野菜炒め大実験
以前、ジャンクフードの定義を試みたが、今回はその続き。
前回、最後にジャンクフードの定義における「過度」を適度に書き換えると、ヘルシーフードの定義となる、という話を書いた。自分の書いた文を引用してみると、
上記のジャンクフードの定義から、「過剰」を抜いて、代わりに「適度」と入れてみよう。・炭水化物を中心に
1)適度の塩分と油脂で味付けされた食物
2)さらにそれらに
a)適度なアミノ酸
b)肉、チーズなど適度なタンパク質
c)適度な香辛料
の一部、ないし全部が付加された食物・タンパク質を中心に
1)適度な塩分と油脂で味付けされた食物
2)さらにそれらに
a)適度なアミノ酸
b)適度な香辛料
の一部、ないし全部が付加された食物途端にヘルシーフードに早変わりする。二郎ラーメンのようにこれに適度の野菜が加わるならば、けっこうな健康食だ。
主題はヘルシーフードとジャンクフードの定義は何故似ているのか。実はここ数日の食事で実験をしていたのである。
実験材料は、キャベツともやしだけの野菜炒めだ。要するにキャベツを玉一つ買ってしまったので、もやしと合わせて食べ尽くそうとしたわけ。ついでに実験もしてしまえと考えたのだ。
キャベツともやしをごま油で炒める。このままでは野菜と植物性油脂だけだ。当然まずい。
そこで味付けする。塩を入れると一応食べられる味になる。物足りないのでコショウを振りかける。ますますおいしくなる。
適度なアミノ酸を求めて、塩の代わりに醤油を使ってみる。これもいい。
ここまでで欠けているのは、タンパク質と炭水化物だ。豚肉の細切れを入れると、いっそうおいしくなる。思い立って、油揚げを細切りにして入れてみると、これもなかなかいける。
次に炭水化物として、炊いたご飯も少しいれてみた。悪くない。野菜主で米が従のチャーハンみたいになるが、ごま油と合っておいしく食べられる。
では異なるタンパク質はどうか。味付けを塩コショウにして、チーズをちぎって入れてみた。ナチュラルチーズを使いたいところだが、お手軽にコンビニで買ったプロセスチーズを使った。
うまいっ。味にこくがでる。チーズはタンパク質でもあるしアミノ酸でもある。なるほどなるほど。
ややリゾット風になったので、次はもう少し工夫してみる。米の代わりに手元にあったせんべいをちぎっていれてみた。
これまでで最高の味になった。食感も、もっちりしたチーズにぱりぱりのせんべいが加わって意外なぐらいに良好だ。
なぜ、このような料理を美味しく感じるのか。その原因は当然生物進化に求められるべきであろう。野菜炒めは、塩分、香辛料、アミノ酸、タンパク質、炭水化物を加えることによって、より生体を維持するのに適した食事になったのだ。
つまり我々は、より的確に必須栄養素を的確に摂取できる食事を美味と感じるのである。
そう考えると、なぜジャンクフードがおいしいかも理解できる。つまり、ジャンクフードは我々が本能的に持っている「より生体を維持するのに適した食事をおいしいと感じる性向」に対する超正常刺激なのだ。
この次の段階としては、野菜炒めをベースに過剰さを付け加えて、ジャンクフードを作るということが考えられるだろう。
いずれやってみよう。
なお、この実験は、あくまで個人的なものであり、これにより何かを主張するものではない。「対照実験は?」とか「二重盲検は?」とか「条件が一定になっていない」「サンプル数が少なすぎる」といった疑問や批判は却下である。というか実験そのものが、批判に値しない。はい、自覚しております。
で、当面野菜炒めはもういいやというのが、オチでありました。
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