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2009.10.26

A-bike:タイヤチューブを交換する

 事の発端は7月の半ば、A-bikeに乗ろうとしたら、前輪の空気が抜けていた。ポンプで空気を入れても抜けてしまう。どうやらバルブの根本に穴が空いたようだ。
 もともとA-bikeのタイヤには空気を入れるときに少しバルブを横方向にこじる必要がある。このためバルブ根本でチューブが裂ける事があり得る。このことはmixiのA-bikeコミュで知っていた。
 やってしまったか。チューブを交換しなくてはならない。

 早速、A-bike販売元の香港のサイトにチューブを注文した。この時、ふと考えた。6インチの小さなタイヤのチューブ交換は、かなり大変らしい。交換途中でチューブを傷つけたらそこでおしまいだ。
 もうひとつ、送ってくるチューブはまず間違いなく大陸中国製だろう。となると、どんな品質のものが届くかわからない。

 というわけで、予備のさらに予備も含めてチューブを4本注文した。ほどなくチューブは届いたのだが、そこからが大変だったのである。


Tire1_2 まず、送ってきたチューブが、4本ともあまり信用できそうになかった。タイヤに装着せず、そのまま膨らますと。ドーナツ状にきれいに膨らまず、太いところや細いところができるのだ。あきらかにゴムの厚みが均等になっていない。
 しかも、バルブ部分にはなにやらさびのようなものが浮いている。バルブ部分が錆びるような環境で保管されていたとすると、チューブのゴムはもっと痛んでいる可能性があるだろう。

 これはまずいのではないか…。不良品だったらかなわない。

 イヤな予感を感じつつも、他に手段がないこともあり交換してみた。




Tire2_2 Tire3 Tire3_1

Tire4 6インチのタイヤをリムから外すのは、かなり大変だが、慣れればできないことではない。タイヤレバーを3本使い、格闘すること約30分で、外すことができた。チューブを交換してはめるのも一苦労だが、なんとかなるものだ。この時、私はミシュランだったかが無料で配っているタイヤレバーを使ったのだが、後でパナレーサーが販売しているタイヤレバーを使うと、より簡単にタイヤを外し、取り付けることができた。道具は選ぶべきである。

 チューブを交換したタイヤのチューブに空気を入れてみる。きちんと入る。やれやれ、不良品かと思ったが使えそうだ。これで良し。

 しかし、良くはなかったのだった。

 4本買ったチューブ。まずは1本目。

 交換してから一週間ほどしたある日、A-bikeを置いた玄関から、突如「ぷしゅー」と空気が抜ける音が聞こえた。チューブを交換したばかりの前輪の空気が抜けている。

 またも格闘30分の末にタイヤを外して調べると、チューブに小さな穴が空いていた。どうやら、ごく狭い部分でゴムの厚みが非常に薄くなっており(製造時に気泡でも入ったのではないだろうか)、そこが破れたことが判明。やはり、取り寄せたチューブの品質には問題がありそうだ。とはいえ、まだチューブは3本残っている。交換だ。

 そして2本目のチューブ。

 今度は1ヶ月ほど持ったが、ある日、空気が抜けているのを発見。また破れたかと思ったが、空気圧が低くなっているだけで完全には抜けていない。ポンプで空気を入れてみると、バルブ部分がダメになっていて、内部圧力がある程度以上になると空気を逃げてしまうことが判明。

 またも、大汗かいてタイヤを外し、3本目のチューブに交換。

 交換後、空気を入れてみると、なんとバルブから空気が漏れてくる。どうやら、バルブに何かが噛み込んでいるようだ。
 何が噛み込んでいるかはわからないがはずれないかと、空気を入れ、バルブから放出しを繰り返してみた。すると、そのうちに、バルブから、なにかどろどろの白濁した液体が出てくるではないか。
 どうやら、内部に少量のゴム糊のような液体が注入してあり、小さなパンク穴をふさぐようになっているらしい。しかし、その液体が内側からバルブに入り込んで固まり、バルブが完全に閉じなくなっていた。2本目のチューブのバルブがダメになった理由も、これと同じらしい。
 内部から強く空気を噴き出させたら、ゴム糊状液体をすべて排出できるか、と思いきり空気を入れたら、バチン…チューブが破裂した。内部からはかなりの量のべとつく白濁液体が飛び散り、部屋の掃除が大変だ。

 なんだが非常に情けない気分になる。

 残るチューブはあとひとつ。ところがこれも液体がバルブに入り込んでダメになっていた。もうチューブ破裂の危険は犯せない。新たにどこかからチューブを調達しなくてはならない。

 幸いにして、楽天でディアマイフレンドというショップが独自に製造したチューブを販売しているのを発見した。「中国製」と書いてあるが、背に腹は替えられない。日本側から品質管理の指導が入っていることを期待しつつ注文した。今度は2本だ。もう4本まとめて注文するような、あぶないことはできない。

 このチューブだ。1本900円なり。

 送ってきたチューブはといえば、香港から購入したチューブと全く異なるものだった。まず材質が違う。通常の自転車屋で売っているパナレーサーのチューブと同じ材質だ。香港からのチューブは生ゴムのようなさわり心地だった。
 中に妙な液体が封入されているようでもない。
 そして、空気を入れてみるときちんと均等に膨らむ。これなら大丈夫そうだ。

 とにかくタイヤを外してチューブを交換した。これでどうやら落着である。

 ところが、このディアマイフレンド製のチューブには、より一層の利点が存在した。A-bikeの走りがスムーズになり、乗り心地が良くなったのだ。自転車の性能は、かなりの部分をタイヤに依存するとは聞いていたが、前輪のチューブを交換するだけで体感できる乗り心地が一気に好くなったのにはびっくりしてしまう。
 今、残る後輪のチューブも、もう一本購入した新しいチューブに交換してしまおうかと思案している。

 今回のことをTwitterに書いたところ、実際に中国ビジネスに携わっていたり中国製品で様々な体験をされた方々から反応が返ってきた。
 曰く、「中国は、品質にうるさい日本には一番よい品質のモノを出してくる傾向がある」「他のアジア地域で中国製品を買うと、かなり悲しい目にあうこともある」「日本メーカーが中国で生産する場合、相当な力を入れて品質管理手法の指導を行う」、さらには「一方で国内の品質管理が空洞化しつつある」「中国は国を挙げて品質管理を強化しつつある」とも。

 当面、中国製品は日本に入ってきたものを買うのが良いようだ。香港あたりから個人輸入すべきではないのだろう。しかし、いつまでもそうだと思ってはいけない。
 かつて、Made in Japanが粗悪品の象徴だった時代があったことを思い出そう。
 そのうち我々がMade in Chinaを高品質の象徴としてこぞって買い求める時代が来ないとも限らない。遣唐使の時代がそうだったように。

 このディアマイフレンドでは通販でA-bike Plusを購入できる。その他、ギアやタイヤなどの部品も購入可能だ。今後も乗り続けることを考えると、タイヤやチューブ、強化部品などは、購入して保存しておいたほうがいいかも知れない。

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