ゴミとプライバシー、横浜市の例
知人のH.Nるてんしとさん(めもりーくりーなー等のフリーウエア作者)が、「横浜市がゴミ回収にあたって個人情報を収集している」という事実を発掘してきた。
横浜市がゴミ収集業務の一環として、2008年5月から、
- ゴミ袋を開けて、内容物の写真を撮影している
- 個人情報が特定できる書類などを、内容が読める状態の画像で記録している
- 収集された画像データは市の資源循環局の職員なら誰でも閲覧できる
- 横浜市は資源循環局の仕事を公募型指名競争入札で業務を委託している
るてんしとさんの記述からは、横浜市資源循環局がすべての回収ゴミの内容物を撮影をしているのかどうかは分からない。手間を考えると分別に誤りがあったゴミ袋のみを撮影していると考えるのが妥当だ。
おそらく、横浜市としては分別をきちんとしない者への注意喚起を狙ってこのようなことを行っているのだろう。が、これはかなりの問題含みだ。
なぜならばゴミはプライバシーの反映であるから。
ストーカーにとっても、ゴミを調べるというのは常套手段だ。それぐらいゴミはプライバシーを反映する。
その情報が市の資源循環局に蓄積されつつあり、しかも資源循環局の仕事は外部への委託が進んでいるという。情報の管理手法によってはデータ流出事件の発生を危惧しなくてはならない状況というわけだ。
この場合、画像は取得したとしても可能な限り早期に消去するのが筋だろう。分別のトラブルは例えばテキストデータとして「いつ、どこで、だれが」を記録するにしても、「どんなゴミを出しているか」の画像まで保存するのはまずい。
今回の例は、官による1984的情報管理というよりも、横浜市資源循環局が便利な仕事の手順を追求した結果なのだろう。しかし、だからといってプライバシーへの配慮を欠いてよいわけではない。
こういったことは他の自治体でも起きているのだろうか。自分もかなり大量の書類を扱う仕事をしている以上、シュレッダー必須と思い、アマゾンに注文をかけたのだった。
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