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2009.07.31

テレビを見つつ、検索すると…

 以下、「何を今更」の話かもしれないが。

 仕事をする机には、小さな液晶テレビが置いてある。つけっぱなしにして仕事をすることもある。通常はニュースチャンネルかディスカバリー、ヒストリー、アニマルプラネットのドキュメンタリーチャンネルつけっぱなしなのだが、たまに地上波を流しっぱなしにすることもある。そんな環境で気が付いた。

 かけっぱなしにしているテレビから、何か気になるキーワードが聞こえて来た時、それで検索するとテレビ番組の進行よりも早く情報が手に入るのである。

 私の場合、仕事をしているパソコンは当然ネットにつないであるから、ちょっと原稿を書く手を休めて検索をかけると、テレビ番組の側が「さあ、いったんこの謎は何なんでしょーか?」とかなんとか言ってCMに入っている間に、もうCM後になにが写るかが分かってしまうのだ。

 具体例で行くと、例えばTBSの「世界ふしぎ発見」、「黒柳さんの答えは…」と番組がやっているうちに、答えが分かってしまう。それどころか、時折やらかす「未確定の学説をさも確定したことのように説明する」というのも、その場でばれてしまう。

 あるいは、テレビ東京の「出没!アド街ック天国」。「どこそこの名店です」とか紹介しているうちに、その店の住所から定休日、メニューやら名物の値段。それどころか、Google Mapで店の地図まで分かってしまう。

 考えてみれば当たり前の話だ。バラエティ情報番組は、多くの場合下請けプロダクションの製作で、毎回のネタだしといえばプロダクション社員や、バイト、外部ライターといった面子が、それこそネットを検索して調べている。ネタ元がネットであり、検索エンジンもGoogleであったり、Yahoo!であったりと共通なのだから、検索をかければ先回りして情報が分かるに決まっている。

 この傾向は、どうも「安易な番組作り」と無関係の、もっと本質的なことのように思われる。

 NHKの「ためしてガッテン」は、バックの調査チームがしっかりしているらしく、検索してもそうそう簡単には出てこないネタを扱っている。ところが、番組の再放送が終わると、過去の放送のページに要約が掲載される。これを読むと、5〜10分で番組の内容が分かってしまうのだ。もちろん、本番の番組は映像の力で分かりやすく見せてくれるというのはあるのだけれど、立川志の輔/山瀬まみの掛け合いに興味がなければ、テレビを見るよりずっと簡単、かつ素早く知識を得ることができる。

 そしてバラエティ情報番組でなくとも、例えばドキュメンタリーでも、登場した名前を検索すると、番組冒頭を見ただけで、本人のblogが読めてしまったりもする。それがまた、本人blogと番組のトーンが微妙にずれていたりして、「おうおう、演出しとるわい」ということが見えてしまう。

 テレビをつけて仕事をしているという環境は、そうはないだろうが、家庭に無線LANを導入し、ノートパソコンを使っている人はそれなりの数はいるだろう。ノーパソを膝に乗せてテレビに向かえば、これと同じ事ができる。
 最近ならば、ノートパソコンすらいらないかもしれない。iPhoneのような、ネットアクセス可能な携帯電話でも同じ事ができるはずだ(文字入力の速度が問題になるだろうが)。
 今はさほど使い勝手が良くはないようだが、ネット機能を持たせ、ブラウザーを搭載したテレビもある。とすると、テレビそのもので視聴中の検索ができるようになるかも知れない。それどころか、ネットで配信される番組表からキーワードを抽出し、事前に検索をかけてテレビ番組と同時に表示する機能なども考え得る。もっと進めば番組音声の解析で、検索キーワードを抽出することだってあり得るだろう。

 動画像コンテンツは、視聴者が一定時間ディスプレイの前に座ってもらい、見て貰わなければ成立しないものだが、今後は、「ちょいと膝の上で検索」「ちょこっと携帯で検索」を意識した上で、番組を作らねばならないことになる。

 そういえば「ニコ生」では、すでにそんな感じでつっこみの字幕が入るようになっている。

 それが、「いい」とか「悪い」とかは別にして、私たちがよく知っている「テレビ」という情報配信形態が終わりつつあるのは、間違いないと思う。

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Comments

「ちょこっと検索して正解の情報を見つけ出す」能力を持っていない人は意外と多いから、そういう人向けに「テレビ」は残っていく気もする

私もテレビ、新聞でランダムにキーワードを知り、ネットで調べるという方法を使ってます。その点画面で店舗名、社名が確認できるテレビは便利でもあります。(ただ英語表記がわからないためヒットしない場合もあります。)

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