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2006.08.17

盛夏を過ごす

 12日はコミケット70の2日目。私は友人のILMA Expressで売り子。売れ行き盛況でコミケを楽しむ。メカ・ミリタリー系の知人達も、それぞれ成果を挙げた模様。

 今回は沖さんズのおうやん氏が、愛知からクーペ360で参加。駐車場でかなりの注目を浴びていたようだ。午後2時頃、大雨が降ってきたので自動車を保護するために大急ぎで撤収していったそうな。彼らの「クーペ360マガジン」は今回で終刊とのこと。今後はウェブに活動の舞台を移すという。ごくろうさまでした。

 風虎通信からは「宇宙の傑作機10 アポロ誘導コンピューター」(水城徹著)と「世界の競争自動車2 シャパラル2D/2F」(浜田一穂著)が出た。「アポロ誘導コンピューター」は、アポロ宇宙船を月に送り込んだ組込型コンピューターに関する本格的解説書。宇宙開発ファン必読。多分、またくだん書房で入手可能になると思います。ですよね、高橋さん。
 「シャパラル2D/2F」は、1960年代に光芒を放った革新的レーシングカーの本。おお、シャパラルかっこエエ。

 Yahoo!ムービーズのゲド戦記評は、星2つから星4つまでの様々な評価が出そろってきた。相変わらず、夜の一定の時間帯に内容のない星5つ評価が集中して投稿されてはいるが、自分なりの正直な評価を書き込む人が増えているようである。その結果の平均星2.3というのは、意外に正確な評価ではないかと思う。

 最近の星5つは、関係者というよりも、無意味な書き込みで場を混乱させることで自己顕示欲を満足させたい困ったチャンという気がする。

 映画「ゲド戦記」に対する原作者、アーシュラ・K・ル=グウィンのコメントが公開された。さっそくネット上には翻訳がアップされている。どなたの手によるものか、日本語で読めるのはとてもありがたい。

 この手の文章は、1)誤解を防ぐための状況に関する説明、2)本音による意見表明、3)本音の厳しさを緩和するためのフォロー——というフォーマットで記述されるのが普通だ。そう考えると、原作者は映画「ゲド戦記」に対して激怒しているといって良いといいだろう。
 ちなみに宮崎吾朗監督日記には、ル=グウィンの前で行った試写についての記述がある。


そのパーティーの最後のお別れの挨拶のとき、
自分からル=グウィンさんに映画の感想を求めました。
これだけはきちんと聞いておかなければと思ったからです。

彼女は短く答えてくれました。
「It is not my book.
It is your film.
It is a good film.」
と。

彼女としては、本当はたくさんおっしゃりたいことが
あったのではないかと思うのですが、
それでも温かい笑顔とともに下さった言葉です。

この短い言葉を素直に、
心から感謝して頂戴したいと、思ったのでした。


 確かに英語によほど堪能でないと、相手が言葉に込めたニュアンスを読み取るのは難しいことだが、これはまた随分とナイーブに受け取ってしまったものだな、と思う。

 その後、お盆の時期を、仕事をしつつ、小学校1年生の甥と遊んで過ごす。好奇心が勝ったエネルギーが有り余っている子供と、一緒に犬の散歩に行き、一緒に工作し、一緒にスイカを食べ、一緒に川で遊び、一緒に温泉に浸かり、一緒に新江ノ島水族館に行き、一緒にモノレールに乗る。

 訳もなく腕を振り回してスキップをする甥と遊んでいると、自分の中で眠っていた感覚が蘇ってくる。

 そうだった、俺も小学生の頃の夏休みはこうだったな。

 ああっ、仕事が終わらない。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

Comments

宇宙の傑作機No.10 アポロ誘導コンピュータ、世界の競争自動車No.2 シャパラル2D/2Fともに21日からくだん書房さんで販売していただけることになっております。(20日まで夏休みだそうです)
また、松浦さんに書いていただいた、宇宙の傑作機No.5 アリアン4、江藤巌さんのヴォストーク宇宙船も販売予定です。
よろしくお願いいたします。

#私も語学力殆どナッシングなので訳すべきでは無かったかもしれないけど。(話題に乱入しちゃってごめんなさい>>松浦さん)

「これは私の小説ではないですね。。
 これはあなたの映像作品です。
 良い映像作品ですね。。」
多分、原作者のル=グウィン氏はアニメの試写を見みながら、かなーーりショックを覚え、青筋を皮膚表面にださない様に堪えていらしたんですね。。。

#ぜんぜん別の話題ですが。
会社でたのが21時過ぎになっちゃった。。あ~あ~。。やっぱり松浦さんのロケット祭り、見にいけなかったぁぁ。。(>ω<;;)
次回の「ロケット秋祭り」は絶対見にいくぞーー。
#今回のロケット祭り目玉商品「3つの大つづら」がなんだったのか気になるなあ。。ブログで紹介PLZww。


準備会発行のコミケットプレスの特集が、コミケのマスコミ取材に関するものでした。
その中で、

「日経新聞の松浦」

と、いう方が載っていました。まさかねー。
それに、こちらの松浦さんならもっと濃いコメントしそうだし・・

原作が三巻までしかなかった頃ならともかく、あの何というか底が抜けたような第四巻を書いて以降のル=グウィンだと、完成した映画にどういう反応をするのかな?
と思ってましたが、激怒ですか。まあ当然か。

