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2005.11.26

「はやぶさリンク」:午後4時からの記者会見

4scientist
 午後4時からの記者会見です。

 出席者は川口淳一郎プロジェクト・マネージャー、井上一宇宙科学研究本部長、ミッション・アドバイザーの上杉邦憲教授、司会の的川泰宣教授。

川口 昨夜から本日にかけての経緯を説明する。11月19日の第1回にひきつづくもの。第1回はタッチダウンと30分の着陸を行った。第2回は第1回では完遂できなかったサンプリングを目指した。第1回の後、セーフモードではやぶさはイトカワからずいぶん遠くに飛び去ってしまったので、一週間かけて突貫でスタートラインに戻した。
 昨日の午後10時頃、1kmのところから降下を開始。光学航法ではやぶさを誘導し、午前6時頃、垂直降下に移行。垂直降下とは、イトカワのミューゼス海へと、重力に沿って移動する機動。このフェーズにはいると基本的に地上からはリモートコントロールできない。午前6時52分、仮のターゲットマーカー発射シーケンスを発行している。ターゲットマーカーが複数あると誘導システムが混乱するので、投下しなかった。降下途中から、前回のターゲットマーカーが観測されていた。
 ターゲットマーカーは本来、横方向の誘導制御に用いるが、前回の着陸の成果として、ターゲットマーカーを使わなくても誘導ができる自信ができたので、基本的にターゲットマーカーを使わない前提で降下・着陸のシーケンスを組んだ。
 午前6時53分、探査機は4〜5cm/sに降下、高度35mでレーザー高度計に利用を停止、2分後にLDR使用開始、午前7時に14mでホバリング、地形にならう姿勢制御を行った。テレメトリ送信からビーコン運用へ。
 その後、午前7時3〜5分、レーザー距離計は、距離測定モードから、サンプラー制御モードへと変更された。今回は、ガードを減らしシーケンスの継続を重視するようにパラメーターが組んであった。従ってこの後は、弾丸を発射せずに上昇してくることはないようになっている。

 午前7時35分、2つの弾丸(プロジェクタイル)を発射したことが確認された。

 午前8時35分、運用を臼田局に切り替え。臼田でデータ再生を開始。

 午前11時前に化学推進エンジン(スラスター系統)にリークと思われるトラブルが発生。
 実は接近降下中に予兆と思われる事柄が発生していたが、バックアップ系に切り替えて運用していた。
 バックアップから再度主系統に切り替えて噴射を行ったところ、再度同じトラブルが発生した。姿勢が崩れたために、探査機は自律判断でセーフモードに入った。その後、地上からバルブを操作して、リークを停止。

 今後、3日ほどをかけて、セーフモードからの立て直しを行う。立て直しを優先させて、その後にデータダウンロードを行う。

 推進剤リーク量は、当面の運用には問題ない。しかし、帰還に向けての運用はますます厳しくなったと認識している。

 サンプリングについては、リークが発生したので現在に至るまで詳細を把握できていない。しかし、搭載コンピューターのシーケンスはすべて正常に実行されたことが確認できている。接地時の姿勢は崩れてはいなかったと推測しているが、詳細はデータダウンロードを行ってからとなる。

 質疑応答

毎日新聞 今回は弾丸が発射されて離陸してきたと解釈して良いのか。

川口 その通り。サンプラーホーンの変形は奥行き方向と横方向の両方の変化を検出して、弾丸を発射する設計になっている。データによると横方向の変形を検出して弾丸を発射した。弾丸はサンプル採取量を増やすために、0.2秒間隔で2発発射している。着地は10cm/sで行われ、サンプラーホーンはその時に10cm縮む。そこから離陸までの時間が1秒ということ。

