自転車2.0/3.0を思いついた背景
もうちょっと軟らかく、自転車2.0/3.0のことを。
基本的には自転車とリカンベントの両方に乗って、けっこうな性格の違いを感じている中から出て来た発想なのだが、最後にぐいっと後押ししたのがこれだった。
これはカナダのVarna handcycleという会社が作った、人力速度記録車「Verna Tenpst」という車両だ。男子人力一人乗り、200m区間というカテゴリーで、2012年8月現在、133.28km/hという記録を持っている。地上最速の人力車両だ。
「これにモーターアシストつけたらすごいことにならないか」と思ってしまったのである。
もちろんレコードブレイカーは公道を走る車両と色々違うから、そう簡単な話でもないのだけれど、それでもぎりぎりまで抵抗を減らすと人一人のパワーだけでもここまで速度を出せるということに感激し、それを一般化するにはどうすればいいかと思った時に、電動アシストという解が浮上してきたのだった。
背景には、ここ数年、せっせと湘南平へヒルクライムに通っていたということもある。湘南平は、湘南海岸大磯にある小高い山の上の公園で、ふもとから公園まで上る1.5kmほどの急坂が、自転車のヒルクライマーたちの練習場所になっている。ある日ぜいぜい息を切らしつつ上っていると、おばちゃんの乗った電動アシストのママチャリが軽やかに私を抜いて上っていったのだ。
くやしいよりも、「おお、電動アシストやるじゃないか」と思ってしまった。
そうして情報を集めてみると、電動アシストはけっこうつかえる技術であり、にもかかわらず今の日本で、電動アシスト自転車が中高年向けなのは、警察の規制が、そのように仕向けているからだということが分かってきた。
なんともったいない。警察の規制を取っ払い、リカンベントにでも取り付けたらこれは、原付よりも使える乗り物になるかも知れない。それどころか、ベロモービルに付ければ自動車よりも省エネで自動車並みに使えるものになるかもだ。
そこであれこれ考え、調べ、コンセプトとして練り上げたのが自転車2.0/3.0というわけなのである。
この本は売れないと悲しいので、もう一度アマゾンへのリンクを張っておく。ステマ:ステルスマーケティングに対してモロマという言葉があるそうだが、この場合はなんというのだろう。
ともかく、本というのはまずは「そういう本が存在するよ」というフラグが人々の間に広まらないと手にもとってもらえないのである。
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