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2008.02.23

パブリックコメントの結果

 もうご存知の方も多いだろうが、文部科学省の「宇宙開発に関する長期的な計画」に対するパブリックコメント、結果が公表された。
 集まったコメントに対して、文部科学省が説明を付けている。

 詳細は以下のリンクにある。

 内容については、「結果概要」を読んで下さい。

 コメントに文部科学省は、きちんと返答している。それは「こういうことなんで納得してね」というもので、「そうですか、では見解を改めます」ではない。

 いつもの官僚の「話は聞きましたよ」という形を作る手段だ。

 しかし、ここで重要なのは、返答を作る過程で文部科学省の実務を取り仕切る若い官僚達がコメントを読み、世間の風に触れ、「何が正しいのか、間違っているのか」を改めて考える機会になるということだ。
 返事を作成する過程で、彼らが「本当は一体どうしたらいいのだろうか」と自問自答する——このことが重要なのである。

 彼らひとりひとりは基本的に優秀だ。また、正しい判断をするための幅広い情報を求めてもいる。そういうところに、世間一般は何を考えているかが届き、改めて彼ら自身が「いったいこれからどうしたらいいのか」を自問自答することの意味は大きい。

 それは今後、正しく未来を目指して足を踏み出すにあたって、大きな意味を持つ。

 今回、コメントを出した方、ごくろうさまでした。パブリックコメントの募集はこれで終わりではありません。今後まだまだ機会はあります。

 前にも書いた通り、官僚組織は非常に動かすのが難しいです。ねばり強く働きかけないと、動きません。

 今回、コメントを出した方も出さなかった方も、次のパブリックコメント募集にも、意見を出しましょう。見たい未来があるなら、まずは足元の一歩から、ということで。

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Comments

ややこしくなるので「是非」には触れませんが。
こういうもの(パブリックコメントの募集)を公にするときは、既に施策のアウトラインは決まった後です。
大きな組織で、コメント中に優れた見解があるからといって、纏まりかけているアウトラインを急遽変更する、というのは大変です。
アウトラインに余程の論理矛盾や不都合が露呈するわけでもなければ変わらないと見るべきでしょう。

大組織の愚鈍さがそこにあるわけですが、加えて日本が辛い状況にあるのは、第三者的な立場で提言を行うシンクタンクなりロビイストがいない、という現状にあるように思います。マスコミも現在その機能を失っている。そういった中、日本では、官僚自身がシンクタンクの役割も一手に引き受けなければならない。

ある意味つらい状況で仕事をする官僚ですが、そんな環境にいる彼らは、第三者的な情報に渇望しているとも言えると思います。

だから、現状が変わらなかったからといって、パブリックコメントに答えるのは無駄ではないと思います。
今回の施策に反映はされないかもしれない。
ですが、この施策が見直されるとき、あるいは新たな別のプロジェクトが始まるとき、パブリックコメントの意見は少しずつ反映されてゆくものと思っています。

まあ、状況が劇的に変わらないので歯がゆいし、結局出来レースに外野から野次飛ばしているに過ぎない、というのは確かなので腹も立ったりしますが。

仮にパブコメが出来レースだとしても、
向こう(官僚の皆さん)が日本の宇宙計画全体をどう見ているのかなどわかりました。
「現行の法制度の中でしか動けない」との相手の返事を見ることで
こちら側も対応を考えられるなど良い面もあります。

こうしたキャッチボールを辛抱強く行わないと、何も変わりません。
いつか白馬に載った正義の使者が来るとは思わず自分で変えないと、
誰も現実を変えてくれません。

失礼

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