毎日新聞 着地を知ったときの気持ちと、運用チームの様子を知りたい。

川口 大喜びした。地表にならった姿勢になって着地、上昇という狙ったとおりの動作をしたので、大喜びである。もちろん私もだ。

NHK くどいようだが、一連の動作が行われたということはサンプル採取ができたということなのか。

川口 私自身はできたと考えているが、確信を持って言うためには状況証拠が必要。証拠(であるデータ)を待ちたい。

共同通信 推進剤がきびしくなっているということだが、もう一回のトライはあり得るのか。

川口 私自身の現在の心境では、サンプルは収集できたと考えているので、もう一度降下しないでもいいのではないかと考えている。運用チームでも、同様に考えていると私は確信している。ダウンロードデータで弾丸発射が確認されれば、帰還準備に入ることになろう。

テレビ朝日 現時点でミッションは山を超えたといっていいのか。

川口 サンプル採取が大きな山であるとは考えていた。復路は基本的に往路と同じである。最後には惑星間空間の再突入を控えているが、これで八割の山を超えたと感じている。

NHK 大分今回はスムーズだったが、今回の成功のポイントはどこだったのだろうか。

川口 誘導航法の精度確保にポイントがあったと考えている。今回は前回と近いところを狙って誘導した。多少前回とはずれたはずではあるが、前回の着陸が非常によいレファレンスになっており、精度良く探査機を誘導できたのではないかと思う。創意工夫で様々なツールを準備してきたのが実を結んだのではないか。リハーサル2回プラス1回と、タッチダウン2回で経験を積んだ結果だろう。

月刊天文 スラスターの現状はどんなものか。修復出来ない場合にはどのような影響があるか。

川口 何が起きたかは現状ではわからないが、リークが起きているというのは単調な宇宙空間を飛んではいなかったということだ。宇宙空間を飛んでいては起きようがない。違う天体に降りた証拠といえるのではないだろうか。
 なおリークと完全に確認されたわけではない。そう思われる事象が起きているということだ。

#東京事務所にマイク移る。

朝日新聞 確認だ。採取できたとするための状況証拠とはどんなものか。

川口 例えば表面に対して探査機のサンプラーホーンが垂直になることだ。これはテレメトリで確認できている。詳細データをきちんと見た上で確実なところをお話したい。

日経サイエンス 誘導航法に習熟したということだが、ホイールの故障でもともときびしいチャレンジが、ますますきびしくなった。それを克服してサンプル採取を成し遂げたということは、技術の取得という点ではより一層の成果があったということか。

川口 その通りだ。ホイールが使えないということだけで、スラスターによる外乱が探査機に加わる。リハーサル段階の降下では、かなり大きな位置や速度の誤差があった。そういった経験に基づいて、本番ではすべてやるべきことが分かっており、それを順調にこなすことができた。

フジサンケイビジネスアイ 弾丸発射の火工品の動作は確認できたか。

川口 今晩マドリッド局運用でも、データ取得を目指したいが、セーフモードに入っているので、かなり難しいだろう。

フジサンケイビジネスアイ リークは止まったのか。

川口 リークかどうかは依然不明だが、推進系の過剰消費は止まっている。

フジサンケイビジネスアイ 復路への影響は。

川口 きびしくなっていることは認識している。今後の検討次第だろう。

#相模原にマイク移る

フジテレビ くどいようだが、テレビを見ている子供達に今回のミッションが成功したことでどんなことが分かるかをわかりやすく説明して欲しい。

川口 サイエンスとしては太陽系の歴史を知ることができるということだ。客席に藤原教授がいるので、そちらのほうが適任だが、彼だと説明が簡単になるかどうか(笑いが起きる)。
 エンジニアリングの面では他の星との往復飛行を行う時代が見えてきたということだ。まだ帰ってきてもいないので申し訳ないのだが。

フジテレビ これで日本の宇宙開発はどのように向かっていくのか。

川口 深宇宙探査が宇宙開発のすべてではない。が、このようなミッションが、理工学に刺激を与えるならば意味があると考える。井上本部長、上杉教授、いかがですか(両者笑っただけだった)。

