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2009.01.16

巡音ルカを予約してしまった


 予約してしまった。



 以前も書いたかもしれないけれども、30歳の頃に描いた曲が5曲あって、それをぼつぼつと初音ミクに歌わせてはニコニコ動画にアップしている。今、3曲目をいじくっているが、この後の4曲目と5曲目には、ミク以外の声が必要になるのだ。

 少々早いが、ええい買ってしまえ、というわけ。



 5曲をアップし終えたら、当時スケッチだけ書いて、完成させなかった曲を作り上げようと思っている。これが3曲ほど。その後は、これまた当時、詩を選ぶだけ選んで、そのまま放置していたものにあらためて曲を付けてみようと思っている。半年に1曲のアップのペースで、一体どうなることやらではあるが。



 では、その次は…



 野望はある。まず、オーケストラ伴奏付きの歌曲。いや、歌曲というよりも、オーケストラと声の曲。できれば5つに分割したオーケストラが聴衆を囲むように配置され、音列技法かなにかを使って、思い切りかつてのアバンギャルドのような響きで、歌う詩はもちろんシュールレアリズム——というような曲だ。



 ピエール・ブーレーズに、「プリ・スロン・プリ」という曲がある。オーケストラにソプラノが付いて、ステファン・マラルメの詩を歌うという、1時間以上かかる大作だ。

 「プリ・スロン・プリ」の影響をうけたのかどうかは分からないが、武満徹にも、「ソプラノとオーケストラのための環礁」という曲がある。こちらの詩は大岡信。



 そんな曲を書いてみたい。詩は、西脇順三郎か、それとも滝口修造か。



 その先は、オペラだな。かつて、サン・テクジュペリの「星の王子さま」と「人間の土地」を混ぜて、オペラの台本を書きかけてほったらかしにしてあるので、まずはこれは完成させ、曲を書いてMIkuMikuDanceでボーカロイドにバーチャルオペラを演らせる。


 器楽は室内楽レベルに小さな編成。登場人物は男声3人に女声2人。男は、サン・テクジュペリ(僕)と、アンリ・ギヨメ、そしてジャン・メルモーズ。女は、王子様(中性の扱いとなる)、薔薇の花(コンスエロと一人二役)。サン・テクジュペリが、ナチスドイツ迫るパリで、「世界に対する愛情の不足の罪」で裁判にかけられるというシーンがクライマックスとなる(裁判官がメルモーズ、弁護士がギヨメなのだ)。



 …まあ、言うだけは自由だからね。

 それはさておき、朗々と響く声の男声ボーカロイドが欲しいな。クリプトン・フューチャー・メディアに対しては「藤山一郎ロイド」とか、「フランク永井ロイド」を希望するものである。


 色々毀誉褒貶はあれどブーレーズが20世紀を代表する大作曲家であり、同時に指揮者であることは間違いない。そんな人物だから、自作も何度となく録音しており、しかも録音毎に自作にも手を入れたりしている。私が四半世紀前に入手して、何度となく聞いたのは、この1969年の録音だった。

 この曲はソプラノの扱いもさりながら、オーケストラの鳴らし方も面白い。特に終曲の“墓”でのぎしぎしきしみながらカタストロフに突進する音楽は、20歳になったばかりの自分を魅了したものだった。若さ故の悩みに煩悶する若者を魅了する苦さにあふれている——とでも言いましょうか。



 武満徹というよりも、指揮の外山雄三の卓越した曲の解釈を聴くための一枚。外山は自らも作曲家だが、このCDでは指揮者として素晴らしい演奏を聴かせてくれる。

 このCDは武満の死後2年目の彼の命日、すなわち三回忌に発売された。おそらく外山は、友人であった武満に最高の演奏を手向けるべく、相当の覚悟を持って演奏に挑んだのだろう。譜面を徹底的に研究し抜いたという印象だ。名曲「地平線のドーリア」の演奏も素晴らしいが、なによりも、ろくに演奏される機会がない「環礁」で、心に沁みるような演奏をしているのは、天晴れというほかない。ソプラノの浜田理恵も、音程から発音に至るまで、完璧と形容できる声を披露している。

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Comments

ああ,今回もすばらしい盤をご紹介ありがとうございました.
2000年にWarner Classicsから出た
BBC Symphony Orchestra, Elizabeth Laurence, Phyllis Bryn-Julson
による版はiTMSにありました.

