「はやぶさリンク」:セーフモードに入らなかった理由、ドップラー変位による速度測定について
10:28:22
的川教授登場。
あと10分ほどで最初のテレメトリーが届く。ただし正午に予定されていた記者会見は無理。川口プロマネとしては記者会見は明日にしたいとのこと。
記者側から、本日のまとめをプロマネ以外でも、記者会見をして欲しいという要求がでる。
的川教授:総合的になにが起きたかの分析は、明日以降となるだろう。ただし、テレメトリが降りてくるならば、接地したかと、サンプラーの弾丸が発射されたかは分かる。テレメトリの結果は、とりあえず出次第、お伝えする。川口プロマネには、オペレーションに専念させてやりたいと考えている。
テレメトリは40分に1回の割合で届く。おそらく、1時間に一回の割合でなんらかの情報をお知らせできると思う。
セーフモードに入っていなかった理由について。内々に以下のような議論をしている。はやぶさはイトカワに着地を試みた時に、なぜか一定高度(10mぐらいか)で留まっていた時間が30分もあった(ツーウェイのドップラー変位が生きていたにもかかわらず、ドップラー変位が検出できなかった)。この時にイトカワ表面からの輻射を受けて、かなり温度が上がったと考えられる。このため通信機器が一時的に異常を起こしていたのではないかと考えている。イトカワから離れて、はやぶさが冷えたことで通信が回復したと考えるとつじつまが合う。
ドップラー変移による速度検出について。
はやぶさには、はやぶさが発信する電波で検出するワンウェイドップラーと、地上から送った信号をオウム返しにして測定するツーウェイドップラーを使っている。はやぶさの発信する電波の周波数は、通信機器の温度によって変化する。このためワンウェイドップラーは、きちんと較正しないと高精度の測定ができない。数cm/sの速度を検出するには、完全に分かった信号をこちらから送り、オウム返しにさせてドップラー変位を算出するツーウェイドップラーが必要になる。
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