赤旗 11月に入ってからの睡眠時間を含めた先生自身とチームの生活を説明していただければ。

川口 疲労困憊しております。11月にはイトカワとの地表を、6往復をしたが非常離脱でなかったのは今回のみ(笑)。しかも今回は上昇後にスラスターのトラブルが起きた。ロケットの打ち上げをまとめて体験した気分だ。

週刊ポスト この前投下したターゲットマーカーは誘導に使ったのか。

川口 今回はターゲットマーカーを使わないという前提で計画を組んだ。しかし、発見できれば、データレコーダーに記録を残すということにしてあり、実際発見できたのである。

週刊ポスト 情緒的な言い方になるが88万人の名前がはやぶさを導いたといっていいいか。

川口 いいだろう。

月刊天文 サンプル回収後の検疫設備はどうなっているか。資料分析はどのような体制で行うのか。

川口 復路の燃料が問題ではあるが、ぜひ検疫設備を作ってほしい。今現在その方向で動いている。試料分析は国内外の機関とで体制を組んでいる。

月刊天文 試料の配分の比率は変わっていないのか。

川口 変わっていない。

産経新聞 弾丸2発でどれほどのサンプルを回収できるのか。

川口 やはり数百ミリグラムだろう。レゴリスからの回収になるだろうと考えて2発打った。レゴリスに弾丸を撃ち込むと飛散量は多くなるがサンプラーにトラップできる量は少ない。

不明 危険を回避してアボートする設定は、今回どんなものだったのか。

川口 3つにまで条件を減らしている。1)レーザー高度計が高度を見失った時、3)レーザーレンジファインダーが4本のビームのうち2本が距離測定が不可能になった時、3)地形にならう姿勢制御の量が60度を超えた時——の3つ。障害物については、前回はもっとも感度が低いという設定で挑んだが、それでも障害物が検知されてしまった。そこで、今回は障害物検知のによるアボートを切っている。
 今回も、地形にならう姿勢制御の後、障害が検出された、それでもアボートせずに降りたということである。

的川 井上本部長、コメントをどうぞ。

井上一宇宙科学研究本部長 これまで我々は小さな予算と限られた打ち上げ手段で、ユニークな成果を挙げてきた。今回のような大きな成果を挙げることができて、我々のやってきた道が間違ってはいなかったと感じることができた。今回の成功が、日本の宇宙開発に対して追い風になってくれればと思う。

 はやぶさは目的がはっきりしたミッションであり、ひとつひとつ試験を行い段階を踏んで、成功を手にした。運用チームに尊敬の念を抱くものである。
 マスコミ対応も、このようなミッションが初めてで、色々不手際はあった。が、皆様に助けられてここまで来られた。ありがとうございます。

的川 ミッション・アドバイザーの上杉教授、一言を。

上杉 ネット上などのすごい反応で我々を支えてくれたことに感謝する。川口教授以下、皆素晴らしい習熟だった。最初のリハーサルではcm/sの誤差があったが、前回や今回の降下はmm/s単位で制御を行うことができていた。最初の、さきがけ、すいせい以来20年以上、ここまでできるようになったことを感謝したい。
 月以外の天体に着陸し、離陸してきたのは他に例のない成果である。ありがとうございました。

 ここで、JAXA理事長談話を的川教授が読み上げる。JAXAホームページにアップされると思うので省略。

的川 88万人の名前を載せたターゲットマーカーについては、ここ数日激励のメールや電話を数多く頂いた。またマスコミの皆さんも暖かい記事をありがとうございます。

 写真撮影へと移る。

 最後に、広報を担当した斎藤潤さんについて。「私の正式な肩書きは助教授待遇の主任研究員です。松浦さんに助教授と書かれたので『斎藤さん、出世したんだって』と大分言われました」とコメントされました。
 間違いではないので、とりあえず本blog「はやぶさリンク」終了まで、「斎藤助教授」と書くことにします。

