに「省エネ生活=クール、かっこいい」というブランドをすり込まないと地球があぶないのかも。

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