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2009.10.18

呼びかけ:宇宙活動法にパブリックコメントを送ろう

 5月の宇宙基本計画へのパブリックコメント募集では、多数の意見が集まった。パブコメの制度を使えば、政府に物を言うことができる。

 現在、宇宙開発戦略本部が新たなパブリックコメントを募集している。締め切りは10月23日金曜日、題目は「宇宙活動法」である。

 このパブリックコメントは、前回の「宇宙基本計画」に対するものと同等、場合によってはそれ以上に重要なものだ。興味のある方は資料を読んで、是非ともパブコメを投稿して欲しい。宇宙に興味を持つならば、パブコメを宇宙開発戦略本部に送ろう。

 「宇宙活動に関する法制検討WG報告書」という、一見地味な内容へのパブコメがなぜ重要か? それは具体的に日本政府が行う宇宙関連政策を定める法律の関するパブコメだからである。

 宇宙基本法は、日本政府が宇宙開発政策において従うべき理念を定めている。理念を定める法律を「基本法」という。そこに記述されているのはあくまで理念であって、具体的な事項ではない。
 理念を政策として実体化したものは2つある。一つは「宇宙基本計画」、もう一つが今回のテーマとなる「宇宙活動法」だ。

「宇宙活動法」(仮称)は、宇宙開発にあたって、日本政府が行うべき施策を具体的に定めた法律となる。このような具体的なアクションを定めた法律を「実施法」という。基本法の理念を具体化し、法制度化したものが実施法だ。

 宇宙基本法と宇宙活動法は以下のような関係となる。

宇宙基本法 →理念を具体化→ 宇宙活動法
(基本法)             (実施法)
理念を規定          政策・制度を規定

 宇宙基本法は、理念であり、この段階ではまだ柔軟な文面の読替が可能である。しかし、実施法の宇宙活動法は、政策制度について個別かつ厳密に規定することになる。

 具体的な制度が、決まるのだから、宇宙活動法は今後の日本の宇宙政策に大変大きな影響を与える法律なのだ。

 パブコメを書くに当たっての資料は、以下に公開されている。

 これについての解説は、次の記事で行うことにする。まずはこの文章を読んでもらいたい。

 実は、この「宇宙活動に関する法制度検討ワーキンググループ」の議論は、傍聴などの公開なし、一般メディアへの事後レクチャーもなしという閉鎖的な環境で実施された。記者クラブは事後レクチャーを要求したそうだが、事務局は突っぱねたという。

 それどころか、宇宙開発戦略本部事務局は、ワーキンググループの委員に「他言無用」と箝口令まで敷いた。

 そうまでして秘匿した理由は、私には分からない。推測ではあるが、現在の宇宙開発戦略本部事務局は経済産業省出身の官僚が仕切っているので、産業政策に直接関連する宇宙活動法の制定の議論に外からの意見が入るのを避けたかったのかもしれない。

 その一方で、事務局はかなりあちこちを回って宇宙産業関係者のヒアリングに努めていたことも事実である。

 いずれにせよ、議論を避ける姿勢はあまり褒められたものではない。


 きちんと資料を読んで、自分の意見を政府に届けよう。パブリックコメント制度を活用すれば、政府に自分の意見を届けることができるのだ。

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