Web検索


Twitter

ネットで読める松浦の記事

My Photo

« 「はやぶさリンク」:てらきんコラム、ステラナビゲーター、現時点におけるミネルヴァの評価について | Main | 「はやぶさリンク」:史上最も詳しい小惑星表面の姿 »

2005.11.16

「はやぶさリンク」:今日の一枚、動いているグランドキャニオンへ…

 はやぶさが撮影した、イトカワ表面にはやぶさの影が落ちる画像が、米航空宇宙局(NASA)の Astronomy Picture of the Day(天文学、今日の一枚:11月16日付け)に掲載された(ISASがISISと間違っているのが愛嬌)。題して「A Robot's Shadow on Asteroid Itokawa 」。はやぶさは、「robot spacecraft Hayabusa」と形容されている。


 日本惑星協会のメールマガジン「TIPS/Jメール」を使った的川泰宣教授の広報が、活発になっている。ほぼ2日間隔で、はやぶさ関連の現状を内側からレポートしてくれている。

 11月16日号には以下の記述があった。

「動いているグランドキャニオン」にジャンボ機で着陸するよりも難しいオペレーションであることが、ますます分かってきました。同じ着陸でも、表面地形が判明するにつれ、アメリカもこれまでやったことのない「ピンポイント着陸」であることは明白です。しかもサンプリング予定の時刻は臼田からは見えないので、アメリカDSN頼りということになっています。日本の深宇宙追跡局が、サンチャゴあたりにもう一局どうしても欲しいという実感 が強烈です。

 
「はやぶさ」チームは「必ずやるぞ」の固い決意で団結しており、頼もしい限りですが、それだけに、19日は、再び着地のための技術的教訓を存分に獲得するだけで上昇する可能性もなしとは言えないと思います。最終的な判断は、リアルタイムでの川口プロマネに委ねられます。なお、チームの主要メンバーは今でも細かいスケジュールづくりに余念がありません。少しでも寝て欲しいと要望していますが、決心すればいつでも睡眠に移るわけには行かないでしょうからね。

 予想以上に障害となる岩の多いイトカワ表面。現状が分かるほどに、タッチダウンとサンプル採集が難しいことが判明しつつある。
 しかも条件は悪い。往復32分の通信時差。DSN経由の運用。故障しているリアクションホイール。8時間三交代勤務を実現できない人手不足。

 まず間違いなく16日中に、19日のタッチダウンのためのオペレーション手順は作成を完了しているはずだ、明日明後日で、コマンド列作成とはやぶさへの送信が行われるものと思われる。

 今日の「はやぶさ」によると11月16日現在のはやぶさはイトカワから4kmのところにある。18日深夜からの降下は、1.4kmのところから開始となる。

« 「はやぶさリンク」:てらきんコラム、ステラナビゲーター、現時点におけるミネルヴァの評価について | Main | 「はやぶさリンク」:史上最も詳しい小惑星表面の姿 »

宇宙開発」カテゴリの記事

はやぶさリンク」カテゴリの記事

Comments

 海外の追跡局ですが、ペルーで電波望遠鏡として使用されていて国立天文台が活動資金の募金を行っている、32mパラボラなんかは使えないのでしょうかね。
 日本の深宇宙ミッションであれば稼働率は高くなくても良いと思いますし、元々は衛星通信用らしいので、1から作るよりコストパフォーマンスも良さそうな気がしますけど。

16 日付け「今日の一枚」への permlink
http://antwrp.gsfc.nasa.gov/apod/ap051116.html

ISAS の表記はちゃんと直ってました。

The comments to this entry are closed.

« 「はやぶさリンク」:てらきんコラム、ステラナビゲーター、現時点におけるミネルヴァの評価について | Main | 「はやぶさリンク」:史上最も詳しい小惑星表面の姿 »