   ## ## ##

 とにかく——
 はやぶさは現在セーフモードにある。スラスターにはトラブルが発生している。これを解決しなければ帰還できない。

 しかし、はやぶさ、川口プロマネと運用チームは、もっとも大変な仕事、小惑星表面上からのサンプル採集を達成したのである。

 写真は、左から、的川教授、井上本部長、川口プロマネ、上杉教授。撮影:喜多充成

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Comments

松浦様、関係各位の皆様、読者の皆様

初めて投稿します。
松浦様、長時間のブログ中継、ありがとうございます。
詳細な情報、本当に貴重に思います。
反面、日本の宇宙関係者で本業が手薄になった方も多かったのでは?

これから更に一年半、軌道決定と軌道制御の連続ですね。
積荷の価値が重くなった分、これからが更に(精神的、社会的に)厳しい道のりになるのだと想像します。
「帰ってくるだけ」が本当に大変なのだと思いますが、運用チームの健闘を祈るばかりです。
なにはともあれ、イトカワの科学観測成功万歳!!
本当にオメデトウございます。

Rough English translation of this entry
(press conference part only, no translation for Q and A session):

Here is a report of press conference at 4:00 PM.

People attended: Project Manager Junichiro Kawaguchi, JAXA Executive Director Hajime Inoue, Professor Kuninori Uesugi (Mission Adviser), and the chairman for this conference, Professor Matogawa.

Prof. Kawaguchi: We are giving a summary of the events from last night to today. This is the second attempt of landing, following the first attempt on November 19th. In the first landing attempt, we did a touchdown and Hayabusa stayed on the surface for 30 minutes. In the second landing attempt today, we aimed for the sampling that did not take place in the first attempt. Just after the first landing, Hayabusa entered safe mode and flew far away from Itokawa. It took us a week to get it back to original position.
At around 10:00 PM yesterday, we started descent from the distance of 1km. We used optical navigation to guide Hayabusa first, then we switched to the vertical descent phase at around 6:00 AM. Vertical descent is a maneuver to send Hayabusa to the MUSES-SEA on Itokawa along with the direction of the gravity. Once we enter that phase, there is basically no way to remote control from the ground. At 6:52 AM, we issued a dummy sequence of launching target marker. During the descent we found the target marker from last landing attempt, and we avoided the risk of confusing guidance system with multiple target markers.
Target marker was originally intended to help the horizontal guidance, but from the first landing attempt, we gained experience of guiding Hayabusa without target marker. So we planned a sequence of descent and landing that does not rely on the target marker for today's attempt.
At 6:53 AM, the probe was descending at the rate of 4 to 5cm/s; at 35m from the surface, we stopped laser altitude meter, followed by the start of LDR 2 minutes later. At 7:00 AM, with hovering, attitude adjustment according to the terrain was done. Shortly after that, it switched to beacon operation from telemetry.
At 7:03 to 7:05, the mode of laser range finder was switched from range finding mode to sampler control mode. For today's attempt, we used the parameter to use fewer safeguard to achieve full execution of the sequence. That means Hayabusa will not start ascent without firing the bullets.

At 7:35 AM, we confirmed two bullets (projectiles) were fired.

At 8:35 AM, we switched to the DSN Usuda. Data replay has started at Usuda.

Shortly before 11:00 AM, a trouble, possible leakage, was detected in the thruster system.
Actually we were seeing the sign of this problem during the descent phase, but at that time we switched to the backup system and continued the descent.
When we switched to the main system from the backup system and started the thruster operation, the same problem occured. Due to the attitude change, the probe automatically switched to the safe mode. After that, we controlled the valve to stop the leakage.

We'll use the next three days to get it out of the safe mode. Getting out of the safe mode will be our first priority. After that we'll start downloading of the data.

The amount of leakage of propellant does not seem to hinder the current operation. But it definitely raised the bar of making Hayabusa back to Earth.

