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2010.08.30

はやぶさ後継機、平成23年度予算概算要求に29億8700万円

 文部科学省の平成23年度概算要求が公開された。


 事前に報道されていた通り、はやぶさ後継機には29億8700万円の要求が出ている。
 以下の科学技術・学術政策局、研究振興局、研究開発局の資料に記載されている。

 要求の項目は、当然のことながら、宇宙開発戦略本部の当面の宇宙政策の推進について(pdfファイル)に沿っている。

 ただし、ここでも文書内には「はやぶさ後継機」と記載されており、「はやぶさ2」とは書いていない。また、2014年度打ち上げとも書いていない。つまり、国の施策としてはやぶさ後継機を推進することは決まったが、それがはやぶさ2であるかどうかは、文書上、まだあいまいにされている。宇宙開発委員会での審査を行った以上、はやぶさ2以外は事実上あり得ないが、まだまだ何が起きても私は驚かないであろう。
 文科省の要求段階で、はやぶさ2が潰される事態は回避された。それにしても2014年打ち上げにはぎりぎりだ。はやぶさが宇宙空間でたどった苦難の旅を、はやぶさ2は計画段階でなぞっているかのようだ。

 その他では、小型固体ロケット「イプシロン」の開発に38億円、HTV-R(公文書では「回収機能付加型宇宙ステーション補給機」という名前になっている)の研究開発に5億円が付いている。

 大塚実の取材日記に、本日30日開催のサンプル分析に関するブリーフィングが掲載されている。


 分析作業はじりじりと這うようにして進んでいる様子。サンプル採取の可能性が高いB室の検査は10月半ばになるとのこと。

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Comments

はやぶさの追跡!AtoZは
9月1日(水)午前1時05分~(火曜深夜)に
再放送があります

「はやぶさ」に関して感じることは、政治に対する世論の影響は予想以上に大きいということ。これは諸刃の剣ですね。熱しやすく冷めやすいとか、豹変しがちだとか・・。宇宙開発の極めてリスキーな側面を理解した上での応援が、ずっと続くとよいのですが。何にしても、宇宙開発に携わる方々のオープンな姿勢が、ますます重要になってくるように思われます。

あくまで憶測ですが、「はやぶさ後継機」とした元資料を作成したのはJAXA、もっと言えばISASかもしれませんよ。つまり、「はやぶさ2」と書いてしまうと、下手すると「はやぶさMk2」の可能性を潰しかねません。つまり、逆に自分たちの首を絞めてしまいます。要は「はやぶさ」の継承が何らかの形でなされれば良しとする戦略ではないでしょうか。それこそ、この手の表現方法は、松浦さんがしばしば解説されているお役所文書に見られるように思います。

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