Pli selon Pli,響きが武満さんぽい部分がかなりありますね.
Boulezって,こんな人だったっけなあ,
ピアノ曲のトンガリまくりの印象が強いので.
いずれにしても,武満ファンにはなじみやすいです.
..ああ.Part5は,いかにもBoulezですね...

巡音ルカ,私も同様のことを考えていました.
詩が問題ですよね...
いま武満さんの対談集を読んでいますが,
彼はまわりにすばらしい詩人が沢山いたんですね.
うらやましい.

上のCDですが,録音はご紹介のEratoと同じものかもしれません.
キャストが全く同じですから.

月並みな感想ですが,
やっぱりBoulezはたいしたものだ
と思いました.
鋏で断つようなPart5の幕切れ のあと,
たまたま私のiTunesでは
Brian EnoのAmbient#1 Music for Airportsの
1/1になり,
-10℃の野外でたき火にあたっているような感じから
唐突に20℃の気温にジャンプしたかのごとき
空気の変化にしばし呆然としました

>巡音ルカ,私も同様のこと
 わ、これはやったもん勝ちか…まあ出来る人がやればいいのですね。

 本当だ。iTMSにプリ・スロン・プリは入っていますね。しかし、DRM付きの128bpsだな。
 アメリカではiTMSはすべてDRMなし、250kbpsになっているそうなので、はやいところ日本もそうなってもらいたいと思っています。

すばやいお返事で恐縮です.
iTMSでDRM付きの件ですが,確かにDRM無しの方がはるかに
便利ですし,128と250だと,かなり違うだろうと思います.
一方,Appleのほうでは,クラシックでメジャーレーベルだと,国別の対応で
面倒だろうなとおもいます.
インディーレーベルだと話速いですけどね.

やったもん勝ち.の件,松浦さんどうぞご遠慮なく
存分に作ってください.
私は,曲そのものよりも,Generative Music Systemを
作ることに興味があってやっているので
曲として出来上がるのは,いつになるやらわかりません.

ちょうどいま,雑誌“へるめす”の,
“オペラをつくる”という,武満さんと大江さんの対談を読んでいたところでしたので
いい偶然でした.

私もオペラは,苦手だったのですが
この対談の最終回,第3回では,
何もオペラになど,なりそうにない現代では
かえって全てがオペラになりうるという
逆説的な話がとても盛り上がります.

私は,日々,多かれ少なかれ逆境に立ち向かわざるを得ない若い人を
相手にしていますので,
この対談にでてくる,“時代に傷つけられる”,“一人の中に何人もの人間が”
というところがとてもアクチュアルに響きます.

武満さんは,ついにオペラを作ること無く亡くなってしまいますが,オペラは旋律を刻み付けないといけないのでそこが難しいですね(と,BoulezのLe visage nuptialを聞きながら思いました)

Pli Selon Pliの第2曲の
冒頭部分の楽譜がありました.

http://www.universaledition.com/truman/en_templates/view.php3?f_id=339

どひゃー,この拍子.w(゚o゚)w

Pli Selon Pliの第2曲の
冒頭部分の楽譜がありました.

http://www.universaledition.com/truman/en_templates/view.php3?f_id=339

どひゃー,この拍子.w(゚o゚)w

Pli Selon Pliの第2曲の
冒頭部分の楽譜がありました.

http://www.universaledition.com/truman/en_templates/view.php3?f_id=339

どひゃー,この拍子.w(゚o゚)w

Pli Selon Pliの第2曲の
冒頭部分の楽譜がありました.

http://www.universaledition.com/truman/en_templates/view.php3?f_id=339

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