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2008.03.21

美しい画面表示をするWindows版Safari

Safari

 アップルからSafariというWebブラウザーが出ている。これまでMacOSX用だけだったが、3月18日に初のWindows用Safariのバージョン3.1が公開された。もちろん日本語対応版だ。

アップル Safari:このページからダウンロードできる。

 私はMac/Win共にFirefoxを使っているが、MacOSXではSafariも併用している。Windows版と同時に出たMacOSX版バージョン3.1を使ってみたのだが、これが滅法速い。

 これは…と思い、WIndows版をレッツノートにインストールしてみた。

 おお、これはいい。非常に高速だし、文字がきれいに表示される。動作も安定しているようだ。

 とりあえず画面比較。冒頭に掲載した画像がSafari。




Firefox


 これがFirefox。




Ie


 で、こちらがInternet Explorer6。画面の見やすさという点では、Safariが圧倒的に良い。動作速度は、Safari>Firefox>>IEという印象だ。

 アップルが独自のWebブラウザーを開発すると聞いた時には、ずいぶんと驚いたものだ。しかもFirefoxに合流せず、KHTMLという別個のレンダリングエンジンを採用すると聞いた時には、「なんでまたそんなことを」と感じた。いくら自前のブラウザーが欲しいといっても、プログラミングにかかる労力は半端ではないだろう。しかも、互換性で問題が出てくる可能性が高いのではないか。
 どうせなら一番ポピュラーなFirefoxのオープンソースに合流したほうが合理的ではないか(3/22記:この書き方は誤解を招くかもしれない。KHTMLはUNIX上にGUIを実装するオープンソースプロジェクト「KDE」の一部として動いているオープンソースプロジェクトだ。アップルもレンダリングエンジンは、オープンソースコミュニティから採用したわけである)。

 実際、MacOSX上の初期のSafariは、私にはいまひとつ使いにくかった。どこか思い通りに動いてくれなかったし、表示がおかしくなるページもあった。

 しかし「ソフトウエアはバージョン3になると使い物になる」という経験則通り、Safari3はぐっと使えるソフトとなっていた。で、満を持して3.1でWindows版が登場したというわけだ。

 Windows版Safariの画面を見ていると、なるほどアップルが独自にブラウザーを開発した意味が理解できる。こういう美しく読みやすい画面表示へのこだわりは、確かに自前のブラウザーでなければ実現できないだろう。

 当面、レッツノートでもFirefoxとSafariを併用することにする。私のレッツノートは画面が小さいので、読みやすい画面表示は非常にありがたい。

 こうなるとほとんど出番のないIE6は7にアップデートせずに、デリートしてしまいたいと思うのだが、困ったことにIEでないと利用できないサービスがまだ存在する。
 私の場合はWindows updateと、Gyaoだ。Windows updateはともかく、Gyaoはブラウザー非依存にしてもらいたいものだが、マイクロソフトの著作権管理技術はIEが前提となっているらしい。こういうことをやるから、MSはM$などといわれるのだ。

 ブラウザーをそのままではなく、Sleipnirのようなレンダリングエンジンを借用するタブブラウザーを使っている人も多いだろう。技術的に可能かどうかは分からないが、そのうちにSleipnirでもSafariのレンダリングエンジンを利用できればいいなと思う。

 とりあえず、IEとFirefox以外に特色ある選択肢が一つ増えたのは良いことだ。

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Comments

はじめまして。
某メーカでプログラマをやっておりますなるひこと申します。

松浦さんの宇宙関連の記事はいつも楽しみに判読しています。ときに、野尻抱介氏が言うように、ネガティブにすぎるように思うこともありますが、まあそれは一つの味として。
また、私は自転車は乗らないのですが、松浦さんの自転車ネタは大好きで、新ネタが公開されるのが楽しみです。

と、挨拶はこの程度にしまして。

OSS の事情通ではありませんが、その素人でも分かる指摘をしますと、KHTML は KDE プロジェクトの一部を成すオープンソースプロジェクトで、Apple が一から書いたわけではありません。
いや、松浦さんはお分かりなのかもしれませんが、上記の文章はそう読めるという話です。

また、これは蛇足に近い話ですが、Safari (AppleWebKit) 開発においては OSS コミュニティと少なからぬ確執があったことはよく知られております。
この点私も一次資料に当たれるほど詳しくないのでリンクなどは避けますが、いちおう情報まで。

Safari3.1は「最初のWindows正式版」で、そのいくつか前のバージョンからWindows版はすでに提供されておりましたんです。
■窓の杜 - 【NEWS】Apple、Windows版としては初の正式版となるWebブラウザー「Safari」v3.1を公開
http://www.forest.impress.co.jp/article/2008/03/19/safari31.html
■窓の杜 - 【NEWS】Apple、Mac OS X標準Webブラウザー「Safari」のWindows対応ベータ版を公開
http://www.forest.impress.co.jp/article/2007/06/12/safari3beta_en.html
取り急ぎ…。

 なるひこさん、今村さん、指摘ありがとうございます。記述を少し直しておきました。

 Win版Safariベータは知っていました。私自身はパソコンが動かないと死活問題なので、極力ベータを使わない、薦めないようにしています。

 ちょっと検索をかけてみましたがKHTMLを巡るコミュニティとアップルとの確執は、むしろ外野が騒いだという性質のものであるようですね。

マウスジェスチャーはあるのでしょうか?
これがないと、どんなブラウザも魅力半分です。

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