ただ、映画への感想よりも気になったのが、宮崎駿・鈴木敏夫がル=グウィンを訪ねたくだり。
以前、鈴木敏夫のインタビューhttp://www.ghibli.jp/20special/000283.html
を読んだときに、宮崎駿とル=グウィンとの間で会話が成立しているようにはとても思えず、ル=グウィン側は何か誤解してるんじゃないか、また宮崎駿は自分の言葉をどこまで本気で言っているのか?と疑問を持ったのですが、ル=グウィンの方はまさにその通りだったようで。
彼女の文章では、事実上、宮崎駿に騙されたと言ってるわけですから。

できてしまった映画はしかたないとしても、この件に関してはジブリ側はどう反応する気でしょう。
「ゲド戦記」が上映されるベネチア映画祭までには、なにか動きがあるのかな。

初めて書き込みます。夏コミで「ロケット紀行」という本ををお渡ししました者です。
松浦さんと笹本さんに影響されてロケットを見に行くようになったので、直接お渡しできてとても嬉しかったです。

これからもどうぞ頑張ってください。


上は、本来私信で言うべきことなのですが・・・。
場違いでしたらどうか消してください。

>日経の松浦
 私が在籍していたのは日経本社ではなく、日経BP社です。ですから別人ですね。

 コミケットは、ここ数年売り手として定点観測をしています。

 金木犀さん、どうもありがとうございました。こういう本が一杯でてきて、「自分も打ち上げを見に行こうかな」という人が増えてくれれば、私としてはいうことはありません。

宇宙の傑作機「アリアン4」の重版をこちらで
知り、くだん書房へ(今年も)走りました。
ちょうど一年前にくだん書房で風虎通信さんに
「アリアン4を読みたい、読みたい、読みたい」
と駄々をこねて、重版のエールを送ったのが効を
奏したと、ファンとしては思いたい。素晴らしい
著作に、松浦さんと発行者さんに感謝します。

気になる記述がありましたので、一言、、、
第2章の冒頭でアリアン4初号機に搭載された
衛星として「アメリカのAMSATのオスカー13」
と記述されています。確かに、AMSATと限定すれば
「アメリカの」となりますが、オスカー13を
「アメリカの」と限定して形容するのは正しく
ありません。

アリアンの生い立ちを記述されている訳ですが、
その歴史を振り返った時に、初号機にアマチュア
衛星が、しかも「アメリカの」それが容易く搭載
されるというのは、ちょっと考え難いことだと
思われませんか? オスカー13は「アメリカの」
と限定すべきではなく、国際的に複数のAMSAT団体
が作り、その中心的な役割を担った、アリアンと
深い関係を持ちつづけているドイツのAMSAT-DLの
存在自体が、アリアンの歴史的背景とダブります。

同様の生い立ちを持つオスカー40は、当初、
アリアン5の初号機に搭載される予定でした。
しかし、AMSAT-DLの「長年の勘」と衛星側の準備
遅延から、初号機をやめて3号機へとフライトが
ずれました。「初号機」とか「3号機」という
席順を得るのは「アメリカの」団体(だけ)では
困難なことです。

アリアンに載るには、アリアンとの関係を継続して
いる欧州のAMSAT団体の存在(関係作り)があるから
こそです。

アリアンの歴史を読んでいて、身近なトピックに
掛かっている「アメリカの」という形容に反応して
しまいました。

武安

武安さん

 お久しぶりです。

 そうか、完全にアマチュア無線関連の国際的な協力関係を失念しておりました。オスカー13が上がった時はすでに現役記者で宇宙をウォッチしていたのですが、当時の資料もAMSATとしか書いていなかったので、ついつい誤ってしまったようです。Phase 3Dでは開発過程を見て、そこらへんの協力関係を実感していたのですけれども。

 一つ提案ですが、武安さん、「宇宙の傑作機」でアマチュア無線衛星の歴史を書きませんか。あまり一般に知られていないアマチュア無線衛星の歴史をまとめるのは意義のあることじゃないかと思います。

 もしもその気がありましたら、版元の高橋さんに紹介しますが、いかがでしょうか。

久しぶりに訪ねて来て、失礼しました。とても魅力的なオファーですね、一瞬クラッとしてしまいました。確かに意義のあることです。

「宇宙の傑作機」で、衛星や探査機は採り上げられるのかな?と、「アリアン4」を読みながら思っていたところでした。ちなみに、個人的には Voyager について読んでみたい。

アマチュア無線衛星で傑作機と言えば、私の中ではAO-10とAO-13です。アマチュア無線とは?アマチュア衛星とは?に始まり、その設計思想、先鋭的な技術、そこに登場する人々が私の興味を掴んで離しません。これを語れば、電気・電子・通信工学、プログラミングとその言語設計、軌道設計、運用、組織マネジメント、そして政治力学をして、地球周回軌道から火星軌道まで連れて行ってくれます。

さて、オスカー・ナンバーがいくつまで進んでいるのか私も忘れてしまう程のアマチュア無線衛星が飛んでいる現在、その歴史を俯瞰するのが良いのか、「傑作機」を語るのが良いのか考えてしまいます。それ以前に自分に書けるのかを考えるべきですが、、、

 わざわざ紙面(Web面?)を割いて書いて頂いたのにお礼のカキコミが遅れました。
 クーペ、ちょっとの時間でもお見せできてよかったです。あのままでは大きい車に挟まれて見逃されるところでした(笑)あのあと、夕立に降られたり、在庫200冊と台車を運んだり、いろいろありました。
 都会での使い勝手も全く問題なく、むしろ平均速度の速い田舎より使いやすいくらいでした。クーペマガジンは一旦終わりですが、クーペとの付き合いはまだまだ終わりそうにありません。

 「宇宙の傑作機10 アポロ誘導コンピューター」「シャパラル2D/2F」、そして金木犀さんの「ロケット紀行」も楽しく興味深く拝見致しました。我々も負けてられません。

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