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2007.09.21

続・MRJ、大丈夫か?

 昨日の記事のコメント欄で、大石英司の代替空港でのMRJの記事、および記事の主題であるパリ日本大使館レセプション(三菱重工ニュース)へのリンクを教えてもらった。

 大使館でレセプションを開くのはいい。日本大使館でMRJのレセプションがあるということは、MRJ開発を日本政府が支援するということは暗黙に示す意味がある。その分MRJの本気の度合を海外に示すことになるわけだ。

 問題は、レセプションにどれだけユーザーであるエアライン関係者、そして重要なのは海外専門メディアの記者を呼んでいるかということだ。

各国エアラインの幹部など日米欧を中心とした航空宇宙産業関係者多数のほか、経済産業省から片瀬裕文製造産業局航空機武器宇宙産業課長が、また当社から西岡喬取締役会長が出席。総勢267人規模の盛会となった。

 というのだが。

 267人というのは、まあまあの規模だ。うち、エアラインとメディア関係者が何人ぐらいだったかが気になるところ。エアライン関係者の重要性は言うまでもないが、メディア関係者というのは説明が必要かもしれない。

 MRJは、いまだ海外では無名だ。その知名度を上げるには海外専門メディアへの露出を増やす必要がある。露出を増やすには重工首脳部がメディアと接触し、記事になるような発言をすることが必要。そして、メディアをまとめて相手にする場としては、このようなレセプションが最適なのだ。

 レセプションには西岡三菱重工会長が出席したということなので、西岡会長の回りに内外の航空専門メディアの記者が群がり、会長発言を記事にするというのが望ましい。重工首脳部としても、リップサービスでいいから、メディアが一本の記事にしやすいような発言を心がける必要がある。もちろん英語、ないしフランス語で発言するべきところだ。

 大石氏のレポートだと、どの程度メディアを呼んだか、かなりあやしいような気もする。これが内輪向けレセプションだったら、単なる大使館備蓄ワインの浪費以外の何物でもない。

 一見してひがみっぽくも読める大石氏の記事だが、もしも広報部なり工業会なりが作家の大石氏をメディアとして認識していなかったのだとしたら、それは思い違いだ。

 小説に登場するメカが、時としてその一般へのメカの印象すら決める(ギャビン・ライアルの「深夜プラスワン」におけるシトロエンDSのように)。だから当然、作家もレセプションの招待リストに入れておくのが、広報部の仕事だろう。

 このクラスのパーティだと、参加人数が数人増えたところでどうということはない。大石氏を参加させたことで、例えば氏の次回作にMRJが少しでも登場すれば、宣伝費として安いものである。

 そういう計算を、重工広報部ができていたかどうか。

 とりあえず、航空宇宙工業会から、パリに出張した者は皆出席したんだろうなあ、というところで次回に続きます。

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Comments

松浦様

パリの大使館で行われたレセプションに内外メディアがいなければ「タダの業界の飲み会」となりますね。

海外メーカーのこうしたレセプションは「利用価値(言葉が悪くて失礼!)がある」メデイアや有名人、作家などを飛び込みでも参加させます。その場合、レセプション担当者は「相手を値踏み」して現場で判断しています。

まあ中には勘違いして「俺はフリーパスでどこでも入れるよ」と豪語して、現場で「はねられる」関係者もいます。(大抵そこで「俺は***だ!責任者出せ!」ゴネてますね。)
その時の運もあると思いますが・・・・

まあペルーの大使館占拠事件などもあり、大使館という開催場所が悪かった一面もあります。
エアショー近郊のホテル、会議場にバスで送迎するなどすれば参加者を集めやすいのでは。
(会場費用がかかる問題もありますが、小銭惜しむと良い商売はできません!大使館は今回会場使用料は取るのでしょうか?多分取らないか、少ない金額(在仏**会への寄付などの名目)で済ませた可能性があります。)

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