Because of the leakage incident, we are not able to see the detail of sampling yet. However, the sequence of the onboarded computer is confirmed to have executed normally. We expect the touchdown attitude was good, but we'll have to wait for the completion of data downloading for definite answer.

このエントリーの質疑応答を読んで、唐突に涙が出てきました。
圧倒的な事実の力とオジサマたちのカッコよさに参りました。
松浦さん始め、この凄い歴史をどうにか日本中・世界中に正確に伝えようという皆さんのパワー無くして、一般でのこれだけの盛り上がりはありえませんでした。結果として世界に対して広報の役割を担ってしまったL/Dですが、本来広報はこうで無ければならないのではという気持ちにもなりました。本当に感動し、勉強にもなりました。ありがとうございました。
そしてお疲れさまでした!(まだ終わってませんが…)

Here's a correction for the English translation before this entry:
"Professor Matokawa" should have been "Professor Matogawa".

人名表記のウラをとる前にかなり書き進めてしまいましたが、もしも余裕ができましたら本文の方も追々修正いただければ幸いです > 松浦様

Now I'm entering safe-mode myself :)
Thanks a lot, Mr. Matsuura and everybody!

Rough English translation of a part of the Q and A session:

Mainichi: Could we explain that Hayabusa fired the bullets and then taken off, at this time?

Kawaguchi: Exactly. Hayabusa is designed to discharge the bullets after detecting lengthwise or traverse transformation of the sampler horn. The data shows that it detected a traverse transformation and discharged the bullets. To sample more, two bullets were fired with an interval of 0.2 seconds. Hayabusa touches down at a speed of 10 cm/sec and the sampler horn shrinks 10 cm. Then, it would wait a second before ascending.

Mainichi: What did you feel when you knew the landing? How was the operation team?

Kawaguchi: We were glad with great joy. Hayabusa controlled itself according to the terrain, touched down, and ascended. The sequence was just what we wanted. All were so happy, including me, of course.

NHK: I may be repeating, but, does the fact that the sequence has been done mean that the sample is acquired?

Kawaguchi: I myself think so. However, we have to collect circumstantial evidence to make it sure. I would like to wait for evidence (in data).

Kyodo: I heard that not much of extra propellant is left. Is there a possibility for another try?

Kawaguchi: I personally feel that an enough quantity of sample has been collected so that it might not be necessary to decent again. I am convinced that the operation team thinks the same. After confirming the discharge of the bullets from the down-loaded data, we will start preparation for a return.

TV Asahi: At this point, has the mission surmounted the difficulties?

Kawaguchi: I have thought that the sample collection is the most difficult part. The homeward journey is basically the same as the outward journey. Reentry to the atmosphere from the interplanetary space is waiting in the last lap. Nevertheless, I fell that we have surmounted 80% of difficulties.

NHK: Everything went without a hitch this time. What was the point for this success?

Kawaguchi: I think that the accuracy in guidance navigation was the key. We aimed to follow the last trajectory. It should not have been exactly the same; however, the last touch down was a very good reference to navigate the vehicle accurately. We have prepared many ingenious tools from two plus one rehearsals and two touch downs. These tools proved fruitful.

Sky Traveler (Gekkan Tenmon): How is the thruster? What happens if you can not restore it?

Kawaguchi: We do not know what happened yet. If it is leaking, it means that the vehicle has flown not only in the smooth space. It would never happen in the space. It might be prove that the thruster has landed on another body. Anyway, we have not confirmed a leakage. Phenomena around the thruster make me think that it is a leakage.

Next from the Tokyo office...


RogueEngineerさんがお休み中ということでQ&Aの東京事務所にマイクが移るまでを英訳させていただきました。先のエントリでは早く世界に知らせたいために同時投稿になってしまい、大変失礼しました。勝手ながら体力の都合で「東京事務所にマイク移る」まででこちらも休ませていただきます。

松浦さんの逐一の情報に大変感謝しています。ありがとうございます。はやぶさ関係者の方々のご努力にも敬服しています。復路も無事でありますように。

Rough translation (cnt'd). Sorry in advance for possible mistakes and worse quality than former two sophisticated translators.

