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2010.03.30

宇宙開発戦略本部、今後の宇宙政策の在り方に関する有識者会議第4回会合 泉内閣府副大臣記者レクチャー

 宇宙開発戦略本部の有識者会議は、4月2日と3日の2日間にわたって、東大・本郷キャンパスで宇宙開発関係者約100人を集めた大規模なタスクフォース会合を開催する。おそらく秋山委員が書いていた「また実際に今、もちっと大規模にがっちりと、まとめてヒアリングを行う予定も立てている。」というのは、このことだろう。

 100人規模を一気に集めて、意見集約が可能なのかとか、運営を間違えたら有識者委員のつるし上げにならないか、など危惧はあるものの、有識者会議には、これまでの宇宙開発戦略本部の一連の会合が醸し出していた「前に進まないぐだぐだ感」とは全く無縁の、スピーディに事を運ぼうとする意志があることがはっきりしてきた。

 とにかく動きが速い。提出資料の作成が間に合わないぐらいの速度(本日提出資料の日付に注目)で、有識者会議は、宇宙開発体制の刷新を具体的に提案するところまで持っていこうとしている。焦点は民主党の新成長戦略の中に、宇宙開発を入れ込み、位置づけることができるかどうかというところにある。当然、その中には宇宙庁創設を含む体制刷新も含まれることになる。

 以下、おそらく明日には宇宙開発戦略本部HPに掲載されるだろうが、ブリーフィングで配布された、第4回会合提出の資料である。





 以下はブリーフィングの内容と質疑応答だ。同じブリーフィングに出席していた大塚実さんによる記事はこちら:今後の宇宙政策の在り方に関する有識者会議 第4回会合(大塚実の取材日記)

3/31朝、追記:秋山委員が、直接下記のメモにある疑問に答えている


宇宙開発戦略本部、今後の宇宙政策の在り方に関する有識者会議第4回会合
泉内閣府副大臣記者レクチャー

2010年3月30日午後5時40分~  

 やや遅れて午後5時53分、泉副大臣登場

 今日の会合では、新成長戦略関係と今後の有識者会議のタイムテーブルに時間を費やした。自分自身は都合があって後半から参加したので、前半の議論を直接聞いてはいないが、説明を受けている。

 宇宙開発を新成長戦略に掲載するあたって、現在は各官庁から直接アイテムが、新成長戦略を策定する国家戦略局に届いている。しかし、宇宙開発戦略本部で一括してまとめ、整合性を取ってから国家戦略局に出すべきではないかと有識者から意見が出て、政務三役もそれを了承した。

 有識者会議に旗振り役になって、専門家100人規模のタスクフォース会合を4月2日と3日に、東京大学・本郷キャンパスで開催する。これは政府会合ではなく、有識者会議がこの新成長戦略に入れ込む宇宙分野を仕上げていくための取り組みである。有識者会議が自主的に開催するという形を取る。政府会合ではない。

 タスクフォース会合の開催を、政務三役も了承した。その会合を経てなんらかのペーパーが上がってくるので、それをさらに有識者会合で議論して、新成長戦略に入れ込んでいく。

 今後の有識者会議のスケジュールは以下の通り・
 4/6日本の宇宙開発体制を議論する。
 4/13新成長戦略についての提言の案を、タスクフォース会合をふまえて議論する。
 4/20最終的な有識者会合の提言書を出す。

以下質疑応答

朝日新聞
 タスクフォース会合の役割について。各省からの新成長戦略をここでまとめるのか。100人のメンバーはどうやって選んだのか。

 メンバーについては、まだ名前を出せる段階ではない。JAXA、研究者、企業、省庁担当者など。人選は有識者会議が行っている。政務三役ではない。タスクフォース会合の役割は、国家戦略局に上がってきている各省庁提案ををどうまとめるか、と理解していただきたい。

読売新聞
 タスクフォース会合について。松井座長の資料によると、中長期と短期で戦略を議論する場を分けている。有識者会議が中長期戦略を議論し、100人のタスクフォース会合が短期的な戦略の議論を行うということでいいのか。

そうだ。

NHK
 4/6の有識者会議では、宇宙開発の体制については有識者会合メンバーに案を提示してもらって議論するのか。

 そうだ。最終的な提言には、「宇宙開発体制をこうすべき」という内容が入ると思う。

東京新聞
 今後の宇宙開発戦略本部の開催の予定について。内閣成立以降、閣僚をメンバーとする宇宙開発戦略本部会合そのものが開催されていない。前回話していた副大臣政務官による会合の開催予定はあるか。

 まだ決まっていないが、議論の進展をみて決める。5月より前には開催したい。
 まだ、4/20の有識者会議のゴールを受けて、本部会合を開くということにはなっていない。どこかのタイミングで開催する必要はあるが、どこまで色々な課題を課題を積み増す(戦略本部会合にはかるという意味)かということになる。

以下はぶら下がり取材の一部。応対は宇宙開発戦略本部の横田審議官。

 タスクフォース会合は非公開。我々も会合の実際をイメージできていない。3日は「月探査ナショナルミーティング」と重なるから我々では開催できませんよ。我々もタスクフォース会合に呼ばれてますから、誰かは行かなければなりませんが…

 まさに大学の先生達が意見を集約するために(タスクフォース会合のような)そのような形をとったということで、我々とやり方が大分違うんですが、先生達がそういう方法を選んだということです。

(タスクフォース会合は非公開か)非公開です。それぞれに立場のある方たちに、立場を離れた議論をお願いするので。

 (ミーティングの費用、出席者交通費は?)一定の場で作るというのは有識者会議が作るわけですが、100名の交通費などは出せませんから…(松浦注:歯切れが悪い。事実関係を押さえていないのかも知れない)

(タスクフォース会合の位置付けがよくわからないのですか…)いや、議論するのだと思いますよ。

(タスクフォース会合の開催は松井座長の提案ですか)有識者の方々ですね。座長は少なくともいらっしゃるでしょう。

(タスクフォース会合の内容についてのブリーフィングはありますか)いずれ皆さんにご連絡できるようにしたいと思います。

(政務官は、タスクフォース会合に出席しないんですか)私、出るという話は聞いてないですけれど…

(有識者の方々は月探査ナショナルミーティングには出ない、ということですか)月探査ナショナルミーティングはビデオストリーミングも流れるでしょうし…私もよく分かりません。

(同時開催はやめてくれ、と、事務方が言うべきではないですか)皆さん、そう言ってくださいよ。

松浦注:全体に、事務局の官僚側は、かなり困惑している様子。

 終了後の、記者の雑談。「我々もどっちに取材に行くかで踏み絵を踏まされるんかねえ」

3/31朝、追記:上記疑問について秋山委員が自分のブログで直接解答している。参照のこと。
 特に以下の発言は重要だと思う。

 今回の変革で日本の宇宙開発を変えられないともはや日本の宇宙開発は変われない、世界の中での地位回復はあり得ない、宇宙開発からの否応無しの撤退も見えてきてしまう。そんな風に我々は考えています。その為に、座長を中心として、背水の陣で進めています。
 重要な事は何かといえば、先にも書いた「意識の統一」です。日本の宇宙開発はこのままではまずい。それを救う方向性はこっちだ、というのをみんなで意識共有し、それに向かって進んでいく機運を作る。実はこれこそが、タスクフォース会合の真の意義でもある、と私は考えています。


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