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2010.07.17

惑星協会の素晴らしい画像、そして訂正です

 アメリカの惑星協会から、素晴らしい画像が公開された。これまでに人類が探査機を送り込んで観測した小惑星・彗星を同縮尺で1枚の画像にまとめたものだ。同協会のブログライター、 Emily Lakdawallaさんの手によるものである。

Asteroidscomets



All asteroids and comets visited by spacecraft as of June 2010

Credits: Montage by Emily Lakdawalla. Ida, Dactyl, Braille, Annefrank, Gaspra, Borrelly: NASA / JPL / Ted Stryk. Steins: ESA / OSIRIS team. Eros: NASA / JHUAPL. Itokawa: ISAS / JAXA / Emily Lakdawalla. Mathilde: NASA / JHUAPL / Ted Stryk. Lutetia: ESA / OSIRIS team / Emily Lakdawalla. Halley:: Russian Academy of Sciences / Ted Stryk. Tempel 1: NASA / JPL / UMD. Wild 2: NASA / JPL.



 おお、ルテティアはでかいなあ。イトカワは小さいぞ、などと見ていてえらいことに気がついた。
「しまった、ディープスペース1と、スターダストを忘れていた!」

 ロゼッタのルテティア観測成功、探査機による小惑星観測の歴史でまとめた、小惑星観測記録に、アメリカのディープスペース1スターダストの両探査機による観測を入れるのを失念していたのである。

 ディープスペース1は、1999年7月29日に小惑星ブライユに接近観測を行っている。最接近距離26kmという近接通過だったが、機器のトラブルで十分な観測は出来なかった。

 スターダストは、2002年11月2日には小惑星アンネフランクに3079kmまで接近し、観測を行っている。

 とりいそぎ、リストの部分の訂正を以下に掲載する。当該記事も今日明日中に修整版をアップすることにする。
 どうも申し訳ありませんでした。

  1. ガスプラ(ガリレオによるフライバイ観測:1991年)
  2. イダ/ダクティル(ガリレオによるフライバイ観測:1993年)
  3. マティルド(NEARシューメーカーによるフライバイ観測:1997年)
  4. ブライユ(ディープスペース1によるフライバイ観測:1999年)
  5. マサースキー(カッシーニによる遠距離フライバイ観測:2000年)
  6. エロス(NEARシューメーカーによるランデブー観測:2000〜2001年)
  7. アンネフランク(スターダストによるフライバイ観測:2002年)
  8. イトカワ(はやぶさによるランデブー観測:2005年)
  9. APL(ニュー・ホライズンズによる遠距離フライバイ観測:2006年)
  10. シュテインス(ロゼッタによるフライバイ観測:2008年)
  11. ルテティア(ロゼッタによるフライバイ観測:2010年)

 というわけで、「ここまでで9個。接近観測に限ると7個(イダの衛星ダクティルを数に入れると8個)。」という記述は「ここまでで11個。接近観測に限ると9個(イダの衛星ダクティルを数に入れると10個)。」ということになる。ランデブー観測が、エロスとイトカワだけというのは変わらない。

 しかし…スターダストの観測は覚えていたはずなのだが、どうして入れなかったのだろう。ディープスペース1の観測はすっかり忘れていた。

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Comments

この写真は有意義です。web上で見る写真はどの小惑星も同じサイズなので
テキストで大きさの記述があっても大きさの差がピンときませんでした。

ルテティアは写真では大きいけれど小惑星帯で一番大きいケレスはその10倍
イトカワは小さいけれど観測網が困難なもっと小さい小惑星も多くあります。
宇宙を計るスケールは広い幅を要求されますね。人間の器も同じこと。

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