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2009.03.31

nikkkeibp.jpに有人月探査の話を書いた

 nikkkeibp.jpに5回シリーズで、宇宙開発戦略本部における有人月探査の議論について書いた。

浮上した日本の有人月探査計画(1)足りない根源的議論、「なぜ月か」を示さず
浮上した日本の有人月探査計画(2)過去の経緯と矛盾する内容、浮かび上がる権限を巡る綱引き
浮上した日本の有人月探査計画(3)太陽系探査を放棄してまで、アメリカに追従するつもりなのか
浮上した日本の有人月探査計画(4)2足歩行人型ロボットに偶像以上の意味はない
浮上した日本の有人月探査計画(5)アメリカが「プログラム・オブ・プログラムズ」に復帰するかに注目せよ

 案の定、コメントは人型二足歩行ロボットを扱った第4回に集中してしまっている。私としては第3回に書いた科学探査との予算バランスの問題と、第5回に書いたアメリカが「プログラム・オブ・プログラムズ」に復帰するかという問題のほうが重要だと感じているのだが。

 この件については、笹本祐一さんが宇宙作家クラブのニュース掲示板に書いている。

宇宙作家クラブニュース掲示板:「No.1323 :月への遠い道 」と「No.1324 :最悪の選択」

 宇宙開発本部の資料も読めるようになっている。自分で読んでみて、その妥当性を自分で考えてみてほしい。

宇宙開発戦略本部 宇宙開発戦略専門調査会 第5回会合 議事次第

 5回を書き終えて思うのは、歴史を見れば組織改編の過渡期にありがちなことだが、日本の宇宙開発における意志決定が混乱している、ということである。このままなら現状維持は愚か、1955年のペンシルロケット以降に獲得したものをどんどんダメにしていき、後退していくこともあり得るだろう。

 おそらくは、物事をダメにする当事者達は、「自分たちがダメにしている」という自覚すらなく、「前に進んでいる」という実感と共に、ずぶずぶと沈んでいくのである。これもまた、歴史を振り返れば過去に何度もあったことなのだが。

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