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2007.11.02

はやぶさ2の現状とはやぶさ

 11月になった。

 以前、10月末がタイムリミットであるとして、「はやぶさ2」への応援をお願いした。

 現状について、私も大分取材が難しくなっている。


 だが、ひとつはっきりしていることがある。

「はやぶさ2構想はいまなお生きており、生き残りの道を探っている」。

 まだまだ計画の命運はつながっている。

 「はやぶさ」の成果は、世界的にも高く評価されている。後継機があるなら協力したいと考える国も少なくはないらしい。

 あちこちにメールをしてくれた皆様。しようとおもっている皆様。今しばらく、「はやぶさ2」への支援をお願いいたします。私は、「はやぶさ2」計画が、日本のプログラム的探査、さらには惑星探査への道を拓くと考えています。

 よろしくお願いいたします。

 まだまだメールは有効です。送り先については、こちらを参考にして下さい。もちろんそれ以外の送り先も有効であると考えます。


 本家「はやぶさ」は、ついに地球まであと400m/sのところまでの加速を達成した。

 川口プロマネが、月・惑星探査推進グループの事実上のリーダー格として忙殺される中、イオンエンジンを開発してきた國中教授がはやぶさ帰還に向けて執念を燃やしている。國中さんとしては、帰って来なければイオンエンジンの有効性を実証したことにはならない。

 これからしばらくの間、はやぶさは冬眠モードでの運用に入る。次の難関は、軌道の近日点に近づき、機器を起動する際に、ただひとつ残った姿勢制御用リアクションホイールが正常に起動するかどうかだ。

 はやぶさに搭載した3台のリアクションホイールは、製造上は同じロットである。うち2つが破損し、停止したということは、残る一つが動いていること事態が奇跡に近いということを意味する。

 長期間の停止をリアクションホイールが、乗り切ることができるか。それが次の関門となる。

 それにしてもあと400m/s、はやぶさの帰還を祈らずにはおれない。

 JAXAにおいて「はやぶさ2」構想に反対する側の論理は、「JAXAには金がない」だ。

 私は、「はやぶさ2」以前にスクラップにすべき計画はいくらでもあるだろう、という立場を取っている。アノ計画この計画、結局のところ「ここまでひきずってしまった計画を保持するためにかかる金」というのがある。

 私としてはJAXAも文科省も宇宙開発委員会も、そっちをどうにかするほうが先だと思うのだ。

 それは日本国民と真正面から向き合い、情報を共有することにもつながる。

 難しいことかも知れないが、LUNAR-Aでできたことが、アノ計画この計画でできないとは思わない。

 それは日本の宇宙開発を健全化し、未来に進むために必要なことなのだから。ここで逃げたら、あとで後進にもっと酷い状況を手渡すことになるのだから。

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Comments

ご存知でしょうが、14日夜にnaked loftで原子力資料情報室の澤井正子、澤口佳代両氏が河野太郎、田中康夫、川田龍平の三代議士と再処理工場を初め原子力政策についてのお話をされます。一般の方は締め切られましたが、石附澄夫さんのような立場の方なら宇宙政策の問題に関する時間を割いて頂けると思います。

この日付11/2にこのエントリーというのは
http://www.isas.jaxa.jp/j/researchers/symp/2007/1102_low.shtml
・はやぶさ探査機のイオンエンジンによる深宇宙動力航行:國中均
・深宇宙港と太陽系航路の運用 川口淳一郎
今日行われた演目、午後は別の用事で(というか午後が業務だから、午前がついでで潜り込んだまでだけど)抜けたので、川口先生の話は伺えなかったけど、國中先生は溌剌としてましたよ。

いささか脱線ですが、
船長兼航海長の川口先生・機関長の國中先生に代表されるように
「はやぶさ」は世界の宇宙プロジェクトの中でも工学系科学者の
存在が前面に出ている珍しい例ですね。

往年のアメリカで「宇宙飛行士に憧れた子供」が居たように
今、日本で、川口先生に憧れる子供、國中先生に憧れる子供が
出現することを考えると
このプロジェクトは、将来の日本の国益に影響すると思うのです。

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