Asahi: I'd like to make sure. What do you think as a circumstantial evidence to confirm the sampling?

Kawaguchi: For example, vertical standing posture of the sampler horn with respect to the (asteroid) surface. We confirmed it by telemetry data. I'd like to give you the assured facts after carefully investigating the datails.

Nikkei Science: You said that the team has acquired the skill for guidance navigation. I think the disorder of the wheel made the hard task much severer. But you overcame it to acheive the sampling. It means increasing remarkable achivement in acquisition of skills, isn't it?

Kawaguchi:: Exactly. Absence of the wheel causes disturbance by the thruster on the vehicle. On the descending in the rehearsal, we found substantial errors in the position and speed. Based on such experience, we knew completely what to do this time, and we could execute them successfully.

Fuji Sankei Business Eye: Did you confirmed the operation of the pyrotechnics?

Kawaguchi: We'd like to receive data from NASA Madrid tonight, but it will be difficult because Hayabusa is in the safety mode now.

Fuji Sankei Business Eye: Did the leakage stop?

Kawaguchi: We are not sure if it is the leakage, but over-consumption of the propulsion system is stopped.

Fuji Sankei Business Eye: What influence will that have on the return trip?

Kawaguchi: We recognize that it has got harder now. It depends on the operations from now on.

Next from the Sagamihara Office...

飛び入り失礼します.思わず訳してしまいましたが質ががくっと落ちてすみません.私もここでひとまず休ませて頂きます.JAXA関係者の皆様,松浦様,各所でご尽力の皆様,本当にお疲れ様です.

Last part of English translation from the Q&A session

... Back to the Sagamihara campus:

Fuji TV: Please excuse us repeating but could you please give kids in front of TV an easily explanation about what we can understand from the mission, which turned out to be successful?

Kawaguchi: On scientific side, we will be able to unveil the history of the solar system. Prof. Fujiwara in the audience is more adequate to explain. However, I am not sure if his explain would be easier or not (laughter).
On the engineering side, we are starting to see an era that vehicles make round trips to other planets. It might be too early as Hayabusa is still to come back.

Fuji TV: How will Japan's space exploration go after this mission?

Kawaguchi: Going to the deep space is not all of space exploration. However, I think this mission is meaningful if this mission stimulates science and engineering. Director Inoue and Prof. Uesugi, would you like to add something? (Both just smiled)

Akahata: Could you tell us about lives in November of you and your team, including hours of sleep?

Kawaguchi: We are exhausted. In November, we made six round trips to Itokawa and this was the first time we did not make emergency diversion (laughter). Furthermore, the thruster is having a trouble after the ascent. It is like experiencing a number of rocket launches at a time.

Weekly Post: Was the target marker dropped last time used for navigation?

Kawaguchi: We planned the flight plan not to use a target marker. However, when it were found, the data recorder was programmed to record it. Actually, we could find the target marker.

Weekly Post: In a sentimental way, could we say that the 880 thousand names guided Hayabusa to Itokawa?

Kawaguchi: Yes.

Sky Traveler: How is a quarantine facility for the sample going? How are analysis arrangements set up?

Kawaguchi: Fuel for homeward journey might be a problem. However, I would like to see the quarantine facility set up. We are working on it. Analysis will be done in Japanese and international institutes.

Sky Traveler: Is allocation of the sample changed?

Kawaguchi: No.

Sankei: How much sample can we acquire with the two bullets?

Kawaguchi: About a few milligrams. As we thought we are sampling regolith, two bullets were shoot. More dust will fly by shooting a bullet to regolith, but the sampler can only trap a little.

Unknown: What kind of conditions were set to abort landing to avoid dangers?

