はやぶさ2に向けて
ただいまアリススプリングスの宿にいる。はやぶさ再突入帰還カプセルの余韻にひたったまま、15日はアリススプリングス郊外にあるヘンブリー・クレーターを見に行ってきた。約5000年前に落ちた隕石によってできたクレーターだが、衝突直前に割れたことで大小10数個のクレーター群を形成している。雨のたびに土砂が流れ込み、内部には樹木が生い茂り、鳥とバッタの楽園になっていた。
日本では、はやぶさ2推進のためのネット署名が始まっている。こういう動きが自発的かつ既存の関係者(自分も含めて)以外のところから出てくるのはいいことだと思う。
管首相が、はやぶさ2予算に含みを持たせた発言を参議院でしたそうだが、それも一般が盛り上がったればこそだろう。一般が声をあげることはとても大切だ。私も一国民として署名をした。
これで「はやぶさ2」がつぶれるようなことがあったら、JAXAは国と国民の両方から信頼を失うことになるんじゃないだろうか。
そして、こちらのパブリックコメントの締め切りも迫ってきている。
・「「月探査に関する懇談会 報告書(案)」に対する意見、及び「ロボット月探査の計画の愛称」の募集について 」 6月17日木曜日必着。 t
宇宙開発戦略本部に意見をもの申すチャンスだ。「見当はずれのことを言ってしまうのではないか」「自分が意見を出したところで事態は変わらない」などと考えず、どんどん意見を出そう。
私の見方は週刊ダイヤモンドに書いた通り。「アメリカについていくつもりで懇談会作ったはいいけれど、アメリカが有人月探査をやらないって言ったのに、自分だけ月に行こうとして、もはや存在しないアメリカの計画に付き従おうとするのは滑稽だ」というもの。
月の科学探査には意味がある。これは間違いない。しかし、月の資源とか将来の宇宙開発の拠点とか言われると???となってしまう。
はやぶさが示したのは、国民がきちんと興味を持てばそれを国もJAXAも無視できないということだった。
まずは声を上げることからだ。
« 見たぞ、はやぶさの凱旋(確定版) | Main | はやぶさ2にむけて:最後の障壁は身内にあり…か »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 安倍晋三氏追悼、及びその分析/政治に巣くうカルトについて——明日は選挙です。投票に行きましょう。(2022.07.09)
- ブログの蜘蛛の巣を払った(2022.04.02)
- 東峰神社に行ってきた(2016.01.13)
- あけましておめでとうございますと、年末の災難からの復帰(2016.01.01)
- 石碑建立(2011.07.21)
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 種子島のロケット焼き(2010.08.21)
- 2003年5月9日・内之浦(2010.07.03)
- 2003年5月7日・内之浦(2010.07.02)
- はやぶさ2に向けて(2010.06.16)
- 見たぞ、はやぶさの凱旋(確定版)(2010.06.14)
「はやぶさリンク」カテゴリの記事
- 【宣伝】12月18日火曜日、午後8時からニコ生ロフトチャンネルで放送を行います(2012.12.18)
- 宣伝:小惑星探査機「はやぶさ」大図鑑、発売中(2012.08.16)
- 【宣伝】4月15日(日曜日)、 『飛べ!「はやぶさ」小惑星探査機60億キロ奇跡の大冒険』朗読会があります。(2012.04.05)
- 川口コメントに追加あり(2011.12.16)
- 川口淳一郎プロマネのコメントが出た(2011.12.13)
Comments
The comments to this entry are closed.
TrackBack
Listed below are links to weblogs that reference はやぶさ2に向けて:
» 「はやぶさ2」は推進へ? [Kyan's BLOG IV]
はやぶさ:後継機「2」開発推進へ 参院本会議で菅首相 - 毎日jp をぃをぃ(^^; スパコンも復活しましたが,この政権は国民が声を上げればいうことを聞くのか? 仕分けってなんだったんだろう? これで...... [Read More]
「はやぶさ」の帰還を心から祝福する。しかし、
宇宙開発の予算を大幅に削った腐敗・民主党には、夢も希望も持てない。
子ども手当などの税金のバラマキの10%でも充てれば十分の科学技術予算が得られる。
Posted by: 左巻き菅 | 2010.06.16 10:45 AM
国と国民から信頼を失うのは、民主党のほうではありませんか?
JAXAは「はやぶさ2」をやりたくて仕方ないのに、その予算を削ったのは、民主党政権ですから。
Posted by: さざなみ | 2010.06.16 09:11 PM
松浦様、ご紹介、ご署名ありがとうございます。
署名された多くの方が訴えるように、はやぶさの、ISASの活躍は
私を含め多くの国民の励みとなりました。
はやぶさ2の予算増額嘆願署名となっていますが、署名という形で
多くの方の宇宙開発への想いを、応援する気持ちをJAXAや政府へ
届ける事が出来ればと思います。
目標の100万件にはまだまだ遠いですが、引き続き宜しくお願いします。
Posted by: 城 大介 | 2010.06.16 11:26 PM
さざなみさん,その他ネット上で多くの方が誤解されているようですが
>JAXAは「はやぶさ2」をやりたくて仕方ないのに
は語弊があります.
政府はJAXA全体の予算総額を決めるのであり,その総額においてはやぶさに予算をまわさないのは,主に筑波JAXA側の内部判断によるものです.JAXAは大きな内部矛盾を抱えています.
筑波JAXAは月面基地など,何千人もの雇用を生む大型のミッションに莫大な資金を投じることしか考えておらず,少数先鋭の研究者でやってしまう「はやぶさ」のような相模原JAXAのミッションには冷たい態度です.
検討費用が17億円から3000万円に減らされたのは,筑波サイドの人間が要らない,と内部で決定してしまったからです.これは政府の問題ではなく,JAXAのheadquaterの問題なのです.おわかりいただけないでしょうか.
Posted by: MUSES-D | 2010.06.17 12:10 AM