時事ネタ2つ
ちょっとだけ時事ネタを。
その1
慶大生が大麻不法所持で捕まった事件。大学近隣に住む友人の話だと、そういう連中がいるのではないかと数年前から噂になっていたとのこと。
噂になるということは、大学近辺でそれなりの不審な行動をしている学生が目撃されていたということなのだろう。
決定的に人格を破壊する覚醒剤やヘロインではなく、一説によればタバコより依存性が低いという大麻というあたりに、彼らの計算を感じる。「学生だからこれぐらいの逸脱はいいだろ」という計算を。
数年前から噂になっていたとすると、学生の時に吸っていたにもかかわらず、知らぬ顔で就職している先輩もいるということになる。今後そこまで捜査の手が及ぶかが、要注目点だろう。
その2
平塚の神奈川県立神田高校で、受験者の見た目で合否を決めていたという事件。
実は私の高校時代の恩師が、神田高校に勤務していたことがあった。クラス会で聞いた神田高校の実態はまさに底辺校そのもの。「とにかくな…」と恩師は言っていた。「ひたすら我慢なんだ。生徒が何をしても先生はひたすら我慢。『ああそうですか』と後始末をして、当たり前の顔をして学校を維持運営しなくちゃいけないんだ」
今回の事件の背景には、そうでもしなければ学校運営が成立しなくなるという、先生達のせっぱ詰まった危機感があったのだと想像する。
今、ただでさえ教師にかかる仕事の負荷は増えている。文部科学省が教育改革を行うたびに書類の仕事は増え、現場は書類作成に追い回されているのが実態だ。上からは書類書類とせっつかれ、現場の生徒は言うことを聞かず問題行動を起こしまくり、教師の数が増えるわけでもない。そんな状態で、学校運営を崩壊から救うには何ができるのか——正直、この件に関しては校長先生に同情してしまう。おそらく、見つかった場合の更迭も覚悟の上の決断だったのではないかと思う。
この件を難しくしているのは、「だからといって、見かけによる合否判断は許されることではない」という点。
見た目に問題のある生徒は、「認めて欲しい気持ち(自己顕示欲)」と「実際に認められた自分」との間にギャップを抱えている。子供は適度に認めてもらい、適度にたたきのめされることで成長する。認めてもらう体験が薄い子供は、見かけと行動で目立ち、自分を「ネガティブな存在として認めてもらおう」とするようになる。そんな彼らを見かけで合否判断すれば、「無視された」と感じ、ますます問題行動に走るようになる。
彼らが反社会的大人として成人すれば社会経済システムの損失となる。彼らを社会システムの中に呼び戻せば社会経済システムにとって労働力となる。
高校は彼らを、正常な社会システムの内部に呼び戻す最後の砦であることを期待されている。
問題は、任務を完遂するのに必要な人的時間的リソースが、高校側に与えられてなかったというところにある。
ここから先は神奈川県の松沢成文知事がどう判断するかだろう。知事の見識が問われる局面だ。神奈川新聞あたり、来年度の神田高校の教師の人数など報道してくれないだろうか。
以上2件、メディアに出ない情報を若干知り得たので。
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Comments
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> 彼らの計算を感じる。
そこまで考えていたかどうか……。単に機会 / 費用的に入手がもっとも容易なものに手を出しただけのような気もします。
Posted by: Juno | 2008.11.04 12:46 PM