Kawaguchi: We reduced the conditions to three: 1) When the laser altimeter lost its readings, 2) when two of four laser range finder beams lost their readings, and 3) when attitude adjustment according to the terrain goes over 60 degrees. Last time, the obstacle sensor was set to the lowest sensitivity, and still gave a false alarm. Therefore, we ignored the obstacle sensor.
Actually, the obstacle sensor detected something again at this time after adjusting the attitude according to the terrain. It did not abort the sequence.

Matogawa: Director Inoue, would you have comments?

Executive Director Hajime Inoue: We have accomplished unique results within small budgets and limited launch vehicles. I feel sure that we have been doing right thing in front of this big achievement. I wish that the success will provide a tailwind to Japan's space exploration.

Hayabusa is a mission with clear targets. The operation team made step-by-step tests and operations to produce the results. I respect them.
It was also the first time to communicating with the media. There has been a number of failures. However, you helped us. Thank you very much.

Matogawa: Could we have a comment as the mission adviser, Prof. Uesugi?

Uesugi: I thank everyone who showed responses on the network. Prof. Kawaguchi and his staff learned a lot. Control errors were reduced from cm/s in the first rehearsal to mm/s in the last trial and at this time. I would like to acknowledge the improvement in 20 years since the first satellites: Sakigake and Suisei.
There is no other example that a vehicle touched down to and taken off from a body other than a moon. Thank you.

Prof. Matogawa read a statement from JAXA president: omitted here as this would be uploaded to the JAXA www page.

Matogawa: We have been receiving encouragements about the target marker with the 880 thousand names via e-mails and phone. Thank you the media who published warm articles.

Moving to a photo session...

大変遅くなりました。naoさんに訳していただいた部分の続きです。

はやぶさ、がんばれ!

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今日の朝刊より TOP! 朝日新聞もTOPでした〜 ☆ [Read More]

» はやぶさイトカワから欠片を強奪?!のウワサ [Slown-In Fast out.煉獄篇]
 はやぶさとは、予算が無い中、安価な民生品だのなんだの使ってを継ぎ接ぎで作った衛星兼ロボットを、本当はイオンエンジンの実験だけできればよかったのに、 【MUSES-C はやぶさの目的】 ■主目的 *新型イオンエンジンを1年以上の長期間稼動させる(←成功:世界初) ■おまけ *惑星間航行して小惑星イトカワに接近(←成功:イトカワへのランデブー世界初) *小型プローブ・ミネルバをイトカワに投下(←失敗) *はやぶさ本体が�... [Read More]

» 昨日は三文以上の得をした [人(hito)の日々のあれやこれや]
昨日は AM 5:00 に起きて HAYABUSA LIVE や松浦晋也のL/D や、国内 海外の実況掲示板を眺めたり、以下の GIF 動画作ったりして一日を過 [Read More]

» 祝・はやぶさ着陸成功 [ヱンヂニヤ・トヲルの生活と意見]
JAXAの小惑星探査機”はやぶさ”が、今朝、着陸に成功したようです。よかった。 [Read More]

» 3億キロ彼方からの帰還 [かもめさんの久留米人的ブログ]
天文キチガイだった子供の頃なら、イの一番に書いていただろうが、このキャンペーンがあった頃には残念ながら、それほどすごいミッションだとは思いもよらなかった。 惑星間航行に使われるのは世界初というイオンエンジンをときめかせ、片道20億キロものリモートコントロ....... [Read More]

» リモコン [遊びいろいろ]
あまり天文に興味があるわけではないのですが、本ブログ などは、リアルタイムの更新 [Read More]

» Hayabusa press briefing at 4pm [5thstar_管理人_日記]
The major Japanese newspapers carries a headline with the Hayabusa touch down. Some young networker describes the excitements as "I now understand how people got excited about the Apollo 11 in real time..." After seemingly successful sample return and ... [Read More]

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